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運命の出会い~テオドール視点~
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人に対して、観察対象としか見ていなかった自分が、同年の男を前に可愛いと思うなんて……。
なぜだろう……分からないが、ルカには何か惹き付けられるものがある。
もう少し、彼のことが知りたい。
「ルカは田舎から来たの?何も知らなかったみたいだけど」
「ああ。俺はキキの村から来たんだ。三日くらい馬車に揺られてな」
「それは遠いね。僕は馬車で一日くらいかかったかな。地方領主の息子なんだ」
「俺は村の木こりの息子だ」
「それで身体に筋肉がついてるんだね」
「いやー、けっこう重い物運んだりしてたんだけど、思ってたよりつかないんだよなー」
快活に笑う。
「僕は親にすごく期待されててね……この魔力量測定で決まってしまうから緊張してるんだ」
少し、暗いトーンになってしまったな。
「テオは魔力量増やす訓練とかしたのか?」
!?
なぜ、農村の木こりの息子がそんなことを知ってる?
あの訓練は生命を脅かす禁じ手ではあるので、あまり知られていないはず……。
何者だ?
「……したよ。けっこう増えたよ」
疑っていると知られる訳にはいかない。
笑顔を保ったままでいよう。
訓練の内容も知っているのだろう。
悲痛そうな顔をしている。
……少し、仕掛けてみようか。
「ルカはどんな魔法が使えるの?」
「俺かー、何が使えるかなぁ……ちょっとまだ試したことないけど」
魔法が使えるのか!?
試したことないとはどういうことだ?
魔法は一定以上魔力があり、それを研鑽し使う。
その術をこの寄宿学校で学ぶはずだ。
僕はまだその域までは達していない。
僕よりも……魔力があるのか……あんな思いまでした僕よりも……。
「……使えるくらい、魔力あるんだね?」
「いや、魔法なんて使えないって~!冗談だよ、冗談!」
一瞬、しまった!という顔をした。
僕もその顔を見た時に憎しみが湧いたが抑えた。
冗談だと?
ふざけるな!
にこやかに、その冗談を信じたフリをする。
ルカはヘラヘラしていた。
「ルカは、何か夢とかあるの?」
「俺は木こりになるんだ!父さんの跡をついでさ!」
え?
夢が木こり??
先程までの何かを隠すような雰囲気もなく、その瞳はキラキラしている。
か、可愛い……。
いや!
また僕は何を思ってるんだ!
絶対、ルカは何かある。
ただの農村の木こりの息子じゃない。
「本当は、寄宿学校も木こりになるために必要ないから行かなくていいかなーって思ってたのに、父さんがどうしてもって勧めるからさー。あ、でも、こうやってテオと友達になれたから、俺、来て良かったよ!」
と、友達!?
列の前になって、ちょっと話しただけの僕が?
「僕も……ルカと友達になれて良かった」
いや、僕も何を言ってるんだ!?
あまりにルカが純粋なキラキラした瞳で言うから……。
父に連れていかれたパーティーで腹の探りあいには慣れているはずなのに……。
ルカに調子を狂わされている間に順調に列は進み、次は僕の番だ。
あんなに憂鬱で緊張していたのに……なんだかルカの存在でそれどころではなかった。
もう、やるだけだ!
水晶玉の前に立ち、片手をかざす。
かなり強い光。
あぁ……良かった……!!
会場では、大きなどよめきが起こる。
僕は水晶玉からそっと手を離し、いつの間にか詰めていた息をふっと吐いた。
「すごいなー!テオー!!」
ルカが思い切り抱きついてきた。
満面の笑顔。
心から喜んでくれているのが伝わる。
寄宿学校の魔力量測定なんて、みんな敵だと思っていた。
それが……こんなに僕の成功を喜んでくれる……初めてだ、こんな気持ちは。
「ルカ……ありがとう」
自分でも顔が赤くなっているのが分かる。
僕は今日、初めて心から笑った。
「次はルカの番だよ」
「おぉ!」
ルカの顔に緊張が走る。
魔力……多いといいな……。
ルカと一緒に学びたい。
少しでも、一緒に、いたい。
水晶玉の前に立ち、片手をかざす。
水晶玉が一瞬で強烈な光を放つ。
あまりの光量に目を開けていられないっ。
パァーンッ
水晶玉が粉々に砕け散った。
会場が静寂に包まれる。
え?
えぇ!?
なぜだろう……分からないが、ルカには何か惹き付けられるものがある。
もう少し、彼のことが知りたい。
「ルカは田舎から来たの?何も知らなかったみたいだけど」
「ああ。俺はキキの村から来たんだ。三日くらい馬車に揺られてな」
「それは遠いね。僕は馬車で一日くらいかかったかな。地方領主の息子なんだ」
「俺は村の木こりの息子だ」
「それで身体に筋肉がついてるんだね」
「いやー、けっこう重い物運んだりしてたんだけど、思ってたよりつかないんだよなー」
快活に笑う。
「僕は親にすごく期待されててね……この魔力量測定で決まってしまうから緊張してるんだ」
少し、暗いトーンになってしまったな。
「テオは魔力量増やす訓練とかしたのか?」
!?
なぜ、農村の木こりの息子がそんなことを知ってる?
あの訓練は生命を脅かす禁じ手ではあるので、あまり知られていないはず……。
何者だ?
「……したよ。けっこう増えたよ」
疑っていると知られる訳にはいかない。
笑顔を保ったままでいよう。
訓練の内容も知っているのだろう。
悲痛そうな顔をしている。
……少し、仕掛けてみようか。
「ルカはどんな魔法が使えるの?」
「俺かー、何が使えるかなぁ……ちょっとまだ試したことないけど」
魔法が使えるのか!?
試したことないとはどういうことだ?
魔法は一定以上魔力があり、それを研鑽し使う。
その術をこの寄宿学校で学ぶはずだ。
僕はまだその域までは達していない。
僕よりも……魔力があるのか……あんな思いまでした僕よりも……。
「……使えるくらい、魔力あるんだね?」
「いや、魔法なんて使えないって~!冗談だよ、冗談!」
一瞬、しまった!という顔をした。
僕もその顔を見た時に憎しみが湧いたが抑えた。
冗談だと?
ふざけるな!
にこやかに、その冗談を信じたフリをする。
ルカはヘラヘラしていた。
「ルカは、何か夢とかあるの?」
「俺は木こりになるんだ!父さんの跡をついでさ!」
え?
夢が木こり??
先程までの何かを隠すような雰囲気もなく、その瞳はキラキラしている。
か、可愛い……。
いや!
また僕は何を思ってるんだ!
絶対、ルカは何かある。
ただの農村の木こりの息子じゃない。
「本当は、寄宿学校も木こりになるために必要ないから行かなくていいかなーって思ってたのに、父さんがどうしてもって勧めるからさー。あ、でも、こうやってテオと友達になれたから、俺、来て良かったよ!」
と、友達!?
列の前になって、ちょっと話しただけの僕が?
「僕も……ルカと友達になれて良かった」
いや、僕も何を言ってるんだ!?
あまりにルカが純粋なキラキラした瞳で言うから……。
父に連れていかれたパーティーで腹の探りあいには慣れているはずなのに……。
ルカに調子を狂わされている間に順調に列は進み、次は僕の番だ。
あんなに憂鬱で緊張していたのに……なんだかルカの存在でそれどころではなかった。
もう、やるだけだ!
水晶玉の前に立ち、片手をかざす。
かなり強い光。
あぁ……良かった……!!
会場では、大きなどよめきが起こる。
僕は水晶玉からそっと手を離し、いつの間にか詰めていた息をふっと吐いた。
「すごいなー!テオー!!」
ルカが思い切り抱きついてきた。
満面の笑顔。
心から喜んでくれているのが伝わる。
寄宿学校の魔力量測定なんて、みんな敵だと思っていた。
それが……こんなに僕の成功を喜んでくれる……初めてだ、こんな気持ちは。
「ルカ……ありがとう」
自分でも顔が赤くなっているのが分かる。
僕は今日、初めて心から笑った。
「次はルカの番だよ」
「おぉ!」
ルカの顔に緊張が走る。
魔力……多いといいな……。
ルカと一緒に学びたい。
少しでも、一緒に、いたい。
水晶玉の前に立ち、片手をかざす。
水晶玉が一瞬で強烈な光を放つ。
あまりの光量に目を開けていられないっ。
パァーンッ
水晶玉が粉々に砕け散った。
会場が静寂に包まれる。
え?
えぇ!?
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