異世界に転移したら魔術師団長のペットになりました

ことり

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しあわせ

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ここからはダイジェストでお届けします。

というのも、様々な快楽を教え込まれすぎて、キャパオーバーを起こしたからデス。はい。

ある時はバックでセスを受け入れながらジュードのアレを…ん?後ろから俺を突いていたのはジュードだっけ?四つん這いになってる時、俺の背中で魔術式のメモ取ってたのはジュードだよな?

とにかく初めてのフェラチオをして自分がイってしまったり、顔射されてうっとりしたり、騎乗位で乱れたり、拘束されて責められると感度が上がることを発見されたり、一晩中大変だった。
もうとっくに虹色魔石の量産終わってるから、そこにある石全部魔石だから、と声を大にして言いたい。

でも、それぞれが一度だけ囁いた、『愛している』という声は、はっきりと覚えている。
体で覚えろと悪い笑みを浮かべたジュードの顔も、こんなにかわいがっているのに、わからないはずがないですよね?と眇めたセスの瞳の煌めきも、俺にとって最高の宝物だ。たとえ白濁の海に溺れそうでも、俺はとても幸せだった。

以上、村上蒼夜がお届けしました。



「……ん……んふ、くすぐったい…」

顔中に降るキスが心地よくてうれしくて、目を開けないままにやにやしながら覚醒した。よほどしまりのない顔だったのか、ぷっと笑った吐息が唇を啄んで、離れようとする。
自分から首に腕を回して抱き着いて、「ジュード」と呼びかけると、片手でしっかり抱きとめてくれた。うん、幸せ。俺が猫だったら、盛大にゴロゴロ喉が鳴っているだろう。

「身体はなんともないか」

「…うん」

ジュードの重低音が、こんなにも甘ったるくなることにいささかダメージを負ったけど、体の方はぴんぴんしていた。セスがいつものきれいになる魔法、『清潔魔法』と呼んでるらしいそれをかけてくれたのと、ジュードが『治癒魔法』というのを使ってくれたのをなんとなく覚えている。

「魔法って、すごいね」

「お前もできるようになるぞ?魔力量は十分あるからな…部屋がきれいになるのを覚えてくれ」

「ぷっ、なにそれ」

そういえば窓枠とか本棚とか、ホコリがたまってたっけ。

「掃除の人、入れたりしないの?」

「貴重な素材とか道具もあるしな…今後はお前に任せる」

ジュードが覆いかぶさってきて、夜の色を湛えた瞳にじっと見つめられる。体重を乗せて抱きしめ直されて、泣きたくなるくらいの安心感と幸福感が満ちてきた。

「俺…ここに住むの?」

「いやか?」

「や、じゃない…うれしい…ん…っ」

会話の合間に何度も軽いキスを重ねて、最後は深く合わせてゆっくりと舌を絡ませた。
息継ぎの時に「ちゃんと毎日帰ってくる?」と問いかけたら、ジュードは「ああ」と腰が蕩けるような声で笑って、俺の鼻のてっぺんに音を立てて口づけた。

「ね、セスは?」

朝方気絶するように、川の字になっていたはずのセスがいない。
セスがいたあたりのシーツの冷たさから、もうとっくに起きて活動しているのかもしれない。
そもそも今何時なのか、天蓋の幕が下りててよくわからなかった。

「セスは徹夜明けの実務部の指揮をとってる。魔石を溶かして陣を描く塗料を作ったり……なんだよ、その目は。俺だって最初は指示しに行ったんだぞ?」

「へーえ?あっ、やん、くすぐった…あはっ」

徹夜明けの皆さんお疲れ様です。あなたたちの団長はサボっていますよー。

という疑いの目をした俺へのお仕置きのように、脇腹をくすぐったジュードは、身もだえてはだけたシャツの隙間から胸元へと唇を落とした。ちゅっ、ちゅっ、と肌を軽く吸われるだけで、小さな灯りをともされるように悦楽がくすぶり始める。

「セスと俺の魔力が見たこともない虹色になってるだろ?そしたらどうなると思うよ」

「ン…っ、ふふふっ、それって…あっ!」

「ライラなんて眠気も吹っ飛んだ顔で『わー、団長と副団長、ヤったんですかぁ~?どっちが上~?』ってきらっきらした目で聞いてきやがるし…ヤってねえから!」

想像して笑い転げる俺を上手に押さえつけ、ジュードの手や唇はだんだん際どいところに触れてくる。一晩中、ジュードかセスのどちらかが入っていた後孔は、治癒の甲斐あって傷ついても開いてもいないけど、指先でつんつんされただけで奥まで響くように疼いた。

「だめ、ジュード、もうムリだよ…っ」

とは言いつつ、中が欲しがっているのが自分でわかるので、押しのける手に力が入らない。でも昨夜の今朝で、勃ったり出たりするのか疑問だ。あ、入れられただけで射精もせずにイけちゃう俺は論外ね。

「笑った罰だ。このまま入れてやる」

どうしよう。このひどい男の、悪い笑顔が好きすぎる。
ニッと口の端を上げられただけでへにょっと力が抜けた。慣らしてなくても、濡れてなくても、ジュードが欲しくて体がほどけていく。

「うそ、ジュード、かたい…あ、どんだけっ…やぁん」

あんなにしたのに、まだできるのが信じられない。
しかも先端のぬめりだけで押し入ってきてるのに、気持ちよさしか感じてない俺も意味わかんない。

「ふぅ…っ、ココはもう、俺の巣だ。わかるだろ?」

そっか。俺はジュードの家なのか。だからこんな簡単に開いちゃうのか。
いかん、頬までだらしなく緩んでしまう。

「んっ、ぁん、もっと、きて…奥…ッ…」

「ああ…いやらしい顔して、かわいいな。お前の中も、すごいうねって、誘いこんでくる」

「あっ、あ!ジュードぉ…っ」

ゆっくり入ってきたジュードに最奥をとん、と突かれて、軽く達してしまった。
羞恥で顔を赤くすれば、「もっと感じていい」と見透かした低音が唆す。
見つめ合って、何度も口づけながら、浅く、深く、貫いてくるジュードを受け入れた。
心も体も一緒に高まっていくのがはっきりわかって、俺は素直に淫らな声を上げてしまう。

「はぁん、ああっ!イイ…そこ、ジュード、気持ちい…っ、あん、あぁ…っ」

またイっちゃいそう、と思ったところで、世界がばっと明るくなった。視界の端に、天蓋の幕を勢いよく開けたライラが、満面の笑みで立っているのが見える。

は?ライラ?

「おっはよー、ソーヤちゃん!ライラだよ!!」

「?!…っあ!」

「くくっ、ばか、蒼夜、締めすぎだ…もげるだろ」

気づいていたのか、ジュードはさしたる動揺もせず、笑いながら緊張に力んだ俺の尻を撫でた。
え、もげたら困る、じゃなくて待って。あっ、だから腰動かさないで。
もうイく寸前だったから、感じてしまうのが止められない。

「やっ、ジュード待って、やだ、ん、んっ、あぁ…っ」

ライラに見られてるのに、声も抑えられない。
顔だけでも見られないように腕を上げたら、ジュードに捕まれて押さえつけられた。こんなのひどい。ひどすぎる。

「ソーヤちゃん気持ちよさそうな顔して…かわいいねえ~」

「おさわり厳禁だぞ。なんか用か、ライラ」

ぐいぐい腰を回しながら、普通に会話しないでほしい。
くそ、締めてやる。ありったけのケツ筋ふり絞ってもいでやる。

「あぁっ、あん、み、見るのも…ッ、禁止で…も、おねが…」

だめでした。もいでやる作戦、失敗。
俺が気持ちよくなっただけでした。

「団長室のドアから、おひさまみたいな魔力が漏れててさ、もったいないから分けてほしいなって」

そう言ってライラは、小さな巾着袋の中から灰色の小石を取り出した。
ベッドの上に転がすと、それは俺とジュードの混じり合った魔力を浴びて、優しい木漏れ日のような色に染まる。「きれいだねえ」と笑うライラが通常運転過ぎて、羞恥で爆発しそうな俺の方がおかしいのかと疑ってしまう。

「終わったらさっさと行け。俺の蒼夜が泣いちゃうだろ」

「ごめんごめん、ソーヤちゃんおじゃま!今度あたしともしようね~」

「却下」

ライラはおひさま色の魔石を拾って、あっさりと手を振って去っていった。
俺はもう気絶寸前だ。

「う~~~~~~~!!」

とりあえず、ぽかぽかとジュードの胸を叩く。不可抗力だとわかっているけど、八つ当たりだ。
だってジュードは、わがままな俺のことも許して、愛してくれるから。ああ、こんなにも誰かに甘えてしまう俺なんて、ちょっと前までは想像もつかなかった。

「っはは、泣くなよ、かわいいから。いじめたくなるだろ?」

「ぅう…あっ!あぅ…っ、ジュードの、ばか…っ…あっ、あぁ!」

俺の弱いところばっかりを責めて笑う、悪い男に泣きながらしがみつく。
涙がにじむ目元に触れる唇も、低い声も、固い筋肉に覆われた背中も、全部全部いとしくて。言葉になって、あふれ出る

「でも、好き…っ、あ、あん、だめ…そんな奥…ああぁ、いっちゃうっ」

「……っふ、俺も。出すぞ、蒼夜」

天蓋の幕を開けられたせいで、夜色の瞳に太陽の光が差した。
どこまでも俺を甘やかすような視線に胸が苦しくなる。
「すき」とうわごとのように何度も呟きながら、俺はジュードの腕の中で幸せな絶頂感に酔いしれた。
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