前世は救国の騎士だが、今世は平民として生きる!はずが囲われてます!?

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新しい人生

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命が危ぶまれた俺だが幸いにも後遺症もなく、診療所生活を終えて家に帰ることになった。

父さんと一緒に家まで歩いて帰る。

ここはキキの村だという。
前の俺の知識にはない村だ。
王都からも離れている小さな村なのだろう。

父さんはここで木こりとして生計をたてているらしい。

裕福ではないが、穏やかな暮らし。

俺は村で唯一の診療所で療養生活を送りながら、ずっと考えていた。

なぜ、こんなことになったのか、と。

赤子の時、確かに俺はこの身体の中にいた。
それは間違いない。

俺は全魔力と自分の肉体を糧にして、この国に防護魔法をかけた。
あの時に、俺は朽ちたはず。

肉体を失い、防護魔法は完成した。
その時にほんの欠片ほどの魂が糧とならず、残った?

そして、なぜか新しい生命を宿したアイラの身体に寄生し、その生命の誕生と共にその子の内に眠り、魂の修復をはかる。

んーーーーー、分からん!!
全部、想像でしかない。
そんな話は聞いたことないし、文献にももちろん載っていなかった。


「ルカ、もう少しで家に着くよ。身体は大丈夫か?おぶろうか?」

「大丈夫だよ、父さん」

優しく微笑む父さん。俺に気遣い、ゆっくりと歩いている。

ちくりと胸が痛む。

俺は父さんが愛していたルカじゃない。
たぶん、ルカの魂はあの事故で死んだんだろう。

まるで、乗っ取ったような気分だ。

この魂は俺の物だが、この身体はルカの物だ。

俺はルカとして、生きていこう。
父さんのために。
前世なんて、関係ない。

立派な木こりに、俺はなる!!
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