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405. ネットサーフィン
しおりを挟む次の日の朝6時。
「シロ! 起きろ!」
メアリーが、乱暴に、シロを揺さぶっている。
「ファ~。一体、何ですか?」
シロは、眠気まなこで起き上がる。
「fate0を、早く見せやがれ!」
「ん? 何言ってるんですか! 早くスタンピードが起きてるダンジョンに向かわないと、アナスタシアさんに叱られますよ!」
すぐに覚醒したシロは、まるでメアリーのお母さんのように、叱り飛ばす。
「しかし、私は、お祖母様の勇姿を見たいんだよ!」
「言っときますけど、fate0は、フィクションですよ?」
「それでも見たいんだ! だって、お祖母様が主役なんだぞ!」
「fate0って、セーバーが主役だったかな……。まあ、ヒロインでは間違いないんだろうけど……」
「セーバー? サーバーじゃなくて?
兎に角、ホームページのド真ん中に描かれてたんだから、お祖母様が、主人公に決まってるだろ!」
メアリーは、たった1日しかネットを使ってないのだが、ホームページとか、サーバーとか、ネット用語を使いこなしている。
「まあ、セーバー中心の話だから、そうなのかもしれません」
「兎に角、とっとと見せろよ! 私が、何時間、シロを揺さぶり続けたと思ってるんだよ!」
「もしかして、メアリーさん……僕が寝てる間、ずっと起きてたんですか?」
「当たり前だろ! あんな格好いい、お祖母様の勇姿を見せられたら、興奮して眠れる訳無いだろ!」
「ただのアニメなんですけど……」
「兎に角、見せろよ!」
メアリーは、オ〇ニー覚えたての猿のように、魔道スマホに固執する。
「駄目です! もう相当、アナスタシアさん達から遅れてるんですよ!」
「たった1日だけじゃねーかよ!」
「今日も、進めなかったら、まる2日になってしまいます!
魔道スマホは、夜寝る前1時間だけ!
分かりましたか?」
完全に、シロは、メアリーにお母さんになっている。
「1時間じゃ、fate0全話見れねーじゃねーかよ!」
「1日で、全話見る気だったんですか! どう考えても6話が限界なんですけど」
「そしたら、神眼を何時間も開けれるように、『精神と時の部屋』で鍛えて来ればいいだろ!」
「メアリーさん……。我儘ぐあいが、ご主人様と似てきてますよ……」
「そりゃあ、しょうがないだろ! セドリックは、私の大叔父なんだから!」
メアリーは、完全に開き直っている。
どうやら俺は、メアリーにとって、完全に親戚のオジサンの立ち位置になってるようだ。
「兎に角、出発します! ここに居ても、自宅で寛いでるのと、一緒ですから!」
シロは、メアリーに呆れながらも決断する。
「確かにな。ここ、本当に自宅だからな」
俺は、羊スライムで作られたフワフワのソファで、のんびりと朝食を食べながら、シロに同意する。
やはり、冒険中は、安易に家に帰って来ては行けない。
だって、家に帰ってくると、緊張感が抜けてダラケちゃうんだもん!
と、セドリックは、1つ学んだのであった。
ーーー
グゥゥゥ~。
そんでもって、ずっと駄々を捏ねてたメアリーは、結局、朝食を食べてお腹いっぱいになったら、昨日の徹夜が祟って、スヤスヤと寝てしまった。
「子供ですね……」
「脳筋バカだからな……」
「今日は、1人居なくて大変ですから、ご主人様も手伝って下さいよ!」
シロが、俺に釘を刺してくる。
「分かってるよ!」
てな感じで、お子様のメアリーを置いて、俺達は、再び、北アメリカ大陸に舞い戻ったのだった。
ーーー
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