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鼻毛出している?
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乳母のメアリーも執事のモンタナも気の毒そうに王子を見つめてはタメ息をついている。
王子であるヒガリルは …鼻毛が出ていた。
日頃から長い鼻毛を三本、猫の髭のようにピンと跳ねて城下を歩いている厚顔な無知さ。
彼は近視のおかげにより、鼻毛が出ている事をきづいていない。
今日も鏡をみては
やっぱり俺はイケてると
慢心し気持ちの悪いタメ息を洩らす。
ただいま女王陛下が城爆発する迫力の怒りをヒガリルに向けている最中。
「あーた!いつになったら結婚するざあますの?」
「だって~!ママ殿下~!お見合いしたら必ず先方の姫から断られるんですよ~!」
「それはあーたの鼻毛が出ているから!」
「出てない!お気でも触れましたかママ殿下~?」
ヒガリルは自分の鼻毛を頑として認めない。
実をいうと顔も本人が勘違いするほどそこまでイケてはないのだが、ヒガリルのボヤけ切った瞳には、女なら誰もが群がる絶世の貴公子に見えていた。
「新しいお見合い相手を用意してるざあますのよ!次失敗したら次の殿下は弟王子に移るざんす!」
「そんなー!ママ殿下ー!」
ヒガリルは途方にくれ、お見合い当日までハラハラ寝れなかった。
「そなたが我がお見合い相手、ビルドシムーンか」
お見合い相手は華やかな笑顔をして、かんばせをニッコリと綻ばした。
プゥッ!!!
「何の音じゃ?」
ヒガリルはラッパ音にキョロキョロした。
「今日は」プッ
「お会いできて」プッ
「光栄です」プッ
「王子」プッ
何と一度ごとにビルドシムーンの張り出した臀部からラッパが吹き出してるではないか。
ケツ音楽隊?
ビルドシムーンは隣国のおなら王女として有名だった。
「人の欠点を、私は許せます。だって私にも欠点がありますもの」
心優しきビルドシムーンは鼻毛王子を初めて許し受け入れた女性だった。
数ヶ月後二人の王族の結婚式は盛大に挙げられ、城下を音楽隊が愉しげにパレードする。
ひっそりとビルドシムーンの音楽も音楽隊の奏でる音に混ざっていたのだけれど。
王子であるヒガリルは …鼻毛が出ていた。
日頃から長い鼻毛を三本、猫の髭のようにピンと跳ねて城下を歩いている厚顔な無知さ。
彼は近視のおかげにより、鼻毛が出ている事をきづいていない。
今日も鏡をみては
やっぱり俺はイケてると
慢心し気持ちの悪いタメ息を洩らす。
ただいま女王陛下が城爆発する迫力の怒りをヒガリルに向けている最中。
「あーた!いつになったら結婚するざあますの?」
「だって~!ママ殿下~!お見合いしたら必ず先方の姫から断られるんですよ~!」
「それはあーたの鼻毛が出ているから!」
「出てない!お気でも触れましたかママ殿下~?」
ヒガリルは自分の鼻毛を頑として認めない。
実をいうと顔も本人が勘違いするほどそこまでイケてはないのだが、ヒガリルのボヤけ切った瞳には、女なら誰もが群がる絶世の貴公子に見えていた。
「新しいお見合い相手を用意してるざあますのよ!次失敗したら次の殿下は弟王子に移るざんす!」
「そんなー!ママ殿下ー!」
ヒガリルは途方にくれ、お見合い当日までハラハラ寝れなかった。
「そなたが我がお見合い相手、ビルドシムーンか」
お見合い相手は華やかな笑顔をして、かんばせをニッコリと綻ばした。
プゥッ!!!
「何の音じゃ?」
ヒガリルはラッパ音にキョロキョロした。
「今日は」プッ
「お会いできて」プッ
「光栄です」プッ
「王子」プッ
何と一度ごとにビルドシムーンの張り出した臀部からラッパが吹き出してるではないか。
ケツ音楽隊?
ビルドシムーンは隣国のおなら王女として有名だった。
「人の欠点を、私は許せます。だって私にも欠点がありますもの」
心優しきビルドシムーンは鼻毛王子を初めて許し受け入れた女性だった。
数ヶ月後二人の王族の結婚式は盛大に挙げられ、城下を音楽隊が愉しげにパレードする。
ひっそりとビルドシムーンの音楽も音楽隊の奏でる音に混ざっていたのだけれど。
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