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130話 -師-
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♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
「ではベリル様。お好きな様に攻めてください」
「はい!!」
………という件をしてから早5分が経った。その5分間ベリル様は俺に一太刀入れようと躍起になっていた。
「『首落とし』!!」
「………………」
ベリル様の斬り下ろしを最小限で避けると足払いを掛ける。無防備となっているベリル様は足払いが当たると尻もちをつく。しかし、ベリル様は目を輝かせてブツブツと独り言を言うと更に攻撃をしてくる。今度は木刀を横一線に走らせるが、それも最小限の動きで躱しベリル様の腕を流れのままに引っ張る。
「うわぁ!!」
ベリル様は姿勢を崩しタタラを踏む。今度はこける様な真似はしなかったが、頃合いだと思い、ベリル様の懐へと詰め寄り首筋に手刀を当てる。
「……はい。よぉく分かりました」
「はぁっ……はぁっ………」
ベリル様は呼吸を整えながら木刀を下ろし、じっと俺の目を見つめる。ベリル様の目は爛々と輝いており、褒めて欲しそうにしていた。
「…………1つお聞きします。ベリル様はどの様な強さをお求めですか?」
「? どの様な…?」
「はい。冒険者としての強さなのか、兵士としてなのか英雄としてなのか……ですね」
「………ボク、いや!私はアルス先生の様な強い男になりたいんです!」
「…………そうですか」
(だよねー?さっきもそう言ってたもんねー?あー……どうしよう……?)
ベリル様の元気な返事に俺は頭を悩ます。ベリル様の動きはニリキナの様に兵士団の型に近い。言わば教科書通りの剣術だった。
冒険者と兵士の違いは、俺が見たところ個か集だと思う。冒険者はパーティを組む時もあるが、基本的にはソロで活動する。魔物と戦う時には教科書通りの動きではまず勝てない。そこに我流を組み込む事で冒険者は戦う術を習得するのだ。……だが、兵士は違う。彼等は基本的に集団で戦う。全員が同じ剣術を使用し、4、5人で魔物と戦う。ニリキナ曰く『一対一で戦うのは愚策』だそうだ。恐らく、長年この稽古を積んでいる事で兵士達の質は高い。だが、それは集の場合であって個の場合はそうもいかない。恐らく高く見積もっても冒険者のDぐらいの強さだと思う。
(………うーん。どうしたもんか………別に基本が悪いって訳じゃねえしなぁ…)
ベリル様はまだ子供だ。子供というのは吸収力が高く成長も早い。だが、ベリル様は貴族でこれから先の未来はほぼほぼできているだろう。そこに俺なんかの知識を蒔いても良いのだろうか?
「アルス先生?」
なんと伝えればいいか悩んでいると心配そうにベリル様が顔を覗き込んで来た。
「あ、あぁ…すいません。ちょっと考え事をしてまして…」
「それはボクの事でしょうか?」
「え?い、いや、違いますよ?」
「先生は嘘をつくのが下手ですね。パパと似た様な仕草をします」
「…………」
「ボクが先生の様に強くなる事は無理だと分かってます。でも、先生みたいになりたいと思うのは本当です。ボクはまだ子供ですし、先生の力を全部吸収したって大人には勝てません。でも、大きくなるにつれそれを継続させる事は大事だとパパも言ってます」
「…………」
「先生には期間もありません。けど、ボクは教えてもらったことを続けていきたいと思ってます。それがボクが先生から教えてもらいたい事なんです」
ベリル様の風貌からは似合わない大人顔負けの台詞が出た事に言葉を失う。それと同時に俺は浅はかな考えを持っていたなと思い知る。
「……そうですか。なら、まずは基本を徹底的に覚えていきましょう。対人でも対魔物でも戦える様に」
「よろしくお願いします!!」
俺が考えていたのは技を教えるという考えであった。しかし、ベリル様の考えは違った。俺の教えを基礎にしようと考えていたのだ。それも長期的な計画で。………子供だと思ってたけど、貴族の子供だって事をすっかり忘れてたよ。そりゃ頭が良いはずだよ。
「では先ず、ベリル様は兵士の稽古を模倣してますね?」
「はい!パパに一度王宮に連れて行ってもらった時に見学しました!」
「見学で真似が出来るのか……。では、それを一度忘れましょう。兵士の稽古は集団戦を基本としています。ベリル様は先ず一人で戦える動きを身につけましょう」
「一人で戦える??」
「はい。戦いという動きは攻守一体です。見た所、ベリル様は攻撃した後に大きな隙が出来ます。それを先ずは無くしましょう」
「はい!!!」
「武器も木刀はまだ早いので素手から始めましょう。では先ずは-----
それからベリル様に漫画で得た知識を教えていく。俺は前世じゃ格闘技とかは一切してなかったけど、見るのは好きだった。そして何故か不思議な事にその知識は精細に覚えていた。普通なら忘れそうな話でも事細かくだ。
「対人戦闘の場合、隙を見つけるのが先になります。逆に隙がない場合は作り出す事も必要となります」
少年王者の某漫画の知識を教えながら実演していく。ベリル様は兵士の稽古を体験しない。だとすれば型を覚えるのは得意なはずだ。
「ベリル様は頭を使うのは得意ですか?」
「……勉強って事ですか?」
「…まぁそんな感じです」
「あまり……自信は無いです」
「ならパターンを覚えましょう。相手がこう動いたらこう!って感じで」
俺の抽象的な言い方にもベリル様は理解するのが早かった。そのパターンを何度も反復し身体に染み込ませた。それを何度もやっていると、馴染みの声が聞こえた。
「ただいまご主人様ぁー!!」
「マスター。お土産」
「糖分を欲しているのではありませんか?」
「お、お帰り。楽しかった?」
買い物から帰ってきたチカ達が声を掛けてくる。手には何やら甘い匂いのする箱を持っていた。
「あらあら。ベリルったら凄い汗をかいて……」
「ママ!」
ベリル様はターコイズさんの奥さんに早口で何かを話していた。それを横目に俺はチカ達と話をする。
「何か買い物したの?」
「お茶をしただけ。モルガは沢山買ってた」
「ナナ達は買わんかったの?」
「んー……次でいいかなって。服も興味無かったしー」
「あっそ。まぁコスチュームが沢山あるもんな。…んで?お土産って何?」
「モルガとお茶をした所のお菓子ですわ。甘くて美味しかったです」
チカから箱を渡された蓋を開けると見覚えのあるお菓子が飛び込んできた。
「こ、これは!!ケーキ!!!」
「そう。MP全回復のケーキ。でも食べても回復した感じはしなかった」
「それは………そうでしょうよ」
ケーキは『Destiny」でも存在していたイベントアイテムだ。これはそのイベント期間でしか製作できないアイテムで、対象クエストから出るドロップ品を加工したアイテムだった。加工するのには料理人のジョブが必要だが、ジョブレベルによって効果は大きく変わる。俺達はカンストしているので、MP全回復以外にバフも付いていた。でもそれはあくまでもゲームの話であって、普通のお菓子にはその様な効果は付いていない。むしろついていたらビビるわ。
「アルス様、この後予定が無ければぜひご一緒に夕食はいかがかしら?」
ケーキを手掴みで頬張っていると奥さんから声を掛けられる。
「え!いいんですか?」
「はい。ベリルもまだ話し足りなさそうですし、どんな稽古をしたのかお聞きしたいので」
「じゃあお言葉に甘えて!」
夕食に招待されるのは予想外だったが、予定もない為ホイホイと承諾する。ターコイズ様の屋敷の飯を味わう暇が無かったからね。
「それでは汗を流してから食事を。準備させときますわ」
「それって混浴ー??」
「い、いえ。時間をずらして入ってもらいますが…」
「別に一緒でも良いよねーご主人様?」
「あ?まぁ………温泉にも入ったしな」
「温泉?……ああ、あの町ですか?」
「知ってるんですか?」
「もちろん。半年に一回は私達も向かいますわ。ターコイズに無理を言ってこの屋敷にも作らせようとしたのですが……源泉がないから無理と言われましてね………」
「…まぁ温泉ですからね」
「けれど、浴室は広いですよ。そこをお手本にしたので」
「……それって湯船がいくつもあるって事すか?」
「ええ。そうですが?」
(………金持ちの感覚は分からんなぁ)
「先生!一緒に入りましょう!汗流します!!」
「あ、ありがとう………ん?ちょっと待ってね?」
ベリル様の申し出を承諾した瞬間、俺はチカ達と目を合わせ口を開く。
「俺とベリル様で一緒に入るからチカ達は別で入ってくれ」
「ええ!?なんで!!!!!?」
「いや………それは…その……まだ早いからね」
「早い?? どういうことだマスター?」
「あぇー……まぁベリル様が目覚めたら困るからだ」
「「「?????」」」
「と、とにかく一緒に入るのはダメ!!」
チカ達に釘を刺した後、意味を理解した奥さんが苦笑いを浮かべながら俺と目が合った。……プロポーションが桁違いなチカ達を見てしまったらベリル様に悪い経験値を積ませてしまう事になるからな。それに……まだ早い。男として。
俺の意図が分からないベリル様は喜んで俺の手を取る。そして、ベリル様に連れられ俺は屋敷へと入っていくのであった。
「ではベリル様。お好きな様に攻めてください」
「はい!!」
………という件をしてから早5分が経った。その5分間ベリル様は俺に一太刀入れようと躍起になっていた。
「『首落とし』!!」
「………………」
ベリル様の斬り下ろしを最小限で避けると足払いを掛ける。無防備となっているベリル様は足払いが当たると尻もちをつく。しかし、ベリル様は目を輝かせてブツブツと独り言を言うと更に攻撃をしてくる。今度は木刀を横一線に走らせるが、それも最小限の動きで躱しベリル様の腕を流れのままに引っ張る。
「うわぁ!!」
ベリル様は姿勢を崩しタタラを踏む。今度はこける様な真似はしなかったが、頃合いだと思い、ベリル様の懐へと詰め寄り首筋に手刀を当てる。
「……はい。よぉく分かりました」
「はぁっ……はぁっ………」
ベリル様は呼吸を整えながら木刀を下ろし、じっと俺の目を見つめる。ベリル様の目は爛々と輝いており、褒めて欲しそうにしていた。
「…………1つお聞きします。ベリル様はどの様な強さをお求めですか?」
「? どの様な…?」
「はい。冒険者としての強さなのか、兵士としてなのか英雄としてなのか……ですね」
「………ボク、いや!私はアルス先生の様な強い男になりたいんです!」
「…………そうですか」
(だよねー?さっきもそう言ってたもんねー?あー……どうしよう……?)
ベリル様の元気な返事に俺は頭を悩ます。ベリル様の動きはニリキナの様に兵士団の型に近い。言わば教科書通りの剣術だった。
冒険者と兵士の違いは、俺が見たところ個か集だと思う。冒険者はパーティを組む時もあるが、基本的にはソロで活動する。魔物と戦う時には教科書通りの動きではまず勝てない。そこに我流を組み込む事で冒険者は戦う術を習得するのだ。……だが、兵士は違う。彼等は基本的に集団で戦う。全員が同じ剣術を使用し、4、5人で魔物と戦う。ニリキナ曰く『一対一で戦うのは愚策』だそうだ。恐らく、長年この稽古を積んでいる事で兵士達の質は高い。だが、それは集の場合であって個の場合はそうもいかない。恐らく高く見積もっても冒険者のDぐらいの強さだと思う。
(………うーん。どうしたもんか………別に基本が悪いって訳じゃねえしなぁ…)
ベリル様はまだ子供だ。子供というのは吸収力が高く成長も早い。だが、ベリル様は貴族でこれから先の未来はほぼほぼできているだろう。そこに俺なんかの知識を蒔いても良いのだろうか?
「アルス先生?」
なんと伝えればいいか悩んでいると心配そうにベリル様が顔を覗き込んで来た。
「あ、あぁ…すいません。ちょっと考え事をしてまして…」
「それはボクの事でしょうか?」
「え?い、いや、違いますよ?」
「先生は嘘をつくのが下手ですね。パパと似た様な仕草をします」
「…………」
「ボクが先生の様に強くなる事は無理だと分かってます。でも、先生みたいになりたいと思うのは本当です。ボクはまだ子供ですし、先生の力を全部吸収したって大人には勝てません。でも、大きくなるにつれそれを継続させる事は大事だとパパも言ってます」
「…………」
「先生には期間もありません。けど、ボクは教えてもらったことを続けていきたいと思ってます。それがボクが先生から教えてもらいたい事なんです」
ベリル様の風貌からは似合わない大人顔負けの台詞が出た事に言葉を失う。それと同時に俺は浅はかな考えを持っていたなと思い知る。
「……そうですか。なら、まずは基本を徹底的に覚えていきましょう。対人でも対魔物でも戦える様に」
「よろしくお願いします!!」
俺が考えていたのは技を教えるという考えであった。しかし、ベリル様の考えは違った。俺の教えを基礎にしようと考えていたのだ。それも長期的な計画で。………子供だと思ってたけど、貴族の子供だって事をすっかり忘れてたよ。そりゃ頭が良いはずだよ。
「では先ず、ベリル様は兵士の稽古を模倣してますね?」
「はい!パパに一度王宮に連れて行ってもらった時に見学しました!」
「見学で真似が出来るのか……。では、それを一度忘れましょう。兵士の稽古は集団戦を基本としています。ベリル様は先ず一人で戦える動きを身につけましょう」
「一人で戦える??」
「はい。戦いという動きは攻守一体です。見た所、ベリル様は攻撃した後に大きな隙が出来ます。それを先ずは無くしましょう」
「はい!!!」
「武器も木刀はまだ早いので素手から始めましょう。では先ずは-----
それからベリル様に漫画で得た知識を教えていく。俺は前世じゃ格闘技とかは一切してなかったけど、見るのは好きだった。そして何故か不思議な事にその知識は精細に覚えていた。普通なら忘れそうな話でも事細かくだ。
「対人戦闘の場合、隙を見つけるのが先になります。逆に隙がない場合は作り出す事も必要となります」
少年王者の某漫画の知識を教えながら実演していく。ベリル様は兵士の稽古を体験しない。だとすれば型を覚えるのは得意なはずだ。
「ベリル様は頭を使うのは得意ですか?」
「……勉強って事ですか?」
「…まぁそんな感じです」
「あまり……自信は無いです」
「ならパターンを覚えましょう。相手がこう動いたらこう!って感じで」
俺の抽象的な言い方にもベリル様は理解するのが早かった。そのパターンを何度も反復し身体に染み込ませた。それを何度もやっていると、馴染みの声が聞こえた。
「ただいまご主人様ぁー!!」
「マスター。お土産」
「糖分を欲しているのではありませんか?」
「お、お帰り。楽しかった?」
買い物から帰ってきたチカ達が声を掛けてくる。手には何やら甘い匂いのする箱を持っていた。
「あらあら。ベリルったら凄い汗をかいて……」
「ママ!」
ベリル様はターコイズさんの奥さんに早口で何かを話していた。それを横目に俺はチカ達と話をする。
「何か買い物したの?」
「お茶をしただけ。モルガは沢山買ってた」
「ナナ達は買わんかったの?」
「んー……次でいいかなって。服も興味無かったしー」
「あっそ。まぁコスチュームが沢山あるもんな。…んで?お土産って何?」
「モルガとお茶をした所のお菓子ですわ。甘くて美味しかったです」
チカから箱を渡された蓋を開けると見覚えのあるお菓子が飛び込んできた。
「こ、これは!!ケーキ!!!」
「そう。MP全回復のケーキ。でも食べても回復した感じはしなかった」
「それは………そうでしょうよ」
ケーキは『Destiny」でも存在していたイベントアイテムだ。これはそのイベント期間でしか製作できないアイテムで、対象クエストから出るドロップ品を加工したアイテムだった。加工するのには料理人のジョブが必要だが、ジョブレベルによって効果は大きく変わる。俺達はカンストしているので、MP全回復以外にバフも付いていた。でもそれはあくまでもゲームの話であって、普通のお菓子にはその様な効果は付いていない。むしろついていたらビビるわ。
「アルス様、この後予定が無ければぜひご一緒に夕食はいかがかしら?」
ケーキを手掴みで頬張っていると奥さんから声を掛けられる。
「え!いいんですか?」
「はい。ベリルもまだ話し足りなさそうですし、どんな稽古をしたのかお聞きしたいので」
「じゃあお言葉に甘えて!」
夕食に招待されるのは予想外だったが、予定もない為ホイホイと承諾する。ターコイズ様の屋敷の飯を味わう暇が無かったからね。
「それでは汗を流してから食事を。準備させときますわ」
「それって混浴ー??」
「い、いえ。時間をずらして入ってもらいますが…」
「別に一緒でも良いよねーご主人様?」
「あ?まぁ………温泉にも入ったしな」
「温泉?……ああ、あの町ですか?」
「知ってるんですか?」
「もちろん。半年に一回は私達も向かいますわ。ターコイズに無理を言ってこの屋敷にも作らせようとしたのですが……源泉がないから無理と言われましてね………」
「…まぁ温泉ですからね」
「けれど、浴室は広いですよ。そこをお手本にしたので」
「……それって湯船がいくつもあるって事すか?」
「ええ。そうですが?」
(………金持ちの感覚は分からんなぁ)
「先生!一緒に入りましょう!汗流します!!」
「あ、ありがとう………ん?ちょっと待ってね?」
ベリル様の申し出を承諾した瞬間、俺はチカ達と目を合わせ口を開く。
「俺とベリル様で一緒に入るからチカ達は別で入ってくれ」
「ええ!?なんで!!!!!?」
「いや………それは…その……まだ早いからね」
「早い?? どういうことだマスター?」
「あぇー……まぁベリル様が目覚めたら困るからだ」
「「「?????」」」
「と、とにかく一緒に入るのはダメ!!」
チカ達に釘を刺した後、意味を理解した奥さんが苦笑いを浮かべながら俺と目が合った。……プロポーションが桁違いなチカ達を見てしまったらベリル様に悪い経験値を積ませてしまう事になるからな。それに……まだ早い。男として。
俺の意図が分からないベリル様は喜んで俺の手を取る。そして、ベリル様に連れられ俺は屋敷へと入っていくのであった。
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