128 / 166
128. 蛇の蒲焼
しおりを挟む「これはどうしようかしら……」
「だな……死体が道を塞いで通れやしない」
シャンティーの独り言に、塩太郎も反応する。
何故なら、メリルが倒した蛇の魔物は、丁度、廊下の大きさ。しかも、長さも結構な長さで、完全に道を塞いでるのである。
「食べないんですか?」
そんなシャンティーと塩太郎の会話に、メリルが入ってくる。
「食べるといっても、これだけの大きさの蛇なんか食べれないでしょ!」
シャンティーが、すかさず突っ込みをいれる。
確かに、サッカーボール程の大きさのシャンティーでは、一生掛かっても食べれない大きさだ。
「折角、皆さんが食べると思って、火力を弱めたのに……」
メリルは天然な所があるのか、本気で塩太郎達が蛇の魔物を食べると思ってたらしい。
「火力を弱めた?」
「ハイ。皆さんが食べないのなら、消し炭にする事も出来ましたよ」
「じゃあ、消し炭にしてくれる」
シャンティーが、メリルにお願いする。
「アッ! ちょっと待って下さいね!」
メリルは、魔法の鞄の中から業物ぽい日本刀レプリカを取りだし、蛇の魔物を急いで解体していく。
そして、どうやら自分が欲しい部所に辿り着くと、1キロ程の大きさに取り分け、自分の鞄にしまった。
「本当に食べないんですか?」
メリルは、自分の鞄の中に蛇肉をしまった後、もう1度塩太郎達に聞いてくる。
「なら、少しだけ分けて貰えるか?酒の肴にしてみたいから」
塩太郎は、何故か蛇肉が美味そうに見えたので、メリルにお願いする。
「それでは、一番美味しい部位を」
メリルは、スパパンと蛇肉を切り取り、竹の葉っぱポイもので包んで塩太郎に渡してくれた。
「オッ! ありがとな!」
「どういたしまして」
メリルはニッコリと微笑む。
シャンティーやエリスと話す時は、鉄仮面のような表情で話していたので、あんまり感情表現しないかと思ってたのだが、そうでは無さそうた。
というか、滅茶苦茶可愛い。
「アンタ、何、顔を真っ赤にしてんのよ!
アンタって、もしかしてゴトウ・サイトと同じようにロリコンだったの?」
「ちがわい! 俺がロリコンの筈ないだろ!」
シャンティーの指摘に、塩太郎は滅茶苦茶焦る。
そう、メリルは見た目幼女だが、中身は300歳オーバーのババアなのである。
「あの? 今はこの姿ですけど、15歳の年齢ぐらいまでならなれる設定ですので、なってみますか?」
「えっ?! そんな事まで出来るのかよ!」
「ハイ。私はロリコンのサイト様専用のメイドですので、幼女から、ギリギリS〇X可能な15歳の体になるように作られてますから」
「15歳? なんなのそれ?」
「ロリコン大魔王のゴトウ・サイトは、妙な拘りがあって、15歳以上の女にしか手出ししないのよ!
だけれども、ロリコンで幼女も大好きだから、こんな変な設定になってんの!
因みに、ガブリエルも15歳で歳を取るの止めてるわよ。
15歳以上になってしまうと、ゴトウ・サイトが興味なくなるかもと恐れているからだと言われてるわ」
シャンティーが、塩太郎的にどうでも良い、ゴトウ・サイト情報を端折って説明する。
「でも、ゴトウ・サイトは死んでるんだろ?」
「それでも、ガブリエルは、ゴトウ・サイトが愛する姿でいたいのよ!
アンタ、本当に女心が分かんない男ね!」
「そ……そんな事、ある訳ねーだろ!
俺ほど、女心が分かる男はいねーだろ!」
「エリスと虎子とハナの気持ちが分かんない、アンタが言う?」
「だから、エリスはストカーで、虎子はウザくて、ハナは不倶戴天の敵って、何度も言ってるだろうが!」
「愛の為なら、普通、そんな障害乗り越えてしまうものだと思うけど?」
「愛って、それって相思相愛の場合だろうが! 俺の場合、全く違うし!」
「アンタね。愛されてるうちが華って言葉しらないの?」
「何とも思ってない女を、愛せるかって話だよ!」
「でも、女の子とエッチな事できる店は好きなんでしょ?」
「それとこれとは、別だ! 後腐れない女ならいいんだよ!
エリスも、虎子も、ハナも、全員、重すぎなんだよ!」
「アンタって、本当に贅沢な男ね」
「あの、そろそろいいですか?」
メリルが、塩太郎とシャンティーの会話に飽きたのか、話に割って入る。
「「どうぞ!どうぞ!」」
塩太郎とシャンティーは、ハモって答える。
「それじゃあ、蛇の魔物を消し炭にします」
メリルは、そう言うと、先程と同じ魔法を高火力で放ち、50メートルはあろう大蛇の死骸を、何事でもない事のように、完全に消し炭にしてしまったのだった。
3
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる