職種がら目立つの自重してた幕末の人斬りが、異世界行ったらとんでもない事となりました

飼猫タマ

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121. 冒険者ギルド会議(4)

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「それでは、『犬の肉球』から上がった1つ目の議題からじゃな。
 ムササビ冒険者ギルド本部の正門横にある移転部屋のリフォーム。
 早速、決をとる。賛成の者は手をあげろ!」

 ムササビ冒険者ギルド本部長ブリジアの言葉に、冒険者ギルド会議に出席してる団長達が手をあげる。

「フム。珍しいな。全員賛成で、移転部屋リフォームは採択じゃな!」

 まさか、シャンティーの滅茶苦茶なお願いが採択されると思ってなかった塩太郎はビックリする。
 絶対に、『犬の肉球』の事をよく思ってない、『犬の尻尾』の傘下冒険者パーティーが反対すると思ってたし。
 まあ、しかしながら、ここで採択する以前から、移転部屋のリフォームは、既に進んでるのだけどね。

「次の議題は、またまた『犬の肉球』からの議題じゃ!
『犬の肉球』にも、『犬の尻尾』が所有してる移転装置を使わせろという事じゃが、これは当事者同士の話し合いじゃな」

「『犬の肉球』は、構わない」

 ガブリエルは、簡単にOKを出す。

「フフフフフ。やっぱりね!」

 シャンティーは、してやったりという顔をして、ほくそ笑んでいる。

「おい! シャンティー、どういう事だよ?
 何で、ガブリエルは、お前の無茶な我儘をOKしたんだ?」

 塩太郎は、とても気になりシャンティーに質問する。

「ガブリエルは、今回の会議で、ベルゼブブ攻略レイドの開催を議題に出すつもりなのよ。
 それに、全ての冒険者会議に参加してる冒険者パーティーに、OKさせるつもりね!
 世界中の全ての冒険者を、強制的にレイドに参加させるには、冒険者ギルド会議に出席してる冒険者パーティーの半数ではなく、全ての冒険者パーティーが賛成しないとダメだからね!」

 シャンティーが、『犬の尻尾』が、何でも賛成してくれるカラクリを披露する。

「成程。それで、ガブリエルは、お前の滅茶苦茶な要望にOKを出したと?」

「そうよ。私達が冒険者ギルド会議に参加資格を持つ前に、正門横の移転部屋のリフォームが始まったり、ワッシーやワシ子を、ムササビ冒険者ギルド本部の庭に放し飼いしても良くなったのも、全てガブリエルが裏で手を回してくれてたのよ!」

 何故か、シャンティーはドヤ顔で説明する。

「じゃあ、お前が怖くて、冒険者ギルドの職員が、無理に我儘をきいてくれた訳じゃなかったのかよ?」

「アンタ、アホ?冒険者ギルドが、私の我儘で動く筈ないでしょ!
 冒険者ギルドと、ムササビ自治国家の運営は、全て、この冒険者ランキング10位入りしてる冒険者ギルド会議で決められるのよ!
 まだ、私達『犬の肉球』が、冒険者ギルド会議に参加してなかった段階で、私達『犬の肉球』が、冒険者ギルドの事を何も決められ訳ないじゃない!」

「そうだったんだ……それを見越して、シャンティーは無理なお願いをしたと……」

「そういう事よ! 作戦通り! これで、移動が大分楽になるわよ!
 何せ、全国展開してる焼肉チェーン『ミノ一番』にある『聖級移転』装置を、私達も自由に使えるようになるんだからね!」

 とか、シャンティーとワイワイやってるうちにも、会議は進む。

「次も、『犬の肉球』からの議題じゃな。
『ミノ一番』のお食事券、300万マーブル分、『犬の肉球』が欲しいとの事じゃ……」

 ブリジアが、呆れながら『犬の肉球』?じゃなくて、シャンティー個人の要望を読み上げる。

「差し上げます」

 ガブリエルの横に座っていた、『ミノ一番』のオーナーであり、『漆黒の森』の宰相であるナンコー・サンアリが答える。

「お前、どんな議題出してんだよ!」

 塩太郎は、滅茶苦茶恥ずかしくなって、シャンティーに猛抗議する。

「うるさいわね! 貰えるものは、この際、全部貰ってやるのよ!
 これは、私達『犬の肉球』が、ベルゼブブ攻略レイドに参加してやる代金みたいなもんなの!」

「参加してやるって、元々、参加する気満々だったじゃねーかよ!」

「それとこれとは、別よ!アンタ、 デザートは別腹って言葉知らないの?」

「そんな言葉知らねーよ!それを言うなら、甘いものは別腹だろ!」

「一緒じゃない?」

「一緒じゃねーよ!俺は日本出身なの!一々、伴天連みたいに、デザートとか横文字使うんじゃねーよ!」

「何、言ってんのアンタ、今迄、散々横文字使っといて!」

「それは、横文字しか言葉が無かったりするからだっちゅーの!」

「ハイハイそうね。そしたら、アンタだけデザートという言葉使わなけばいいんじゃない?」

「言われなくても、そうするわ!」

 塩太郎と、シャンティーが口喧嘩してる間にも、ドンドン会議は進んでいく。
 何故なら、『犬の肉球』の議決権を持ってるのは、団長であるムネオだから。決して、シャンティーでは無いのである。

 そして、2時間後。なんやかんや、冒険者ギルドと、ムササビ自治国家の自治の話が全て終わる。

「それでは、『犬の尻尾』からの要望で、臨時にいつもより早く冒険者ギルド会議が早まる事となった、最後の議題。
 第58回目ベルゼブブ攻略レイド、決行の決議を始める!」

 ついに、ムササビ冒険者ギルド本部長ブリジアの号令により、今回、いつもより早めに冒険者ギルド会議が行われる理由となった、本題が始まった。
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