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朝の鍛練~バーン視点~(軽*)
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家にいた時から毎朝行っている素振りの鍛練を、寄宿舎に来てからも当然行う。
寄宿舎の裏手に中庭があった。
ここならば、人気もなく、ちょうど良い。
汗をかくので、最初から上半身は脱ぐ。
木刀を持ち、無心で振り続ける。
木刀を重く感じ始めると少し休憩し、息を整える。
それを何度か繰り返し、そろそろ部屋に戻ろうかという時に、人の気配を感じた。
「誰だ?」
まだ、皆が起き出す時間ではないだろう。
同じような志の者か?
気配の方へ視線を向ける。
「ルカ!」
「朝早いな、バーン」
昨日のことを思い出し、少し鼓動が早まる。
ルカは愛らしい笑顔で歩み寄ってきた。
「俺もいつもの癖で朝早く起きちゃって、散歩してたんだ。邪魔して悪かったなー。もう戻るから気にせず続けてくれ」
「いや、私ももう終えて部屋に戻る所だ。共に行こう」
せっかく出会えたのだ。
もう少し、共にいたい。
ルカを待たせてはいけない、早く着替えよう。
鍛練で汗をかいたので、まずは首にかけていた布で拭い、近くに置いてあった衣服を取る。
ルカがゆっくりと近づいてくる。
どうしたのだろう?
気を取られていると、まだ汗に濡れた身体を愛おしそうに撫で始めた。
「なっ……」
驚きで、呼吸が止まる。
ルカが何か言葉にしているが、全神経が触れられている身体に集中し、耳に入ってこない。
ルカの手が、ゆっくりと身体をなぞる。
その指に私の汗をまとわせ、ゆっくりと下へ下へと下がっていく。
汗で冷えていた身体がじわじわと熱を持ち、火照り、下半身に熱が溜まりそうで……思わずその手を取る。
「も、もうやめてくれ!」
「わ、わりー」
脈拍は上がり、呼吸も鍛練していた時とは比べ物にならないほど荒い。
その場にうずくまり、大声をあげたかった。
手も震え、それを知られたくなくて急いで衣服を身に付ける。
「では、部屋に戻ろう」
声もいつもより高い。
いつもの自分ではない。
早く自室に戻り、冷静さを取り戻さねば。
少しでも共にいたいと思っていたのに、今は一刻でも早く離れたい。
でなければ、ルカの前で失態を……!
自室の前でルカと別れる際に、何か言いたそうではあったが、そのまま気付かぬ振りをした。
自室に駆け込むと、自身の下腹部に触れる。
そこはもう硬化し、下履きを押し上げていた。
気付かれずにすんだ……。
ほっと息をつく。
そのまま衣服を脱ぎ、浴室へ向かう。
こんな時、個室で良かった。
魔導石を動かし、湯を貯め始めた。
その間に自身の熱を慰める。
性に奔放なタイプではなく、むしろ煩わしく思っていた。
定期的に自慰をするも、あくまで漫然と行うのみ。
いつものようにただ放出すればいいだけだ。
浴槽に腰掛け、その猛った自身に手を添え擦る。
いつも特に何を思う訳ではなく、機械的な作業だ。
いつもと同様に無心で上下に擦っていたのに、いつの間にかルカの先程の手を思い出してしまっていた。
あの指が、あのまま身体を辿り、この熱に触れる。
黒曜石のような瞳に私を映し、あの柔らかな指でゆっくりと握る。
あぁ、私もルカを触りたい……ルカの肢体を想像した瞬間、勢いよく白濁が放たれた。
「はぁっ、はっ、はっ、は」
湯の注がれる音と自分の呼吸音が響く浴室で、手に放たれた白濁を見つめながら、項垂れる。
もう、この気持ちを認めるしかない。
寄宿舎の裏手に中庭があった。
ここならば、人気もなく、ちょうど良い。
汗をかくので、最初から上半身は脱ぐ。
木刀を持ち、無心で振り続ける。
木刀を重く感じ始めると少し休憩し、息を整える。
それを何度か繰り返し、そろそろ部屋に戻ろうかという時に、人の気配を感じた。
「誰だ?」
まだ、皆が起き出す時間ではないだろう。
同じような志の者か?
気配の方へ視線を向ける。
「ルカ!」
「朝早いな、バーン」
昨日のことを思い出し、少し鼓動が早まる。
ルカは愛らしい笑顔で歩み寄ってきた。
「俺もいつもの癖で朝早く起きちゃって、散歩してたんだ。邪魔して悪かったなー。もう戻るから気にせず続けてくれ」
「いや、私ももう終えて部屋に戻る所だ。共に行こう」
せっかく出会えたのだ。
もう少し、共にいたい。
ルカを待たせてはいけない、早く着替えよう。
鍛練で汗をかいたので、まずは首にかけていた布で拭い、近くに置いてあった衣服を取る。
ルカがゆっくりと近づいてくる。
どうしたのだろう?
気を取られていると、まだ汗に濡れた身体を愛おしそうに撫で始めた。
「なっ……」
驚きで、呼吸が止まる。
ルカが何か言葉にしているが、全神経が触れられている身体に集中し、耳に入ってこない。
ルカの手が、ゆっくりと身体をなぞる。
その指に私の汗をまとわせ、ゆっくりと下へ下へと下がっていく。
汗で冷えていた身体がじわじわと熱を持ち、火照り、下半身に熱が溜まりそうで……思わずその手を取る。
「も、もうやめてくれ!」
「わ、わりー」
脈拍は上がり、呼吸も鍛練していた時とは比べ物にならないほど荒い。
その場にうずくまり、大声をあげたかった。
手も震え、それを知られたくなくて急いで衣服を身に付ける。
「では、部屋に戻ろう」
声もいつもより高い。
いつもの自分ではない。
早く自室に戻り、冷静さを取り戻さねば。
少しでも共にいたいと思っていたのに、今は一刻でも早く離れたい。
でなければ、ルカの前で失態を……!
自室の前でルカと別れる際に、何か言いたそうではあったが、そのまま気付かぬ振りをした。
自室に駆け込むと、自身の下腹部に触れる。
そこはもう硬化し、下履きを押し上げていた。
気付かれずにすんだ……。
ほっと息をつく。
そのまま衣服を脱ぎ、浴室へ向かう。
こんな時、個室で良かった。
魔導石を動かし、湯を貯め始めた。
その間に自身の熱を慰める。
性に奔放なタイプではなく、むしろ煩わしく思っていた。
定期的に自慰をするも、あくまで漫然と行うのみ。
いつものようにただ放出すればいいだけだ。
浴槽に腰掛け、その猛った自身に手を添え擦る。
いつも特に何を思う訳ではなく、機械的な作業だ。
いつもと同様に無心で上下に擦っていたのに、いつの間にかルカの先程の手を思い出してしまっていた。
あの指が、あのまま身体を辿り、この熱に触れる。
黒曜石のような瞳に私を映し、あの柔らかな指でゆっくりと握る。
あぁ、私もルカを触りたい……ルカの肢体を想像した瞬間、勢いよく白濁が放たれた。
「はぁっ、はっ、はっ、は」
湯の注がれる音と自分の呼吸音が響く浴室で、手に放たれた白濁を見つめながら、項垂れる。
もう、この気持ちを認めるしかない。
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