放置ゲー廃課金者、転生する!

にがよもぎ

文字の大きさ
上 下
59 / 135

057話

しおりを挟む
「こんにちはお嬢さん方。そして、サガンの英雄アルス様。お待ちしておりました」

「英雄なんかじゃないです。…それはやめてください」

「これは大変失礼いたしました。…では、辺境伯がお待ちです。こちらへどうぞ」

初老の男性に連れられ門の中へと入る。屋敷と聞いていたが、俺のイメージとは違い、なんというか普通の一軒家であった。

「ほっほっほ。意外でしたかな?」

俺の表情を見た老人が楽しそうに話しかける。

「意外と言っていいのか…。辺境伯と聞いていたので、凄い豪邸だと想像していましたよ」

「貴族のように派手な屋敷を持つのが嫌いでしてね。普通の家で良いと思っていたのですが、住民から見栄えは良くしてくれと懇願され、妥協した末にこの様な屋敷となったんですよ」

「へぇー。住民から愛されているんですね」

「まぁ派手なのがお好きでない方でございますからね」

「……どこかで見た事あると思ってたけど、お爺ちゃん前に荷物運んだ人だよね?」

「…ローリィも思ってた?私も何処かでお会いした気がするのよね…」

「うん。前にボク達が荷物を運んであげた事がある」

「…ん?荷物??」

「覚えていませんか?…最初に顔を売るために住民に色々と話しかけていた時ですよ」

チカにそう言われ思い出してみる。………んー?荷物を運んだ??最初??…ダメだ、思い出せない。

「ほら、リヤカーを引いてお爺ちゃんの家の前まで行った時だよー!」

リヤカー…家の前…荷物運ぶ…。ああ!!あの時か!

「思い出しましたかな?あの時は大変お世話になりました」

「ああ!あの時の!…すいません、すっかり忘れていました…」

「いえいえ、謝る事は御座いませんよ。…あれから皆様方のお話はよく耳にしておりました」

「はは。ちょっと恥ずかしいですね…」

「サガンがあれほどの襲来を受けて無事なのは皆様方のお陰ですよ。本当に感謝しております」

「…いえ。当たり前の事をしただけですから」

「…顔色が優れない様ですね。何か悩み事でも?」

「…何にも無いですよ?」

「…そうですか。よろしければ相談に乗りますが?」

「…いえ、大丈夫です」

「……少々お節介をやいてしまいました。申し訳ございません」

「あ、謝らないでください!…ただ、俺の精神的な部分なので…」

「…辛くなったら相談する事が良いでしょう。アルス様はお強いかも知れませんが、精神的にはまだ幼い。頼るのもまた、強さだと思いますよ」

「……………」

「ほっほ。長生きしている爺の戯言ですよ。…さぁ、中へお入りください」

屋敷の中へ連れられ、辺境伯の部屋へと向かう。屋敷の中も派手ではなく、質素な感じを受ける。ただ、しっかりと調度品は置かれている。

「さぁ、こちらへどうぞ。辺境伯様をお呼び致しますので、中でお待ちください」

辺境伯の部屋へと入ると、本当に辺境伯の部屋なのかと疑った。コンラッドの執務室よりも広い部屋に、仕事をする机と、来客用の机とソファしか置かれてなかった。

「お飲み物もお持ちしますので、どうぞお座りください」

そう言うと、老人は部屋から出て行く。残された俺達は申し訳程度に置かれているソファへと腰を下ろす。

しばらくして、ゆっくりとドアが開く。そこには、整った顔立ちの好青年が立っていた。

「お待たせして申し訳ない」

好青年の手には飲み物とお菓子が乗ったお盆があった。

「あ、手伝いますよ」

ドアに近づき、好青年からお盆を受け取り机へと持っていく。

「すみません。手を煩わせてしまって…」

「いえ、大丈夫ですよ」

飲み物をそれぞれの前に起き、辺境伯の机にも置いておく。

「あのー…辺境伯様は何か用事があったんでしょうか?」

「いえ、少々着替えに手間取ってしまいましてね…。遅れてしまいました」

「そうですか…。俺達は大丈夫なんでゆっくり着替えてくださいとお伝えください」

「?はぁ…。わかりました」

その好青年は腑に落ちない顔をしながらも、机へとスタスタと向かい腰を下ろす。

「?そこは辺境伯様の机じゃないんですか?」

「?ええ、そうですよ?」

「座ったりしたら不味いんじゃないですかね…?」

「??なんでですか?」

「え?だってそこは辺境伯様の机ですよね?」

「ええ、そうですよ??ダメなんですか??」

「え???」
「え???」

いやいや、ダメに決まってるだろ。辺境伯の机に召使いが普通に座ったらアカンでしょ…。人の良い辺境伯でも流石に怒ると思うなぁ…。

好青年になんと言おうか考えていると、何かに気付いたのか青年はいきなり笑い出した。

「あはははっ!なるほど、そういう事ですか!」

「あ、わかっていただけました?良かった…」

「ええ、アルス様が言いたい事は分かりましたよ」

そういうと青年は椅子から立ち上がる。

そうそう!そこは偉い人の席なんだよ!良かったー、気付いてくれて!

安堵したのも束の間、青年は飲み物を持ちながら俺の横に座るという奇行をした。

「???」

「あはははは!すいません、そう言えばまだ名乗っていませんでしたね。改めまして、私の名前は『ラティクス・ファルマス』。サガンの辺境伯をしております」

「………っええええええええええ!?」

ちょっ!辺境伯!?こんな若いのに!?辺境伯ってもうちょっと歳取ってる人なんじゃないの???俺召使いかと思ってたんだけど!!

俺の驚愕した表情が面白かったのかラティクスはずっと笑っている。

「すすすすいません!!辺境伯様だとは知らずに!!」

「いえいえ。--はぁ、面白かった。まだ顔を合わせていませんでしたから、仕方ないですよ。それに、もう慣れっこですから」

「あばばばばばば。すみません…本当にすいません」

俺は慌てて土下座をしようとする。しかし、ラティクスがさせてくれなかった。

「お気になさらずに。さぁ、お座りください」

ラティクスに促され席に座る。俺の慌て様とは裏腹にチカ達は平然とした顔でお茶を飲んでいた。

「え…。なんでお前らそんな平静なの?」

「一度だけお顔を拝見した事がありますから。…王都での依頼の時ですけど…」
「拝見って言っても、人相書きなんだけどねー」
「うん。それに魔力でも判断出来た」

「…魔力ですか?」

何か引っかかる事があったのか、ラティクスはナナに尋ねる。

「うん。ボクは魔力が分かる。貴方が人よりも凄い魔力を持っているという事が」

「…噂通りの慧眼ですね。御見逸れいたしました」

「ボクにとっては普通の事。凄くはない」

「えぇ………。知ってたなら教えてくれよ…。アホみたいじゃんか」

「アルス様がすぐ近寄りに行ったので知っているものかと思ってました…」

「全然知らなかったよ…」

「まぁまぁ。私は気にしていませんから」

んもー。すげー恥ずかしいじゃんか…。チカ達は冷たいなぁ…。

「…さて、そろそろ本題に入りましょうか」

そう言うとラティクスは姿勢を正す。

「サガンを、住民を救って頂いたことを感謝します。本当に、本当にありがとうございます!」

ラティクスは俺達に、深々と頭を下げる。

「いえ、当たり前の事をしただけですから!頭をあげてください!」

「いえ!これは言葉だけでは伝えきれないのです!」

「伝わりましたから!!頭あげてください!!」

俺の2度目の言葉でゆっくりと頭をあげたラティクスは、澄んだ瞳で俺達へ話しかける。

「色々とお礼をしたいのですが、コンラッドから話は聞いております。…嫌がるでしょうが、感謝の気持ちとして形にしたいのです。何か希望する物はございませんか?」

「えぁー……そういうのは本当にいらないんです…」

「何でも良いんです!」

…いやー、マジで要らないんだよ。それに俺全部救えたわけじゃないし…。

それからは暫く押し問答が続く。頑なに断る俺と頑なに言い続けるラティクス。結局、チカの提案で押し問答は終わりを告げた。

「……辺境伯様、私から希望があるのですが」

「はい!何でも仰ってください!」

「…アルス様も私達も今回の事で金や物は必要としておりません。…しかし、辺境伯様のお気持ちも考えるとなあなあで済ませる問題でも無いと思っております。…そこで提案というか私個人の希望なのですが、今回襲撃の際無くなってしまった人達の記念碑とお墓を作って頂きたいのです。サガンには端っこの方に墓地が御座いますが、少し寂れている様子なので綺麗にして欲しいなと」

「……記念碑ですか?」

「ええ。今回の件は私達の力が足りず犠牲者が出てしまいました。身内を失った方もおられます。その方々の為に墓地を綺麗にし、未来永劫忘れない為にも残していた方が良いかと」

「…墓地の件については前々から思っていましたのですぐにでも。…しかし、記念碑となると傷跡を残す事になりませんか?」

「…それはわかりません。しかし、亡くなった方がただ魔物に襲われて死んだと考える方が辛いかと思いまして…」

「…………わかりました。色々な人と相談して決めてみます」

「よろしくお願いします」

チカの話を聞いていて素直に凄いと思った。俺の脳みそじゃ、ここまでの事は考えられなかったであろう。

「これが報酬となるかは私にもわかりません…。他に何か欲しい物はありませんか?」

「……………特に何も。というより、チカの考えが凄すぎて感心しました」

「ボクも」
「あたしもー!」

「…分かりました。チカさんの希望に沿って話を進めたいと思います」

ラティクスは手元にあったメモに書き留める。書き終わったのかペンを置くと、次の話をし始めた。

「よし、話をする前に少しお願いがあるのですが…」

「何でしょう?」

「お互い堅苦しい口調は辞めませんか?私としても、貴方達とは仲良くしたいので」

「ええ、ラティクス様がよろしければ大丈夫ですよ」

「よかった。あ、それと僕の事は『ラティ』と呼んで?では、話を続けるね。……今から話をする内容はこの街では僕とコンラッドしか知らない話。他言はしないように」

ラティの口調が真面目なものへと変わる。

「今回、アルスさん達は王都の危機を救った。多少の損害は出たけど、怪我人も最小限で済んだと報告が上がってるんだ。…ただ、アルスさんにとってはあまり良くない話が2つあるんだよねー…」

「……その話って?」

「1つ目は普通の平民からしたら嬉しい事。……アルスさん、陛下が面会を求めています。それも早急に」

「…は?なんで?」

「なんでって…王都を救ったからですよ。それしかないでしょ?」

「俺以外にも兵士達が頑張っただろ??冒険者もさ」

「それは別に終わらせてるみたいなんだよ」

「え、別ってどういう事??」

「戦った冒険者や兵士は陛下から直接お言葉と報酬金を貰ってるよ。…アルスさん達は呼ばれなかった??」

「呼ばれるも何もそんな事聞いてないぞ?」

「あー、じゃあジルが言い忘れてたのかな?アルスさん、王都の外でドラゴン討伐したでしょ?」

「ん?…ああ、倒したけど??」

「…一応言っておくけどね、ドラゴンを倒すってのは凄い事なんだよ?かなりの人数で戦って勝てるかって強さなの。それを1人で倒しちゃったから、陛下も興味を持ったんだと思うな」

「あーそういう事ね。…辞退とか出来ないかな?」

「無理だね。流石のアルスさんでも逃げられないと思うよ?」

「俺敬語とかそういうの出来ないんだぞ…?」

「そこで朗報が1つ。陛下は個人で面会を求めてるんだ」

「尚更無理だろ!!ヤダ!絶対ヤダ!!」

いやいやいやいや。普通に考えてそれは無い。変な喋り方したら不敬罪とか言われそうだし、相手は王様だろ??絶対無理!!

俺の表情が語っていたのだろう。ラティは苦笑いしながら話を続ける。

「まぁ諦めてよ。無理っていうのが無理なんだからさ」

「その面会って俺1人で??」

「いや?面会はチカさん達もだよ」

……イケるか?俺は喋らないようにしてチカに丸投げすればギリ大丈夫じゃないか?言葉遣い丁寧だし……。

「とりあえず今月は依頼を受けないようにしててね。陛下にはいつでも大丈夫って伝えておくから」

「……よろしく。んで?2つ目は?」

「2つ目は謁見するって事から生まれた問題なんだけど…。先に簡単に言っておくと、アルスさん達は一部の貴族から狙われているよ」

「………………は?」
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

学年揃って異世界召喚?執行猶予30年貰っても良いですか?

ばふぉりん
ファンタジー
とある卒業式当日の中学生達。それぞれの教室でワイワイ騒いでると突然床が光だし・・・これはまさか!? そして壇上に綺麗な女性が現れて「これからみなさんには同じスキルをひとつだけ持って、異世界に行ってもらいます。拒否はできません。ただし、一つだけ願いを叶えましょう」と、若干頓珍漢な事を言い、前から順番にクラスメイトの願いを叶えたり却下したりと、ドンドン光に変えていき、遂に僕の番になったので、こう言ってみた。 「30年待ってもらえませんか?」と・・・ →→→→→→→→→→→→→→→→→→→→  初めて文章を書くので、色々教えていただければ幸いです!  また、メンタルは絹豆腐並みに柔らかいので、やさしくしてください。  更新はランダムで、別にプロットとかも無いので、その日その場で書いて更新するとおもうのであ、生暖かく見守ってください。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

処理中です...