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128話 -腹の探り合い 1-
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♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
「モルガさん、本日は何を買う予定ですか?」
「特に決めてないわ。気に入った物があったら買うつもりよ」
王都の一画にて、ターコイズの妻とチカ達が横並びで歩いている。ターコイズの妻の名はモルガナイト。由緒正しき貴族の一男三女の三女として生まれ、政略結婚の為に熱心に育てられた。しかし、長女と次女がより上の貴族に嫁いだ為、モルガナイトはどこでも良いという風に扱われる様になった。
ターコイズとの出会いはとある晩餐会の時だった。『立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花』と前世の様な言い方になるが、華やかな令嬢が多く居る中でも一際視線を集めていた。ただ、見た目とは裏腹にモルガナイトは『一癖ある性格』の持ち主であった。そして、その晩餐会でモルガナイトは『変わり者の血』と裏で呼ばれているターコイズと出会い、どの様な化学反応が起きたのかは分からないが2人は瞬時に打ち解けあい、結婚に至るのだった。
「あたし、貴族の人達はみーんな召使さんに頼むもんだと思ってたー!」
ローリィは歯に衣を着せぬ言い方でモルガナイトへと話しかける。だが、モルガナイトは気にする様な素振りも見せないままローリィへと返事をする。
「それは大抵の貴族がするけど、私は自分でするのが好きなのよ」
「お料理もされるのですか?」
「息子が小腹が空いた時だけね。あとはやっぱり本職に任せた方が美味しいから」
道中、モルガナイトはチカ達にお願いをしていた。『地位はあれどそれはターコイズの物。私はその妻に過ぎないから普段通り接して欲しい』というお願いだ。これに関してチカとナナは難色を示したが、ローリィの二つ返事で承諾された。
「………あっ、そうだ。まずはお洋服を買わないといけないわ」
「ターコイズ様の物ですか?」
「いいえ?ベリルの物よ。アルス様との稽古できっと汚れるだろうから沢山買わなきゃ」
モルガナイトの先導でチカ達は子供服が売っている店へと入る。その店は大衆向けの店で、中は賑わいを見せていた。だが、モルガナイト達が入店した事でその賑わいは更に大きくなる。何故ならば、『立てば芍薬』なモルガナイトにも引けを取らない美貌の持ち主が3人も入店したからだった。
「こ、これはモルガナイト様!!」
カウンターで突っ立っていた恰幅の良い女性がモルガナイトを見て声を上げる。
「こんにちは。8歳の男の子の稽古着が何着か欲しいんだけど、どこにあるかしら?」
「稽古着?……それならばこちらに」
女性自ら稽古着のエリアへと案内するとその中で良質な服を取り出す。
「こちらが素材も糸も耐久に優れた稽古着でございます」
「んー……恐らくすぐボロボロになるから安いやつで構わないわ」
「いっ?!で、ですが……」
「あぁ、別に品格なんかはクソ食らえよ?稽古着なんて汚れるのが当たり前。そんなのにお金を掛けるくらいなら別なのに掛けるわ?」
「「「ッ?!」」」
チカ達はモルガナイトの言葉遣いに驚く。その言い方は貴族らしからぬ言葉遣いだったからだ。
モルガナイトの『一癖ある性格』に貴族生まれながらも、品格は気にしないという一面があった。彼女曰く、『いくら着飾っても本質は中身』と明言する程で、服装や装飾品などにはあまり金を掛けなかった。……まぁ、そこまで着飾らなくても元が良いから言える言葉でもある。
だが、チカ達はモルガナイトの言葉に好感を持った。今までアルスと共に訪問した貴族は大体が調度品や服装に金をかけていた。別に人の趣味に口を挟もうとは思わなかったが、そういう見栄にこだわる貴族に限っておべんちゃらをよく使う。チカ達はそういったモノを見抜くのにはずば抜けている為、内心では軽蔑をしていた。
「で、ではこちらは如何でしょう?運動に優れており、素材も伸び縮みしやすいモノを使用してます」
「………………うん。これなら良さそうね。とりあえず15着欲しいのだけれど?」
「お買い上げありがとうございます。在庫から持ってきますが、屋敷にお届けすれば宜しいでしょうか?」
「そうね。お願いするわ」
「モルガ様、よろしければ私がお持ちしましょうか?」
「あら、良いのよチカさん。それも含めた金額を払うのだから」
支払いを済ませたモルガナイトは店を出る。そして、思いついた様に次々と目に入る店を覗くと必要な分だけの買い物を済ませていく。その様子を見ながらチカ達は話をする。
「……アルス様が仰ってたのとは違うみたいね」
「うん。マスターは『端から端まで』を買うのが貴族だって言ってた」
「でもご主人様もまとめて買うよね?アレとどう違うんだろ??」
チカ達はアルスから貴族はどういう買い物をするかを一度聞いた事がある。アルスはその時に前世の記憶からお金持ちの買い方を口にしただけなのだが、チカ達の中ではそれが定説となっていた。
「皆さん、喉は渇かない?お気に入りのお店があるんだけど」
「そこってお菓子あるー?」
「ええ。沢山あるわよ?しかも手頃な値段でね?」
「行く行くー!!あたしお腹空いちゃったー!」
「……もうローリィったら!」
『そのお店のオススメはなんだ?』とローリィはモルガナイトに尋ねながらその店へと歩いていく。チカ達一行は、屋台や飲食店が並ぶ区画へと到着するとモルガナイトの案内でその店へと行く。
「……ここー?」
「ええ。見た目はボロボロだけど室内はとってもお洒落よ。味も保証するわ」
「勝手なイメージだけど、貴族は豪華な所にしか行かないと思ってた!」
「こら!!ローリィ!」
「フフッ…確かにそれは否定しないわ?貴族ってのは何よりも外見を重視するの。金が無くてもある様に見せないと駄目な性分なのよ」
「貴族ってめんどくさいんだねー」
「あら?チカさん達も貴族の一員になったでしょう?だから、これから面倒が付き纏うわよー?」
「ボク達はマスターに従うだけ」
「まぁアルス様は外見なんて気にしませんし……アルス様がお決めになれば私達は従うまでです」
「ご主人様は沢山お金持ってるけど、無駄な買い物しないよねー。使う時は派手だけど」
「……………」
モルガナイトはチカ達の会話に少し疑問を抱く。長年貴族の世界に居るので嘘か真かを見抜く自信はあった。だが、チカ達の物言いはアルスを主君としている様な物言いだった為、疑問を抱いたのだ。
(……パーティの筈よね?だったら各々に野望とか夢があるはずなのに)
モルガナイトはアルス達の事を自分の目で調べるつもりだった。それはターコイズの指示でも無く、ミレーユがアルスを信用しきっていたからだった。一国の王女が一介の冒険者を信用するなど有り得ぬ話だ。口が達者なのか、女性を誑かすのが上手なのかを確認する為にチカ達を買い物に連れ出し、お茶をしながら聞こうと思っていた。
「……そういえばアルス様はお菓子とか好きでしょうか?」
「好きだよー!ご主人様は甘い物が大好きー!」
「だったらお持ち帰りをしましょうか。ベリルも小腹が空いてるでしょうし」
「それは良い考え。なら、ここの代金はボク達持ちで」
「あらあら、別にお気になさらず。私が誘ったんですから」
「いや。モルガに色々と聞きたいことがある。長話になるだろうから、費用はこっち持ちで」
「聞きたいこと?………何かしら?」
モルガナイトはナナの言葉に少しだけ動揺する。ボロは出してないはずだが、こちらが探っているのがバレたのかと思ったからだ。
「まぁそれは後ほど。さっさと中に入ろう」
モルガナイト達は店の扉を開け中へと入店し、店員の案内で座席へと腰を下ろすのであった。
「モルガさん、本日は何を買う予定ですか?」
「特に決めてないわ。気に入った物があったら買うつもりよ」
王都の一画にて、ターコイズの妻とチカ達が横並びで歩いている。ターコイズの妻の名はモルガナイト。由緒正しき貴族の一男三女の三女として生まれ、政略結婚の為に熱心に育てられた。しかし、長女と次女がより上の貴族に嫁いだ為、モルガナイトはどこでも良いという風に扱われる様になった。
ターコイズとの出会いはとある晩餐会の時だった。『立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花』と前世の様な言い方になるが、華やかな令嬢が多く居る中でも一際視線を集めていた。ただ、見た目とは裏腹にモルガナイトは『一癖ある性格』の持ち主であった。そして、その晩餐会でモルガナイトは『変わり者の血』と裏で呼ばれているターコイズと出会い、どの様な化学反応が起きたのかは分からないが2人は瞬時に打ち解けあい、結婚に至るのだった。
「あたし、貴族の人達はみーんな召使さんに頼むもんだと思ってたー!」
ローリィは歯に衣を着せぬ言い方でモルガナイトへと話しかける。だが、モルガナイトは気にする様な素振りも見せないままローリィへと返事をする。
「それは大抵の貴族がするけど、私は自分でするのが好きなのよ」
「お料理もされるのですか?」
「息子が小腹が空いた時だけね。あとはやっぱり本職に任せた方が美味しいから」
道中、モルガナイトはチカ達にお願いをしていた。『地位はあれどそれはターコイズの物。私はその妻に過ぎないから普段通り接して欲しい』というお願いだ。これに関してチカとナナは難色を示したが、ローリィの二つ返事で承諾された。
「………あっ、そうだ。まずはお洋服を買わないといけないわ」
「ターコイズ様の物ですか?」
「いいえ?ベリルの物よ。アルス様との稽古できっと汚れるだろうから沢山買わなきゃ」
モルガナイトの先導でチカ達は子供服が売っている店へと入る。その店は大衆向けの店で、中は賑わいを見せていた。だが、モルガナイト達が入店した事でその賑わいは更に大きくなる。何故ならば、『立てば芍薬』なモルガナイトにも引けを取らない美貌の持ち主が3人も入店したからだった。
「こ、これはモルガナイト様!!」
カウンターで突っ立っていた恰幅の良い女性がモルガナイトを見て声を上げる。
「こんにちは。8歳の男の子の稽古着が何着か欲しいんだけど、どこにあるかしら?」
「稽古着?……それならばこちらに」
女性自ら稽古着のエリアへと案内するとその中で良質な服を取り出す。
「こちらが素材も糸も耐久に優れた稽古着でございます」
「んー……恐らくすぐボロボロになるから安いやつで構わないわ」
「いっ?!で、ですが……」
「あぁ、別に品格なんかはクソ食らえよ?稽古着なんて汚れるのが当たり前。そんなのにお金を掛けるくらいなら別なのに掛けるわ?」
「「「ッ?!」」」
チカ達はモルガナイトの言葉遣いに驚く。その言い方は貴族らしからぬ言葉遣いだったからだ。
モルガナイトの『一癖ある性格』に貴族生まれながらも、品格は気にしないという一面があった。彼女曰く、『いくら着飾っても本質は中身』と明言する程で、服装や装飾品などにはあまり金を掛けなかった。……まぁ、そこまで着飾らなくても元が良いから言える言葉でもある。
だが、チカ達はモルガナイトの言葉に好感を持った。今までアルスと共に訪問した貴族は大体が調度品や服装に金をかけていた。別に人の趣味に口を挟もうとは思わなかったが、そういう見栄にこだわる貴族に限っておべんちゃらをよく使う。チカ達はそういったモノを見抜くのにはずば抜けている為、内心では軽蔑をしていた。
「で、ではこちらは如何でしょう?運動に優れており、素材も伸び縮みしやすいモノを使用してます」
「………………うん。これなら良さそうね。とりあえず15着欲しいのだけれど?」
「お買い上げありがとうございます。在庫から持ってきますが、屋敷にお届けすれば宜しいでしょうか?」
「そうね。お願いするわ」
「モルガ様、よろしければ私がお持ちしましょうか?」
「あら、良いのよチカさん。それも含めた金額を払うのだから」
支払いを済ませたモルガナイトは店を出る。そして、思いついた様に次々と目に入る店を覗くと必要な分だけの買い物を済ませていく。その様子を見ながらチカ達は話をする。
「……アルス様が仰ってたのとは違うみたいね」
「うん。マスターは『端から端まで』を買うのが貴族だって言ってた」
「でもご主人様もまとめて買うよね?アレとどう違うんだろ??」
チカ達はアルスから貴族はどういう買い物をするかを一度聞いた事がある。アルスはその時に前世の記憶からお金持ちの買い方を口にしただけなのだが、チカ達の中ではそれが定説となっていた。
「皆さん、喉は渇かない?お気に入りのお店があるんだけど」
「そこってお菓子あるー?」
「ええ。沢山あるわよ?しかも手頃な値段でね?」
「行く行くー!!あたしお腹空いちゃったー!」
「……もうローリィったら!」
『そのお店のオススメはなんだ?』とローリィはモルガナイトに尋ねながらその店へと歩いていく。チカ達一行は、屋台や飲食店が並ぶ区画へと到着するとモルガナイトの案内でその店へと行く。
「……ここー?」
「ええ。見た目はボロボロだけど室内はとってもお洒落よ。味も保証するわ」
「勝手なイメージだけど、貴族は豪華な所にしか行かないと思ってた!」
「こら!!ローリィ!」
「フフッ…確かにそれは否定しないわ?貴族ってのは何よりも外見を重視するの。金が無くてもある様に見せないと駄目な性分なのよ」
「貴族ってめんどくさいんだねー」
「あら?チカさん達も貴族の一員になったでしょう?だから、これから面倒が付き纏うわよー?」
「ボク達はマスターに従うだけ」
「まぁアルス様は外見なんて気にしませんし……アルス様がお決めになれば私達は従うまでです」
「ご主人様は沢山お金持ってるけど、無駄な買い物しないよねー。使う時は派手だけど」
「……………」
モルガナイトはチカ達の会話に少し疑問を抱く。長年貴族の世界に居るので嘘か真かを見抜く自信はあった。だが、チカ達の物言いはアルスを主君としている様な物言いだった為、疑問を抱いたのだ。
(……パーティの筈よね?だったら各々に野望とか夢があるはずなのに)
モルガナイトはアルス達の事を自分の目で調べるつもりだった。それはターコイズの指示でも無く、ミレーユがアルスを信用しきっていたからだった。一国の王女が一介の冒険者を信用するなど有り得ぬ話だ。口が達者なのか、女性を誑かすのが上手なのかを確認する為にチカ達を買い物に連れ出し、お茶をしながら聞こうと思っていた。
「……そういえばアルス様はお菓子とか好きでしょうか?」
「好きだよー!ご主人様は甘い物が大好きー!」
「だったらお持ち帰りをしましょうか。ベリルも小腹が空いてるでしょうし」
「それは良い考え。なら、ここの代金はボク達持ちで」
「あらあら、別にお気になさらず。私が誘ったんですから」
「いや。モルガに色々と聞きたいことがある。長話になるだろうから、費用はこっち持ちで」
「聞きたいこと?………何かしら?」
モルガナイトはナナの言葉に少しだけ動揺する。ボロは出してないはずだが、こちらが探っているのがバレたのかと思ったからだ。
「まぁそれは後ほど。さっさと中に入ろう」
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