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都合が良いことに「この私」の記憶に鮮明さはない。
まるで記録で読んだかのように前世のことを認識している。
詳細に覚えていたら今を生きるのが辛いから、ぼんやりとしているのはありがたい。
(ああ、そういえばあの娘は無事に死ねたかしら。
一緒に死んだのなら、勝負はお相子ね)
走馬灯のように前世の記憶が流れこんでくる。
決して真新しいと感じるものではない。
思い出した、というのとも違うような……。
どうして忘れていたのかわからない。
秘密の箱が開いたような、昔読んだ本をもう一度開くような楽しい瞬間。
前世の私が生きていた時と場所の記憶を懐かしむ。
人の足を引っ張り合うのが普通のコミュニティで生活していた。
私は、ありとあらゆる悪を尽くしてきたようだ。
そこでは幸せとは人を蹴落とし、のし上がって獲得すべきものだったし、愛とは略奪だった。
当然、私もそのように生きてきた。
(嫌だわ、私がこんな女だと知ったら皆、私を嫌いになるわね)
良き者に囲まれて生きているこの体の主と、過去の自分を比べてみる。
体と人格との折り合いがつくのかあやしいわね。
なんとも、夢中夢のような話だ。
前世の私は有力な財閥の娘で、立派な悪役令嬢だった。
名を紅香という。
他人を貶める事は一通りやったであろう。
人殺し以外なら、何でも許されていた。
一人の少女の顔が浮かぶ。
そう、葵ね。
葵は紅香に執心だった。
紅香の父と妾の間に生まれた子だが、妹だと思ったことはない。
葵は紅香のやることを悉く邪魔する存在で、紅香も葵を邪魔する存在だったの。
学校でも、仕事でも、恋愛でも、紅香のものを欲しがっては自分のコレクションに加える悪い癖があった。
葵はあまり頭は良くないけれど狡猾で、愛らしい顔をしていたから、厄介なことばかりした。
私に悪評を立てて被害者を装い、周りを巻き込む遊びを頻繁に繰り返すのには辟易したものだ。
せっかく邪魔な葵を引き摺り下ろしたところだったというのに、一緒に事故に遭って紅香の人生は終わった。
葵もあざとい事ばかりやって来たから、揃って罰を受けたのだろう。
愛らしい葵の足を引っ張る意地悪な令嬢というのが紅香のポジションだったけれど、自分の思う通りに振舞うことが、結果的に悪役の様に見えたとしても、何ら後悔はない。
私は好きなように生き、好きなように死んだだけだから。
紅香は死に、私はたった今ガーネットとして、お話の世界の中で目覚めた。
そう、流行りの悪役令嬢に転生する物語の中で!
あら、ご存じない?
流行りのコンテンツなのよ。
死んで異世界に転生したら、物語の中で酷い目に合う悪役令嬢に生まれ変わっていて、結末を変えるためにじたばたするという類のお話なの。
努力で運命を変えていくっていうテーマがいいわよね。
私も好きでよく読んだわ。
それにしても、高校生がゲームの悪役令嬢に転生する物語に、更に本物の悪役令嬢が転生って、相当にクドくなりはしないだろうか。
私は俯瞰で、主人公の高校生朱音が病気で亡くなり、この世界にがガーネットとして生まれ変わって成長してきたのを見てきた。
見ていただけで特に何をしたということはないのだけれど。
高校生朱音の人生もガーネットの人生も覗いていただけだ。
更にクドい事に、この話は紅香の生きていた世界で発売されていたゲーム『ジュエル・ラブ』のスピンオフとして書かれた小説だった。
そろそろ頭がモヤっとしてきたわね。
『ジュエル・ラブ』は学園を舞台とした恋愛がテーマのゲームだ。
男爵令嬢サファイアが、王太子のジェダイ、騎士のリチア、私の義理の兄で公爵子息のアルマン、学年主席のクローム、二つ年下の第三王子のカルコを攻略していくタクティカルラブゲームだ。
所謂、乙女ゲームよ。
公爵令嬢ガーネットはライバル役として君臨し、後ろ暗い妨害工作と反逆罪で断罪される。
何人かほかの登場人物もいるがそれは割愛するわね。
販売当初は攻略対象の色がわかりずらい、ヒーローならなぜわかりやすい宝石をイメージにしなかった、などど物議を醸した。
にもかかわらず、高名なイラストレーターの完璧なキャラクターデザインに多くのお宅女子が膝をついて首を垂れた。
付随して鉱物の関連書籍もよく売れたようね。
鉱物ファンからは腐女子がミネラルショーにやってきて迷惑だとクレームが来たりと色々と有名になったわ。
それでも、微妙なキャラクター付けを、イラストの優美さで黙らせ、ゲームだけでなくCDやグッズも売り上げた乙女ゲーム界の重鎮となった。
もちろん腐女子にも優しい内容になっている。
その流れで、人気の高かったガーネットを主人公に据えたのが、小説『ゲーム「ジュエル・ラブ」の中の悪役令嬢に転生してしまったけど、せっかく健康なのにまた死にそうだなんて絶対に嫌!』だ。
タイトルが長いのは仕様よ。
文庫の表紙にぎゅうぎゅうに詰められたタイトルのフォントに苦笑いしたのが懐かしいわ。
今の私の状況をお話にするとしたら差し詰めこうなるかしら。
『小説「ゲーム「ジュエル・ラブ」の中の悪役令嬢に転生してしまったけど、せっかく健康なのにまた死にそうだなんて絶対に嫌!」に転生してしまった本物の悪役令嬢ですがなにか?』
どう?二次創作、いえ、三次創作感が強すぎて、まず流行らないわね。
表紙が文字でぎゅうぎゅうで恐ろしいことになるわ。
紅香は娯楽が好きだった。
大概のことはお金で解決できるとなると趣味に時間をかけるようになるのよね。
財力とコネクションと権力を存分に使う悪役令嬢の自覚のあった私は、自分を肯定するように悪役令嬢モノを好んで読んだのよ……というのは冗談だけれど。
翳のある不幸な生い立ちの悪役令嬢を期待してもらってもいいのよ。
でも、私には皆の同情的にみてもらえるような可哀想な過去はないのであしからず。
短かったけど、好きなことを好きなだけ貪る前世だった。
娯楽だったら、なんでも好きだったし、なんでもやった。
それは、社交や宝飾、飽食にとどまらず、映画やゲーム、創作物の末端まで及んで萌えたり腐ったりしたわ。
私のように本当の悪事に手を染めるヒロインは、滅多に出てこないのだけれど、頑張り屋さんのヒロインが活躍する話は好ましいわよね。
なにかと一緒に活動することの多かった葵もこのゲームをやっていたけれど、好きなキャラクターが私と同じだったのを怒って、ゲーム機を叩き壊したりしたわね。
同担拒否?
葵と紅香は好みが似ていたから、こんなことよく起きていたわ。
好きなものは好きだし、どうしても争いは避けられないのよね。
まぁ、私も腹が立って、葵の信奉者を何人か壊してやったから、まぁお相子よね。
『ジュエル・ラブ』の悪役として出てきたガーネットが主役のこのお話では、高校生朱音の命が尽きて、生前夢見たゲームの世界に転生するところから話が始まる。
ね、安定の転生ストーリーでしょ?
しかし、ゲームの中で断罪される悪役令嬢ガーネットに転生してしまったから、さぁ、たいへん! という話。
これはもう、形式美というものよね。
私はツンデレのツインテールも肯定派だし、淫乱ピンクも許容する。
俺様レッド、いいじゃない?
ショートカットの幼なじみだって美味しく頂けばいいのよ。
私のようにストレスが多いと、たくさん娯楽が必要なの……ふふふ、というのも嘘なのだけれど。
残念ながら、私、生まれた時からの快楽主義者でね。
さてさて、中身が朱音の悪役令嬢ガーネットは、素朴で天然な性格がクラスメイトに受けいれられて、沢山の仲間に恵まれる。
ガーネットは自分の未来に待ち受ける過酷な断罪を免れるために、日々奮闘するのだ。
(この辺の努力は私個人の趣味や思想とはかけ離れているので、見守るのが少々億劫だったようで、ぼんやりとしか覚えていないのだけれど)
健全な努力と、そのとぼけたキャラクターで次々とゲームの主人公サファイアから、攻略対象者を奪って攻略していくガーネット。
誰と結婚したかは皆の心の中で補完してね!……といったほのぼのした内容で完結するのだったかしら?
ゲームのヒロインのファンにも、腐女子にも配慮されたなかなか乙なエンディングだったと思う。
物語って平和でいいわよね。
私が目覚めた時点で、物語は山場を迎えている。
もう直ぐ結末だ。
小説では、ゲームの主人公こと、男爵令嬢サファイアも転生者だ。
これからサファイアは、自分の手駒を利用して邪魔なガーネットを凌辱して社交界から排除しようとする流れだ。
本編であるゲームのサファイアと違い、転生者をその身の内に宿す小説版のサファイアは可愛い顔して、野心家なのだ。
まるであの子みたいで私は好きよ。
紅香と一緒に死んだであろう葵。
私と張り合ってくるくせに頭の軽い子で、本当にこの物語のサファイアにそっくりね。
まるで記録で読んだかのように前世のことを認識している。
詳細に覚えていたら今を生きるのが辛いから、ぼんやりとしているのはありがたい。
(ああ、そういえばあの娘は無事に死ねたかしら。
一緒に死んだのなら、勝負はお相子ね)
走馬灯のように前世の記憶が流れこんでくる。
決して真新しいと感じるものではない。
思い出した、というのとも違うような……。
どうして忘れていたのかわからない。
秘密の箱が開いたような、昔読んだ本をもう一度開くような楽しい瞬間。
前世の私が生きていた時と場所の記憶を懐かしむ。
人の足を引っ張り合うのが普通のコミュニティで生活していた。
私は、ありとあらゆる悪を尽くしてきたようだ。
そこでは幸せとは人を蹴落とし、のし上がって獲得すべきものだったし、愛とは略奪だった。
当然、私もそのように生きてきた。
(嫌だわ、私がこんな女だと知ったら皆、私を嫌いになるわね)
良き者に囲まれて生きているこの体の主と、過去の自分を比べてみる。
体と人格との折り合いがつくのかあやしいわね。
なんとも、夢中夢のような話だ。
前世の私は有力な財閥の娘で、立派な悪役令嬢だった。
名を紅香という。
他人を貶める事は一通りやったであろう。
人殺し以外なら、何でも許されていた。
一人の少女の顔が浮かぶ。
そう、葵ね。
葵は紅香に執心だった。
紅香の父と妾の間に生まれた子だが、妹だと思ったことはない。
葵は紅香のやることを悉く邪魔する存在で、紅香も葵を邪魔する存在だったの。
学校でも、仕事でも、恋愛でも、紅香のものを欲しがっては自分のコレクションに加える悪い癖があった。
葵はあまり頭は良くないけれど狡猾で、愛らしい顔をしていたから、厄介なことばかりした。
私に悪評を立てて被害者を装い、周りを巻き込む遊びを頻繁に繰り返すのには辟易したものだ。
せっかく邪魔な葵を引き摺り下ろしたところだったというのに、一緒に事故に遭って紅香の人生は終わった。
葵もあざとい事ばかりやって来たから、揃って罰を受けたのだろう。
愛らしい葵の足を引っ張る意地悪な令嬢というのが紅香のポジションだったけれど、自分の思う通りに振舞うことが、結果的に悪役の様に見えたとしても、何ら後悔はない。
私は好きなように生き、好きなように死んだだけだから。
紅香は死に、私はたった今ガーネットとして、お話の世界の中で目覚めた。
そう、流行りの悪役令嬢に転生する物語の中で!
あら、ご存じない?
流行りのコンテンツなのよ。
死んで異世界に転生したら、物語の中で酷い目に合う悪役令嬢に生まれ変わっていて、結末を変えるためにじたばたするという類のお話なの。
努力で運命を変えていくっていうテーマがいいわよね。
私も好きでよく読んだわ。
それにしても、高校生がゲームの悪役令嬢に転生する物語に、更に本物の悪役令嬢が転生って、相当にクドくなりはしないだろうか。
私は俯瞰で、主人公の高校生朱音が病気で亡くなり、この世界にがガーネットとして生まれ変わって成長してきたのを見てきた。
見ていただけで特に何をしたということはないのだけれど。
高校生朱音の人生もガーネットの人生も覗いていただけだ。
更にクドい事に、この話は紅香の生きていた世界で発売されていたゲーム『ジュエル・ラブ』のスピンオフとして書かれた小説だった。
そろそろ頭がモヤっとしてきたわね。
『ジュエル・ラブ』は学園を舞台とした恋愛がテーマのゲームだ。
男爵令嬢サファイアが、王太子のジェダイ、騎士のリチア、私の義理の兄で公爵子息のアルマン、学年主席のクローム、二つ年下の第三王子のカルコを攻略していくタクティカルラブゲームだ。
所謂、乙女ゲームよ。
公爵令嬢ガーネットはライバル役として君臨し、後ろ暗い妨害工作と反逆罪で断罪される。
何人かほかの登場人物もいるがそれは割愛するわね。
販売当初は攻略対象の色がわかりずらい、ヒーローならなぜわかりやすい宝石をイメージにしなかった、などど物議を醸した。
にもかかわらず、高名なイラストレーターの完璧なキャラクターデザインに多くのお宅女子が膝をついて首を垂れた。
付随して鉱物の関連書籍もよく売れたようね。
鉱物ファンからは腐女子がミネラルショーにやってきて迷惑だとクレームが来たりと色々と有名になったわ。
それでも、微妙なキャラクター付けを、イラストの優美さで黙らせ、ゲームだけでなくCDやグッズも売り上げた乙女ゲーム界の重鎮となった。
もちろん腐女子にも優しい内容になっている。
その流れで、人気の高かったガーネットを主人公に据えたのが、小説『ゲーム「ジュエル・ラブ」の中の悪役令嬢に転生してしまったけど、せっかく健康なのにまた死にそうだなんて絶対に嫌!』だ。
タイトルが長いのは仕様よ。
文庫の表紙にぎゅうぎゅうに詰められたタイトルのフォントに苦笑いしたのが懐かしいわ。
今の私の状況をお話にするとしたら差し詰めこうなるかしら。
『小説「ゲーム「ジュエル・ラブ」の中の悪役令嬢に転生してしまったけど、せっかく健康なのにまた死にそうだなんて絶対に嫌!」に転生してしまった本物の悪役令嬢ですがなにか?』
どう?二次創作、いえ、三次創作感が強すぎて、まず流行らないわね。
表紙が文字でぎゅうぎゅうで恐ろしいことになるわ。
紅香は娯楽が好きだった。
大概のことはお金で解決できるとなると趣味に時間をかけるようになるのよね。
財力とコネクションと権力を存分に使う悪役令嬢の自覚のあった私は、自分を肯定するように悪役令嬢モノを好んで読んだのよ……というのは冗談だけれど。
翳のある不幸な生い立ちの悪役令嬢を期待してもらってもいいのよ。
でも、私には皆の同情的にみてもらえるような可哀想な過去はないのであしからず。
短かったけど、好きなことを好きなだけ貪る前世だった。
娯楽だったら、なんでも好きだったし、なんでもやった。
それは、社交や宝飾、飽食にとどまらず、映画やゲーム、創作物の末端まで及んで萌えたり腐ったりしたわ。
私のように本当の悪事に手を染めるヒロインは、滅多に出てこないのだけれど、頑張り屋さんのヒロインが活躍する話は好ましいわよね。
なにかと一緒に活動することの多かった葵もこのゲームをやっていたけれど、好きなキャラクターが私と同じだったのを怒って、ゲーム機を叩き壊したりしたわね。
同担拒否?
葵と紅香は好みが似ていたから、こんなことよく起きていたわ。
好きなものは好きだし、どうしても争いは避けられないのよね。
まぁ、私も腹が立って、葵の信奉者を何人か壊してやったから、まぁお相子よね。
『ジュエル・ラブ』の悪役として出てきたガーネットが主役のこのお話では、高校生朱音の命が尽きて、生前夢見たゲームの世界に転生するところから話が始まる。
ね、安定の転生ストーリーでしょ?
しかし、ゲームの中で断罪される悪役令嬢ガーネットに転生してしまったから、さぁ、たいへん! という話。
これはもう、形式美というものよね。
私はツンデレのツインテールも肯定派だし、淫乱ピンクも許容する。
俺様レッド、いいじゃない?
ショートカットの幼なじみだって美味しく頂けばいいのよ。
私のようにストレスが多いと、たくさん娯楽が必要なの……ふふふ、というのも嘘なのだけれど。
残念ながら、私、生まれた時からの快楽主義者でね。
さてさて、中身が朱音の悪役令嬢ガーネットは、素朴で天然な性格がクラスメイトに受けいれられて、沢山の仲間に恵まれる。
ガーネットは自分の未来に待ち受ける過酷な断罪を免れるために、日々奮闘するのだ。
(この辺の努力は私個人の趣味や思想とはかけ離れているので、見守るのが少々億劫だったようで、ぼんやりとしか覚えていないのだけれど)
健全な努力と、そのとぼけたキャラクターで次々とゲームの主人公サファイアから、攻略対象者を奪って攻略していくガーネット。
誰と結婚したかは皆の心の中で補完してね!……といったほのぼのした内容で完結するのだったかしら?
ゲームのヒロインのファンにも、腐女子にも配慮されたなかなか乙なエンディングだったと思う。
物語って平和でいいわよね。
私が目覚めた時点で、物語は山場を迎えている。
もう直ぐ結末だ。
小説では、ゲームの主人公こと、男爵令嬢サファイアも転生者だ。
これからサファイアは、自分の手駒を利用して邪魔なガーネットを凌辱して社交界から排除しようとする流れだ。
本編であるゲームのサファイアと違い、転生者をその身の内に宿す小説版のサファイアは可愛い顔して、野心家なのだ。
まるであの子みたいで私は好きよ。
紅香と一緒に死んだであろう葵。
私と張り合ってくるくせに頭の軽い子で、本当にこの物語のサファイアにそっくりね。
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