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181. 以心伝心
しおりを挟む「で、何か作戦は有るのか?」
メアリーが、ドレーク海賊団に会いに行く道すがら、俺に聞いてきた。
「無い!」
俺は、メアリーに言い切ってやる。
「ご主人様が、我慢するだけです。ドレークは確実に、ミレーネさんの事を侮辱してきますから」
俺の事をよく分かってるシロが、俺の代わりに作戦を立ててくれた。
というか、展開が分かりきってる事なので、作戦でもないんだけど。
「私は何を言われてもヘッチャラです。今までの人生で、差別されなかった事の方が少ないですから」
ミレーネが、お涙頂戴の悲しい事を言ってきた。
「ウオォォォォ……! 俺には無理だよぉぉぉ……ミレーネが、ドレークにディスられた瞬間、必ず、シロに攻撃するように命令しちゃうよぉぉーー!」
「お前は、シロに攻撃するように命令するだけなのか?」
メアリーが、首をを捻り俺に聞いてくる。
「当たり前だろ! だって、ドレークの奴、滅茶苦茶強いんだぞ!」
「だったら、シロがドレークに攻撃しなければ良いだけなんじゃないのか?」
「そんなの無理です! ご主人様の命令は絶対なんです!
僕の使命は、ご主人様の理不尽な命令を実行する事なんですよ!」
「何だ……お前らの歪な主従関係……絶対にヤバ過ぎるぞ……」
「お前に、俺とシロの関係性なんかわかんねーんだよ!
俺は、骸骨で、シロはただの蜘蛛だった時からの付き合いなんだ!
裸の付き合いを通り越した、骨からの付き合いなんだよ!
だから、以心伝心を通り越して、シロは俺の頭の中まで自由に見る事が出来るんだからな!」
「それ、以心伝心でも何でもないだろ……一方的に、シロがお前の事を解ってるだけで、お前は、シロの事を何も解ってないだろ!」
「そんな事ない! 俺はシロの事を何でも解ってる!
人肉が好きな事や! お股から糸を出せる事! それから……」
俺は言葉に詰まる。
実際、シロと会ってから、まだ1年も経ってないのだ。
余りに濃厚な時間をシロと過ごして来たので、シロの事を何でも知ってると勘違いしていた。
「あの……ご主人様、僕、人肉より、カエルの肉の方が好きですからね……。
確かに、ネムラム姉妹のお肉は美味しかったですけど、アレは二人が幼女でありながら、500歳を越えるおばあちゃんだったので、肉が柔らかく熟成されてたからだと思うんですね……」
「な……何だと……ネムラム姉妹の肉は、生きながらに熟成されているのか……しかも、幼女なので柔らかくもあると……確かに、美味そうだ」
ジュルリ。
俺はヨダレを垂らし、下舐めずりをする。
「ご主人様も食べてみたいんだったら、今回の周回は諦めて、ネムラムのお肉を食べてみます?
すっご~く美味しかったですよ!」
シロが、悪魔の誘惑をしてくる。
というか、人肉というか、バンパイアの肉を喰うとか、禁断の同族喰いって、この世界でしても良い事なのか?
というか、俺、一度、身体の肉を食べられちゃってから、感覚が完全に麻痺してしまっている。
「お前ら、何言ってんだよ? ネムラムを食べるって、正気かよ……」
メアリーが、怪訝な顔をして聞いてくる。
「ああ、1番最初の周回の時、シロは、ネムラム姉妹の腕を食べたんだよ!」
「シロ……お前、まさか、人肉を食べるのか?」
「食べないですよ! 本当に僕はカエル肉が好きなんです!
あの時は、ネムラム姉妹に大好きなリゼ〇を汚された気がして、頭にきて思わず食べちゃっただけですから!
というか、今の周回では、ネムラム姉妹を食べてませんからね!」
「リゼ〇?」
メアリーが、何故かリゼ〇に反応する。
「アッ! それは地球の話ですから!
メアリーさんも、ご主人様のハーレムメンバーになって、心の底からご主人様を愛すれば、ご主人様の頭の中を読めるようになるかもしれませんよ!」
「それで、お祖母様も居たという地球の事が解るようになるのかよ!」
「僕は、解るようになりましたよ!」
シロは、鼻高々に、無い胸を張って、エッヘンとする。
「そしたらなる! セドリックのハーレムメンバーに!」
よく分からんが、メアリーが俺のハーレムメンバーに加わった。
というか、前も言ったが、もうメアリーとは2回目の周回にS〇Xした事もある間柄なので、今更なのだが……。
「そしたら行きましょうか! ネムラム姉妹のお肉を食べに!」
シロは、既に、ネムラム姉妹を食べる気満々だ。
ネムラム姉妹を食べた段階で、今回の周回がオジャンになってしまう事を理解してるのか?
というか、シロは死ぬのが怖くないのか?
「僕は、ご主人様と一緒に死ねるのだったら、死なんて全然怖くないです!
ご主人様だけが死んで、僕だけ生き残ってしまう方が、余っ程怖いんです」
シロが、俺の頭の中を読んで勝手に返答する。
「自分の命は、もっと大事にした方がいいぞ……」
「ご主人様は、簡単に死に過ぎなんですよ!」
シロが、間髪入れずに突っ込んできた。
「なら、今回の周回は、絶対に成功させるぞ!」
「なら、ご主人様がネムラム姉妹に攻撃仕掛けろと言わないで下さいね!」
「それは……」
そんな感じで、アダマンタイトスライムを倒しつつ、ゴールデンスカル号に向かって歩いていたら、突然、
ドオォォォーーン!
ゴールデンスカル号の隣に停泊している、ドレーク海賊団のアイアンメイデン号から砲弾が飛んで来たのであった。
ーーー
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