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第1話
036. 初めての街です5
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三つの革袋が置かれている。
テーブルの上からは食器が片付けられ、先ほどの要領で掃除も終わっていた。
木目に沿って一方向に手ぬぐいをすべらせる。
丁寧に順を追ってすることで、清掃は完了していた。
「えらっそう。
やっと普通のことが出来るようになっただけでしょうに」
「いいんだよっ。
それでも出来るようになったんだからいいじゃないか」
ハクから借りっぱなしの手ぬぐいを洗いに洗面台に向かうとエリィといつものやり取りをしていた。
その背後で、バンディが三つの包みを出していた、という訳だ。
「まず一つ。
これはアニーが主として受けた『賊からの荷物の奪還』の報酬だ。
依頼を完了した分と……
もう一つ。
これは集落の長からの『気持ち』だそうだ」
ずい、とテーブルの上で押し出された包みが動くと共にチャリと硬い物がぶつかる音がかすかに聞こえた。
「中身はコイン、硬貨かなにかかな。
一つ目に比べて二つ目の包みが小さいのはそういうことか」
アニーは二つの包みを受け取り、マグとフゥのそれぞれに告げた。
「期待してた訳じゃないけど、せっかく貰えたのだ。
これもみんなで分配するのだ」
「うん」
「おぅとも」
三人は別のテーブルに移動し、報酬を山分けしている。
「ハク、オメェの分はこっちだ。
完了の報告もきっちり貰ってる。
間違いないな?」
「確かに。
こちらも、間違いないわ」
そういってハクは残りの一つの包みを受け取った。
ゴホン、とわざとらしい咳ばらいを挟んでバンディがテーブル越しにボクに山賊の様な険しい視線を向けて話を始めた。
「改めてイツキ。
オイラの仕切る、ここ『黒熊亭』ではギルドとして街の住人や近くの依頼主から受けた仕事を、コイツら『克服者(コンクエスター)』に斡旋する」
「そしてワタシたち『コンクエスター』が依頼を受けて、完了して、報酬を貰う。
そして、生活していくのよ」
「うん」
「アニーたちは依頼を終えても、完了前に他の報酬を受け取らなかったわ。
彼女たちがそうしたかったってのもあるけど、その結果、わずかだけども上乗せをしてもらえた。
いつもあるわけじゃないけど、ソレは誠意をもって仕事をした人間に対する評価でもあるわ」
「そうだね」
あの時、貰おうと思えば受け取ることも出来た集落を出る際のお土産や食料を拒んだアニーたちは結局得をしたことになった訳だ。
数字だけじゃない、人の感情も含めての仕事って言うことだ。
ハクはボクのそばに歩み寄って、手に持っていた袋の革紐を解くと無造作に一枚のコインを差し出した。
「そして、コレはワタシからアナタ。
イツキへの報酬よ」
「え?」
突然のことに思わず声を返してしまった。
「おぃ、ハク。
そいつは仕事を受けたわけじゃ――」
「わかってるわ。
でもね、フゥ。この子がこれからこの世界で生きていくには、こうするほうがいいと考えたの。
何も分からない。
何もできない。
だから、このお金はワタシからイツキへ、ここまで弱音を吐きながらでも旅をしてきたことへの報酬なの。
元手がなければ何をするにも大変でしょう」
ハクはボクより頭一つ背が高い。
ボクが160cm弱だから、180cmはあるはずだ。
そんな彼が、ボクの目線に合わせて腰をかがめてくれている。
決して嫌な気分ではなかった。
こども扱いされているわけじゃない。
対等の、一人の人間として視線を合わせてくれていた。
ハクの視線がそう言っている風に見えたのだ。
「もう、さよならかもしれないけど、せめてね」
ハクの頬がほんのり赤くなっていた。
ハクの目が少し、水気を帯びていた。
「うん……」
ボクはハクの指からコインを受け取った。
そして、そのくすんだ硬貨を握りしめ、両の手で再びハクの手を取った。
「じゃあ、ハク。
ボクからの依頼だよ。
ボクを、ハクと一緒にこの世界にいさせて!」
ボクの心の中に勇気というものが、あったとするなら、今、口から出ているのはその勇気そのものだ。
ボクは今まで居た世界に帰る方法も分からない。
この世界で生きていくための方法を身につけなければならない。
そのためには、ハクについて知識を得たり、仕事を覚えるのが一番だというのはここまでの旅でしっかり分かっていた。
「何も分からない、何もできない。
確かにその通りだよ……
それなら、わかるようになるから。
できるようになるから。
一緒にご飯を食べて、一緒に仕事をして……
一緒に生きてください!」
ハクの手は白くてすべすべとして、それでいて温かかった。
「ん?」
周りの様子がなんだかおかしい。
アニーとマグはこっちを見ながらもお互いの両手を取って硬直している。
フゥはうつむいてプルプルと震えている。
レナールはなんだか分からないけどウンウンとしきりに頷いているし、バンディは相変わらず苦虫を噛み潰したような顔をしているけど口の端が吊り上がっている。
「イツキ、あんた……
やっぱり見ていて飽きないわ」
エリィが腹を抱えて笑い出した。
え?
え?
「あの、その、ね……
気持ちは……嬉しいんだけど……
その、ワタシも一応オトコだし……
イツキの事は嫌いじゃないのよ?」
「うん?」
ハクの表情が強張っている。
いつも白い肌が若干青みを帯びているようにも見える。
どうしたのかな?
「この国では、男性同士でも、一緒になることは珍しくないけど……
そういうつもりがあるわけじゃ……」
「どういうこと?
一緒に、仕事をして、教えて欲しいってだけなんだけど――」
「イイゼ!
気に入った!
オレは認める!」
フゥが弾けるように笑いながらバシバシとボクとハクの肩を叩いてきた。
「イツキも隅に置けないねー。
でも、絵になると思うよ♪」
「ぎゃっぎゃっぎゃっ!
頼りなさげな少年と、美形お兄さん!
コレは、ニュースになるのだ!」
ここでボクとハクを客観的に見てみた。
1. 手を握っている。
2. 「一緒に生きてください」と言った。
3. 周りのみんながなんか祝福している
顔が途端に熱を帯びた。
「そう、お前はハクにプロポーズしたも同然なんだよ」
「えぇええええ!?」
エリィに言われて、周りの反応に合点がいった。
「そ、そんなつもりじゃなくて!」
「式はここ、黒熊でやっていいぞ」
「ちがう!
バンディ、式場予約とかしてないから!」
「このフゥが責任を持って仲人をしてやるぜ!」
「なこうど!?
ちょっと待って!
違うんだってばぁ~~」
ここからボクがみんなに説明をするために掛けた時間は、お昼ご飯までにおなかをすかせるのに十分だった。
テーブルの上からは食器が片付けられ、先ほどの要領で掃除も終わっていた。
木目に沿って一方向に手ぬぐいをすべらせる。
丁寧に順を追ってすることで、清掃は完了していた。
「えらっそう。
やっと普通のことが出来るようになっただけでしょうに」
「いいんだよっ。
それでも出来るようになったんだからいいじゃないか」
ハクから借りっぱなしの手ぬぐいを洗いに洗面台に向かうとエリィといつものやり取りをしていた。
その背後で、バンディが三つの包みを出していた、という訳だ。
「まず一つ。
これはアニーが主として受けた『賊からの荷物の奪還』の報酬だ。
依頼を完了した分と……
もう一つ。
これは集落の長からの『気持ち』だそうだ」
ずい、とテーブルの上で押し出された包みが動くと共にチャリと硬い物がぶつかる音がかすかに聞こえた。
「中身はコイン、硬貨かなにかかな。
一つ目に比べて二つ目の包みが小さいのはそういうことか」
アニーは二つの包みを受け取り、マグとフゥのそれぞれに告げた。
「期待してた訳じゃないけど、せっかく貰えたのだ。
これもみんなで分配するのだ」
「うん」
「おぅとも」
三人は別のテーブルに移動し、報酬を山分けしている。
「ハク、オメェの分はこっちだ。
完了の報告もきっちり貰ってる。
間違いないな?」
「確かに。
こちらも、間違いないわ」
そういってハクは残りの一つの包みを受け取った。
ゴホン、とわざとらしい咳ばらいを挟んでバンディがテーブル越しにボクに山賊の様な険しい視線を向けて話を始めた。
「改めてイツキ。
オイラの仕切る、ここ『黒熊亭』ではギルドとして街の住人や近くの依頼主から受けた仕事を、コイツら『克服者(コンクエスター)』に斡旋する」
「そしてワタシたち『コンクエスター』が依頼を受けて、完了して、報酬を貰う。
そして、生活していくのよ」
「うん」
「アニーたちは依頼を終えても、完了前に他の報酬を受け取らなかったわ。
彼女たちがそうしたかったってのもあるけど、その結果、わずかだけども上乗せをしてもらえた。
いつもあるわけじゃないけど、ソレは誠意をもって仕事をした人間に対する評価でもあるわ」
「そうだね」
あの時、貰おうと思えば受け取ることも出来た集落を出る際のお土産や食料を拒んだアニーたちは結局得をしたことになった訳だ。
数字だけじゃない、人の感情も含めての仕事って言うことだ。
ハクはボクのそばに歩み寄って、手に持っていた袋の革紐を解くと無造作に一枚のコインを差し出した。
「そして、コレはワタシからアナタ。
イツキへの報酬よ」
「え?」
突然のことに思わず声を返してしまった。
「おぃ、ハク。
そいつは仕事を受けたわけじゃ――」
「わかってるわ。
でもね、フゥ。この子がこれからこの世界で生きていくには、こうするほうがいいと考えたの。
何も分からない。
何もできない。
だから、このお金はワタシからイツキへ、ここまで弱音を吐きながらでも旅をしてきたことへの報酬なの。
元手がなければ何をするにも大変でしょう」
ハクはボクより頭一つ背が高い。
ボクが160cm弱だから、180cmはあるはずだ。
そんな彼が、ボクの目線に合わせて腰をかがめてくれている。
決して嫌な気分ではなかった。
こども扱いされているわけじゃない。
対等の、一人の人間として視線を合わせてくれていた。
ハクの視線がそう言っている風に見えたのだ。
「もう、さよならかもしれないけど、せめてね」
ハクの頬がほんのり赤くなっていた。
ハクの目が少し、水気を帯びていた。
「うん……」
ボクはハクの指からコインを受け取った。
そして、そのくすんだ硬貨を握りしめ、両の手で再びハクの手を取った。
「じゃあ、ハク。
ボクからの依頼だよ。
ボクを、ハクと一緒にこの世界にいさせて!」
ボクの心の中に勇気というものが、あったとするなら、今、口から出ているのはその勇気そのものだ。
ボクは今まで居た世界に帰る方法も分からない。
この世界で生きていくための方法を身につけなければならない。
そのためには、ハクについて知識を得たり、仕事を覚えるのが一番だというのはここまでの旅でしっかり分かっていた。
「何も分からない、何もできない。
確かにその通りだよ……
それなら、わかるようになるから。
できるようになるから。
一緒にご飯を食べて、一緒に仕事をして……
一緒に生きてください!」
ハクの手は白くてすべすべとして、それでいて温かかった。
「ん?」
周りの様子がなんだかおかしい。
アニーとマグはこっちを見ながらもお互いの両手を取って硬直している。
フゥはうつむいてプルプルと震えている。
レナールはなんだか分からないけどウンウンとしきりに頷いているし、バンディは相変わらず苦虫を噛み潰したような顔をしているけど口の端が吊り上がっている。
「イツキ、あんた……
やっぱり見ていて飽きないわ」
エリィが腹を抱えて笑い出した。
え?
え?
「あの、その、ね……
気持ちは……嬉しいんだけど……
その、ワタシも一応オトコだし……
イツキの事は嫌いじゃないのよ?」
「うん?」
ハクの表情が強張っている。
いつも白い肌が若干青みを帯びているようにも見える。
どうしたのかな?
「この国では、男性同士でも、一緒になることは珍しくないけど……
そういうつもりがあるわけじゃ……」
「どういうこと?
一緒に、仕事をして、教えて欲しいってだけなんだけど――」
「イイゼ!
気に入った!
オレは認める!」
フゥが弾けるように笑いながらバシバシとボクとハクの肩を叩いてきた。
「イツキも隅に置けないねー。
でも、絵になると思うよ♪」
「ぎゃっぎゃっぎゃっ!
頼りなさげな少年と、美形お兄さん!
コレは、ニュースになるのだ!」
ここでボクとハクを客観的に見てみた。
1. 手を握っている。
2. 「一緒に生きてください」と言った。
3. 周りのみんながなんか祝福している
顔が途端に熱を帯びた。
「そう、お前はハクにプロポーズしたも同然なんだよ」
「えぇええええ!?」
エリィに言われて、周りの反応に合点がいった。
「そ、そんなつもりじゃなくて!」
「式はここ、黒熊でやっていいぞ」
「ちがう!
バンディ、式場予約とかしてないから!」
「このフゥが責任を持って仲人をしてやるぜ!」
「なこうど!?
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