34 / 146
たった一つの望み~シュルツ視点~
しおりを挟む
「もう、置いていかないで」
声が震えてしまう。
また消えてしまいそうで、ルカを抱き寄せた腕に力を込める。
「約束して。今なら、役に立てるから。何も言わずにどこかに行かないで」
置いていかれた自分。
どんなに泣き叫んでも、誰にも届かない。
違和感を感じていたのに……いつもならすぐ次に教える魔法について嬉々として説明していた師匠が何も言わなくて。
次の指導の日も、決めないまま別れようとするから追いすがった。
困った顔の師匠が頭を撫でながら最後に言った言葉は、私にとって呪いだった。
「俺がいない時も研鑽しろよ。お前はきっと、すごい魔法師になれる」
すごい魔法師になりたいなんて、一度も思ったことなんてなかった。
でも、声をかけてもらえたことが嬉しくて、頷いた。
本当は、ただ師匠の隣に立っていたかっただけ。
それだけなのに。
師匠は約束を守る。
だから、私と約束はしてくれなかった。
私も師匠との約束を守らないと。
研鑽し、誰もが認める魔法師になるの。
そうすれば、次は、連れていってもらえる……?
あの時の気持ちが甦り、次から次へと涙が溢れる。
もう、一生分泣いたと思ったのに。
ルカの肩口に顔を埋める。
ルカはそんな私の背をゆっくりと撫でる。
あの時の私にしていたように、諭すようにゆっくりと話す。
「お前が役に立たないから連れて行かなかったんじゃないぞ?俺はお前が可愛くて仕方なかったんだ。そんなお前にあんな姿を見せたくなかった」
分かってる。
もし私が役に立てたとしても、師匠は私を連れていかなかったって。
そんなことは分かっているけど、どうして連れていってくれなかったのかと責める資格すら持っていなかった。
今は違う。
だから、約束が欲しい。
「約束して。じゃないと、上に報告して身動きとれないくらいがっちがちに回り固めるわよ」
抱き締める腕に力を込める。
アクラム様やフォルクス様が知れば、こんな寄宿学校で一年間過ごすことなど許すはずがない。
「……分かったよ。約束する。勝手にどこかに行かないし、行く時にはちゃんと言う。これでいいか?」
約束、して、貰えた。
「約束……守ってよ」
子供のような甘えた口調になってしまう。
「俺が約束守らなかったことがあるか?」
ルカがあの日のように頭を撫でる。
約束は必ず守ってくれる。
側に置いてくれる。
「約束してくれるなら、誰にも言わない。もちろん、寄宿学校でも、ちゃんとルカを生徒として扱うわ」
「おぅ。よろしくな」
ルカを抱き締めていた腕をゆるめる。
イイ歳してるのに、子供のように泣いてしまったことが今更ながら恥ずかしくなってきた。
そっと目を拭いながら、元のソファーに座る。
それから、ルカに疑問に思っていたことを聞く。
一連の話はルカが意図したことではないようで、想像の域を出ない。
知識の範疇を越えた話に詰めた息を吐いた。
「あと、なぜ水晶玉を割って目立つようなことをしたの?」
それがなければ、私も注目しなかった。
「そう!お前、ちゃんと寄宿学校の情報は国中に行き渡るようにしろよ!魔力量が少なかったら有料とかきいてないし!あと、女の子は別の学校とかも!知らなかったんだよ……。無料だし、女の子と出会えるって来たらこんなことになってな。無料にするために魔力流したら、割れた」
「割れたって簡単に言わないで。アレが割れるって、前と同じくらい魔力あるってことよね……それを上にバレないように一年間過ごすのは無理じゃない?キキ村に帰ったら?」
呆れた。
相変わらす、無鉄砲だ。
「そんな金ないし」
「出すわよ。私も着いて行くし」
着いていく。絶対に。
約束、したもの。
「んー、ちょっと揺らぐが、あいつらのことも一年間見てやりたいし、シュルツが管轄してるのにいなくなる訳にいかないよ。まぁ、なんとかやってみる!」
「ふーん」
もちろん、この寄宿学校を蔑ろにするつもりはない。
でも、ルカの側にいるためならいくらでも後任を連れてくる。
その理由なら何とでもなるが……あいつらねぇ……。
「あいつらって、ルカを庇った子達のことよね?……相変わらずの人たらし」
知り合ったばかりなのに、すぐ自分の懐に入れる。
ルカの側にいて、好きにならないはずがない。
優秀な人間ほど、特に。
「もちろん、あいつらも何も知らない。ただの友達だ」
「友達だと思ってるのはルカだけなんでしょうけど?」
「おい!失礼だろ!」
はぁっ。
無自覚無意識に人をたらしこむくせに、人の好意に対して鈍感すぎる。
「そういう意味じゃないの。まぁ、気づかなくていいわ」
そう。
気づかなくていい。
ルカの隣をガキ共には渡さない。
「あと!女の子って何?私がいるでしょう?」
「いや、お前は男だろ。って、何でずっと女言葉だ?」
「ずっと女として生きてきたもの。女性の方が私と同じで美意識高いし、ガサツな連中より付き合いやすかったわよ。この口調も気に入ってるの。でも、ルカが呼び方も困るだろうし、戻ろうかしら。貴方の前では身体も男でいたいし、ね」
美しい自分は好き。
女の口調も悪くない。
もちろん、女の身体も。
今まで、この姿でいろんな女を抱いてきたけど、男の姿で抱きたいのはルカだけ。
ルカでしか、勃たない。
今はまだ、早いかしら?
私が雄の顔をしたら……師匠、驚く?
「まぁ、いいわ。しばらくは混乱してもいけないから、女性体のままでいるわ。いずれ、ね」
変化の法を用いて女性体に変わる。
「どう?女の子いなくても、私がいるからいいでしょ?その辺の子よりも美しいしね!」
「お前は男だろって」
そう。
男だよ?
いつか、分からせてあげる。
「まだ聞きたいことはたくさんあるけど、遅くなってもいけないから今日はいいわ。また話しましょうね、ルカ」
「分かった。シュラ先生」
師匠に先生って呼ばれるのね。
立場が逆転するなんて。
お互い、顔を見合わせて笑う。
寄宿舎に戻るルカを見送るために立ち上がると、出口付近でルカが振り返る。
「男でも女でも自信満々に胸を張って生きてるお前が俺は一番好きだよ。変わってなくて、嬉しい」
「……ほんっと、そういうトコ、ルカも変わってない」
顔を見たくなくて、執務室から追い出す。
いつもそう。
いつも私の味方でいてくれた。
誰よりも肯定してくれた。
……私だけ、どんどん好きになっていく。
はぁっ。
一人になった執務室で、何度目かの息を吐く。
精神的に疲れすぎて、そのままソファーに倒れこんだ。
姿形は変わっても、ルカはやはりルカだ。
心を捕らえて離さない。
きっと、それは私だけではない。
「一年間……お二人から逃げ切れるかしら」
脳裏にお二人の姿を思い浮かべる。
ルカが何も起こさないように平穏を願いながら、再び出会えたことを神に感謝しつつ、そっと瞳を閉じた。
声が震えてしまう。
また消えてしまいそうで、ルカを抱き寄せた腕に力を込める。
「約束して。今なら、役に立てるから。何も言わずにどこかに行かないで」
置いていかれた自分。
どんなに泣き叫んでも、誰にも届かない。
違和感を感じていたのに……いつもならすぐ次に教える魔法について嬉々として説明していた師匠が何も言わなくて。
次の指導の日も、決めないまま別れようとするから追いすがった。
困った顔の師匠が頭を撫でながら最後に言った言葉は、私にとって呪いだった。
「俺がいない時も研鑽しろよ。お前はきっと、すごい魔法師になれる」
すごい魔法師になりたいなんて、一度も思ったことなんてなかった。
でも、声をかけてもらえたことが嬉しくて、頷いた。
本当は、ただ師匠の隣に立っていたかっただけ。
それだけなのに。
師匠は約束を守る。
だから、私と約束はしてくれなかった。
私も師匠との約束を守らないと。
研鑽し、誰もが認める魔法師になるの。
そうすれば、次は、連れていってもらえる……?
あの時の気持ちが甦り、次から次へと涙が溢れる。
もう、一生分泣いたと思ったのに。
ルカの肩口に顔を埋める。
ルカはそんな私の背をゆっくりと撫でる。
あの時の私にしていたように、諭すようにゆっくりと話す。
「お前が役に立たないから連れて行かなかったんじゃないぞ?俺はお前が可愛くて仕方なかったんだ。そんなお前にあんな姿を見せたくなかった」
分かってる。
もし私が役に立てたとしても、師匠は私を連れていかなかったって。
そんなことは分かっているけど、どうして連れていってくれなかったのかと責める資格すら持っていなかった。
今は違う。
だから、約束が欲しい。
「約束して。じゃないと、上に報告して身動きとれないくらいがっちがちに回り固めるわよ」
抱き締める腕に力を込める。
アクラム様やフォルクス様が知れば、こんな寄宿学校で一年間過ごすことなど許すはずがない。
「……分かったよ。約束する。勝手にどこかに行かないし、行く時にはちゃんと言う。これでいいか?」
約束、して、貰えた。
「約束……守ってよ」
子供のような甘えた口調になってしまう。
「俺が約束守らなかったことがあるか?」
ルカがあの日のように頭を撫でる。
約束は必ず守ってくれる。
側に置いてくれる。
「約束してくれるなら、誰にも言わない。もちろん、寄宿学校でも、ちゃんとルカを生徒として扱うわ」
「おぅ。よろしくな」
ルカを抱き締めていた腕をゆるめる。
イイ歳してるのに、子供のように泣いてしまったことが今更ながら恥ずかしくなってきた。
そっと目を拭いながら、元のソファーに座る。
それから、ルカに疑問に思っていたことを聞く。
一連の話はルカが意図したことではないようで、想像の域を出ない。
知識の範疇を越えた話に詰めた息を吐いた。
「あと、なぜ水晶玉を割って目立つようなことをしたの?」
それがなければ、私も注目しなかった。
「そう!お前、ちゃんと寄宿学校の情報は国中に行き渡るようにしろよ!魔力量が少なかったら有料とかきいてないし!あと、女の子は別の学校とかも!知らなかったんだよ……。無料だし、女の子と出会えるって来たらこんなことになってな。無料にするために魔力流したら、割れた」
「割れたって簡単に言わないで。アレが割れるって、前と同じくらい魔力あるってことよね……それを上にバレないように一年間過ごすのは無理じゃない?キキ村に帰ったら?」
呆れた。
相変わらす、無鉄砲だ。
「そんな金ないし」
「出すわよ。私も着いて行くし」
着いていく。絶対に。
約束、したもの。
「んー、ちょっと揺らぐが、あいつらのことも一年間見てやりたいし、シュルツが管轄してるのにいなくなる訳にいかないよ。まぁ、なんとかやってみる!」
「ふーん」
もちろん、この寄宿学校を蔑ろにするつもりはない。
でも、ルカの側にいるためならいくらでも後任を連れてくる。
その理由なら何とでもなるが……あいつらねぇ……。
「あいつらって、ルカを庇った子達のことよね?……相変わらずの人たらし」
知り合ったばかりなのに、すぐ自分の懐に入れる。
ルカの側にいて、好きにならないはずがない。
優秀な人間ほど、特に。
「もちろん、あいつらも何も知らない。ただの友達だ」
「友達だと思ってるのはルカだけなんでしょうけど?」
「おい!失礼だろ!」
はぁっ。
無自覚無意識に人をたらしこむくせに、人の好意に対して鈍感すぎる。
「そういう意味じゃないの。まぁ、気づかなくていいわ」
そう。
気づかなくていい。
ルカの隣をガキ共には渡さない。
「あと!女の子って何?私がいるでしょう?」
「いや、お前は男だろ。って、何でずっと女言葉だ?」
「ずっと女として生きてきたもの。女性の方が私と同じで美意識高いし、ガサツな連中より付き合いやすかったわよ。この口調も気に入ってるの。でも、ルカが呼び方も困るだろうし、戻ろうかしら。貴方の前では身体も男でいたいし、ね」
美しい自分は好き。
女の口調も悪くない。
もちろん、女の身体も。
今まで、この姿でいろんな女を抱いてきたけど、男の姿で抱きたいのはルカだけ。
ルカでしか、勃たない。
今はまだ、早いかしら?
私が雄の顔をしたら……師匠、驚く?
「まぁ、いいわ。しばらくは混乱してもいけないから、女性体のままでいるわ。いずれ、ね」
変化の法を用いて女性体に変わる。
「どう?女の子いなくても、私がいるからいいでしょ?その辺の子よりも美しいしね!」
「お前は男だろって」
そう。
男だよ?
いつか、分からせてあげる。
「まだ聞きたいことはたくさんあるけど、遅くなってもいけないから今日はいいわ。また話しましょうね、ルカ」
「分かった。シュラ先生」
師匠に先生って呼ばれるのね。
立場が逆転するなんて。
お互い、顔を見合わせて笑う。
寄宿舎に戻るルカを見送るために立ち上がると、出口付近でルカが振り返る。
「男でも女でも自信満々に胸を張って生きてるお前が俺は一番好きだよ。変わってなくて、嬉しい」
「……ほんっと、そういうトコ、ルカも変わってない」
顔を見たくなくて、執務室から追い出す。
いつもそう。
いつも私の味方でいてくれた。
誰よりも肯定してくれた。
……私だけ、どんどん好きになっていく。
はぁっ。
一人になった執務室で、何度目かの息を吐く。
精神的に疲れすぎて、そのままソファーに倒れこんだ。
姿形は変わっても、ルカはやはりルカだ。
心を捕らえて離さない。
きっと、それは私だけではない。
「一年間……お二人から逃げ切れるかしら」
脳裏にお二人の姿を思い浮かべる。
ルカが何も起こさないように平穏を願いながら、再び出会えたことを神に感謝しつつ、そっと瞳を閉じた。
48
お気に入りに追加
3,817
あなたにおすすめの小説
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編をはじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

出来損ない王女(5歳)が、問題児部隊の隊長に就任しました
瑠美るみ子
ファンタジー
魔法至上主義のグラスター王国にて。
レクティタは王族にも関わらず魔力が無かったため、実の父である国王から虐げられていた。
そんな中、彼女は国境の王国魔法軍第七特殊部隊の隊長に任命される。
そこは、実力はあるものの、異教徒や平民の魔法使いばかり集まった部隊で、最近巷で有名になっている集団であった。
王国魔法のみが正当な魔法と信じる国王は、国民から英雄視される第七部隊が目障りだった。そのため、褒美としてレクティタを隊長に就任させ、彼女を生贄に部隊を潰そうとした……のだが。
「隊長~勉強頑張っているか~?」
「ひひひ……差し入れのお菓子です」
「あ、クッキー!!」
「この時間にお菓子をあげると夕飯が入らなくなるからやめなさいといつも言っているでしょう! 隊長もこっそり食べない! せめて一枚だけにしないさい!」
第七部隊の面々は、国王の思惑とは反対に、レクティタと交流していきどんどん仲良くなっていく。
そして、レクティタ自身もまた、変人だが魔法使いのエリートである彼らに囲まれて、英才教育を受けていくうちに己の才能を開花していく。
ほのぼのとコメディ七割、戦闘とシリアス三割ぐらいの、第七部隊の日常物語。
*小説家になろう・カクヨム様にても掲載しています。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる