94 / 594
「やっと見つけた」
25
しおりを挟む光明寺博士は私の顔をじっと見ている。
しばらく沈黙が続くと思うと光明寺博士が口を開いた。
「ハハハハハ!笑わせてくれますね。ミセスかの子。あの日、山で会ったのは私ですよ。このコンピューター、スマホに見えますが、最新のスーパーコンピューター2千台分の能力を発揮するコンピューターでしてね。
もちろん他にも想像を絶するコンピューターは私の研究所にありますがね。」
自信に満ちた笑い声の後、光明寺博士が私に鋭い視線でそう言った。
あの小さなスマホみたいなものが最新のスーパーコンピューター2千台分の能力ですって?
他にも凄いコンピューターがある……。
私は光明寺博士が本気になれば恐ろしいことになると感じた。
「ミセスかの子、あなたが緑色の人と呼んでいたのは、私がこのコンピューターで周りと同化したんですよ。透明にもなれますが、わからないと意味がないんでね、同化したところであなたに玉を渡した訳です。」
そういうと光明寺博士はスマホのようなコンピューターを使った。すると光明寺博士の全身は部屋と同化し、あの山であった時と同じようになった。違うのは身体が透けて部屋と同じに見えることだけだ。
私は息ができなくなってきた。
私がたくさんの人達を救うと信じていた、あの虹色の玉は光明寺博士が作ったんだ!
「ミセスかの子、それからあなたに授けた玉。あれは特殊な装置でして、声を出さずとも心に念ずるだけでなんでもできる夢の装置です。
できないことは何もありません。あの玉さえあれば宇宙服を着なくても宇宙にも行ける。核兵器が無くとも一つの国も滅ぼすこともできる。ところが………。」
そこまで言って光明寺博士の表情が変わった。眉間にシワを寄せて全身をプルプルと振るわせている。私は息ができなくて声が出ない。
この状況からどうしたら抜け出せるのか必死で考えていた。
「ところが………ところが、あの玉は操作するのに、特異な体質の人間にしか反応しない!
私は操作できない!私自ら操作できれば簡単に人類の平和は実現していた。しかし私はその体質では無い。そこで、このコンピューターでその特異な体質の人間を調べた。すると、ミセスかの子、あなたを含めた3人が適合者だった。
そして、私は山に来るように操作し、あなたが最初に来た訳です。まさしくあなたは選ばれた方。ミセスかの子!」
あの日、私がいつもと違い、昼間に起きたのも山に行ったことも全て光明寺博士に操られていたことの出来事だったの?
もし、私以外の他の2人が光明寺博士の言うことを聞く人だったら、みんなの幸せどころか、たくさんの人達が殺されていたかもしれない……。
私はこの玉がとても危険なものだと感じた。
「わ、私は、私はあなたのような人の言うことは聞かない!あなたは平和の為と言っているけど、あなたはただ自分の野望の為だけ。たくさんの人達があなたに不幸にされたわ!」
私は息ができないほどだったけど懸命にそう言った。
「ハハハハハ!そうそう言い忘れましたが、あの玉は、人々の幸せをエネルギーにして稼働してましてね。想念もエネルギーですからね。不幸では負のエネルギーになって、きちんと稼働しない。よって正のエネルギーの幸せをエネルギーにして稼働しています。ミセスかの子。あなたがここに来て、多くの会社が倒産したり、紛争が起こったり、多くの人々が不幸に巻き込まれる等々のようなニュースを耳にしませんでしたか?」
また自信に満ちた笑い声を発して光明寺博士が言った。人々の幸せをエネルギーにしていたって?
どういうこと?私の知らない間に自分では、たくさんの人達を幸せにすると信じていた、この玉でたくさんの人達が不幸になっていたの?
私はガクッと全身の力を無くした。私が知らなかったとは言え、そんなことだったなんて……。
光明寺博士は不敵な笑みを見せて私を見つめている。
しばらく沈黙が続くと思うと光明寺博士が口を開いた。
「ハハハハハ!笑わせてくれますね。ミセスかの子。あの日、山で会ったのは私ですよ。このコンピューター、スマホに見えますが、最新のスーパーコンピューター2千台分の能力を発揮するコンピューターでしてね。
もちろん他にも想像を絶するコンピューターは私の研究所にありますがね。」
自信に満ちた笑い声の後、光明寺博士が私に鋭い視線でそう言った。
あの小さなスマホみたいなものが最新のスーパーコンピューター2千台分の能力ですって?
他にも凄いコンピューターがある……。
私は光明寺博士が本気になれば恐ろしいことになると感じた。
「ミセスかの子、あなたが緑色の人と呼んでいたのは、私がこのコンピューターで周りと同化したんですよ。透明にもなれますが、わからないと意味がないんでね、同化したところであなたに玉を渡した訳です。」
そういうと光明寺博士はスマホのようなコンピューターを使った。すると光明寺博士の全身は部屋と同化し、あの山であった時と同じようになった。違うのは身体が透けて部屋と同じに見えることだけだ。
私は息ができなくなってきた。
私がたくさんの人達を救うと信じていた、あの虹色の玉は光明寺博士が作ったんだ!
「ミセスかの子、それからあなたに授けた玉。あれは特殊な装置でして、声を出さずとも心に念ずるだけでなんでもできる夢の装置です。
できないことは何もありません。あの玉さえあれば宇宙服を着なくても宇宙にも行ける。核兵器が無くとも一つの国も滅ぼすこともできる。ところが………。」
そこまで言って光明寺博士の表情が変わった。眉間にシワを寄せて全身をプルプルと振るわせている。私は息ができなくて声が出ない。
この状況からどうしたら抜け出せるのか必死で考えていた。
「ところが………ところが、あの玉は操作するのに、特異な体質の人間にしか反応しない!
私は操作できない!私自ら操作できれば簡単に人類の平和は実現していた。しかし私はその体質では無い。そこで、このコンピューターでその特異な体質の人間を調べた。すると、ミセスかの子、あなたを含めた3人が適合者だった。
そして、私は山に来るように操作し、あなたが最初に来た訳です。まさしくあなたは選ばれた方。ミセスかの子!」
あの日、私がいつもと違い、昼間に起きたのも山に行ったことも全て光明寺博士に操られていたことの出来事だったの?
もし、私以外の他の2人が光明寺博士の言うことを聞く人だったら、みんなの幸せどころか、たくさんの人達が殺されていたかもしれない……。
私はこの玉がとても危険なものだと感じた。
「わ、私は、私はあなたのような人の言うことは聞かない!あなたは平和の為と言っているけど、あなたはただ自分の野望の為だけ。たくさんの人達があなたに不幸にされたわ!」
私は息ができないほどだったけど懸命にそう言った。
「ハハハハハ!そうそう言い忘れましたが、あの玉は、人々の幸せをエネルギーにして稼働してましてね。想念もエネルギーですからね。不幸では負のエネルギーになって、きちんと稼働しない。よって正のエネルギーの幸せをエネルギーにして稼働しています。ミセスかの子。あなたがここに来て、多くの会社が倒産したり、紛争が起こったり、多くの人々が不幸に巻き込まれる等々のようなニュースを耳にしませんでしたか?」
また自信に満ちた笑い声を発して光明寺博士が言った。人々の幸せをエネルギーにしていたって?
どういうこと?私の知らない間に自分では、たくさんの人達を幸せにすると信じていた、この玉でたくさんの人達が不幸になっていたの?
私はガクッと全身の力を無くした。私が知らなかったとは言え、そんなことだったなんて……。
光明寺博士は不敵な笑みを見せて私を見つめている。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる