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やってやるぜ!
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ぱっとしない俺に、美少年は疑いの目を向ける。
「あれ?お前じゃないのかもな。確かに聞いてた見た目だけど、貴族にしてはなんかみすぼらしいし」
みすぼらしいって、ひどくないか?
まだぱっとしないは許せても、みすぼらしいは怒ってもいいよな?
これでもいつもよりは身綺麗なのに。
「お前、名前は?」
「シュフォテオフト」
「間違いないな。そんな変な名前の奴なんて、二人といない」
だよなー。
これはホントにひどい。
ルカという名前は聖教では神と同じ名前ということで使えない。
だが、俺のように聖教に帰依する前にありがたいからと名を付けられた場合は、別の名を与えられるらしい。
その名が『シュフォテオフト』
意味分からん。
勝手に自分が付けて良いと思っていたから、何かカッコイイ名前にしようと思っていたら、いつの間にかこの名前で聖教に登録されていた。
「じゃあ、シュフォテオフト……長いからシューでいいか?」
「あぁ、呼び方は何でもいい。お前の名前は?」
「セシルだ」
「ぽい名前だな」
俺は何度も頷きながら名は体を表すな、と感心していた。
「男爵家の三男なんて、そんなものだ」
「?」
セシルは俺の言ったことに自嘲気味に笑って返した。
どういうことだ?
俺が知らないだけで、セシルって名前は良くないのか?
「あの、俺は褒めたつもりなんだが、何か、その、ごめん。えっと、失礼なこと、だったのか?」
その辺のことに疎い俺は、何とか誤解を解こうとしたものの、結局上手く言えずにそのまま本人に質問してしまった。
セシルは少し驚いた顔をすると、美少年に相応しい華やかな笑顔を見せた。
「シュー、お前貴族にしては変わってるな?先に変な名前だって失礼なことを言ったのは俺なのに、お前が何で謝る?俺もお前も男爵家で位は同じなんだから、へりくだる必要はない。対等な相手なんだから、謝るとすぐに下に見られるぞ。そんなことだから、寄宿学校から追い出されるんだ」
え、俺って寄宿学校を追い出されたってことになってるのか?
初耳ですけど?
「セシルって名前は男女どちらでも使えるだろ?ウチみたいな貧乏男爵家の三子目なんて、誰も望んでいなかった。だから親は男女どちらが産まれてもセシルにするつもりだったんだと。まだ女の方が政略結婚で使い道があったかもしれないのに、まさかの男子で魔力量も少ないときたら、完全にお荷物扱いだ。セシルって名前は、そんな自分の立場をそのまま表しているようで、好きじゃない」
セシルは俺に視線を向けることなく、どこか遠くを見ているような目をしていて、きっと家族を思い浮かべながら話しているんじゃないかと思った。
「俺は好きだけど、セシルって名前」
「は?」
セシルはようやく俺を見る。
「なんかさ、華やか、だろ?セシルは美少年だからさ、似合うしさ、だからその……良い名だと思う」
「……まぁ、お前の名に比べればな」
真顔で言われた。
そりゃそうだ。
本当は違うけど、変な名前の俺がセシルの名についていろいろ言うのも変な話だな。
「ここで無駄話をしている場合じゃない。大聖堂の中へ進むぞ。フォルクス様からすでに聖教内部への打診は済んでいるとの連絡があった。早々に接触しよう」
「分かった!」
俺はこくりと頷くと、聖教内部へと歩みを進めた。
この先に、バーンがいる。
絶対、前のお前と俺は会うんだ。
やってやるぜ!
「ふっ……美少年だからセシルが似合うなど初めて言われた。お前は良い奴だな、シュー」
決意を新たに意気揚々と歩みを進める俺は、背後で華が綻ぶように笑いながらセシルがもらした言葉に気づかなかった。
「残念だ」
すぐに表情を一変させ、片側の口角のみを上げながら、憐れんだ目で俺の後ろ姿を見ていたことにも、もちろん気づかずにいた。
「あれ?お前じゃないのかもな。確かに聞いてた見た目だけど、貴族にしてはなんかみすぼらしいし」
みすぼらしいって、ひどくないか?
まだぱっとしないは許せても、みすぼらしいは怒ってもいいよな?
これでもいつもよりは身綺麗なのに。
「お前、名前は?」
「シュフォテオフト」
「間違いないな。そんな変な名前の奴なんて、二人といない」
だよなー。
これはホントにひどい。
ルカという名前は聖教では神と同じ名前ということで使えない。
だが、俺のように聖教に帰依する前にありがたいからと名を付けられた場合は、別の名を与えられるらしい。
その名が『シュフォテオフト』
意味分からん。
勝手に自分が付けて良いと思っていたから、何かカッコイイ名前にしようと思っていたら、いつの間にかこの名前で聖教に登録されていた。
「じゃあ、シュフォテオフト……長いからシューでいいか?」
「あぁ、呼び方は何でもいい。お前の名前は?」
「セシルだ」
「ぽい名前だな」
俺は何度も頷きながら名は体を表すな、と感心していた。
「男爵家の三男なんて、そんなものだ」
「?」
セシルは俺の言ったことに自嘲気味に笑って返した。
どういうことだ?
俺が知らないだけで、セシルって名前は良くないのか?
「あの、俺は褒めたつもりなんだが、何か、その、ごめん。えっと、失礼なこと、だったのか?」
その辺のことに疎い俺は、何とか誤解を解こうとしたものの、結局上手く言えずにそのまま本人に質問してしまった。
セシルは少し驚いた顔をすると、美少年に相応しい華やかな笑顔を見せた。
「シュー、お前貴族にしては変わってるな?先に変な名前だって失礼なことを言ったのは俺なのに、お前が何で謝る?俺もお前も男爵家で位は同じなんだから、へりくだる必要はない。対等な相手なんだから、謝るとすぐに下に見られるぞ。そんなことだから、寄宿学校から追い出されるんだ」
え、俺って寄宿学校を追い出されたってことになってるのか?
初耳ですけど?
「セシルって名前は男女どちらでも使えるだろ?ウチみたいな貧乏男爵家の三子目なんて、誰も望んでいなかった。だから親は男女どちらが産まれてもセシルにするつもりだったんだと。まだ女の方が政略結婚で使い道があったかもしれないのに、まさかの男子で魔力量も少ないときたら、完全にお荷物扱いだ。セシルって名前は、そんな自分の立場をそのまま表しているようで、好きじゃない」
セシルは俺に視線を向けることなく、どこか遠くを見ているような目をしていて、きっと家族を思い浮かべながら話しているんじゃないかと思った。
「俺は好きだけど、セシルって名前」
「は?」
セシルはようやく俺を見る。
「なんかさ、華やか、だろ?セシルは美少年だからさ、似合うしさ、だからその……良い名だと思う」
「……まぁ、お前の名に比べればな」
真顔で言われた。
そりゃそうだ。
本当は違うけど、変な名前の俺がセシルの名についていろいろ言うのも変な話だな。
「ここで無駄話をしている場合じゃない。大聖堂の中へ進むぞ。フォルクス様からすでに聖教内部への打診は済んでいるとの連絡があった。早々に接触しよう」
「分かった!」
俺はこくりと頷くと、聖教内部へと歩みを進めた。
この先に、バーンがいる。
絶対、前のお前と俺は会うんだ。
やってやるぜ!
「ふっ……美少年だからセシルが似合うなど初めて言われた。お前は良い奴だな、シュー」
決意を新たに意気揚々と歩みを進める俺は、背後で華が綻ぶように笑いながらセシルがもらした言葉に気づかなかった。
「残念だ」
すぐに表情を一変させ、片側の口角のみを上げながら、憐れんだ目で俺の後ろ姿を見ていたことにも、もちろん気づかずにいた。
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