大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ

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89. ジミー裏切る

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 野営訓練の後、マリン達を騎士にし、大森林で狩りをし、ついでに大森林を掘って鉱物などたくさんゲットし、3日間かけて王都の御屋敷に帰ってきた。

 そして、騎士になった9人の女子達には、俺の秘密を暴露する事にする。
 と言っても、カララム王国学園の地下に作った地下宮殿の事だけど。

 だって、女子達、俺に絶対の忠誠を誓うとか言うんだもん。俺も、それに少しでも報いようと思ったのだ。

「ヨナン君! 凄いわね! 御屋敷とカララム商会だけでも凄いけど、まさか、カララム王国学園の真下に、こんな物凄い施設を作ってたなんて、こんなのカララム王城を軽く越えてるわよ!
 本当に、ヨナン君の騎士になって良かった! 流石は、私が選んだ男だわ!」

 なんか、マリンと女子達が感激している。
 何故か、既に秘密を知ってた感を漂わしてるスーザンだけは、エッヘンとしてるけど。

 でもって、マリン達9人の騎士達は、エリザベスさんとハヤブサさんとセバスチャンさんとエリスによって、グラスホッパー準男爵家に相応しい、騎士に育てられるらしい。

 まあ、よく分からないが、スーザン・スパイダー同様にグラスホッパー商会にも所属するようになるのだとか。

『やりましたね! ご主人様! タダで、カララム王国学園Sクラス所属の優秀な人材を9人も確保出来ちゃいましたね!
 しかも、全員、ご主人様に股を開く覚悟が有るなんて最高じゃないですか!』

 また、鑑定スキルが、下品な事を言ってくる。

「金があれば、地位も女も思い通りって、本当だったんだな……」

『ですね! しかも、ご主人様は強いですから、王様にも魔王にでもなれちゃいますよ!』

「俺、今のままで十分なんだけど……その気になれば、なんだって出来るって所が良いんだよ! そして、やりたい事を何も考えずに、無制限に実際にやっちゃったらすぐに飽きると思うぞ?」

『ですね! 僕もご主人様が、人を虫けらみたいに殺すようになったら嫌です』

「飛躍し過ぎだろ?」

『でも、人ってそんなもんですよ。独裁国家の暴君って、大体、虫けらのように人を殺しますから』

「俺は、俺の大事な人を傷付けたり、俺に悪意を持って接してくる奴しか殺さないぞ?」

『アスカみたいな?』

「アスカには、ザマーし足りないから、ずっと生きててもらう。まだ、エドソンの分でさえ返してないからな!」

『ジミーさんの分は、返せてるんでは?』

「確かに、ジミーの分は余裕で返せてるな。やっぱり、人の生命の価値って違うんだな……ジミーについては、死に戻り前に結構いたぶられてたから、ハッキリ言って逆に殺されても良かったかも……」

『ご主人様って、結構、酷い人間ですね』

「実際、人ってそんなもんだろ?というか、お前も、今さっき、そんな話してただろうが!」

『そうでしたっけ?』

「そうだよ!」

 兎に角、ジミーの命が軽い事だけ分かって、元の学園生活に戻ったのだった。

 ーーー

 そして、また、事件が起こる。
 なんと、カトリーヌが婚約者であるカララム王国のルイ王子に三行半を突き付けて、婚約解消してしまったのだ。

 なんでも、甲斐性なしの弱い男とは結婚出来ないとかなんとか言って。

 しかも悪い事に、カトリーヌは、俺に結婚の申し出をしてきのだ。

 やはり、イーグル辺境伯の血筋はヤバ過ぎる。男の価値を、基本、強さと甲斐性で決めてしまうのだ。あまりに、地位とかに無頓着。なので、エリザベスはエドソンと結婚してしまったのだけど。

 でもって、俺は、一方的にルイ王子に恨まれる事となってしまったのだ。

 それからもっと悪い事に、失恋に落ち込んでるルイ王子に付け込んで、アスカがルイ王子の魅了に成功してしまったのだ。
 まあ、俺の商会が作った制服なんか着れるかとかなんとか言って、昔の制服に変えちゃったから、しょうが無いんだけど。

『ご主人様、ちょっと不味い事になってきちゃいましたね……』

 鑑定スキルが、心配そうに話し掛けてくる。

「ああ。多分、『恋愛イチャイチャキングダム』に出てくる1年生以外の主要攻略対象を、アスカが全員、攻略したようだな……」

『しかも、ジミーさんまで味方に付けてますよ』

 そうなのだ。ジミーも、俺の商会が作った制服なんか着れるかと、昔の古い制服を着ていたのだ。
 実家からの仕送りも、俺のお陰なのに、金だけはしっかり受け取ってね。
 でもって、既に、制服に魅了スキル無効の術式が組み込まれてると気付いてるアスカが、俺を貶める為にジミーに近づいたのだ。

『本当に、ジミーさんって、面倒くさすぎる人ですよね……』

 鑑定スキルが呆れている。

「ああ。ジミーはそんな奴だ」

 そんな感じで、カララム王国学園で、ちゃくちゃくと力を付けてきてるアスカが、ついに俺じゃなくて、カトリーヌにちょっかい掛けてきたのだった。

 場所は、学園の舞踏場。ルイ王子が主催する舞踏会で。
 既に、ルイ王子は、カトリーヌに婚約破棄されているというのに、カトリーヌと婚約破棄する断罪イベントをするらしい。

 そう。今更ながら、アスカは『恋愛イチャイチャキングダム』のイベントを、忠実に再現しようとしていたのであった。

 何故、分かったというと、学園に設置してある何百台ものカメラに、アスカやルイ王子、それからジミーや、他の攻略対象のイケメン男子達が、王子の部屋に集まって計画してる様子が映ってたから。

 この計画を知ったヨナンは、ほくそ笑む。
 アスカに、ザマーするチャンスが到来したと!
 断罪イベントを、いつどこでやるか分かってたら、簡単に対策などできてしまうのだ!
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