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121話 -王女達の企み 2-
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「はぁ?誰ってそりゃ-----
途中まで出かかっていた言葉を呑み込む。
「誰だ?アルスの……その……あ、新しい…お、女か!?」
「………………はぁ???」
ソニアがオドオドとした口調でレインを指差しながら迫ってくる。俺はというと予想外の言葉に『何言ってんだコイツ?』と思っていた。
「…………そう言われると誰でしょうか?アルス様達と自然に入って来たので気付きませんでした…」
「俺もです………」
ソニアに言われて気付いたのか、ミレーユさん達もレインを不審な眼で見始める。
「あら?私の顔を見ても思い出しませんか?」
何と答えようかと考えているとレインがニコニコとした表情でソニアへと話し掛ける。
「……………んんー??」
ソニアはレインの顔を間近で確認する。それはもうあと数cmでキスするんじゃないかと思うほどに。
「……………? 分からないな」
「分かりませんか?こんなに可愛らしい顔をしているのに……」
「「「んんんっ?」」」
「まぁ分かるはずはありませんけどね。……私の名前はレイン。レ、イ、ンよ?……思い出せる?」
レインは悪戯っ子の様な顔でソニア達へと話し掛ける。
「レイン…………………へっ?!」
レインの問い掛けにいち早く反応したのはニリキナだった。
「えっ!?嘘!?レ、レインちゃん!?」
「ニリキナ。知ってるのか?」
「知ってるも何も……ソニア様も絶対に見た事ありますって……。けど、え?見た目が違う………???????」
「見た目??…どういう事かしら?」
「レインちゃんてあのレインちゃんだよね?庭で遊び回ってた……」
「ニリキナさんは覚えてるかもね。良く遊んでもらったから」
「ええええええっーーーーー!???」
ニリキナはどこぞのお笑い芸人かの様なリアクションを取る。その反応を見て俺は『まぁ…そうなるわな…』と思った。
「話が見えないが………アルスの孤児院にこの様な女が居たか?」
「フフッ…ではこの姿ならどうでしょう?」
「ちょっ!?レイン?!」
俺の静止を無視し、レインは子供の姿へと戻る。
「「「?!!!!」」」
突如子供へと姿を変えたレインにソニア達は目を見開いて言葉を失う。
「これならお分かりでは?」
「うっわー…………本当にレインちゃんだ……」
ニリキナがレインを見ながら呟く。ソニアも見覚えがあったのか『確かに…』と呟きながらも、信じられない様だった。
「私はとある村の獣人族ですわ。……ミレーユ様はお知りでしたよね?」
「…………」
「へっ?!ど、どういう事!?」
「そ、そうなのかお姉ちゃん?」
「ミ、ミレーユ様?」
レインの突然の言葉に驚きながらミレーユさんを見る。
「………なぜそれを?」
「私は耳と目が良いですの。サガンに間者が入っているのは知ってましたよ?」
「か、かんじゃ??」
レインは目は笑ってないが、ニッコリと微笑むと元の姿へと戻る。ミレーユさんは少し目を閉じた後、ゆっくりと口を開いた。
「……まさか獣人族だとは思いもよらなかったわ。その特異的な変化から察するにアナタは希少種のようね」
「ええ。種族的にはケットシーですわ」
「ケ、ケットシー!?」
レインの発言にソニアが驚いて反応する。俺はというと、レインが何故それを話したのかが理解出来なく、当惑したままだった。
「レイン……」
「良いのよアルス。遅かれ早かれミレーユ様方には伝えるつもりだったの。………今の所、私の素性を知っている人はアルス達だけ。けれど私の価値を知っている人達にバレた時、面倒事が起きるから」
「面倒事?」
「…それについてはミレーユ様から聞いた方が早いかも」
レインはそう言うと優雅にお茶を飲み始める。どういう事なのかを説明してもらう為、ミレーユさんに目を向けると、溜息混じりに口を開くのであった。
途中まで出かかっていた言葉を呑み込む。
「誰だ?アルスの……その……あ、新しい…お、女か!?」
「………………はぁ???」
ソニアがオドオドとした口調でレインを指差しながら迫ってくる。俺はというと予想外の言葉に『何言ってんだコイツ?』と思っていた。
「…………そう言われると誰でしょうか?アルス様達と自然に入って来たので気付きませんでした…」
「俺もです………」
ソニアに言われて気付いたのか、ミレーユさん達もレインを不審な眼で見始める。
「あら?私の顔を見ても思い出しませんか?」
何と答えようかと考えているとレインがニコニコとした表情でソニアへと話し掛ける。
「……………んんー??」
ソニアはレインの顔を間近で確認する。それはもうあと数cmでキスするんじゃないかと思うほどに。
「……………? 分からないな」
「分かりませんか?こんなに可愛らしい顔をしているのに……」
「「「んんんっ?」」」
「まぁ分かるはずはありませんけどね。……私の名前はレイン。レ、イ、ンよ?……思い出せる?」
レインは悪戯っ子の様な顔でソニア達へと話し掛ける。
「レイン…………………へっ?!」
レインの問い掛けにいち早く反応したのはニリキナだった。
「えっ!?嘘!?レ、レインちゃん!?」
「ニリキナ。知ってるのか?」
「知ってるも何も……ソニア様も絶対に見た事ありますって……。けど、え?見た目が違う………???????」
「見た目??…どういう事かしら?」
「レインちゃんてあのレインちゃんだよね?庭で遊び回ってた……」
「ニリキナさんは覚えてるかもね。良く遊んでもらったから」
「ええええええっーーーーー!???」
ニリキナはどこぞのお笑い芸人かの様なリアクションを取る。その反応を見て俺は『まぁ…そうなるわな…』と思った。
「話が見えないが………アルスの孤児院にこの様な女が居たか?」
「フフッ…ではこの姿ならどうでしょう?」
「ちょっ!?レイン?!」
俺の静止を無視し、レインは子供の姿へと戻る。
「「「?!!!!」」」
突如子供へと姿を変えたレインにソニア達は目を見開いて言葉を失う。
「これならお分かりでは?」
「うっわー…………本当にレインちゃんだ……」
ニリキナがレインを見ながら呟く。ソニアも見覚えがあったのか『確かに…』と呟きながらも、信じられない様だった。
「私はとある村の獣人族ですわ。……ミレーユ様はお知りでしたよね?」
「…………」
「へっ?!ど、どういう事!?」
「そ、そうなのかお姉ちゃん?」
「ミ、ミレーユ様?」
レインの突然の言葉に驚きながらミレーユさんを見る。
「………なぜそれを?」
「私は耳と目が良いですの。サガンに間者が入っているのは知ってましたよ?」
「か、かんじゃ??」
レインは目は笑ってないが、ニッコリと微笑むと元の姿へと戻る。ミレーユさんは少し目を閉じた後、ゆっくりと口を開いた。
「……まさか獣人族だとは思いもよらなかったわ。その特異的な変化から察するにアナタは希少種のようね」
「ええ。種族的にはケットシーですわ」
「ケ、ケットシー!?」
レインの発言にソニアが驚いて反応する。俺はというと、レインが何故それを話したのかが理解出来なく、当惑したままだった。
「レイン……」
「良いのよアルス。遅かれ早かれミレーユ様方には伝えるつもりだったの。………今の所、私の素性を知っている人はアルス達だけ。けれど私の価値を知っている人達にバレた時、面倒事が起きるから」
「面倒事?」
「…それについてはミレーユ様から聞いた方が早いかも」
レインはそう言うと優雅にお茶を飲み始める。どういう事なのかを説明してもらう為、ミレーユさんに目を向けると、溜息混じりに口を開くのであった。
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