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130. 変態プレイ

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「お願いなのじゃ! もう犬耳人間を許してやって欲しいのじゃ!」

 アリスは、姫に縋り付きながらお願いする。

「わかったのです。マスターにデカい態度をしたのは許せないですが、可愛い妹の為に、ペチャンコにするのは、止めるのです」

 姫は、まさかというか。アリスの言う事を素直に受け入れた。
 姫にとって、俺の妹であるアリスのお願いの優先順位は、かなり高いように見受けられる。

 俺としては、これで良い。
 これでスムーズに、エリスポーションを販売出来る。

 シャンティ先生ぐらい悪名が知れ渡っていれば、エリスポーションを『ドックファイト』に買わせる事など容易いと思うのだが、しかしながら俺は、シャンティ先生では無いのだ。

 事実、『ドックファイト』の皆さんに、俺は舐められてたし……

 ここまで、ビビらせれば、大人しくエリスポーションを買ってくれるだろう。

『ドックファイト』の皆さんは、姫だけでは無く、俺や『犬の肉球』のメンバーにもビビっているようなので、後の話し合いは、ジュリに頼む事にする。
 俺にはまだ、やらなければならない事が、たくさんあるのだ。

 冒険者会議に参加していた他のギルドも、姫の強烈な闘気に当てられて足が竦んでしまったのか、会議室に残ったままである。

 皆の足が竦んでいる内に、俺は『鉄血の乙女』に、話し掛ける事にする。
『鉄血の乙女』も、新たに冒険者ギルド会議に参加したルーキーだ。
 一応、エリスポーションの話をしておかなければならない。

「サンアリ!」

「わかっております」

 サンアリが、俺の言いたい事がわかったのか、『鉄血の乙女』との取次をしてくれる。

 サンアリが、『鉄血の乙女』に、話しかけたのを確認してから、俺は『鉄血の乙女』に、近づいて行く。

 アリスとネム王子は邪魔なので、『三日月旅団』と『フラシア』に、エリスポーションの納品をやっておいてもらう。

 一応、アリスには、『フラシア』は、お得意様なので、剣神ビクトル·クロムウェルと喧嘩しないように、キツく言っておく。

「わかっておるのじゃ!
 妾は、そんなにバカじゃないのじゃ!」

 アリスは、『何を言っておるのじゃ?』て、感じで俺を見る。

 それが出来てなかったから、注意したのに……

 アリス的には、冒険者ギルド会議前の剣神ビクトル·クロムウェルの小競り合いは、喧嘩じゃなくて、決闘だという事らしい。

 まあ俺的に、面倒を起こさなければどっちでも良いけど。

 それはさておき、いよいよ『鉄血の乙女』との話し合いだ。

 俺はこれから、メリルの事を、『鉄血の乙女』から聞きださないといけない。
 メリルは絶対に自分の事を誰にも話すなと、『鉄血の乙女』に固く口止めしているだろう。

 フフフフ。しかしだ。俺にかかれば、なんて事は無い。
 俺には、全知全能君がいるのだ!
 全知全能君を使えば、直接相手に話を聞かなくても、頭の中を覗き見するスキルなど、簡単に作れる筈なのだ!

 ハッ! そうだ……

 全知全能君を使えば、姫に、俺の頭の中を覗かれるのを防ぐスキルを作る事が可能なんじゃないのか!

『全知全能君。姫から頭の中を覗かれない、新たなスキルを作り出す事は出来るか?』

 俺は全力で、全知全能君に質問する。

 [可能ですよ! だけど、本当にいいんですか?
 姫ちゃんが、悲しい顔してますよ!]

『何だって!』

 俺は後ろを振り返り、俺の後を着いてきている姫の顔を見る。
 姫の瞳には、薄らと涙が溜まっている。

『ウッ……これは……』

 [本当に、いいんですかね?
 女の子を泣かせるのは、最低だと思いますよ]

 グーの音もでない。全知全能君の言う通りだ。
 俺には、姫が俺の頭の中を覗き見するのを、止めさせる事などできない。

 別に、俺の頭の中を覗かれたっていいんじゃないか!

 今更、俺に恥ずかしい事なんて何も無い。
 姫なら、俺の全てを受け入れてくれる筈だ。

 そうだ!

 これは、一種のプレイなのだ!

 頭の中まで、勝手に覗かれてしまう、新たなプレイなのだ。

 名付けるなら、これこそ本物の王様プレイという所か……
 俺が頭の中で考えた事を、姫が先回りしてなんだってやってくれる。

 例えば、俺が15歳になって、姫とエッチな事ができるようになったら、わざわざ言葉でエッチな事をしたいと言わなくても、姫は察して、エッチな事をしてくれるのだ。

 ある意味、凄く便利である。

 フッフッフッフッフッ……

 俺は思わず、ニヤけてしまう。

「アレン殿……どうなされました?」

 サンアリが、怪訝な顔をして見てくる。
 どうやら、結構長い時間妄想していたらしい。
 頭の中で、姫とのエッチなプレイをたくさん妄想してしまっていた。

 姫の方を見ると、真っ赤な顔をして、ハァハァ言っている。
 俺とお揃いの真っ白なマントを羽織っているので、外から見ると分からないが、どうやらカボチャパンツに手を突っ込んで、自慰行為をしているようだ。

『そ……そうか……姫には、俺のヤラシイ妄想が、解ってしまうという事か……』

「ハァハァハァハァ……」

 姫は喘ぎ声をださないように、必死に耐えている。

『オナニーしなければ良いのに……』

「私には、無理なのです」

 姫が俺の頭の中を読んで、勝手に返答する。

 俺と姫の前にいる、『鉄血の乙女』と、サンアリはハテナ顔だ。

 成程、これは新たなプレイかもしれない。
 俺がエッチな事を考えると、姫は、どこでも思わずオナニーしてしまう。

 それを見て、俺は……

 こ……これ以上は、俺には考えられない。

 俺は何て、変態になってしまったのだ……

 ゴトウ·サイトの記憶が戻ってしまった事で、俺は、どうしようもない程の変態に戻ってしまったのだった。
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