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150 蛹の中で蝶と成る※
しおりを挟むいよいよと押し倒し、そのまま本能に理性を預けて腰を振る俺のその下で――ユンファ様は幸せそうに蕩けた顔を悶絶に歪め、喉の奥から甲高い嬌声をもらしていた。
「…あっあぁ…♡ …ぁ…っ♡ ぁ…っ♡ ぁ…っ♡」
熱く、蕩けるようにたっぷりと濡れて柔らかい肉、根本まで包み込まれ、先端はコツコツとナカの子壺に当たる。
ぬちぬちぬちと小さな水音の立つ蜜まみれの蕾は、俺に食い付いて吸い付き、くにゃくにゃとナカのミミズが踊り狂っている。
「っユンファ、ユンファ、…美しき人よ、俺の愛しきユンファ、…」
「…っあ、あぁだめ、♡♡ ……ァ、あっイく♡ は、は、イ、………~~~――ッ!♡♡♡♡♡」
ゆさゆさと俺に揺さぶられ、ユンファ様は顔を歪めるとその柳腰を浮かせ、軽く喉を反らし…そのぽってりと赤い唇を薄くぁ、の形にしたまま、声もなく絶頂し――すると途端に、蕩けた恍惚の表情を浮かべた。
ガクンッガクンッとその腰が跳ねている。…ぎゅうぎゅう、ギチギチと絶頂に締まり蠢く彼のナカにたまらず、俺は肘を着いてユンファ様の耳元に顔を。――彼は俺の背中にしがみつき、ぁ、と上擦った声をもらした。
「…ソンジュ…、ソンジュ、…好き、ソンジュ…――君の子を、孕ませて……」
ぎゅうっと俺に抱き着くユンファ様は、いまだナカを痙攣させている。――いまだ、絶頂している最中に、甘えた声でそう言うのだ。
たまらぬ。もう辛抱たまらぬ。――俺は彼の赤らんだ耳に口付け、桃の香りを軋み苦しむ肺に満たす。…満たしながら、腰ばかりは俺の本能が動かす。
「…ユンファ、ユンファ、…っ俺のユンファ、…俺のユンファよ、好いております、誰よりも愛しき俺の胡蝶よ、…」
「…んっあ…♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ そん、…ソンジュ…あん…っ♡ ソンジュ…うっ♡ あぁまた、…」
俺はぎゅーっとした締め付けを紛らわせるよう、ユンファ様の耳にカプリと噛み付いた。…すると、ビクンッと腰を弓なりに反らして「ぅあ、♡♡♡」と驚いたような声をあげたユンファ様は、また絶頂している。――とっぷりと甘い蜜に浸っている俺のモノが、柔らかく熱い肉ににゅるにゅるとなぶられている。
止まり、顔を覗き込めば――ユンファ様は恍惚に耽溺した表情を、俺と目が合うなりほんのりとほころばせ、眉尻を弱々しく下げる。
「…は…ソンジュ…、あまりイかせないでおくれ、…はぁ…疲れて、…しまうよ……」
とろんとした切れ長のまぶたは柔らかく細まり、俺のことを至極愛おしげに見つめてくる。――たっぷりと潤み、こめかみのほうにも光の道が残る、その蜜に浸された薄紫色の瞳は、あまりにも幸福に耽溺している。
「…はぁ…ふふ、なんと艶やかな…なんと愛しい…はぁ…、ユンファ…誰よりもお慕いしております……」
「…うん…、ソンジュ…ソンジュ…、僕も、君が好きだよ…、愛してる、誰よりも、誰よりも……」
涙を堪え、そう笑うユンファ様に、俺もまた涙を堪える。――彼の濡れた頬を撫でて、俺はしかし笑った。
「…誰よりも愛しております…、たとえこの身が滅びようとも、永久にユンファを愛しております……」
震えた鼻声で俺がそう言えば、ユンファ様は涙をその切れた形のまなじりからこぼしながらとろりと微笑み、こくりと頷いた。――俺は彼の唇を吸い、はむはむと食んで、舌を絡め合う。
甘くぬるりとしたユンファ様の舌は美味い。俺は吸いながら唇を動かし、そして舌の根までねっとりと絡め取る。
そうして接吻の最中にも、腰を動かす。
ふぅ、ふぅと上擦った吐息の合間、たまに「んん…♡」とうっとりした嬌声を鼻からもらし、ユンファ様は俺の背から回した手で肩にしがみついて、もっともっととねだる。――ねだるようにナカを締め、吸い上げ、舌を動かして絡めて、柔らかく唇で吸い付いてくる。
死んでしまいたいほどに幸せな接吻と――蕩けてしまいそうな下半身――全身から吹き出しては下へと垂れてゆく熱い汗は、もしや俺の体が溶け出しているのやもしれぬ。
「……あっ…♡ ぁん…♡ あぁ、あ、♡ あ、♡ あ、♡ あ、♡ ソンジュ、ソンジュ、…好きソンジュ、…は、♡ っいっぱい出して、…」
「…は、…は、…ユンファ、…っ」
抱き締め合い――蕩け合い――一つとなってゆく。
「…ナカに、…全部僕のナカに、――っ全部、…ソンジュの全部を、…僕の子壺に注いで…っ!」
「……――ッ!」
境い目が、なくなってゆく。
今に俺たちの魂は――蛹の中でドロドロに溶けて無くなり、そうして混ざり合い、境い目なく…一匹の蝶と成る。
俺たちは今、蛹の中、胡蝶へと形作られてゆく――。
「……っう、……はぁ、…はぁ……」
「……は…、ソンジュ…、…ソンジュ、ソンジュ……」
俺の魂を注ぎ込めば――ユンファ様は、嬉しそうに微笑んで俺の頬を、そのか弱く震える白い両手で挟み込んだ。
「…ソンジュ…、…愛してる…――。」
「……はぁ…、ユンファ…、…俺のユンファよ、愛しております、俺の胡蝶よ…――俺は貴方に、いつも耽溺しておりまする……」
永久に、胡蝶の夢に、耽溺す――。
これが俺の、現実である。
そのほかは全く、夢幻に違いない。
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