魔王なんだから人を殺しても合法だよね!!〜クズな神様に無茶振りされた人間嫌いの魔王がおりなすダークな物語〜

残念な隣人さん。

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まだ終わらない神様のターン

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「そのいかにも残念なものを見る目をやめてくれないかな~ゴホッゴホッ…ふぅ…」

「それでどうかな?引き受けてくれるかい?」

神様の問に私は…

「眷属二人にしてもらえるなら引き受けます。」

 神様の手違いで死んだのと、異世界の神様が欲している魂。その二つを交渉材料として粘ってみよう…きっと断られ…

「え?マジ?それくらいの無理なら全然イイよ!!」

「いやいいのかよ…」

 思わず素でツッコんだのは悪くないはず…。

 ちなみに私の肉体は神様が作ったホムンクルスでそこいらの人種が作る者とくらべるべくもないらしい。

「神お手製ホムンクルスだから、ゴッドとかつけない?ねぇ、ね…」

「ダサいです。」

「ちぇ…」

 口をとがらせてふてくされている神様は普通に見ればショタの可愛い人外美男子という属性盛すぎな存在だが…

事実は雑で自己中心的でクズ、イラッとくる神様だ。

「君が手違いで死んだのと僕が君を求めてるってことでそれくらいの無理なら許容範囲だよ~」

「転生が決まったところで、早速二回…ひいてみようよぉ~!」

 テンションの切り替えが早すぎないだろうか…
先ほどとは違いすごくワクワクしてますって空気をこれでもかと出してガチャの前まで背中を押された。

 正直いろいろなことがありすぎて混乱してるしあまり頭は回っていないけれど、深く考えても答えは出ない気がした。

 どうせ考えても答えが出ないのなら第二の人生…魔王生?を歩んでみよう。

 ただ、一人は心もとないからどうかいい眷属が来てくれますように…今目の前にいる神様みたいなのは出てきませんように!!

 そんなふうに祈っているのを、神様はジト目で見つつ静観している。

 深く深呼吸をしたあと大きめの機械に入ったガチャを両手で引く…

 すると二つカプセルが出てきて、なぜ一度に二つ?と思ったときいきなり発光した。

 あまりの眩しさに私は目をつむったので何が起きているかはわからないが…

「くぁwせdrftgyふじこlp;!!」

 どうやら神様はとうとう壊れたようだ…。
 神様がそんなだから私は割と冷静になってきた。
神様の医者とかっているのだろうかと関係ないことを考える余裕がある。

 神様がおかしくなるほどの何かが出たんだろうなと思いつつ…かれこれ10分ほど…いつまで光ってるんだと行列慣れしている日本人でも思うに違いない。

 20分はたったころ(長すぎ)にようやくおさまり…まぶたをゆっくり開くと…














 一人は大人の人で…容姿は深月縹(ふかつきはなだ)色の髪に血のように赤い蛇のような瞳を持っている。
 大人びたイケメンって感じできっと裏では何人もの女性を泣かせてるだろう。

 私に向けて片膝をつき忠義を示しているような気がする。

 そしてもう一人…もう一匹?は子供の飛龍種のドラゴンだ。
茜色の鱗に包まれ、黄金色の龍目がキュルンとしていて…大きさは肩に乗るぐらいだ。

キュル?キュルキュルル♪

 私を見つめて機嫌のいい鳴き声を鳴らしながら、飛びつくのを待てされているペットのようにもじもじしている。

かわいいすぎるっ…///

「はっ!あまりの驚きで意識がどっか行ってたよ!」

 意識を取り戻した神様によると人型の方は吸血鬼、しかもSSランクの始祖なのだとか…

E→頑張れば戦闘未経験者でもなんとか

D→駆け出しの冒険者でなんとか

C→そこそこ経験を積んだ冒険者パーティーで

B→もう立派な冒険者パーティで

A→一流冒険者パーティーで

S→相手によっては小国くらい滅ぼせる。数より質で強い冒険者を

SS→Sより化物、天災レベルのため正式な討伐記録は無し。

SSS→神と近しいとされてる存在で個体数も限りなく少なく目撃例が殆どない。その気になれば星を破壊可能…。
討伐?むりむり(笑)


「そして何よりそこの子ドラゴンくんだよ!!」

 このドラゴンは成長しだいで神龍になる可能性をひめているとか…もし神龍になればSSSランクだそう。
 今現在は子供で経験も積んでないのでレア度補正でSくらい…なければAの上位だとか…。

 僕が驚くのも無理はないんだよ?と呆れた目を向けられたが…
 正直異世界にまだ行ってないので価値観はあまり理解できなかったが…めちゃくちゃ強い!レア!というのはなんとなく理解できた。

「君ねぇ…始祖に未来の神龍とかぶっ壊れ運もいいとこなんだぜ?まぁいいけどさぁ~」

 それじゃあ話せることは話したし…君たちを僕の世界、ユグシルに送るよ。
 寂しがらなくていいよ…また会えるしね♪

「いえ、神様はお仕事大変でしょう?お断りします。」

「そのゴミを見るような目がすべて語ってるけれど?ちょっと!」

 彼女のゴミを見るような目にツッコミを入れながら、神様は二人と一匹を送り出す…
「どうか君が新たな生で幸福であるように…願っているよ。」

 私と眷属達は光に包まれて、意識がゆっくりと落ちていく…その中で神様がニコニコしていたのに一瞬だけ顔を曇らせて何か言った気がしたけれど、よく聞き取れなかった。














「もう、………に………させな…」
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