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33話

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翌日、玲はシャノンにハグをされ、ノーランにはデコチューされてから、辺境の街を後にし王都へ旅立った。

王姉であるミラも薫の後見をするために同行するというので、王女殿下とミラが乗る馬車のほかにもう1台仕立ててもらい、玲たちはそちらに乗り込んだ。

玲は薫にキリン相手に処女喪失して加護をもらった、という話はしていたが、エルとの事は言っていなかった。それが馬車の中で口を滑らせ、また包み隠さず白状させられ、道中再現し続ける羽目になる。
「ほら、えっちな玲ちゃんを、五月が見てるぞ~?」
「あんっ、ヤ、さつき…っ、見ちゃいやぁ…ぁんっ」
「お、おれだって見たくないんだよ!!馬車の中逃げ場がねえよ!」
「玲ちゃん、キリンと王子と3Pだっけ?五月、王子役やる?」
「たすけてえぇえぇええええええ!」
心の友、シャールは逃げ出したので、五月はいいとばっちりである。

その後ミラとの約束通り、宰相付きの文官となった薫は、その緻密かつ斬新な仕事ぶりで頭角を現し、すぐに宰相の懐刀と呼ばれるに至った。
五月は騎士団での訓練を受けながら、薫の護衛というか、側近のような立場にいる。五月が15歳になるまでに薫の叙爵が決まれば、貴族子弟として学園に行くかもしれない。

玲はというと。

保護者である薫の許可を得て、魔道具を開発してみたり、エルドラシアへ遊びに行ったり、キリンのいる霊峰で珍しい植物を採取したり、ギルドのグランドマスターに出世したノーランが立ち上げた孤児院の経営を見たりと、思いのまま自由に過ごしている。

『玲ちゃんはもちろん家にいてくれた方がいいけど、キリンの加護もあるし、世界中を飛び回って、あちこちに恋人作ったり、自由に、好きなようにしていいよ。みんなに愛されてる玲ちゃん、マジ天使だし』

そう言う薫は『でもね』と続ける。

『玲ちゃんが帰るおうちは、ここ。兄さまの腕の中だからね?』
『はい、兄さま』

そんなこんなで1年が過ぎ。

「兄さま!朝だよ、起きて?」

王宮内に用意された薫の自室で、玲は天井から足元まである大きな窓のカーテンを思いきり開けた。
朝日がきらきらと眩しく差し込んで、天気のよさに「んー」と伸びをする。
「あぁ…今日も俺の玲ちゃん神ってる…」
薫が寝ぼけ眼を開けると、強い朝日の逆光で薄い夜着が透け、色気丸出しの玲の姿が視界に入った。
もそもそと起き出して玲の背後に立ち、ぎゅっと抱きしめてすでに元気いっぱいの腰をぐっと押し付ける。
「ふにゃ?!」
「れいちゃん背伸びてキスしやすい…」
「にいさ、ぁん…っ、はぁ…っぁ…」
薫は布越しに玲の胸をまさぐり、片手は夜着の裾から忍び込ませ、つるりとした尻の狭間をこじ開けた。
きゅっと閉じた窄まりを指で突くと、「んっ」と喉を鳴らして腕の中の肢体が跳ねる。
「ふ…昨夜あんなにしたのに…もうこんな慎ましく閉じちゃって…玲ちゃんのいけず」
「あっ、あんっ、兄さま…ゆび…入れちゃ、いゃぁん…っ」
「ああ…でもまだ柔らかい…兄さまの指、全部食べちゃったよ?」
玲が幼児の時から丹精込めて開発した身体は、どこに触れても感度は良好。
ここ1年で薫や、ほかの恋人たちに慣らされた後孔は、前の屹立に触れるよりもよほど玲を乱れさせる。
「玲ちゃん、そのまま立ってて。もう入れたい…入れちゃう」
薫は近くのデスクに玲の手をつかせ、夜着をまくり腰を突き出させた。
「あぁ…兄さま、こんな格好…ぃや…恥ずかしい…ああっ!」
「玲ちゃんいや?入れちゃダメ?」
先走りに濡れた切っ先で、蕾をこねるように擦りつけると、玲がきれいな背筋を反らせて髪を振り乱した。
玲はぽろぽろと涙をこぼして、肩越しに薫を見つめてくる。
「もぅ…にいさまぁ…」
「あ、だめ、玲ちゃん色っぽ過ぎて、俺も焦らしてる余裕ないわ。入れちゃえっ」
「ああぁっ!やん、兄さまの大き…ッ!」
薫が玲の中へずずっと一気に挿入したとき、「かおるさーん」と五月の声がして扉が開いた。
驚きに玲の中がぎゅっと締まって、射精しそうになった薫が眉を顰めてやり過ごす。
「やぁん、さつき…来ちゃだめぇっ!」
「…薫さん、今日朝議だっつってんのに、なにやってんの」
「おー、五月ー。五月のおかげで玲ちゃんぐいぐい締まるわー。すぐ、持っていかれそっ」
薫が抽挿を開始し、それに合わせて玲の体が揺れる。
五月はため息をつきながら二人に近づいて、玲が手をつくデスクの端に腰掛け、ズボンの中から自身の昂りを取り出した。
「五月ぃぃいいい?なにしてっ、あっ!ああんっ」
「これじゃ五月がよく見えないな…玲ちゃん仰向けになろうか」
「いやあぁん」
玲はデスクの上で仰向けに返され、両足を大きく開かれて薫を受け入れる。傍らでじっと五月に見下ろされるのが恥ずかしくて、顔を両手で覆って視線から逃れようとした。
五月は玲を見つめながら、自身を扱く手を黙々と動かしている。
「もっ、あ…っ、なんでさつき…はぁん」
「あのな、玲のえっちな場面目撃するたび、逃げ出して物陰で…っく、親友をおかずに自家発電する…俺の虚しさを考えてみろ。いっそ逃げ出さないで発電する方が、よっぽど精神的にいい…っ」
「五月…ちょっとくらいなら触っても、いいんだぞ?」
「いや…さわったら…負け、みたいな気がするから…っ…玲、すげ…エロ…っ」
「もおやぁ…っ、あ、あっ、兄さまもさつきもっ、ばかぁ…っあ…あぁん、イッちゃう…!」
顔を覆っている玲の指の隙間から、涙がぽろぽろ溢れてきた。それでも玲の体はいつもより感じてしまい、羞恥に染まった肌が、それを見つめる薫と五月を刺激する。
「はぁっ、玲ちゃん…かけるよ…っ」
「俺も…もう出る…!」
「ばかばかばかぁああっ!」
玲は三人分の精液を腹に浴び、「ふえええん」と泣いた。
五月は自分の萎えたものに生活魔法の洗浄をかけ、さっさと身支度を整える。ついでに玲の腹も綺麗にして、「玲ちゃんの『ばかぁ』でごはん3杯はいける」と余韻に浸っている薫に回し蹴りを食らわせた。
「薫さんはとっとと朝議に出ろ!玲も、今日からエルドラシアに行くんだろ?」
「えええん、五月が汚れちゃったぁ~」
「やかましい!早くいかないと王子が迎えに来るぞ!しかもそんな恰好でいたらヤられるぞ?」
「ぴゃっ!」
五月の喝で、薫も玲もわたわたと動き出す。それを眺めながら五月はひとり、「肝心な時にいねえな、シャールは」と、小さく愚痴をこぼした。

『すみません、心の友よ…』
シャールはオルカルマールのシアタールームで、こっそりと詫びた。
「平和ねえ…」
『あの小僧どもが来てから、世界に力がみちみちておるからのう…』
「カオルちゃんに目を付けた、アタシの審美眼が確かだったってことかしら?」
『カオルコワイ。やっぱり世界のアイドル、レイが正義なんだと思います』
そう言い切ったシャールは、そろそろ戻ってもいいかなと、玲たちの様子をうかがいながら神の間を後にした。
「ふふふ、レイちゃんとシャールは、次にどんなエロ…じゃなかった、冒険をするのかしらね」
『まだまだ、ちびっ子の行ってない場所や国もあるでな!』
「このままあの子たちに世界の格まで上げ続けられたら、いずれは元の世界と簡単に行き来できるようになっちゃうかもね」
『お、マール!それはあれじゃな!ほれ、なんじゃったかのう』

「フラグね!」
『フラグよ!』

おほほ、ふぉふぉふぉ、と、創世神と創世龍の笑い声が、かつてオルカルマール独りだった神の間を満たしていた。

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こ、ここらで終わろうと思います!
読んでいただいてありがとうございました!
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