ぼくはきみの目をふさぎたい

🫎藤月 こじか 春雷🦌

文字の大きさ
上 下
206 / 606
Pale blue-eyed jealousy ※微 ※モブユン

18

しおりを挟む

 
 
 
 
 
 
 
「……ユンファさん」
 
 僕の両頬を、そのあたたかい両手で包み込み――優しい水色の瞳で、僕の目を覗き込んでくるソンジュさんは、ふ…と僕へ、優しく微笑みかけてくる。…そして僕の目元、頬、と、彼の唇が、僕の涙を拭い、舐めとる。
 
「……、…、…」
 
「…ふふ…、涙も甘じょっぱいですね…? なんて愛おしい味だろうか…――これからユンファさんが泣いてしまったときには、俺がこうして、貴方の涙を拭って差し上げますね…」
 
 擽ったいその人の唇、舌…拭う指――ソンジュさんは唇をふにりと僕の頬にくっつけ、こう響かせる。
 
「ですから…泣きたいときには安心して、思う存分泣いてください…、ユンファさんの涙は、まるで宝石のように美しいよ…――貴方の泣き顔は、本当にお綺麗で、たまらなくなるほど愛おしいのです…」
 
 何ともロマンチックな、と…僕は思わず小さく笑った。
 
「…ふふ…擽ったい…」
 
「…はは…、笑っても、やっぱり美しいな」
 
「………、…」
 
 する…と、ソンジュさんの顔が、僕の首に――は、と息を詰めた僕は、…頬がじゅわりと熱くなり、…きゅっと目を瞑る。
 僕は、貴方ならいい…――僕がもう性奴隷じゃないとしても、たとえ…今交わした契約が、あろうが、なかろうが。
 
「……っ」
 
 貴方なら、いいです…貴方ならいいんです…――ふにゅ…と僕の首筋に宛てがわれたソンジュさんの、柔らかい唇。…チク、と小さな痛み、…キスマーク。
 キスマークをつけられた、と思うと、僕の体の奥が、内側からじゅわりと熱く、潤んでくる。
 
 僕は、……貴方が……――馬鹿。…駄目、僕なんか。ありえない。
 
「……ふふ…、さあ、ユンファさん…」
 
「……は…はい…、…」
 
 ドキドキしながら、僕は頷いた。
 
 
 
 
「……マフィン、食べましょ。」
 
 
 
 
「………、…」
 
 
 マフィン。――マフィン…?
 
 
 
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...