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230. チンカス

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 女悪魔スルトの話によれば、こんな感じ。

 数百年前、一人の爵位持ちのバンパイアが、魔王が実効支配してる第600階層に現れたらしい。
 因みに、第600階層目から第666階層目までが、魔王の縄張りだとか。

 何でも、その爵位持ちのバンパイアは、「始祖様ー!」と、叫びながら、次々と階層を攻略していき、遂には、魔王がいる第666階層の一歩手前、第665階層まで攻略してしまったらしい。

 魔王軍の被害は甚大。
 結局は、魔王様の直属の配下、四魔将軍の一人である、スルトの上司のアマイモンが出張ってきて、爵位持ちのバンパイアを倒したとか。

 この事件を、悪魔族は『血の1ヶ月』と呼んで居るらしい。

 まあ、多分、第35階層の爵位持ちのバンパイアが、たまたまアムルーダンジョンに繋がる入口を発見して、下層に下りて行ったのだろう。
 始祖様が、アムルーダンジョンの下層に居ると信じて。

 まあ、しかしながら、やはり第35階層は突出しているようだ。
 たかが、爵位持ちのバンパイア一人で、アムルーダンジョンを完全攻略する勢いなんて……。

 というか、その爵位持ちのバンパイアが、一人で第665階層まで行けたという事は、俺でもアムルーダンジョンを攻略出来るんじゃないのか?

 スルトの上司という四魔将軍のアマイモンや、魔王には敵わないかもしれないけど。
 それ以外なら、何とかなるような気がしてきた。

 多分、俺の予想だと、俺が知ってる第35階層とは、別の第35階層の入口があって、そっちの方が、本来のアムルーダンジョンなのだ。

 だって、俺の知ってる第35階層は、どう考えてもダンジョンの中とは思えないし。
 というか、どう考えても惑星でしょ。
 妙に、歴史とかしっかりしてたもん。

 俺達が、住んでるアトレシア大陸の歴史が、偽物のママゴトの歴史と思える位に。

 てな訳で、俺はアムルーダンジョンを攻略する事に決めた。
 このまま、第22階層を縄張りに悠々自適に、ハーレム生活を送るのも良いが、女悪魔スルトのような木っ端悪魔を、毎回送られてきては敵わない。

 だって、悪魔って、家を燃やすの大好きだし。
 俺の家、木造だから、よく燃えるし。
 そう考えたら、チャッチャッ! と、アムルーダンジョンを攻略して、魔王を倒してしまった方がいいに決まっている。

 それに、結構、悪魔って可愛いし。
 小悪魔女子って言葉が有るくらいだから、エロ可愛い女子がたくさん居る筈なのだ!

「ご主人様の思考って、大体、そんなデスね」

 シロが、言葉にデスを絡めて、ディスって来た。
 流石は、シロ。言葉遊びで、ディスってくるようになるとは。ドンドン腕を上げているようだ。


 てな訳で、まずは女悪魔スルトを頂いてしまおう。

 と、その前に、

「シロ! 俺のチンコの皮と、口元の周りの皮の再生手術をしてくれ!」

 俺は、わざわざ始祖になって、第7階位魔法を覚えなくても、皮の再生を出来る事を思い出した。

「僕的には、ご主人様のオチンチンは、そのままでいいんデスけど」

 普通の言葉でも、ディスれる方法を編み出したシロは容赦ない。
 まあ、昔からある手法だけど。babyメ〇ルとかね。

「それは、未成年のシロが、俺とS〇X出来ないからだろ?
 15歳越えたら、毎日S〇Xしてやるから、今は素股で我慢しろ!」

「絶対ですよ!」

「ああ、約束する! 俺は約束を絶対守る男なのだ!」

 単純なシロは、すぐに機嫌が治り、チャッチャッ! と、皮の再生手術をしてくれた。

「オイ、シロ……何か、俺のチン棒、小さくなってないか……」

「気のせいですよ! ご主人様のオチンチンは、前からそんな程度です」

「それに、完全に亀頭が、皮に覆われてるのだが……」

「ご主人様、知らないんですか。亀頭が皮で隠れてた方が、S〇Xする時、気持ちいいんですよ?」

「いや、亀頭が出てた方が気持ちいいだろ?」

「違います! それは誤った知識です!
 ご主人様は、包茎クリニックに騙されてるんです!
 いつも亀頭が皮で覆われてた方が、亀頭が刺激に弱くなり、S〇Xする時とても気持ち良くなるんです!」

「そうなのか?」

「そうです!」

 シロは、真顔で宣言する。

「しかし、仮性包茎だと、チンカスが溜まって、不潔だろ?」

「それも大丈夫です!
 家の大浴場も完成しましたから、僕が毎日、ご主人様のオチンチンの皮を捲って、綺麗に洗ってあげますから!」

「だけど、仮性包茎恥ずかしいだろ?」

「それも大丈夫です! この世界は、誰も仮性包茎気にしてませんから!」

 シロが、まさかの話をしてくる。

「嘘だろ!」

「本当ですよ! ご主人様、この世界に何年住んでるんですか?
 というか、他の男の人のオチンチン見た事有りますか?
 そして、仮性包茎の話題って、今までに有りましたか?」

「確かに……結構、仮性包茎の奴を見た事有るし、仮性包茎という言葉自体聞いた事がない……」

「そういう事です」

「俺は、仮性包茎OKの世界で、仮性包茎を気にしてたのか……」

 俺は、想像以上に、前の世界の常識の囚われていたようだ。

「だから、僕は気を利かせて、亀頭がスッポリ隠れるくらい、長めの皮にしてあげたんです!」

 シロ。なんて有能な女子なのだ。
 普通、チ〇コの皮を長めに設定してくれる女子なんて居ない。

「有難う。皮余り方が有った方が、センズリしやすいしな!
 皮がパッツンパッツンだと、ローションないとオ〇ニー出来ないし、俺は誰よりも、チ〇コの皮を求めていたんだ!」

「喜んでいただき幸いです!」

 シロは、貴族令嬢のように華麗に頭を下げた。

「という訳で、ヤろうか!」

 俺はビンビンにおっ立っても、亀頭の先しか皮からはみ出さない自慢の珍棒を、女悪魔スルトに見せつける。

「ちっちゃ! 包茎不潔!」

 どうやら悪魔界では、包茎という言葉が、普通に有ったようだ。

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