500 / 568
500. 人海割り
しおりを挟む「嘘だろ……」
サセックス国教会総本山正面前の大広場。そこには、何万もの人々が溢れていた。
「こいつらを掻き分けて、サセックス国教会に向かわないといけないのかよ……」
俺は思わず、愚痴をこぼす。
朝は、まだ、人もまばらだったのに、いつの間にか人でいっぱいになっていたのだ。
これも国策として、サセックス国教会の遍路旅行を推奨したからなのだけど。
毎日、サセックス帝国連邦中に、魔道ホログラムビジョンで、一生に一度は、『サセックス国教会総本山で御参りしよう!』と、呼び掛けてる成果かもしれない。
サセックス帝国連邦の住民達に、サセックス国教会を信じるさせるのは、サセックス帝国連邦を統治するのに、とても重要な事なのだ。
同じ価値観を持てば、争う事も無くなるし。
結局、他国が争うのは、信じる神が違うから。
まあ、その点、サセックス国教会は敷居が低い。
何せ、フリーS〇Xを推奨してるし、一夫多妻制を越える。多夫多妻を推奨してる。
まあ、一応、養える力がある人だけ、たくさんの妻や夫を持てる制度だけど。
これによって、エロい奴ほど、仕事を頑張って、サセックス帝国連邦内に金を落としてくれる。
しかも、金持ちになればなるほど、たくさんの貧乏人を養ってくれるので、国としては有り難い。
因みに、サセックス王国の貴族であるサS〇X騎士団の連中なんて、何人もの夫を囲ってるしね!
尚且つ、サセックス国教会は、フリーS〇Xを推奨してるので、俺とS〇Xしても不倫にはならないのである。
人間誰しもエロいのだ。
エロには、誰も抗えない。
エロの為に仕事をして、エロで国が発展する。
そして、サセックス国教会総本山のお遍路旅行の最大の楽しみは、股旅。
諸国を股に掛けて旅するじゃなくて、言葉通りの『お股旅』である。
知っての通り、サセックス国教会は、フリーS〇Xを推奨してるので、売春は罪にならない。
逆に、推奨してる程だ。
サセックス帝国連邦の皇帝の俺自身も、売春宿に頻繁に通ってる程だし。
その代わり、エロいお店は明朗会計で、お店に働く娼婦に、会計の75パーセント払わないお店は、即摘発し、俺自身がぶっ潰す。
俺は、若い時からエロいお店に世話になってるから、娼婦の味方なのだ。
なので、悪徳な店や、マナーのなってない客は許さない!
娼婦の国民年金も有るし、娼婦の病気の検査もタダ。
エリクサーがある世界なので、どんな性病も治せちゃうし、女の子の方にも、それほどリスクが無い。
しかも、フリーS〇Xを推奨してる帝国連邦なので、娼婦への差別も皆無。
てな感じで、サセックス帝国連邦内に張り巡らさた高速高架下に設置された東海道中膝栗毛じゃなくて、お遍路の為に整備された道には、エロいお店や売春宿が、至る所に設置されてるのである。
まあ、そのせいもあって、サセックス帝国連邦では、サセックス国教会へのお遍路旅行が、爆発的に人気になったのであった。
サセックス帝国連邦に住む人々は、お金を貯めて、お股旅!
男も女もお股旅!
サセックス国教会が、流行らない訳ないのである。
てな感じで、この有様。
俺は、サセックス国教会総本山を前にして、途方に暮れているのだ。
「クッ! 前に進まなければ……しかし、私が前に進めば、人々がパニックになってしまう」
俺は、ここまでの経験上、俺が、滅茶苦茶魅力的で、人気だという事を理解している。
絶対に、このサセックス国教会総本山の大広場に集まってる人々の中を掻き分け歩けば、俺は、色々な人達に、色々な場所を触られてしまうのだ。
絶対に、俺のお股やオッ〇イを触ってくる不埒な奴がいるし、中には、チ〇コを擦り付けてくる奴とかも居るかもしれない。
それどころか、ズボンからチ〇コを出して、俺に握らそうとしてくるヤバい奴とかも、絶対にいる。
女の子がお股を触らせてくれるのは良いが、男のチ〇コなと触りたくないのだ。
俺は、極度の男性恐怖症。
しかしながら、シロと合流する為には、この人混みの中を進まなければならない。
俺は、仕方が無いので、人が失神しない程度の闘気を漲らせて歩く事にする。
しかしながら、それがいけなかった。
人混みの中なので、まだ子供の俺は、背の高い、遠くにいる大人には気付かれてなかったのだが、闘気を発してしまった事により、俺の半径30メートルぐらいの人間にまでに気付かれてしまったのだ。
「リコリット様がいるぞ!」
「尊い! 尊いです!」
「なんて、愛らしいんだ」
「天使だ! 天使が居る!」
「アッ!」
ドビュ!
「あああぁぁああああぁぁ!」
ビクッ! ビクッ! ビクッ!
なんか、よく分からいドヨメキが起こってしまった。
しかしながら、俺が闘気を発した事により、俺の半径3メートルに人が近づかなくなった。
これで、サセックス国教会に入れる。
俺は、ゆっくりと歩を進める。
「オイ! リコリット様が居るらしいぞ!」
「本当!」
「見に行こうぜ!」
なんか、ヤバい事になってる気がする。
俺を囲うように、住民達は、押し合いへしあい。
大惨事を招きそうだ。
「リコリット様!」
アホな女が、俺の闘気を押し退けて突撃してくる。
俺は、殺気を漲らせて、アホな女を睨みつける。
「アン♡ リコリット様ぁ~」
ビクッ! ビクッ! ビクッ!
何故だかしらないが、アホな女は失神して倒れてしまった。
闘気を調整して、人が失神してしまわないようにしてる筈なのにおかしい。
「ウオォォォーー!」
今度は、下半身素っ裸で、チ〇コをビンビンにおっ立てた変態男が飛びかかってきた。
俺は、そいつを、キッ! と睨みつける。
ドピュ!
そいつは、俺に抱きつく事は叶わず、その場で、射精して果ててしまった。
やはり、おかしい。
俺は、ただ睨んだだけなのに……。
「リコリット様! 握手して下さい!」
今度は、後ろから若い男が、話しかけてくる。
キッ!
俺が振り替えって、睨みつけると、
「アッ!」
ドピュ!
若い男は、その場で、変な音をさせて失神してしまった。
何で、失神するんだろう。
闘気は抑えてるのに……。
兎に角、俺は、群がる人達を睨みつけながらサセックス国教会総本山に向かった。
俺の通った後には、イカ臭い失神した男女の山が積み上がってたのは、ご想像通り。
この、モーゼの海割り ならぬ、リコリットの人海割りは、イカ臭さと共に、サセックス国教会旧約聖書に記載される運びとなったのは、俺の預かり知らぬ話だ。
そして、しっかりと、リコリットの人海割りの後には、辺りにイカ臭さが漂うと記載されたのは、言うまでもない話だった。
ーーー
ここまで読んで下さりありがとうございます。
面白かったら、お気に入りにいれてね!
0
お気に入りに追加
636
あなたにおすすめの小説
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる