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296. ブリテン王国
しおりを挟む俺が、毎日、シロが開発したオールインワンとシャンプーを使って2週間。
俺のチ〇コが真っ白なモヤシのようになった頃、遂にブリテン王国に到着した。
「まさか、すんなり入国出来るとはな……」
「アンさんやメアリーさんが、話を通してくれてたんじゃないですか?」
そう、俺達の船は、どこから見ても海賊船。
船首の目立つゴールデンスカルが、自分達が海賊だというのを否応なしにアピールしてるのだ。
そんでもって、ブリテン王国は臨戦態勢。
ブリテン王国周辺の海には、ブリテン王国の戦艦が、至る所で警備していた。
ドーバー海峡を通る時には、フランク王国側で待機してる十字軍の艦隊が普通に見えたし、決戦の時は、もう間近に迫っているのだ。
俺達はテムズ川を進み、首都ロンドンに向かう。
「テムズ川を使えば、簡単に首都ロンドンを落とせてしまいますね」
「ああ。普通に首都ロンドンまで行けちゃうからな!
だが、敵艦はテムズ川には入れないだろ?
ブリテン艦隊の主力が、テムズ川の河口に集結してたし」
「この時代のブリテン艦隊は、世界一の強さを誇ってるんですよね?」
「多分な。スペインじゃなかった、イスパニア王国の無敵艦隊を破って、この時代、世界最強の海軍を誇ってる筈だ」
俺は、元の世界の歴史と照らし合わせる。
この世界の住人じゃないので、間違ってるかもしれないけど。
「ドレーク海賊団のお陰ですかね?」
「まあ、ドレーク海賊団は、完全にブリテン王国の奇襲部隊みたいなもんだからな。
乗組員は、全員、不死身のバンパイアだし」
俺が元居た世界のイギリスも、海賊と組んで世界の海を牛耳ってた。
「ブリテン王国、全く負けなさそうじゃないですか!」
シロは全く、ブリテン王国が負けると思って無さそうだ。
「だけど、どんだけ強くても、数の力には敵わないんだよ!
お前も見たろ。フランク王国側に停泊してた十字軍の艦隊。
ざっと見で、500隻ぐらい居たぞ!
それから、イスパニアから、後、200隻の艦隊が来るんだろ?
対して、ブリテン王国の艦隊は200隻。
ドレーク海賊団と、メアリーアン海賊団の傘下の海賊全部あわせて合計しても350隻にしかならないし」
「700隻対350隻ですか……負け戦ですね……」
シロは、やっと現実を理解したようだ。
「上陸されたら終わりだな」
太平洋戦争の時の日本も、本土決戦になるのを避けていた。
島国なんて所詮小さいので、上陸されてしまったら終わりなのだ。
まあ、中には本土決戦なら勝てたという専門家もいるが、ベトナム戦争のような底無しの泥沼にハマっていただろう。
「そんなの絶対、上陸されますよ!
だって、ブリテン王国は島国なんですから!
どこからだって、上陸出来ちゃいますし!」
シロは悲愴な顔をして、真剣に悩んでいる。
「まあ、作戦次第だな。兎に角、行くぞ!」
俺達はブリテン王国首都ロンドンの象徴、ビックベンのすぐ近く船着場にゴールデンスカル号を停泊させて、首都ロンドンに降り立つ。
「お待ちしておりました。猊下」
元円卓の騎士ガウェイン兄弟改め、現在、アンとメアリーの執事をしているセバスチャンが、船着場まで俺達の出迎えに来ていた。
「ああ。メアリーやアナスタシア達は、もう来てるんだろ?」
「はい。皆様、猊下の到着を円卓でお待ちしております」
「円卓?」
俺は、セバスチャンに聞き返す。
「ハイ。円卓会議でございます」
「俺、円卓の騎士じゃないんだけど?」
「アン女王が率いる新たな円卓の騎士に、猊下とシロ様とミレーネ様が選ばれております」
まさかの回答。
「もしかして、俺やアナスタシア達が、ブリテン王国に呼ばれたのって、円卓会議に参加させる為?」
「左様でございます」
セバスチャンさんが左手を胸に、右手を腰の後ろに、執事風の礼をして答える。
「でも、セバスチャンさんとか、元々居る円卓の騎士はどうなるの?」
俺は、とても気になり質問する。
「今回は、裏方に回る事に決定してます。
私共はアーサー王の円卓の騎士なので、アン様は、アン女王の円卓の騎士を率いるべきという話に落ち着いています」
「そうなんだ。でも、今までの王様や女王には、円卓の騎士は居なかったのか?」
「アーサー王の本当の直系ではなく、実力も伴っていなかったので……。
今迄は、アーサー王の円卓の騎士が影で支えて来たのであります」
「アーサー王の弟の血筋だったけ。
まあ、アンは、アーサー王こと、アルトリア·ペンドラゴンの孫だし。ブリテン王国は女系の一族だから、ブリテン王国的には、アンこそが正統な女王という訳か」
なんとなく納得した。
まあ、今迄のブリテン王国の王様や女王は、円卓の騎士を組織出来るだけの器じゃなかったという事だろう。
その点、アンは今迄も、鬼ヶ島の女王として君臨し、大海賊であるメアリーアン海賊団を率いていた女傑だ。
元々アンは、ブリテン王国の女王になるべき器だったという訳だ。
てな訳で、俺達は、セバスチャンさんに案内されて、ロンドンの郊外に建つ、石造りで荘厳な雰囲気を漂わすキャメロット城に連れてこられる。
「キャメロット城って、ロンドンにあったのかよ!」
まさかのキャメロット城。
アーサー王の王国の王都ログレスにある、アーサー王が建てたという伝説の城だ。
「ロンドンとログレスって、似てますもんね!」
「でも、アーサー王の王国って、実際、何処にあるのか謎だった筈なんだけど……」
「大体、似た名前で正解ですよ。
卑弥呼だって、日の巫女(天照大御神)の事を、中国が蔑んで言っただけでしょ!
邪馬台国だって、絶対に、大和国ですし!
魏志倭人伝でも、女王が呪いで政治を行い、弟が支えてたって書いてるんでしょ!
それ、絶対に、アマテラスとスサノウですから!
邪馬台国と大和国が違うと言ってる学者さんとか、僕からしたら、本当にアホとしか思えないですよ!
普通に全部、古事記に書いてるのに!」
シロの偏見と思い込みの歴史観が炸裂する。
「そうだな。GHQによって、歴史から消された日本初の女天皇 神功皇后だって、絶対に卑弥呼だし!」
俺もシロに負けじと、しったか歴史を重ねてやる。
「神功皇后は、江戸時代や明治時代には、絶大な人気があった天皇なんですよね!
日本最初の肖像画が描かれたお札も神功皇后ですし、浮世絵とかにもたくさん描かれてますし!」
そう、神功皇后は、江戸時代中期から末期、明治時代では、歴代天皇ランキングNo.1の天皇だったのだ。
「GHQ的に、三韓征伐が頂けなかったんじゃないのか?
新羅と高句麗と百済を倒し、新羅と百済を支配下に置いていたというのが、頂けなかったんじゃないのか?」
「そういう事ですか……」
「朝鮮半島の日本統治を正当化しちゃうからな……」
「でも、神功皇后のお母さんが新羅の王子の子孫に当たる人物なんですよね?」
「まあ、古代は、日本が朝鮮半島を治めたり、治めなかったりした時代が多々あったという事だ。
伽羅とかも、普通に日本が治めてた国だったし。
卑弥呼が治めてた邪馬台国が、南朝鮮と日本の九州とか中国地方を治めてた国というのが、俺的にしっくりくるんだ。
古事記に出てくる天孫降臨。
あれは、俺的に朝鮮南部を治めてたアマテラスの子孫が、新羅に敗れて、弟が支配していた日本に逃げて来た話だな。
そして、アマテラスの方が直系だから、日本の支配権を寄越せと迫った事件だ。
まあ、同じ民族同士で戦うのはアレだから、日本を元々治めてたスサノウの子孫が折れたという話だな!」
「それ、ご主人様の妄想ですよね?」
「妄想というか、古事記に書いてるだろ?」
「そんな解釈してるの、ご主人様だけですよ?」
「まあ、朝鮮半島って、全羅道とか済州島の人達って、北に住んでる新羅系の人に滅茶苦茶差別されてるだろ?
それって、結局は、朝鮮半島の南の人間は、種族が違うくて、日本人の血が多く混ざってると思われてるからだろ?
実際、そうだと思うし。日本の天皇も百済の血が流れてたりしてるしな!」
「ご主人様、そんな決め付けていいんですか?」
「妄想するのは勝手だろ?」
「妄想が過ぎるというか……」
「別に、古事記を読んだだけで今の結論に達した訳ではないぞ?
もっと、色んな本や記事を読んでるし。
その膨大な読んだ本や記事が、眠ってる間に、頭の中で勝手に整理されて、いつの間にか結論が導きだされたのだ!」
「自信満々に言ってますけど、今日も物凄く脱線してますよ……」
「そ……そうだな……すまん」
セドリックは、物凄く猛省した。
脱線多いと、何度も読者に怒られているからだ。
そして、歴史を絡めて例え話をしてしまうと、どうやら知ってる知識を披露したくなってしまう癖がある事に、今更ながら気付いたのだった。
ーーー
ここまで読んで下さりありがとうございます。
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