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66 甘い蜜、僕にもちょっぴり、分けとくれ。※
しおりを挟む――驚いたことがある。
…ユンファ様のモノを愛して、俺は一度気を遣らせてやった。――彼は声を堪えるよう口を片手で塞ぎ、ふぅ、ふぅと吐息ばかりをもらしていた。――その割にみるみる硬く大きく育った彼自身は、よほど女よりもわかりやすく快感の度合いを俺に悟らせるからこそ、善い刺激ともなる。
何と毛の一本もなくココに至るまで無垢、色味にしろそうだった。…俺は、ぽってりとした撫子色の先端を舐めてやり、口の中でソレをしゃぶりながら彼の胸へと手を伸ばし――コリコリと両の乳首をいじりつつ、じゅぽじゅぽそうしてやると、ユンファ様は尻をすぼめるようにして腰を揺らし、つま先をピンと伸ばして感じていた。
ムクリ、ぎゅうっと肉が引き締まり、硬くなる。
その気配に俺は先端を吸いつつ舐め回し、そして、その白味がかった幹の全体を速く扱いてやった。…すると体を強張らせ、躊躇いながらもユンファ様は、一層ソレを硬くし、膨らませ「はぁ…っぁ、♡ あぁ駄目、だめ…あぁぁ…♡ ごめんなさい、ごめんなさいっもう…っ」…そう泣きそうに、申し訳なさそうながらも、――彼はわりにそのあとすぐ、ぴゅく、ぴゅくりと吐精したのだ。
その初心な自身の色味も相まって、男の射精にしてはいやにしとやかで美しかった。――ちなみに、俺の口内に放たれたその精もまた、噂に違わず、甘い乳の味がした。…桃の香のする乳…まるで、牛の乳で完熟した桃を煮込んだかのような味だった。それに関してもやはり、俺は驚いたのだが。
その後俺は――いよいよと、触れた。
射精後には、先ほどよりもよほど脱力し、くったりとした様子のユンファ様にちゅっと口付けつつ――さり気なく触れた、彼の膨らみの下…しかしソコに、らしい穴はなかった。
ただ…蕾のほうが、ぬるり。――ソコは熱く濡れ、ひくひくとしていた。…またユンファ様の蕾は、およそ他種族の蕾より、よほどに柔らかい粘膜の感触であったのだ。
「…ココがもしや…みほと、なのですか…?」
俺がそう聞けば、ユンファ様は紅潮した顔で少し恥ずかしそうに眉を顰め、コクリと頷いた。――すると彼いわく…蝶族は固形物が飲み込めないため、排泄するものはなんと小水のみなのだそうだ。…そして、他種族であれば本来排泄器官である蕾こそ、彼らにとっては性器である、と。
まあ、ある意味では両性具有ではあるか、しかし…思ったよりも男の体そのものである。――女のみほとが付いているのかと思いきや、格好としては男同士の、夜のやり取りにほぼ相違ないといえるだろう。…いや、俺は別にガッカリなどしていないどころか…そもそもが男も愛せるタチな以上、自然に濡れる蕾とは便利なものよ、とむしろ興奮したばかりである。
そしてそのあとの会話に、どうしようもない愛おしさを覚えたのは、ユンファ様が――泣きそうな、今に恥ずかしいと顔を覆いそうな、そんな弱々しい表情を真っ赤にしていながら…俺の勃起を、服の上から撫でてきたことだ。
「……あの…ソンジュ様、…僕も、…僕もソンジュ様を…気持ち良く、したいです…――し、しかし何分、何も知らぬもので…どうすれば、よろしいでしょうか…?」
「……、…」
驚いた俺に、ユンファ様は顔を真っ赤にしながらも、優しく俺のモノを、こわごわと撫で――眉をたわめつつ、ニコッと笑うのだ。
「…“淫蕩の罪”を深めるからと、僕は、まともに自分を慰めたこともないもので…ど、どうしたらよいのか、まるでわからない…、けれど、先ははしたなくも…とても、気持ち良かった…、感謝しております、ソンジュ様…――だから、どうか僕にも、何かやらせてくださいませ……」
そうはにかんで笑うユンファ様は、「僕、ソンジュ様のためならば、何でもいたします」と――あまりにもいじらしく、愛おしく、…たまらない。
「…はは…、では、ユンファ様……」
するとユンファ様は、「はい」と意気揚々目を輝かせた。――であるからこそ俺は、その人の、華奢な造りの白い首筋に口付けた。
まるで、月光を内側から放つような美しい首筋…「ん…♡」と、また小さく声をもらす彼――俺はそこに、「俺の唇が、舌が、指が…今ユンファ様のどこに触れているか…、そのことにだけ、意識を集中させていてくださいませ」と。――愛おしいあまりに、もっとじっくり、たっぷりと、舐めさせておくれ、甘い蜜。
そうしてユンファ様の衣服を脱がせながら――俺の唇は、舌は、手の指は…――月光の下、この白くなめらかな細身を辿った。
流れるような美しい首筋…浮いた鎖骨に唇を、舌を這わせ、手指を這わせ――細い肩を…――筋肉がうっすらと浮く二の腕、そのやわく真っ白な内側…――毛がなく、濃厚な桃の香の脇…――腕の内側、骨の肘…――そのなめからな下の腕、手首、手首の骨…――筋の浮く手の甲…長い指…――指先、桃色の縦長な爪…爪の先…――白い手のひら…手首の内側…――初心な桃色の浮いた胸板…――やや骨の浮くあばら…――は、は、と跳ねるみぞおちを…――引き締まった薄い腹…――縦割れのへそ…――ぴくんっと跳ね、ぞわりと粟立つ下腹部…――つるりと無毛の白い恥骨…――丸く太い腰骨…、ユンファ様はたびたび…ひく、…ひくん、と反応し、はぁ…と何度も切ない吐息をもらして、もどかしそうにその細腰をくねらせていた。…んん…と小さく上擦った声をもらしたこともあった。
それから白い、足の裏…――長い足の指…――桃色の、足の爪先…――筋張った大きな足の甲…――骨ばったくるぶし…――細い足首…――まっすぐなすね…――カモシカのように細いふくらはぎ…――骨の浮く膝頭…――灰に陰る膝の横…――やわらかな内もも…、桃色の鼠径部に至るまで唇で辿り、指で撫で、そして甘い桃の肌を舐めた。
ひくん…ひくん、ときおり喉をクッと詰め、体を小さく跳ねさせ、ふるふると震え――ぅ、と甘い声をもらして、ふ、と息を詰め、ユンファ様は、俺の唇一つにいちいち感じた。
――しかしまだ、肝心には触れず。
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