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128. 蛇の蒲焼
しおりを挟む「これはどうしようかしら……」
「だな……死体が道を塞いで通れやしない」
シャンティーの独り言に、塩太郎も反応する。
何故なら、メリルが倒した蛇の魔物は、丁度、廊下の大きさ。しかも、長さも結構な長さで、完全に道を塞いでるのである。
「食べないんですか?」
そんなシャンティーと塩太郎の会話に、メリルが入ってくる。
「食べるといっても、これだけの大きさの蛇なんか食べれないでしょ!」
シャンティーが、すかさず突っ込みをいれる。
確かに、サッカーボール程の大きさのシャンティーでは、一生掛かっても食べれない大きさだ。
「折角、皆さんが食べると思って、火力を弱めたのに……」
メリルは天然な所があるのか、本気で塩太郎達が蛇の魔物を食べると思ってたらしい。
「火力を弱めた?」
「ハイ。皆さんが食べないのなら、消し炭にする事も出来ましたよ」
「じゃあ、消し炭にしてくれる」
シャンティーが、メリルにお願いする。
「アッ! ちょっと待って下さいね!」
メリルは、魔法の鞄の中から業物ぽい日本刀レプリカを取りだし、蛇の魔物を急いで解体していく。
そして、どうやら自分が欲しい部所に辿り着くと、1キロ程の大きさに取り分け、自分の鞄にしまった。
「本当に食べないんですか?」
メリルは、自分の鞄の中に蛇肉をしまった後、もう1度塩太郎達に聞いてくる。
「なら、少しだけ分けて貰えるか?酒の肴にしてみたいから」
塩太郎は、何故か蛇肉が美味そうに見えたので、メリルにお願いする。
「それでは、一番美味しい部位を」
メリルは、スパパンと蛇肉を切り取り、竹の葉っぱポイもので包んで塩太郎に渡してくれた。
「オッ! ありがとな!」
「どういたしまして」
メリルはニッコリと微笑む。
シャンティーやエリスと話す時は、鉄仮面のような表情で話していたので、あんまり感情表現しないかと思ってたのだが、そうでは無さそうた。
というか、滅茶苦茶可愛い。
「アンタ、何、顔を真っ赤にしてんのよ!
アンタって、もしかしてゴトウ・サイトと同じようにロリコンだったの?」
「ちがわい! 俺がロリコンの筈ないだろ!」
シャンティーの指摘に、塩太郎は滅茶苦茶焦る。
そう、メリルは見た目幼女だが、中身は300歳オーバーのババアなのである。
「あの? 今はこの姿ですけど、15歳の年齢ぐらいまでならなれる設定ですので、なってみますか?」
「えっ?! そんな事まで出来るのかよ!」
「ハイ。私はロリコンのサイト様専用のメイドですので、幼女から、ギリギリS〇X可能な15歳の体になるように作られてますから」
「15歳? なんなのそれ?」
「ロリコン大魔王のゴトウ・サイトは、妙な拘りがあって、15歳以上の女にしか手出ししないのよ!
だけれども、ロリコンで幼女も大好きだから、こんな変な設定になってんの!
因みに、ガブリエルも15歳で歳を取るの止めてるわよ。
15歳以上になってしまうと、ゴトウ・サイトが興味なくなるかもと恐れているからだと言われてるわ」
シャンティーが、塩太郎的にどうでも良い、ゴトウ・サイト情報を端折って説明する。
「でも、ゴトウ・サイトは死んでるんだろ?」
「それでも、ガブリエルは、ゴトウ・サイトが愛する姿でいたいのよ!
アンタ、本当に女心が分かんない男ね!」
「そ……そんな事、ある訳ねーだろ!
俺ほど、女心が分かる男はいねーだろ!」
「エリスと虎子とハナの気持ちが分かんない、アンタが言う?」
「だから、エリスはストカーで、虎子はウザくて、ハナは不倶戴天の敵って、何度も言ってるだろうが!」
「愛の為なら、普通、そんな障害乗り越えてしまうものだと思うけど?」
「愛って、それって相思相愛の場合だろうが! 俺の場合、全く違うし!」
「アンタね。愛されてるうちが華って言葉しらないの?」
「何とも思ってない女を、愛せるかって話だよ!」
「でも、女の子とエッチな事できる店は好きなんでしょ?」
「それとこれとは、別だ! 後腐れない女ならいいんだよ!
エリスも、虎子も、ハナも、全員、重すぎなんだよ!」
「アンタって、本当に贅沢な男ね」
「あの、そろそろいいですか?」
メリルが、塩太郎とシャンティーの会話に飽きたのか、話に割って入る。
「「どうぞ!どうぞ!」」
塩太郎とシャンティーは、ハモって答える。
「それじゃあ、蛇の魔物を消し炭にします」
メリルは、そう言うと、先程と同じ魔法を高火力で放ち、50メートルはあろう大蛇の死骸を、何事でもない事のように、完全に消し炭にしてしまったのだった。
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