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502. 密室会議

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 シロは、この後、俺と一緒に、サセックス帝国学校の女子貴族寮に行き、1周目と同じように、女子貴族寮の魔改造を終わらせた。

「また、大浴場が、俺の隣になったんだけど?」

 俺はシロに、理由を聞く。

「こちらの方が、僕の理想ですから、元に戻しただけですよ!
 そして、ご主人様の部屋の防衛は、3週目以上に厳重にしてます!
 勿論、黒死病の魔笛の音色もリジェクトしますから、安心して眠る事ができますよ!」

 どうやら、黒死病の魔笛対策はバッチリのようだ。

「まだまだ、バッチリじゃないです!
 これ、魔笛対策の耳栓!
 ご主人様の分と、ご主人様の信用できる人に渡す分。
 取り敢えず、シャトレーゼさんと、クラリスとウサウサに渡して下さい!
 この3人は、絶対に白だと、僕が保証しますから!」

 シロが、俺の頭の中を読んで、耳栓を俺に渡してくる。

「耳栓渡せって……。まだ今回は、金髪縦巻きロール達と友達になってないんだけど……」

 人見知りの俺は、モジモジする。

「ご主人様は、また、死にたいんですか?」

「死にたくないです!」

「それなら、なんとしても友達になって下さい!」

「頑張る」

 俺は、こうして、金髪縦巻きロール達が戻ってくるのを見計らって、女子貴族寮の玄関前で、金髪縦巻きロールが率いる女子貴族達を出迎えたのだった。

 そして、金髪縦巻きロール達との初顔合わせが終わり、金髪縦巻きロール率いる女子貴族は、そのまま俺の親衛隊に早変わりしたのであった。

「それでは、取り敢えず、私の部屋に来て下さい」

 俺は、玄関前で初対面をした後、金髪縦巻きロールだけを、俺の部屋に誘う。

「えっ! 宜しいのですか?」

 金髪縦巻きロールは、何故か、真っ赤な顔をして驚いている。
 俺としては、他の女子貴族達に、話を聞かれたくなくて、俺の部屋に呼んだだけなのたが、どうやら他の女子貴族達は、違う意味で勘違いしてるようだ

「なんで、シャトレーゼ様だけ! 狡いですわ!」

「私も、リコリット様のお部屋に、お呼ばれしたいですわ!」

「リコリット様って、もしかして、女の子が好きなのかしら?」

「私が、リコリット様の恋人に、立候補しますわ!」

「狡いです! 私が立候補します!」

 シロが言うには、十中八九、俺を殺した犯人達はメフィスト達だが、女子貴族の中にも、黒幕の手下が居るかもしれないという事で、念の為に金髪縦巻きロールを警備が厳重な俺の部屋に呼んで話をする事になったのだが、何やら大事になってしまったみたいだ。

 そんでもって、金髪縦巻きロールを、俺の部屋に招き入れる。

「シロ! シャトレーゼさんに、お茶を用意して!」

「畏まりました」

 シロは、俺のお付の従者として、しっかりやるべき事はやるようだ。

「で、話なのですが。これから言う事は、誰にも言わない事を約束できますか?」

 俺は、真剣な顔をして、金髪縦巻きロールに聞く。

「あの……どのようなお話なので……」

 金髪縦巻きロールも、いきなりシリアスな展開になって戸惑っている。

「今からする私の話を聞いてしまった後に、聞かなかった事にして欲しいというのは、私の命に関わる事なので絶対にできません」

「えっ! リコリット様……命を狙われているのですか……」

 なんか、金髪縦巻きロールが、ビックリ仰天驚いている。

「そうです。そして、今日も、その関連のせいで、入学式に出席できなかったんです!」

「そんな……リコリット様を命を狙う不届き者が居るなんて、許せませんわ!」

 なんか、無駄に正義感が強い金髪縦巻きロールが、憤慨している。
 こんなに熱い娘だったか?
 まあ、クラリスと言い合いしてる時は、いつも熱かったか。

「それで、私の話を聞いてくれますか?」

「リコリット様を狙う暗殺者に対しての話ですよね!
 分かりました! 伺います!
 サセックス帝国連邦に連なる神聖サセックス王国の第4王女として、サセックス帝国連邦の盟主であるサセックス王国の王女の暗殺計画が有ると聞いて、黙っている訳にはいきませんわ!」

 金髪縦巻きロールは、ポン!と、自分の胸を叩き、俺の話を聞く事を了承した。
 そんでもって、詳しく、俺が置かれた状況を、死に戻りしてる事はオブラートに包んで、金髪縦巻きロールに説明したのだった。

「成程! マーリン先生と、メフィスト先生と、黒死病先生が怪しいと。
 そして、黒死病先生の魔笛に対抗する為に、怪しい笛の音が聞こえたら、このシロ様が製作したという神級魔道具を耳に付ければ良いのですね!」

 なんかよく分からないが、金髪縦巻きロールは、俺の話を、全く疑う事なく信じてくれた。
 俺はまだ、金髪縦巻きロールの信頼を得るような事を、全くしてないのだけど。
 まだ、金髪縦巻きロールは若く、本当の悪意に接した事がないので純粋なのだろう。

「あの、メフィスト達は怪しいですけど、まだ、犯人だとは決まってないので、普通に接して下さるようにお願いします。
 私やシロの考えでは、メフィスト達の後ろに、黒幕が居ると考えてますので、その黒幕を炙り出してから制裁するつもりですので!」

「分かっていますわ! 黒幕を炙り出した後に、悪者達をまとめて成敗するのですよね!
 何故か、興奮してきますね!」

 なんか、よく分からない方向で、金髪縦巻きロールは、アドレナリンが出ているようだ。
 この世界に、暴れん坊将軍や水戸黄門みたいな時代劇が有るか知らないけど、多分、金髪縦巻きロールは、時代劇の主人公みたいに感じてるのだろう。

 殿様や副将軍が身分を隠し、悪代官の悪事を暴いて、最終的に成敗する。
 金髪縦巻きロールも殿様側の王族なので、そんな流れの話が好きなのかもしれない。

「もう一度、言いますが、もしかしたらメフィスト達は、黒幕に操られてるだけかもしれないので、早合点して、メフィスト達に危害を加えないようにして下さい!」

「分かっておりますとも!」

 なんか、とても心配になってくる。
 ここまで、金髪縦巻きロールがやる気になるとは、思わなかったし。

 多分、金髪縦巻きロールぐらいの年頃の女の子達は、謎解き探偵ごっこのような遊びにハマる年頃なのかもしれない。

 そんな風に、軽い感じで考えてた今の俺を、明日の俺がぶん殴ってやりたいと思っていようとは、この時の俺には、まだ、気付きようがない事だった。

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