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再びのつかの間☆
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未だに殴っている音がする…もうそれを人間とは判別できなくなるくらいに殴っている。
よくそんなに飽きずに殴れるなぁとネメシスは感心していた。
ネメシスならすぐに飽きて別の方法でいたぶるだろう。
そんなネメシスの目線に気がついたシーヴァルが
「あの駄犬には脱力の腕輪と奴隷の首輪がつけられているので仕方がないかと…むしろその状態でのくあれだけ殴れるなぁと感心すらしますね。」
シーヴァルいわく、脱力の腕輪は装着した者は力が一切入らなくなるはずなのだとか…奴隷首輪はおそらく騎士の方なので、今現在発狂して気絶している騎士に止めることは不可能だ。
どちらも外せないようになっているようで、そんな中であれだけ力を込めて殴れるというのが異常なのだ。
「いくら獣人でもおかしいとおもうのですが…そのへんはあの騎士が知ってそうな気はしますねぇ」
「そんなものを付けられていたのか。」
ネメシスはなんせこの世界に来て数日しか立ってないために知識がない。シーヴァルとアグニールも同じはずだが…二人はある程度の知識はあるようだ。
さすがに今ヒスイは取り込み中なので、それが終わったら壊すか…コハクにもつけられているだろうから戻ったら破壊しよう。
なんとなくアグニールをかまいたくなったネメシスはアグニールを呼び、膝にのせて可愛がろうとして…
「ん?なんだか、アグニールの奴少し大きくなってないか?」
その疑問にシーヴァルは答えた。
アグニールは龍種のため世界にただよっている魔力を取り込んで栄養とすることができるため、それで成長したのだと…。
「うん?そういえば私もお前も何も食べていないが平気だな。」
シーヴァルは吸血鬼なので食べるというより飲むだが、シーヴァルも種族は違えど吸血鬼の始祖のため…彼も魔力を栄養とすることが可能なのだ。
吸血鬼の種族特徴から、血の味は細かく理解できるが…それ以外の食べ物は泥を食べてるかのように感じるそうだ。
アグニールの場合は味覚があるので食事をすることが可能だ。
「ネメシス様は神お手製ホムンクルスですから…おそらく私どもと同じようになっているかと。」
「なるほど…。食事いらずはラクでいいが異世界グルメを楽しめないのは悲しいな。」
「ネメシス様、少々忘れ物をしてしまったようで…クソ神がいるところまで取りに行ってもよろしいでしょうか?」
「キュル!キュルルール!」
シーヴァルはそれはもう爽やかないい笑顔で笑っている。
アグニールもシーヴァルに同調し自分も行くのだと張り切っている。
言葉は通じずとも一人と一匹の意見は一致していた。
「「あのクソ神を〆る!!」」
まだ出会って短い間だがシーヴァルとアグニールはネメシスのことが大好きだ。ネメシスにガチャで引かれた運命に感謝しているが、それはあの神にではない…。
一人と一匹にとっての唯一無二はネメシスのみ…そのネメシスから楽しみを奪った野郎をぶちのめすのに理屈なんていらないのだ!
一人と一匹には神=敬うの式が、なにそれ知らん。
威厳を見せても攻撃するだろう。
そんなネメシス思いの二人に嬉しさと少しのテレを感じたネメシスは、改めてガチャで出てきたのがシーヴァルとアグニールで良かったと…嬉しくなった。
何故か脳裏に必死で一人と一匹を止めてくれと懇願する神様ぽい人物が浮かんだが、嬉しさを噛み締めたくてはじき出した。
ネメシスがほっこりしていた時にふと三人は近くに空間の歪みが発生したことですぐに戦闘態勢をとった。
「ちょっと!ネメシス君!そこの一人と一匹を止めておくれよ。でないと本気でありとあらゆる手段を用いて僕のところに来そうで怖いんだけどぉ~!!」
覚えのある声にげんなりしつつも目線を向けると、人差し指サイズで羽を生やした小さい神様がふよふよと、飛んできた。
「職務怠慢…ボソリ」
「そもそも神は仕事しなくていいの!」
まったくやれやれ仕方ないなぁと態度で示されイラッとする…。それはシーヴァルとアグニールも同じだったようで…
「あ、ちょっ、まって!この仮の体は脆いから…ちょ…ネメシス君この二人を止めておくれ!!」
「それはともかく、何しに来たんですか?」
二人の軽い攻撃をなんとかかわしつつ、神様はのたまった。
「こんな事態にならないように、急いで神お手製ホムンクルスのトリセツをね…あいた!!」
シーヴァルに鷲掴みにされ、アグニールに火を吐かれ若干やけどしているが、二人が本気なら本当に死んでいるので放置した。
シーヴァルに鷲掴みにされた神様は抜け出すのを諦めたのか、おとなしく捕まっている。
「ということで、はいこれ♪」
いきなり目の前に一冊の本が現れういているが、魔法がある世界だし相手は神様なので特に驚きはしない。
その本を手に取りタイトルを…
『神お手製ホムンクルスのトリセツ♡』
そのタイトルとともに、表紙はデフォルメされた神様がブイサインしている。
ネメシスはその本をそっと地面におき…アグニールに…
「燃やせ。」
よくそんなに飽きずに殴れるなぁとネメシスは感心していた。
ネメシスならすぐに飽きて別の方法でいたぶるだろう。
そんなネメシスの目線に気がついたシーヴァルが
「あの駄犬には脱力の腕輪と奴隷の首輪がつけられているので仕方がないかと…むしろその状態でのくあれだけ殴れるなぁと感心すらしますね。」
シーヴァルいわく、脱力の腕輪は装着した者は力が一切入らなくなるはずなのだとか…奴隷首輪はおそらく騎士の方なので、今現在発狂して気絶している騎士に止めることは不可能だ。
どちらも外せないようになっているようで、そんな中であれだけ力を込めて殴れるというのが異常なのだ。
「いくら獣人でもおかしいとおもうのですが…そのへんはあの騎士が知ってそうな気はしますねぇ」
「そんなものを付けられていたのか。」
ネメシスはなんせこの世界に来て数日しか立ってないために知識がない。シーヴァルとアグニールも同じはずだが…二人はある程度の知識はあるようだ。
さすがに今ヒスイは取り込み中なので、それが終わったら壊すか…コハクにもつけられているだろうから戻ったら破壊しよう。
なんとなくアグニールをかまいたくなったネメシスはアグニールを呼び、膝にのせて可愛がろうとして…
「ん?なんだか、アグニールの奴少し大きくなってないか?」
その疑問にシーヴァルは答えた。
アグニールは龍種のため世界にただよっている魔力を取り込んで栄養とすることができるため、それで成長したのだと…。
「うん?そういえば私もお前も何も食べていないが平気だな。」
シーヴァルは吸血鬼なので食べるというより飲むだが、シーヴァルも種族は違えど吸血鬼の始祖のため…彼も魔力を栄養とすることが可能なのだ。
吸血鬼の種族特徴から、血の味は細かく理解できるが…それ以外の食べ物は泥を食べてるかのように感じるそうだ。
アグニールの場合は味覚があるので食事をすることが可能だ。
「ネメシス様は神お手製ホムンクルスですから…おそらく私どもと同じようになっているかと。」
「なるほど…。食事いらずはラクでいいが異世界グルメを楽しめないのは悲しいな。」
「ネメシス様、少々忘れ物をしてしまったようで…クソ神がいるところまで取りに行ってもよろしいでしょうか?」
「キュル!キュルルール!」
シーヴァルはそれはもう爽やかないい笑顔で笑っている。
アグニールもシーヴァルに同調し自分も行くのだと張り切っている。
言葉は通じずとも一人と一匹の意見は一致していた。
「「あのクソ神を〆る!!」」
まだ出会って短い間だがシーヴァルとアグニールはネメシスのことが大好きだ。ネメシスにガチャで引かれた運命に感謝しているが、それはあの神にではない…。
一人と一匹にとっての唯一無二はネメシスのみ…そのネメシスから楽しみを奪った野郎をぶちのめすのに理屈なんていらないのだ!
一人と一匹には神=敬うの式が、なにそれ知らん。
威厳を見せても攻撃するだろう。
そんなネメシス思いの二人に嬉しさと少しのテレを感じたネメシスは、改めてガチャで出てきたのがシーヴァルとアグニールで良かったと…嬉しくなった。
何故か脳裏に必死で一人と一匹を止めてくれと懇願する神様ぽい人物が浮かんだが、嬉しさを噛み締めたくてはじき出した。
ネメシスがほっこりしていた時にふと三人は近くに空間の歪みが発生したことですぐに戦闘態勢をとった。
「ちょっと!ネメシス君!そこの一人と一匹を止めておくれよ。でないと本気でありとあらゆる手段を用いて僕のところに来そうで怖いんだけどぉ~!!」
覚えのある声にげんなりしつつも目線を向けると、人差し指サイズで羽を生やした小さい神様がふよふよと、飛んできた。
「職務怠慢…ボソリ」
「そもそも神は仕事しなくていいの!」
まったくやれやれ仕方ないなぁと態度で示されイラッとする…。それはシーヴァルとアグニールも同じだったようで…
「あ、ちょっ、まって!この仮の体は脆いから…ちょ…ネメシス君この二人を止めておくれ!!」
「それはともかく、何しに来たんですか?」
二人の軽い攻撃をなんとかかわしつつ、神様はのたまった。
「こんな事態にならないように、急いで神お手製ホムンクルスのトリセツをね…あいた!!」
シーヴァルに鷲掴みにされ、アグニールに火を吐かれ若干やけどしているが、二人が本気なら本当に死んでいるので放置した。
シーヴァルに鷲掴みにされた神様は抜け出すのを諦めたのか、おとなしく捕まっている。
「ということで、はいこれ♪」
いきなり目の前に一冊の本が現れういているが、魔法がある世界だし相手は神様なので特に驚きはしない。
その本を手に取りタイトルを…
『神お手製ホムンクルスのトリセツ♡』
そのタイトルとともに、表紙はデフォルメされた神様がブイサインしている。
ネメシスはその本をそっと地面におき…アグニールに…
「燃やせ。」
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