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おじさんと満たされる*
しおりを挟む甘いキスに溺れきって、もう何も考えられそうにない。
そうしているうちにおじさんが私の夜着に手をかける。
「あっ……」
「出してみろ」
「えっ、は、恥ずかしいから……」
「この間はもっと恥ずかしいところを自分から見せていただろうが」
「た、たしかに……」
上半身の寝巻をつるりと剥かれて、両手で膨らみを隠していたのを咎められる。
おずおずと手の覆いを離せば、冷気で勃ち上がった先端をまじまじと観察された。
自分で誘惑すると言ったのに、いざとなると恥ずかしい。逃げ場もなくて下を向く。
何を見ているのか、おじさんはずっと視線だけで体を撫でる。
「ね、もう子どもじゃなかったでしょ?」
「ああ」
「何かするんじゃないの? 見てるだけ?」
体の奥深くを触れられたことを思い出して、内股をすり合わせる。少しぬるついているのはバレたくない。
「おじさ……ラースさ……ひゃうっ」
おじさんは急に鎖骨に頭だけを寄せて、きつくそこを吸う。チリッとした痛みがあって赤い印が刻まれた。
もっとなにかされるのかと身構えているうちに、また離れてしまう。
今にも説教が始まりそうな、機嫌の悪い顔だ。
「娼婦をすると言っていたな。確か、年末に誰か別の男の種を仕込んでくるんだとか? 出来もしないことは言うな」
自暴自棄なことを言ったと怒っているのだろう。
おじさんは私が自分を安売りするのを嫌う。
「戯れに言ったんじゃないのよ。よく考えての事だったから、本当にやってたかも。一度誰かに身体を明け渡すより、ここに残る方が有益だったの。ごめんなさい。みんなに心配されるのはわかってても、意地汚いのは変われなかった」
おじさんは大きなため息をつく。
「もう、別にお前はそれでいい。だが、目的のために手段を選ばないのはお前の悪い所だ。馬屋を燃やすのもやめてくれ。まったく、頭のおかしな娘だ、俺がいいだなんて……」
自嘲気味に笑って勃ち上がった胸の先端に優しく舌を絡めたかと思えば、私の顔を覗き込みながら罰を与えるように歯を当てていく。
甘い痛みよりも興奮で背筋がゾクゾクする。
「あっ……だってね」
這い上がる快感に困っておじさんの方に手を伸ばせば、望むままに抱きしめられる。
「あんな馬鹿な誘惑を他でやろうと思うな。やるなら全部俺で試せ」
抱きしめられて耳元で囁かれる声は、私の知るものではない、熱を持った男性の声。
「そういえば、一度きりなんて言うくせに、おじさん、何度仕掛けてもやめろと言わなかったわよね」
「……ああ」
「おじさんは本当に嫌なら、もっと絶望的な言い方をするわ。ずっと、最初から、嫌じゃなかった、ってこと?」
自信がなくておじさんの表情を見ながら途切れ途切れにそういうと、隠すように肩に顔を埋める。
おじさんの首に手を回して、裸の胸をおじさんに押しつけてみれば、私の動きを助ける様に引き寄せられて隙間がないほどに密着する。
「あ……」
おじさんの猛りが硬く私の腹を押し上げているのがわかって、少しびっくりした。
「……もしかして、おじさん、私のこと、好き、なの?」
「戸惑ってはいたが、嫌いだと思ったことはない」
「もしそうなら、キスして。恋人のキスを」
「そんなの、さっきからしてる」
「ねぇ、もう一度……」
機嫌良く与えられた唇は、何度も角度を変えて深く深く私を蕩けさせる。
口付けされながら胸を優しく摘まれてさらなる期待で蜜が滴るのを感じた。
おじさんの家に来てすぐ、ふわふわのケーキを焼いてもらったことがある。
白い粉と白い砂糖、白いクリームで嵩高に、店のウインドウ越しに見ていた作り物のようなケーキ。
あれを食べた時には、泣くほど深く満たされたと思った。
でも、もっと先があった。
「まだ、こんな満たされる事があったなんて……」
掠れた溜息とともに吐き出せば、口付けがさらに深くなる。
「せっかくいろいろ勉強させてもらったのに、欲深いのは直らなかったみたい」
「それでいい」
「これって、マッチを擦った時にみえる幻じゃないかしら? 私、本当はずっと、道端で凍えて死ぬ時の幻を見ているんじゃないかって心配で……」
「証拠が必要か?」
「さっきみたいに頭をぶつけたりは嫌だけど、出来れば、体に刻みつけるようなのがいい」
「おまえな……」
「おじさん以外、どこにも嫁ぎ先がないくらいに酷いのがいいの。傷物にしたら、おじさんの気が変わったとしてもここで働くくらいは許してくれるでしょ?」
「そういう所がいかんと言っている」
おじさんはぐぅと唸って、私の首筋を吸い上げて赤い跡を付けた。
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