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もっと悪い男
しおりを挟むああ、俺、センパイにそんなに嫌われてたのか。
俺は結構、いや相当、センパイのこと好きだったのに。
フツーに口説いてくれたら尻くらい──いや、やっぱそれはないかな。
来るべき衝撃に備えて思考を明後日の方向に飛ばしていた俺は、いつまでもそれが来ないことを訝しんだ。
おそるおそる目を開けると、そこは薄暗い廃屋のようで。
俺は血のように赤い魔方陣の上に、ぺたりと座り込んでいた。
「なんだぁ?お前、淫魔か?」
低く響く声に顔を上げると、そこには30代前半くらいで黒ずくめの、なんていうかほら。
ゲームから出てきたバンパイアハンターみたいな服装の、ちょっと禍々しいイケオジがいて、俺を見下ろしていた。
んん?淫魔って俺のこと?
手違い召喚ってやつ?
「使い魔が欲しかったんだが…ただの人間、か。どこに繋がっちまったんだか知らんが─」
言いながら、イケオジが近づいてくる。やばい、近くで見てもすっごいイケオジ。
少し癖のある黒髪に、意地悪そうな黒い目、いや、暗い青?
無精ひげまでセクシーな美形オジが俺の胸ぐらをつかみ、片手で軽々と立ち上がらせた。
「真っ最中だったのか?悪いことしたな」
クックック、と悪い笑顔がよく似合う、って真っ最中?なにが?
そう思う間もなく、後ろにあった台の上に放り投げられていた。
「…い、ってぇ」
背中の痛みに顔をしかめていると、イケオジが覆いかぶさってくる。
そしてあろうことか、センパイにいたずらされた穴に指を突っ込んできた。
「…な、に……やめ…っ…」
「前ギンギンにして後ろドロドロで、やめられて困るのお前だろ」
慣れた手技で俺を抑え込んで顔を覗き込んでくるイケオジの指は、がむしゃらなだけだったセンパイとはまったく違って、凄まじい快楽を俺の尻にもたらした。
「ンっ、あぁっ、ヤダ…ッ…そこダメ…ぁん、ああ!」
やばい、気持ちいい。気持ちよすぎて、とんでもない声が出た。
イケオジが尻の中のイイところを暴いて、揉んで、擦り上げてくる。
「…ハッ、いやらしい顔しやがって。声もエロいな…お前男娼か?」
「だ…っ?ちが…、はぁ、アッ、こん、こんなの知らな……ンンっ」
エロい声はアンタだ!そして俺は男娼どころかバージンだ!
クスリ盛られて襲われたんだよ!
と訴えようとしても、口を開けたら喘ぎ声しか出ない。閉じても喘ぎ声しか出ない。
体中が熱くて、疼いて、苦しくて、もうどうにかして欲しくて、涙でかすむ目で懸命にイケオジを睨んだ。
「知らなかろうがなんだろうが、ヤるこた一緒だけどな」
ニヤリと笑ったイケオジが、ズボンの前立てを寛げて、固そうな屹立を取り出した。
恐怖でふるふるふると首を横に振ってはみたものの、拒絶したいのとそうじゃないのと両方の気持ちがせめぎ合っているせいか、訳が分からなくなって涙腺が壊れたようにぼろぼろ涙がこぼれてしまう。
「かわいい顔もするじゃねえか」
「──く、ぁっ、痛…あっ、ああぁ!」
言うや否や指を引き抜いたイケオジは、間髪入れずにそれを突き刺してきた。
一気に入れられたので、熱っ、痛っ、気持ちいい、がジェットコースターのような勢いで押し寄せてくる。
「チ、キツイな…」
イケオジは俺の片足をひょいと持ち上げ恥ずかしい恰好をさせて、さらに腰を進めてきた。
ま、まだ入るのか──!?うそでしょヤメテー!
息をするのもやっとな俺の心の声は、言葉にならず。
ずずず…と容赦なく突き進む、肉の裏を撫で上げる感触に総毛立ち、俺は身も世もなく泣き叫んだ。
「アッ、ヤ、もうムリ、だめ、だめ…ぇっ…そんな奥、入らな…ッ!」
肌と肌がぶつかる感触。
奥の奥まで突き上げられたその時、今まで知らなかった衝撃を感じた。
「……フン、全部入ったし、ケツに入れただけでイったな?」
「………う、っそぉ…」
痛くて苦しかったのに、俺の息子は果て、自分の腹を白く汚していた。
え、なんで?俺痛いの好きなの?やっぱりMなの?ドMなの?
「…クス、リ、盛られたせ……ぁっ、まだ動かな…あぅ…っ」
「ふぅん?誰に盛られたんだ?」
ゆっくりとした抽挿、睦言のようにささやく声、頬を撫でる指先に促され、俺は小さな声で「友だち」と答えた。
イケオジは「そんなやつは友だちじゃねえな」と鼻で笑い飛ばし、腰の動きを速めてくる。
じっと俺の顔を見ながら腰を使ってくるので、恥ずかしいのと気持ちいいのとでまた昂ってきてしまう。
「ぅん…っあぁ、あっ、ン…あぁっ、そこ、イィ…あぁ…っ」
腰を打ち付けられるのと同じリズムで、はしたない声が出る。
セクシーに眉を顰めたイケオジに「いい具合だ」ど褒められて、悦びが増す。
俺は逞しい腕にしがみついて、気づかない内に自分でも腰を振っていた。
「淫乱名器の初物か……恥ずかしいお前のカラダ、女神さまが見てるぜ?」
顎で背後を示され仰のくと、朽ち果てたステンドグラスの下で、見たこともない美女の神像が俺を見下ろしていた。
教会と思われる廃墟の祭壇、神像の前で、男を咥えこむ──背徳的な状況に高められ、急な射精感が襲ってくる。
「…俺、もう、も…あッ、あぁ…んっ、イっちゃ…」
「あー、そろそろ、出しとくか…っ」
「やぁっ!深…ぃっ、あっ、アぁっ…だめ、ああーッ!」
激しく深いストロークで責められ、俺はまた後ろだけの行為で達した。
さっきみたいな『押されて出ちゃった』ではなく、尻からの快感にあられもなく乱れてイッてしまった。
イイところを突かれて、イケオジの熱い精液が放たれるのを感じて……って。
「中に……っ!?」
「気にすんな、今掻き出してやる」
身を起そうとした俺を制して、イケオジが簡単に抱き上げてくる。
椅子に座ったイケオジを跨ぐように向かい合って座らされ、って、ん?尻に、固いものが…?
「あぁぁああっ、あ、アンタもさっきイったんじゃ、はぁんっ」
じゅぷ、と濡れた音を立てて、イケオジの屹立で串刺しにされた。
違う角度から責められるだけで悦すぎるのに、はだけられた胸を吸われ、舌で乳首を転がされて、知らなかった扉がどんどん開いていく。
「もうヤ…ッ、感じすぎて変になる…!」
「知るかそんなこと。俺が満足するまでつきあえよ」
許してと泣いても、悪い男の手管に絡めとられて、甘い鳴き声に変えられてしまう。
俺は何度イったのか、何度穿たれたのかわかなくなり意識を手放すまで、イケオジのカタチを教え込まれたのだった。
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