前世は救国の騎士だが、今世は平民として生きる！はずが囲われてます！？

キラキラしたヤツ

なんかキラキラしたヤツとテオが一触即発だ。

バーンとか言ってたっけ？
テオが様を付けてたから、侯爵の息子か？

よく分からないが、態度がデカイ。
そもそも、寄宿学校に身分差は関係ない。
平等だ。だから、意味がある。

ここで、貴族主義に凝り固まった奴らも、実力主義を認めざるを得なくなる。
この学校では実力さえあれば、平民だろうと大貴族の上に立てるのだから。

まぁ、昔からそれは建前で、下級貴族は高位にこびるし、平民は怯えて近づかないって構図はあった。

でも、ここまであからさまな奴いるんだなぁ。

「ふん。私はお前のことなど気にしてなかったが、光量が強い者がいたと聞いてな。まぁ、お前なら私の次には魔力があってもおかしくないな。わざわざ、あんな訓練までしたのだから。私には必要ないが」

あ、コイツ、テオをバカにしたな？
努力をバカにする奴を許さない。

「褒めていただいて、ありがとうございます。バーン様が耐えられないような訓練を経てこられたことを誇りに思います」

「誰が耐えられないなどとっ」

「おい、お前」

二人がはっと振り返り、俺を見る。

「お前、態度デカイな」

「なっ……貴様、私を誰だとっ」

「知るか。テオは俺の友達だ。テオをバカにするな」

テオは、ポカンとしている。
まさか、俺がテオをバカにされて黙っているとでも？

ま、まぁ、ほんわかテオを守ってあげないとって思ってたら、けっこうテオもキツイこと言ってて驚いたけど！

「バーン様、彼は平民ですので、ご容赦を…」

「テオ！様をつけるな！ここでは身分差は関係ない。じゃないと、俺たちも友達になれない」

たぶん、俺を庇ってくれようとしたんだろうけど、この学校では身分差を持ち込みたくない。

「……っ、そのようなことを言われなくとも、分かっている！テオドール、お前もここにいる間は好きに呼ぶといい。……お前、名は？」

相変わらず態度はデカイが、厭な奴かと思ったら柔軟だな。
平民にここまで言われても、ちゃんと規律と正当性を重んじている……テオといい、優秀な奴が多い！

「ルカだ！よろしくな、バーン！」

俺はバーンにハグをした。
親愛の気持ちも込めて、肩口をバンバン叩く。
身長差のせいで、抱きついているみたいな形になった。

……デカイな……。
やっぱり、食べ物の違いか……。

「な……なっ……」

ん？
少し見上げると、バーンが顔を真っ赤にして硬直している。
どした？

「わ、私は、これで失礼するっ」

なぜか、左右同じ手と足を同時に出し、不恰好に去っていった。

どした？