柳兎学園・江戸文化作法研究会 ~サムライ部での青春のワンシーン~

花山オリヴィエ

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 ハイ?
 ニンジュツ?

 一同が頭上に疑問符を浮かばせていると、アフロの忍者はどこから取り出したのか、風呂敷包みをそれぞれに手渡す。

「ハイ、んじゃあ、それに着替えてこーい」 

 言われるまま、流されるままに風呂敷包みを開くと、中にはまっ黒な忍者装束と、怪しい道具が入っていた。ツクモの指導の下、忍者装束を着て忍びの道具を身につける。普段の稽古着よりも体に密着するが、四肢を動かすのに違和感はなく、屋敷の中、障子の向こうで着替えを終え、再度庭に出てきたエミィに至っては、その豊かな果実を際立たせ、ワキミズは視線をそらせずにいた。
 当の彼女は、そんな視線に気づく事も無く、喜び飛び跳ねている。

「スゴい! 流石はニンジャです! ニンニンでござる!
 ……で、良いんでしたっけ?」
「お、おじょうさま~、それは作り話、フィクションの中のイメージ像ですよ~」

 いささか興奮気味であった彼女を横に置いたツクモ。
「ん? メィリオ。オメェ、昼間のユキシロの体術鍛錬の時もそうだったが、今回もそのぶかぶかのスーツでやるのか?」
「えぇ、先ずもってワタクシの――」
「あぁ、ワカッタワカッタ。それならそれで、好きにするがいいさ。んじゃあ……まず、手裏剣はこう持つ。んでもって……次にこの衣のココから……」

 道具の説明をツラツラと始める。

「ま、大まかでいいんだよ。んじゃ、今夜は屋敷の屋根裏を使って諜報活動の練習をしてみるよ~ん」

 ツクモはあくまで軽く、ライトに、大雑把に話を進めていった。

 ツクモ、ワキミズ、エミィ、メィリオの四人は屋敷の屋根裏にもぐりこみ、それこそネズミか何かのようにゴソゴソと埃にまみれていた。

「まず、ここがいつもの大広間だろ?
 そんであっちが……」

 大きな屋敷とはいえ、屋根裏ともなればそれなりの狭さ。

「さすがはニンジャさんですね。こんなに狭いのにツクモ先輩は軽々と動いておられます」
「えぇ、しかもその都度、我々のいる場所、下にある部屋の説明も挟みながらです」
「あぁ、しかもそこに鼻歌交じりに……だ」

 三人の視線や意識を意に介さず、すらすらと説明を続ける。

「いいか?
 こうして穴を開け、糸を垂らす。
 そうして糸を伝わせることで忍びこんだ先の標的の杯や料理に毒や薬を盛るわけだ」
「ところで先輩、その手に持ってるその灯りはなんですか?」
「ん? これか? これは龕灯提灯(がんどうちょうちん)っていう代物だ。中の火のついた部分をくるっと回してどの方向に向けても闇を照らせるってわけよ」
「そんな……電池式の懐中電灯を使えばイイものを……」

 ――ン?ナンカイッタカ? 
 ――イイエ、ナンニモ。

 そんなやり取りをしているうちに、次の部屋の上にたどり着いた。

「ここは?」
「ん~、ここはハクの部屋だな」

 ここでメィリオが一つの疑問を投げかける。

「地図も無いのに、こんなにすらすらと……まさか、日常的にこうしてワタクシたちの部屋の上を……?」
「カッカッカ、そんなことよりだ。ハクがこの時間に自分の部屋にいないってことは、風呂に行ってるってことだ」

 キュピピーン!

「「お風呂ですって?」」

 ここでワキミズとエミィの目が怪しく発光し、同時に同じ文句が口をついた。

「行ってみましょう!」
「えぇ、是非とも!」

 これにはメィリオが慌てる。

「ま、マズイですよー、それに男性であるワキミズさんならともかく、お嬢様まで何を言っておられるのですか!」

「フッフッフ、メィリオ。如何に女性同士とはいえ、あの部長のバストを気にならない者はいないのですよ」
「お、おじょうさま~……ツクモ先輩、二人をとめてくださいよ~」
「んじゃ、風呂はこっちだぜぃ、カッカッ」
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