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7. 去勢
しおりを挟む「カイト! 【魔力操作】lv.5まで上がったよ!」
ニコが嬉しそうに、俺に報告してくる。
ニコとマリーが【魔力操作】の特訓を初めてから丁度30分。
俺の魔力の色付け魔法が解けたのだ。
「順調でちゅね! この調子で頑張るのでちゅ!
ここからは、中々レベルが上がらなくなるので、地道に熟練度を上げるのでちゅ!」
「てっ! カイト先生。これは、どういう状況?」
俺の話をウンウン聞いていたニコは、俺の後ろに雑然と積まれた狼の死骸の山に気付き、釘付けになっている。
「アッ! これはでちゅね、ニコとマリーの特訓の邪魔をしようとしたので、僕ちゃんが、片付けておいたのでちゅよ!」
「カイトちゃん、片付けたって、こいつら餓狼族だよ。
ゴブリンにとっては、不倶戴天の敵と言っても過言じゃない奴らよ!」
マリーが、俺に餓狼属について教えてくれる。
「そんな話、聞いた事なかったでちゅ!
餓狼族は、ゴブリンの天敵なのでちゅか?」
「天敵というか、ナワバリが隣り同士だから、いつも牽制しあってるって感じかな?」
「そうだったんでちゅか!
でも、やっつけたんで、今日の夕飯は餓狼族のステーキでちゅ!」
「ヤッター!」
ニコが飛び跳ねて喜んでいる。
「でもカイトちゃん、折角たくさん仕留めたのに、殆ど捨てないといけないのは、もったいないね……」
「本当だよ。折角カイト先生が仕留めたのに、穴ぐらには持ってけないもんね!
これを穴ぐらに持ってたら、カイト先生の本当の実力がバレちゃうもんね!」
マリーとニコは、既に俺の実力を理解しているようだ。
まあ、俺が教えた有り得ない威力の水魔法を自分自身で発動させた時点で、俺が只者では無いと、流石に気付いたのであろう。
「大丈夫なのでちゅ! 今日、僕ちゃんも魔法を解禁したので、インペントリが使えるようになったんでちゅ!」
「インペントリ?」
マリーが、俺の言葉を繰り返す。
「インペントリは、物を仕舞う魔法なのでちゅ!
物の出し入れには少し魔力を使いまちゅが、その代わり、無制限に物を仕舞えるのでちゅ!
それに、インペントリの中は、時間が止まっているので、物を入れた状態の鮮度のまま保管できるんでちゅよ!」
「よく分からないけど、凄い魔法なんだね! カイト先生は本当に凄いよ!
カイト先生の凄さを実感する度に、私の子宮が疼くのは、何でなのかな?」
「ニコちゃんも? 私もカイトちゃんを見てると、いつも子宮が疼くんだよね」
何故かニコとマリーがおかしな事を言っている。
10ヶ月の赤ん坊に、子宮が疼くとかおかし過ぎるだろ!
この二人は、俺が大人になったらどうなるのだ?
やはり、基本はゴブリンなので異性を犯したい衝動が止められないのか?
今までは、雄ゴブリン達に貶められて自信を無くしていたようだが、ボブゴブリンに種族変更して超絶美少女になった事で、自信が出てきたのか?
というか、マリーとニコが森を出て、イケメンの人間の男性と会ったら、逆レイプしてしまうんじゃないのか……
マリーとニコに犯された人間の男は、嬉しいだけだと思うが……
これは不味い、不味いぞ!
マリーとニコは、俺だけの物だ!
誰にも渡さない!
今の内に、手を打っておかねば。
俺はマリーとニコのステータスを確認する。
名前:マリー
種族:ボブゴブリンメイジ(雌)lv.1
スキル:人語lv.10、子育てlv.12、魔力操作lv.5
HP:85
MP:110
特技:子育て
趣味:カイト·シルフィードに夢中。人語
名前:ニコ
種族:ボブゴブリンメイジ(雌)lv.1
スキル:人語lv.10、子育てlv.12、魔力操作lv.5
HP:85
MP:110
特技:子育て
趣味:カイト·シルフィードに夢中。人語
種族が、ボブゴブリンメイジになっている。
魔法が使える様になったからだな。
MPの数値も少し上がっている。
それからニコの趣味欄が、カイト·シルフィードに興味から、夢中に変わっている。
というか、俺が書き加えた、趣味欄の人語は、もう必要ないな。
二人とも既に、人語ペラペラだし。
趣味欄から人語を消して、『カイト·シルフィードに夢中』って所に、【鑑定書き換え】で、『だけ』を書き加えれば、『カイト·シルフィードにだけ夢中』になり、他の男には興味が無くなるというか、欲情しなくなる筈だ。
名前:マリー
種族:ボブゴブリンメイジ(雌)lv.1
スキル:人語lv.10、子育てlv.12、魔力操作lv.5
HP:85
MP:110
特技:子育て
趣味:カイト·シルフィードだけに夢中。
名前:ニコ
種族:ボブゴブリンメイジ(雌)lv.1
スキル:人語lv.10、子育てlv.12、魔力操作lv.5
HP:85
MP:110
特技:子育て
趣味:カイト·シルフィードだけに夢中。
これでいい。
【鑑定書き換え】かなり使えるスキルだ。
今は、趣味欄の書き換えと、書き加えが、5文字づつ可能だが、【鑑定書き換え】の熟練度をもっと上げて行けば、特技欄や、もしかしたら種族欄やスキル欄とかもイジれるようになるかもしれない。
これはマリーとニコを、もっともっと【鑑定】せねばならないな!
嫌な奴を【鑑定】し続けるのはキツイが、マリーとニコだったらいくらでも【鑑定】できる。
ただ、マリーとニコの事を知りたいと考えてるだけで、【鑑定】の熟練度が上がるのだ。
俺にとっては、こんなのご褒美と一緒だ。
俺はマリーとニコが好きだ。
好き過ぎて独占したい。
そして【鑑定】すればする程、俺の【鑑定書き換え】の熟練度が上がる。
すると、どうだろう。
大人になって、2人とエロいプレイをするようになった時、俺の口から頼む事が恥ずかしいような事を、趣味欄に書き込んでしまえば、相手の方からそのプレイを求めてくれるようになるのだ。
フフフフフ、俄然ヤル気が出てくる。
ガンガン、マリーとニコを【鑑定】しまくってやる!
「カイトちゃん、どうしちゃったの?」
マリーとニコが、心配して俺の様子を見ている。
どうやら妄想しすぎて、暫くの間トリップしていたようだ。
「マリーとニコは、僕の事好きでちゅか?」
「勿論! 私はカイト先生だけが大好きだよ!」
「私もカイトちゃんだけが好きよ。
他の人なんか、全く興味が湧かないもん!」
ニコとマリーに、しっかり【鑑定書き換え】の効果が、発揮されてるようだ。
二人とも、しっかり『だけ』と言葉に入れている。
フフフフフ、これでマリーとニコを他の男に取られる事は、無くなった!
すこし狡い気がするが、二人にはゴブリンの血が流れている。
雄ゴブリンが美女を好んで犯すように、将来的に、マリーとニコもイケメンを犯したい衝動を抑えられなくなる筈なのだ。
これは一種の去勢だ。
俺は二人をその内、人間界で暮らせる様にさせたい。
それなのに、二人が人間の男に欲情しまくって、雄ゴブリンのように所構わず犯しまくったら、人間界では暮らせなくなってしまうのだ。
俺が、マリーとニコにやった事は仕方が無い事だったのだと、自分自身に言い聞かせる。
昔の俺なら、絶対にスキルに頼らないで何とかしようとしただろう。
しかし俺は、前世に仲間に裏切られて殺された。
いくら二人が、俺の事を慕ってくれていても、『突然裏切られるかも?』
という思いが、どうしても心の奥底に引っ掛かり、その為の保健を掛けて置かないと、不安で不安で仕方が無いのだ。
俺も弱くなったものだな……
「カイト先生、もうお昼だよ!
今日は、私のオッパイ飲んでよ!」
ニコが俺を抱き上げる。
「ニコちゃん、今日の当番は私だよ!
抜け駆けはダメだよ!
喧嘩しないように、順番でカイトちゃんに、オッパイあげるって決めたじゃない!」
マリーが俺を、ニコから奪い返す。
「ウゥ……マリー、ゴメン……
カイト先生に今日はたくさん教えて貰ったから、テンションが上がり過ぎちゃってたんだよぉ……
だって、今、私に出来る事といったら、カイト先生にオッパイあげる事だけだもん!」
なんていい子達なんだ。
俺は、心から思う事が出来る。
マリーとニコの為なら、何だって出来る。
俺は既に、マリーとニコにたくさんのものを与えてもらっているのだ!
マリーとニコを傷付ける奴らは、誰も許さない。
マリーとニコを傷付つけた雄ゴブリン達は、必ず俺が殺す。
もしも、俺達が町に出て、人間にマリーとニコが傷付けられたら、俺は躊躇なくその人間を虐殺するだろう。
それ程 俺は、マリーとニコに依存しているのだ。
今だって、俺は凄い魔法が使えるようになったが、二人とはぐれてしまったらゴブリンの巣穴に帰れなくなってしまう。
何せ俺は、まだハイハイしか出来ない赤ちゃんなのだから。
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