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456.リコリット・A・サセックス
しおりを挟む暑い夏が終わり、過ごしやすくなってきた9月。場所は、サセックス王国南西の港町ブライトン。
ブライトンは、サセックス国教会の総本山がある街として栄え、風光明媚な観光地であり、巡礼地でもある。
そんなブライトンに、神童と名高いサセックス王国の幼姫、リコリット・A・サセックスが降り立った。
「リコリット様、遅れてしまいますよ!
なにせ、リコリット様は、超難問と言われていたサセックス帝国学校の筆記試験で、唯一100点満点の点数を叩きだした神童なんですよ!
入学試験1位の者は、生徒代表として皆の前で挨拶しないといけないので急いで下さい!」
サセックス王国の宰相で、リコリットの教育係のシロが話し掛ける。
「シロが悪いんですよ!
制服なんて、みんな一緒ですのに!
私のだけ、特別仕様にするとか急に言い出して、入学式ギリギリまで製作してるんですもん!」
シロは、移転装置があるからと、入学式ギリギリまで、制服作りに没頭していたのだ。
「それは、リコリット様が、これ程まで変わられると思っていなかったんですよ!
何なんですか?
1ヶ月前まで、ずっとオリ姫パンツのテンガコントローラーを決して離さずに、毎日猿のようにオ〇ニーばかりしていたのに!
3日前に久しぶりに会ったら、完璧なお姫様に変身してるって!
流石に、まともなお姫様に、テンガ付きのビキニアーマーを着させて、サセックス帝国学校に入学させれませんよ!」
シロが、呆れ気味に答える。
「それは、毎日、オ〇ニーして悟ったんです!
このままでは、自分が、駄目になってしまうと。
そして、急遽、入試試験を受けて裏口入学ではなく、堂々とサセックス帝国学校に入学して、必死に勉強し、立派な大人になってみせると!」
セドリック改め、リコリット・A・サセックスは、まな板胸を張り宣言する。
因みに、リコという名は王族にしては、アホっぽい名前だったので、急遽、シロが王族らしい長ったらしい名前にした。
それから、ミドルネームのAは、アマイモンのAであったりする。
とか話してる内に、いつの間にかサセックス帝国連邦の威信を掛けて建設されたサセックス帝国学校の校門の前に到着していた。
「リコリット様、僕がついて来れるのはここまでです!
サセックス帝国学校は、基本、生徒1人につき、従者1人、従魔1匹までと決まってますから!」
「オリ姫が、私の従者と従魔をやってくれるのですね!」
「キュイ!」
一応、下着として制服の下に着てる、ビキニアーマーにactチェンジしてるオリ姫が答える。
「オリ姫を下着として着ていれば、どんな輩に襲われても犯されませんから!」
シロが、まるで、誰かに説明するように話す。
「オリ姫、お願いしますね!」
「キュイ!」
「アッ!」
リコリットが、突然、声を出して悶絶する。
オリ姫パンツが、テンガを振動させて答えたのだ。
「オリ姫、私をテンガで遊ぶのは程々にして下さい!」
リコリットは、強めにオリ姫に注意する。
「キュイ!」
素直なオリ姫は、今度はテンガを振動させなかった。
「リコリット様、立派な大人になる為には、もう、テンガは要らなかったのでは?」
「私にも、たまには息抜きが必要ですので、テンガは絶対に必要なモノなのです」
リコリットは、澄まし顔で話す。
「そんなもんですか?」
「そんなもんです!」
そんな感じで、セドリック改め、サセックス王国幼姫リコリット・A・サセックスは、サセックス帝国学校に入学する為に、サセックス帝国学校の門を叩いたのであった。
ーーー
サセックス帝国学校が開校されるというニュースは、今から丁度一年前に突然、発表された。
謳い文句は、こうだ。
サセックス帝国連邦内の、一番最高峰学校。
サセックス帝国学校の卒業生は、サセックス連邦帝国の要職に就職できる。
その他にも、サセックス連邦帝国内にある国々の、中枢に関わる機関の推薦枠なども確保しているという話だった。
まあ、ここまでなら、よくある話。
ハッキリ言って、ブルーカラーの平民には無関係の話だ。
しかし、サセックス帝国学校が、他の金持ち貴族が通うような学校と違うのは ここから、
サセックス帝国学校は、身分を問わず、試験の合格者は誰でも入学出来てしまうのだ。
しかも、1期生に限り、入学金は免除!
これが、一番大きかった。
そもそも、貴族学校のような高水準の教育を受けられる学校は、支度金やら、入学金やらが滅茶苦茶高く、一般市民は、その時点で入学する事を断念する。
この、入学金免除の情報が各地に拡がると、サセックス連邦帝国内での、一大受験勉強ブームが始まった。
一生に一度有るかの大勝負。
本来なら一生、農作業しかしなかったであろう人間の人生が、360度変わるチャンスなのだ。
何故か、各地に移動式本屋がたくさん現れ、サセックス帝国学校発行の、赤本なる、サセックス帝国学校の過去問集が、初めての試験の筈なのに売り出されたり、
試験科目である、算数や歴史の参考書なんかも、破格の値段で売り出されたりしたのも、人々が飛び付いた理由だ。
しかしながら、識字率が低いこの世界では、ある程度、学が有る者でも、その赤本や参考書が難し過ぎて、赤本を手にした時点で、入学を諦めた者も続出したとか。
しかし、そんな中にも、諦めないガッツがある天才も居るものである。
タダ同然の赤本を手に入れ、それを使い文字を覚え、それから試験勉強をする強者も結構居たのだ。
ーーー
そして、受験勉強期間が終わると、サセックス帝国各地で入試試験が始まり、幾日が過ぎた頃、突然の大スクープが発表されたのである。
サセックス王国の幼姫、リコリット・A・サセックスも、サセックス帝国学校に入学されると発表されたのだ。
これに目の色を変えたのが、サセックス帝国連邦の貴族達。
最初は、平民なんかと同じ学校なんかに行けるかと、サセックス帝国学校を軽視してたのだが、サセックス王国の姫と懇意になれるかもしれないと思ったのか、サセックス帝国連邦内に住んでる貴族が、慌てて試験を受け始めたのだ。
それから、しばらくして、また、大ニュースが飛び込んできた。
試験免除で入学する筈だった、サセックス王国の幼姫、リコリット・A・サセックスも入学試験を受けると。
何でも、一人だけ試験免除で入学するのは、心苦しいという高潔な理由だとか。
実を言うと、リコリットが、サセックス帝国学校に入学すると発表されてから、全く試験勉強などしてなかった帝国内の貴族が、試験官に賄賂を送って不正を行う事件が度々起こっていたのである。
そんな事件に、一石を投じたのが、サセックス王国の幼姫、リコリット・A・サセックスだったという訳だ。
しかも、自分が不正を疑われるのが嫌だとかで、リコリット・A・サセックスの試験は、サセックス連邦帝国内で運用実験されてた魔道式ホログラムビジョンで、サセックス連邦帝国全土で生中継されたのである。
その魔道式ホログラムビジョンで、サセックス王家の象徴である血のような赤髪に、真っ赤な瞳をした美幼女に、サセックス連邦帝国の国民は、全員、恋に落ちてしまったとか、しないとか。
兎に角、余りに可愛らしい美幼女に、男は勃起して、女はお股が濡れたのは確かである。
まあ、見た目だけでなく、サセックス連邦帝国の国民達は、その高潔な性格にも惚れてしまった。
リコリット・A・サセックスは、王家の者なら、魔法実技試験で軽く合格出来る筈なのに、敢えて、難解だと言われていた筆記試験のみで受験したのだ。
誰もが無理だろと思ってたのに、スラスラと公式を解いて計算していく。
手元も、しっかり映っているので、細かく計算してる所も見えるので、絶対に不正は不可能。
ある程度、学が有る者がみれば、その凄まじすぎる頭の回転力に感嘆する。
そして、難なく試験が終わると、そのまま不正出来ないように答え合わせ。
その様子を、サセックス連邦帝国の国民達は、魔道式ホログラムビジョンを通して、固唾を飲んで見守り、
最後の歴史問題に、丸が描かれた時には、サセックス連邦帝国内に、大拍手が響き渡ったのであった。
満点不可能と言われていた筆記試験の、前人未到の100点満点!
不正は、一切無し。
しかも、間違い無く、最年少合格者!
才色兼備な、神童爆誕す!
こうして、遂に、セドリック改め、リコリット・A・サセックスの伝説が始まったのである!
ーーー
ここまで読んで下さりありがとうございます。
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