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206. 『三日月旅団』(2)

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「好きです! 結婚して下さい!」

「ぼ、僕を性奴隷にして下さい!」

「俺のポコチンを咥えやがれ!」

「パフパフさせてー!」

 冒険者ギルド会館にいた男の冒険者達が、一斉にミカサ達『三日月旅団』に、己の欲望を口に出しながら、群がってくる。

「皆さん! 『三日月旅団』は、新しいギルド員を募集しています!
 ただし、S級冒険者で、素行の良い人だけを募集しています!
 募集条件に該当して、『三日月旅団』に入っても良いよ! という冒険者は、今すぐ私の元に集まって下さい!」

 ミカサが、群がる冒険者達に、『三日月旅団』の募集要項を大声を出して説明する。

 しかし、そんな事お構い無しに、、募集要項を全く満たしていないであろう冒険者達が、大挙してミカサ達に襲いかかってくる。

 既に、冒険者ギルド会館はパニック状態だ。

 そもそも、こんな辺鄙な城塞都市にS級冒険者などいる筈もないのだ。

 それが解った上で、冒険者達は、ミカサ達に襲いかかっているのだ。

 このまま冒険者ギルドのエントランスで、生板ショーが始まってしまうと思われた丁度その時、1人の僧侶風の男が、ミカサ達『三日月旅団』と、チンコをビンビンに反り返させて、ミカサ達に襲いかかろうとしていた冒険者達の間に割って入ってきたのだ!

「お前達、よってたかって、お嬢さん達に、何をするつもりなんだ!
 そもそも、お前達はS級冒険者ではないだろう!
 お嬢さん達はS級冒険者をご所望だ!
 これ以上近寄れば、本物のS級冒険者である私がお相手する!」

 僧侶風の男が、大声で言い放つ。

「うるせー! お前だって、思いっきり勃起してるじゃねーか!
 そんなにチンコをビンビンに勃起させた状態で、そんな歯が浮くような恥ずかしいセリフがよく言えるな!」

「クッ!! 確かに私は、お嬢さん達に欲情している。
 しかし、私は神龍教の神官だ!
 どれだけ欲情していようとも、神龍教の僧侶は、女性と淫らな行為をする事を禁止されているのだ。
 なので、私がお嬢さん達に手出しする事など、絶対にない!」

 神龍教の神官だという男が、胸張って答える。
 しかし、股間にもテントを張ってる為、チョット締まりがない。

「うるせー! 相手は1人だ! 皆ヤッちまえ!」

 冒険者達が集団で、神龍教の神官だという男に襲いかかる。

 ズゴッ!! ゴキ!! ボコ!! ズゴッ!! ゴキ!! ボコ!!ズゴッ!! ゴキ!! ボコ!!

 確か男は、神官だと言ってた筈なのだが、まるで、武道の達人であるかのような格闘術で、冒険者達を一瞬で血祭りに上げてしまった。

「ヒール!!」

 神官は、自分で血祭りにした冒険者達に、何故か回復魔法をかけた。

「な……何で、戦った相手に回復魔法をかけるんだ!?」

 ついさっきまで、血だらけで倒れていた冒険者が、怪訝な顔をして神官に質問する。

「汝、隣人を愛せよです。
 貴方達は、サキュバスの【魅惑】スキルにかかっていただけです。
 本来、貴方達には非はありません。
 しかし、私が気付いた時には、もう既に貴方達を止められる状況ではなかったので、仕方がなく、痛めつけてしまいました。
 本当に申し訳ございません」

 神龍教の神官と名乗る男は、冒険者達に深々と頭を下げた。

「ああ……。俺達もどうかしてたようだな」

 冒険者達も、自分達がしでかした事を反省しているようだ。

 まあ、受付嬢や女性の冒険者達に、とても白い目で見られているので、当然と言えば当然なのだが。

「それでは、私はこれで」

 神龍教の神官は、頭を軽く下げて冒険者ギルド会館を後にしようとする。

「神官さん、待って下さい! 
 どうか、『三日月旅団』に入ってくれませんか!」

 ミカサが、『三日月旅団』に入ってくれと、男を呼び止める。

「すまないが、私には、お嬢さん方の【魅惑】スキルを我慢し続ける事は不可能です。
 私は、神龍教の神官です。
 教義に外れる行いをする訳にはいかないのです。」

 男は、ミカサ達に頭を下げて、再び出口に向かう。

「そこを何とか、私達には、貴方のような強い男性が必要なんです!」

 ミカサはそう言うと、他の『三日月旅団』のメンバーに合図して、【魅惑】スキルを神官の男限定に、一斉に解除した。

【魅惑】スキルは、不特定多数にかけるより、1人に絞ってかけた方が、効果が10倍に膨れ上がる。

 通常、【魅惑】スキルは、スキル保持者の意思とは関係なく、常時、ダダ漏れし続ける厄介なスキルなのだが、ゾイ爺さんが製作した高性能指輪型魔道具により、【魅惑】スキルを抑えたり、コントロールしたりする事ができるのだ。

「ハイ、喜んで入団させていただきます!」

 さっき言ってた言葉はなんだったのか、男は、着ている服を全部脱ぎさり、股間の先っちょから我慢汁を出しながら、元気よく答えた。

「キャーー!!」

 冒険者ギルド会館のエントランスに、女子達の悲鳴が響き渡る。

 この、冒険者ギルド会館を震撼させた神官こそ、神龍教、龍拳法最強の使い手と言われていた、拳帝シルマンである。

 そしてシルマンは、この日の内に、神龍教の教義を破り、『三日月旅団』の女の子全員とハメハメしてしまい、神龍教を脱会するハメになってしまった事は、言うまでもない事だった……

 このようにして『三日月旅団』は、強い男の冒険者を、仲間、戦いの師匠、汁男として増やしながら、地道にダンジョンを攻略していき、ギルドランキング10位以内に登りつめたのであった。


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