385 / 568
385. サセックス連邦VS十字軍(9)
しおりを挟む「俺、ヤダヨー! 死にたくないもん!」
俺は、必死に机にしがみついて抵抗する。
「折角、いい感じでご主人様が出陣する感じになってたのに!
何、やってるんですか!」
シロに、諌められる。
「本当に、嫌なんだもん!」
「ついさっきまで、羨望の眼差しで見てた、ウィリアムまで、白い目で見てますよ!」
「男にどう思われようが、知ったこっちゃないんだよ!」
「じゃあ、サS〇X騎士団が死んじゃってもいいんですか?
いくら不老不死でも、チリも残らず消滅させられたら、死んじゃうんですよ!」
「それは……」
「ヤッた事がある女の子が死んじゃったら、目覚めが悪いですよ!」
シロが、嫌な事を言ってくる。
「ヤラシイ奴め……。そんな事言われたら、ヤルしかなくなっちゃうだろ!」
俺は、覚悟を決めた。
男として、そう! ハーレム勇者を目指す男として、譲れない事があるのだ。
ヤッた女は、全員、幸せにする!
S〇Xで、気持ち良くしてやるのは勿論、普段の生活にも気を使って、不自由なく暮らせるようにしてやるのが、ハーレム勇者の真の姿なのである。
「成程、それが、ご主人様の考え方ですか。
そしたら、色んな女とS〇Xさせたら、色々と頑張らなくてはならなくなると……」
なんかシロが、考え込んでいる。
目が、全く笑って無いので、何か怖い。
というか、全ての副眼が半開きになってるので、怖いを通り越して不気味である。
「本気出すから、刀を出せ!
有るんだろ、新しい刀!」
俺は、シロの行動パターンが分かっている。
何か、重大な戦争とか、戦いが有る時は、決まって新しい衣装や装備を製作する癖があるのだ。
「有りますよ! 白蜘蛛ver.5.2」
シロは、当たり前のように、自分の魔法の鞄から、新作の日本刀を出した。
「なんか、バージョンが、滅茶苦茶進んでるんだけど……」
「どんどんバージョンアップさせてますから、古いのは、南の大陸のヨネンさんの所に、売り払ってます!」
成程、俺の新作の刀を製作する度に、古い刀をヨネンの店に卸す事によって、ドワーフ王国直営店の借金を返済してるというカラクリか……。
「じゃあ、まだ売ってない、もう1つ古いバージョンは有るか?」
「有りますよ!」
シロは、魔法の鞄から、新たな刀を取り出す。
「今回は、本気を出すので二刀流で行く!」
「ご主人様! 二刀流なんか出来たんですか?」
「いや、遊びでしかやった事無い。だけど、二刀流て、何だか格好良いだろ!」
「左様で……」
俺は、シロに、1つ古いバージョン白蜘蛛ver.5.1を渡され、戦場である城壁高速道路の上に出たのであった。
ドカーン! バキン! ズドーン!
「思ってた戦いと違う……」
俺は、何万もの軍隊同士の激しい戦闘をイメージしてた。
しかし、戦ってるのは、全員バンパイア。
アッ! 1人だけ人間居た。
作業用モビルアーマーに乗ったセーラだ。
そのセーラが、派手な衣装の髭面のオッサンに蹴りを入れられて、俺達の方に吹っ飛ばされてきた。
ズザザザザザザーン!
右手にオリヒメ盾。左手は欠損。
作業用モビルアーマーは、ホコリだらけでボロボロ。
動いてるのが、やっとに見える。
「大丈夫か!」
俺とシロとウィリアムは、吹っ飛ばされてきたセーラに駆け寄る。
「やっと来ましたか……何とか、ここまで持ちこたえました……後は、師匠と、セドリック様にお任せします……」
ガクッ……。
セーラは息絶えた。
じゃなくて、セーラが乗って居た作業用モビルアーマーが、煙を出して停止した。
「セーラさんーー!」
何故か、ウィリアムが、セーラを抱きしめ泣いている。
2人の間で、何か熱いドラマが会ったのか?
まあ、セーラは作業用モビルアーマーにさえ乗ってなければ、お淑やかで清楚な女性だ。
そう、ア〇プスの少女ハイジに出てくる、クララのような。
作者が、完全に小公女セーラとクララを勘違いして、名前を間違えてたという可哀想な過去を持つ、幸薄い少女なのだ。
作業用モビルアーマーにさえ乗ってなければ、誰しも男なら手を差し伸べたくなってしまう程の、薄幸の美少女……。
俺だって、セーラが作業用モビルアーマーに乗ってなければ、俺のハーレムメンバーに入れてやっても良いと思う。
しかし、作業用モビルアーマーに乗ったセーラを知る俺には無理な話。
なので、セーラとウィリアムが、戦争という緊張状態での吊り橋効果で、良い雰囲気になってたとしても、俺には関係無い話だ。
というか、俺が見てない、どっか別の場所でやって欲しい。
俺の物語に、他人の恋愛話など必要ないのである。
俺は、作業用モビルアーマーが握りしめていたオリ姫盾を拾い、オリ姫を撫ぜる。
「キュイ!」
オリ姫は、オリ姫盾から、元気いっぱい普段のスライムの状態に戻った。
やっぱり、オリ姫が一番可愛い。
俺に、一番懐いてるし。
「オリ姫は、僕の方が仲いいですよ!
いつも一緒に戦ってた戦友ですから!」
シロが、オリ姫との絆をアピールしてくる。
「お前、オリ姫に嫌われてたろ?
いつもグルグル回して、気絶させてたから」
「そ……それは……」
「それから、これ返す! オリ姫が居れば、こんな刀不要だし!」
俺は1つ古いバージョン白蜘蛛ver.5.1をシロに向けて、投げ捨てる。
「僕の刀を捨てるんですか!」
「オリ姫と比べたら、お前が打った刀なんて、ナマクラなんだよ!」
俺は、シロに向かって怒鳴りつけてやる。
シロは、ドMだから、たまに罵ってやらなければならないのだ。
「酷い……酷過ぎる……。僕は、ただ、ご主人様が必要だと言うので、渡しただけなのに……」
「うるせぇー! ボケ! 誰がどう見ても、オリ姫ソードと比べれば、お前が打った刀なんかナマクラのB級品なんだよ!」
「ご主人様のバカ!」
バキッ!
俺は、五月蝿いので、シロをグーパンで殴り飛ばしてやった。
「痛いです!」
「もっと欲しいか?」
「もっと欲しいです! ボコボコにして下さい!」
俺は景気付けに、久々に、シロをボコボコにしてやった。
ヤバそうな奴とヤル前は、平常心など保てない。
俺自身も、ヤバくなければ、心が弱い俺は、相手の覇気に飲み込まれてしまうのだ。
シロは、戦争中だというのに、俺の前でピクピク痙攣して、半殺しになって転がっている。
大好きなシロでさえ、ボコボコの半殺しに出来る俺なら、あのヤバそうなキンキラの衣装を着てるカール大帝でもヤレる筈!
俺は、上空で、俺とシロの馴れ合いをジッ!と見ていたカール大帝を睨みつける。
だが、眼光鋭く俺とシロを見ていたカール大帝は、スッ と、俺から目を逸らした。
ーーー
ここまで読んで下さりありがとうございます。
面白かったら、お気に入りにいれてね!
3
お気に入りに追加
636
あなたにおすすめの小説
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる