127 / 135
125話
しおりを挟む
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
「あああああああああああん!!もう疲れたぁー!!!!」
式典から1週間が過ぎた。領主となったアルスはミレーユ達により、有力貴族の元へと挨拶回りをさせられていた。どの貴族も挨拶に向かえば『食事をご一緒にでも』や『子供達と会ってくれないか』などアルス--正確に言えば、チカ達がメインだった--に声を掛けられていた。
だが挨拶だけで終わり、たまたま時間帯的に被っていた時は食事を共にしていた。食事のマナーを少ししか知らないアルスはミレーユ達の作法を盗み見しながら食事を取っていたが、粗相をしない様に気をつけていた為、アルスはかなり疲弊していった。
王城の客間に帰り着くと同時にアルスはベッドにダイブし、枕で口を押さえながら大声を上げるのが日課となっていた。神経を張り詰めていたアルスは食事の味など感じる暇はなかった。しかし、『美食家』のレベルだけは着実に上がっていた。
「………ゆっくりとご飯食べたいよぉ」
アルスの気分はどん底だ。食事という安らげる場面でも安らげなかったからだ。唯一、安らげるとすれば客間のベッドでこの様に休まる時だけであった。
「……はぁーい。どうぞー」
唯一の時間もアルス以外にとってはただの時間だ。扉をノックする音が聞こえ、アルスは気怠そうに返事をする。
「失礼します」
「マスター。軽食を持ってきた」
「お酒も持ってきたよー!」
アルスの部屋を訪れたのはチカ達であった。ナナの手には蓋がしてある大皿、ローリィの手には酒瓶があった。
「おー!めっちゃ嬉しい!!」
アルスはベッドから降りると棚へと向かう。そのまま人数分のグラスを取るとテーブルへと向かう。
「あれ?レインは?」
「レインならソニア様とお話をしていますわ」
「ふーん?ソニアと何を話すんだろ?…ま、いいや」
グラスを置くと同時にナナはテーブルの中央に皿を置くと蓋を取る。皿の上にはパンと黄金色をした棒状の物が乗っていた。
「………これだけ?」
「いや。あとはマスターが持っている肉を使おうと思って」
「? 干し肉だぞ?」
「生肉は無いのか?」
「んーと………あ、持ってたわ」
ボックスから生肉を取り出しナナへと渡すと、ナナのコスチュームが変わりテーブルの横に小さいカマドが現れる。
「チカ。延焼しない様に魔法を展開して欲しい」
「ええ。もうしているわよ」
「???」
どうやらナナは今から調理をする様だ。ナナはアルスから受け取った生肉をフライパンに乗せると火の魔法を使う。
肉の脂が焼ける音が響くと、ナナは調理している肉に調味料を振りかけていく。それらが脂と混じり合い、良き匂いを漂わせるとローリィがナイフを取り出す。
「フンフフーン!半分こにしちゃいましょうねぇー!」
ローリィはパンを半分にするとナナの前に皿ごと置く。
「………ねぇねぇチカちゃん。小皿の代わりにソーサーを使っても良いかなぁ?」
「良いと思うわ。それしか無いんだし」
ローリィはアルスがグラスを取ってきた棚へ向かうとソーサーを人数分持ってくる。
「チカ。そろそろ焼き上がる」
「こっちの準備はバッチリよ」
チカはソーサーにパンの半分を乗せるとナナの横に立つ。そしてナナが焼き上げた肉をパンの上に乗せていく。
「も、もしかして……!?」
「はい、ローリィ。アルス様にお渡しして」
「はぁーい!」
残った半分のパンを肉の上に乗せるとローリィがアルスの前へと置く。
「…この脂は少し手を加えてタレにする。パンに付けても良し、ポテトに付けても良い」
匂いと見た目で何が出来上がるかを悟ったアルスは口の中に涎が湧き出るのが分かった。フライパンに残った脂をタレに変えるとティーカップへと移す。
「出来た。ローリィ、飲み物は?」
「バッチリだよナナちゃん!」
ナナは調理器具を仕舞うと、コスチュームをいつもの服へと変えて着席する。
「はい、ご主人様ー!」
アルスの前には肉を挟んだパンと、黄金色をした棒状の物が置かれる。そして酒が添えられるとアルスはナナ達の方に目を向け口を開く。
「まさか……ハンバーガーか!?」
「そう。本当はガッツリとしたものを作りたかったが、頼むのが面倒だった」
「流石に調理場を貸してくれとは言えないもんねぇー!」
「なので余っていたパンと芋を貰ってきました。私達の部屋で芋は揚げたので出来立てですよ」
「うわぁ!!嬉しいなぁ!さっそく食べようぜ!」
各々グラスを持ち乾杯をしてからハンバーガーもどきを食す。
「くあぁぁぁぁっ!うんめぇ!!」
宮廷料理も良いが、やはりジャンクフードには勝てない。何より、アルスには思い出があった。それは生前の記憶であるが、それが加味されることによって味はより一層旨く感じた。
「んっ。美味しい!これでアルス様のHPも回復するわね」
「個人的にはギガバーガーを作りたかった。アレなら全回復するから」
「んーっ!おいしぃー!!」
「………ん?」
チカ達の話に疑問を覚えたアルスは少し考える。
(HP回復って………………………あぁ、そういやコレは『Destiny』にあったな…。確かイベントだっけか?)
『Destiny』では様々なコラボがあり、その内の1つに海外のゲームとのコラボがあった。イベントモンスターを倒す事でドロップする欠片があり、それを一定数集めると衣装や武器、道具と交換する事が出来た。欠片を200個集める事で交換できる道具に『ハンバーガー』があったのだ。このハンバーガーには『3時間の10%自動回復』という効果があった。同時に何個も使用可能で、この道具を使用してからイベントクエストに潜り放置するのが基本だった。
(…だから回復するって事なのか。体力じゃなくて精神的に削れてるんだけど…まぁ、そんな都合の良い道具は無いもんな)
アルスはチカ達の心遣いを嬉しく思いながらハンバーガーを食す。前世ではハンバーガーとアルコールを摂取する機会は無かったが、中々に乙なものだと知った。贅沢を言えばマヨネーズが掛かっていれば文句無しだったが。
「そういえばアルス様。ミレーユが言ってたんですけど…」
「ん?」
モシャモシャと口を動かしながら返事をする。
「有力貴族達へと挨拶回りは今日で終わりだそうです。それで、明日からどうせるのかを知りたがってましたよ?」
「………」
モシャモシャと口を動かしながらアルスは頭を回転させる。
(んー…ダンジョンを潜るとかどーのこーの言ってたけど、アレはいつなんだろ?………あ、そういやターコイズ様が稽古をつけてくれって言ってたな…)
ゴクリと飲み込んだあと、アルスはチカ達に相談をする。
「昨日の昼にメシを一緒に食った貴族を覚えてる?」
「ええ。クロトワ家ですよね?」
「うん。そこの当主のターコイズ様が、息子さんに稽古をつけてくれって言ってたんだよ」
「それでマスターはそこに行くのか?」
「行こうかなと思ってて。ダンジョンに潜るって話があったけど、アレどーなってるんだろ?」
「明日にでも聞いておきますわ」
「よろしく。…んじゃ俺はクロトワ家に行くけど、チカ達はどーするよ?買い物でもしとくか?」
「買い物…ですか?」
「んー……あたしは別に買いたい物無いしなぁ」
「ボクも無い」
「…なら一緒に行く?自由にして貰っても良いんだけど」
「うーん……特に用もありませんのでアルス様とご一緒しますわ」
「ボクも」
「あたしもー!」
「んならターコイズ様の屋敷に朝一行くか」
明日の予定が決まったアルス達は雑談を続ける。他愛もない話からアルスの愚痴へと変わり、それは夜が明けるまで続くのであった。
「あああああああああああん!!もう疲れたぁー!!!!」
式典から1週間が過ぎた。領主となったアルスはミレーユ達により、有力貴族の元へと挨拶回りをさせられていた。どの貴族も挨拶に向かえば『食事をご一緒にでも』や『子供達と会ってくれないか』などアルス--正確に言えば、チカ達がメインだった--に声を掛けられていた。
だが挨拶だけで終わり、たまたま時間帯的に被っていた時は食事を共にしていた。食事のマナーを少ししか知らないアルスはミレーユ達の作法を盗み見しながら食事を取っていたが、粗相をしない様に気をつけていた為、アルスはかなり疲弊していった。
王城の客間に帰り着くと同時にアルスはベッドにダイブし、枕で口を押さえながら大声を上げるのが日課となっていた。神経を張り詰めていたアルスは食事の味など感じる暇はなかった。しかし、『美食家』のレベルだけは着実に上がっていた。
「………ゆっくりとご飯食べたいよぉ」
アルスの気分はどん底だ。食事という安らげる場面でも安らげなかったからだ。唯一、安らげるとすれば客間のベッドでこの様に休まる時だけであった。
「……はぁーい。どうぞー」
唯一の時間もアルス以外にとってはただの時間だ。扉をノックする音が聞こえ、アルスは気怠そうに返事をする。
「失礼します」
「マスター。軽食を持ってきた」
「お酒も持ってきたよー!」
アルスの部屋を訪れたのはチカ達であった。ナナの手には蓋がしてある大皿、ローリィの手には酒瓶があった。
「おー!めっちゃ嬉しい!!」
アルスはベッドから降りると棚へと向かう。そのまま人数分のグラスを取るとテーブルへと向かう。
「あれ?レインは?」
「レインならソニア様とお話をしていますわ」
「ふーん?ソニアと何を話すんだろ?…ま、いいや」
グラスを置くと同時にナナはテーブルの中央に皿を置くと蓋を取る。皿の上にはパンと黄金色をした棒状の物が乗っていた。
「………これだけ?」
「いや。あとはマスターが持っている肉を使おうと思って」
「? 干し肉だぞ?」
「生肉は無いのか?」
「んーと………あ、持ってたわ」
ボックスから生肉を取り出しナナへと渡すと、ナナのコスチュームが変わりテーブルの横に小さいカマドが現れる。
「チカ。延焼しない様に魔法を展開して欲しい」
「ええ。もうしているわよ」
「???」
どうやらナナは今から調理をする様だ。ナナはアルスから受け取った生肉をフライパンに乗せると火の魔法を使う。
肉の脂が焼ける音が響くと、ナナは調理している肉に調味料を振りかけていく。それらが脂と混じり合い、良き匂いを漂わせるとローリィがナイフを取り出す。
「フンフフーン!半分こにしちゃいましょうねぇー!」
ローリィはパンを半分にするとナナの前に皿ごと置く。
「………ねぇねぇチカちゃん。小皿の代わりにソーサーを使っても良いかなぁ?」
「良いと思うわ。それしか無いんだし」
ローリィはアルスがグラスを取ってきた棚へ向かうとソーサーを人数分持ってくる。
「チカ。そろそろ焼き上がる」
「こっちの準備はバッチリよ」
チカはソーサーにパンの半分を乗せるとナナの横に立つ。そしてナナが焼き上げた肉をパンの上に乗せていく。
「も、もしかして……!?」
「はい、ローリィ。アルス様にお渡しして」
「はぁーい!」
残った半分のパンを肉の上に乗せるとローリィがアルスの前へと置く。
「…この脂は少し手を加えてタレにする。パンに付けても良し、ポテトに付けても良い」
匂いと見た目で何が出来上がるかを悟ったアルスは口の中に涎が湧き出るのが分かった。フライパンに残った脂をタレに変えるとティーカップへと移す。
「出来た。ローリィ、飲み物は?」
「バッチリだよナナちゃん!」
ナナは調理器具を仕舞うと、コスチュームをいつもの服へと変えて着席する。
「はい、ご主人様ー!」
アルスの前には肉を挟んだパンと、黄金色をした棒状の物が置かれる。そして酒が添えられるとアルスはナナ達の方に目を向け口を開く。
「まさか……ハンバーガーか!?」
「そう。本当はガッツリとしたものを作りたかったが、頼むのが面倒だった」
「流石に調理場を貸してくれとは言えないもんねぇー!」
「なので余っていたパンと芋を貰ってきました。私達の部屋で芋は揚げたので出来立てですよ」
「うわぁ!!嬉しいなぁ!さっそく食べようぜ!」
各々グラスを持ち乾杯をしてからハンバーガーもどきを食す。
「くあぁぁぁぁっ!うんめぇ!!」
宮廷料理も良いが、やはりジャンクフードには勝てない。何より、アルスには思い出があった。それは生前の記憶であるが、それが加味されることによって味はより一層旨く感じた。
「んっ。美味しい!これでアルス様のHPも回復するわね」
「個人的にはギガバーガーを作りたかった。アレなら全回復するから」
「んーっ!おいしぃー!!」
「………ん?」
チカ達の話に疑問を覚えたアルスは少し考える。
(HP回復って………………………あぁ、そういやコレは『Destiny』にあったな…。確かイベントだっけか?)
『Destiny』では様々なコラボがあり、その内の1つに海外のゲームとのコラボがあった。イベントモンスターを倒す事でドロップする欠片があり、それを一定数集めると衣装や武器、道具と交換する事が出来た。欠片を200個集める事で交換できる道具に『ハンバーガー』があったのだ。このハンバーガーには『3時間の10%自動回復』という効果があった。同時に何個も使用可能で、この道具を使用してからイベントクエストに潜り放置するのが基本だった。
(…だから回復するって事なのか。体力じゃなくて精神的に削れてるんだけど…まぁ、そんな都合の良い道具は無いもんな)
アルスはチカ達の心遣いを嬉しく思いながらハンバーガーを食す。前世ではハンバーガーとアルコールを摂取する機会は無かったが、中々に乙なものだと知った。贅沢を言えばマヨネーズが掛かっていれば文句無しだったが。
「そういえばアルス様。ミレーユが言ってたんですけど…」
「ん?」
モシャモシャと口を動かしながら返事をする。
「有力貴族達へと挨拶回りは今日で終わりだそうです。それで、明日からどうせるのかを知りたがってましたよ?」
「………」
モシャモシャと口を動かしながらアルスは頭を回転させる。
(んー…ダンジョンを潜るとかどーのこーの言ってたけど、アレはいつなんだろ?………あ、そういやターコイズ様が稽古をつけてくれって言ってたな…)
ゴクリと飲み込んだあと、アルスはチカ達に相談をする。
「昨日の昼にメシを一緒に食った貴族を覚えてる?」
「ええ。クロトワ家ですよね?」
「うん。そこの当主のターコイズ様が、息子さんに稽古をつけてくれって言ってたんだよ」
「それでマスターはそこに行くのか?」
「行こうかなと思ってて。ダンジョンに潜るって話があったけど、アレどーなってるんだろ?」
「明日にでも聞いておきますわ」
「よろしく。…んじゃ俺はクロトワ家に行くけど、チカ達はどーするよ?買い物でもしとくか?」
「買い物…ですか?」
「んー……あたしは別に買いたい物無いしなぁ」
「ボクも無い」
「…なら一緒に行く?自由にして貰っても良いんだけど」
「うーん……特に用もありませんのでアルス様とご一緒しますわ」
「ボクも」
「あたしもー!」
「んならターコイズ様の屋敷に朝一行くか」
明日の予定が決まったアルス達は雑談を続ける。他愛もない話からアルスの愚痴へと変わり、それは夜が明けるまで続くのであった。
0
お気に入りに追加
1,356
あなたにおすすめの小説
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

投擲魔導士 ~杖より投げる方が強い~
カタナヅキ
ファンタジー
魔物に襲われた時に助けてくれた祖父に憧れ、魔術師になろうと決意した主人公の「レノ」祖父は自分の孫には魔術師になってほしくないために反対したが、彼の熱意に負けて魔法の技術を授ける。しかし、魔術師になれたのにレノは自分の杖をもっていなかった。そこで彼は自分が得意とする「投石」の技術を生かして魔法を投げる。
「あれ?投げる方が杖で撃つよりも早いし、威力も大きい気がする」
魔法学園に入学した後も主人公は魔法を投げ続け、いつしか彼は「投擲魔術師」という渾名を名付けられた――

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる