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始まりの章
24.ドムの選択。
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ディジーがゼウスの間で倒れ込んで来た時そばを離れたことを後悔した。
旅の中でもディジーを誰にも渡したくないと思っていた。
彼女の柔らかな表情や努力家なところ、愛嬌があり遠慮なく甘えてくるかと思えば、変なところで遠慮するところ。
美味しそうに果物を食べ、共に分かちあおうとする。戦いの中でも、出来ることを探すところ。儚げながらも芯のある姿。意外と負けず嫌いなこと。
彼女のことを知る度に惹かれていく自分がいた。これまで執着することなどなかったこの世界。執着することがないからこそ、誰かが悲しむならば変わりに俺が、と戦い、強くなった。別に死にたいわけではなかったが、生きたいと強く思ったこともなかった。
それなりに友人も作ってきたし、親や兄弟とも仲は良好だ。それでも、最愛のいない世界に未練はなかった。
しかし、今は全力で守りたいと思うディジーがいる。これこそが最愛というものだろう。彼女のいない世界に意味は無いと確信出来る。
ギルド長室での話の間で彼女を絶対に守ると心に誓った。それなのにっ!
ゼウスの間から彼女の身体が倒れ込んできた時。
俺は、彼女の身体に異変が起きていないことを祈るしか無かった。
翌日彼女は熱を出しながらも、どうもない、と見栄を張る。頬を赤らめ、涙を目に浮かべながら。無理をしそうになる彼女をベッドに縫い付けておくのは大変だった。何かを生き急ぐような姿に焦りを感じた。
繋ぎ止める何かがいる、そう思った。そしてそれは、俺でありたい、と。
だからこそ、ディーと別れ2人になった時。彼女を繋ぎ止めるために言葉を紡いだ。
何も知らない彼女を騙すように。
彼女が俺から離れていかないように。
考える時間なんて与えない。
俺のものにするために。
旅の中でもディジーを誰にも渡したくないと思っていた。
彼女の柔らかな表情や努力家なところ、愛嬌があり遠慮なく甘えてくるかと思えば、変なところで遠慮するところ。
美味しそうに果物を食べ、共に分かちあおうとする。戦いの中でも、出来ることを探すところ。儚げながらも芯のある姿。意外と負けず嫌いなこと。
彼女のことを知る度に惹かれていく自分がいた。これまで執着することなどなかったこの世界。執着することがないからこそ、誰かが悲しむならば変わりに俺が、と戦い、強くなった。別に死にたいわけではなかったが、生きたいと強く思ったこともなかった。
それなりに友人も作ってきたし、親や兄弟とも仲は良好だ。それでも、最愛のいない世界に未練はなかった。
しかし、今は全力で守りたいと思うディジーがいる。これこそが最愛というものだろう。彼女のいない世界に意味は無いと確信出来る。
ギルド長室での話の間で彼女を絶対に守ると心に誓った。それなのにっ!
ゼウスの間から彼女の身体が倒れ込んできた時。
俺は、彼女の身体に異変が起きていないことを祈るしか無かった。
翌日彼女は熱を出しながらも、どうもない、と見栄を張る。頬を赤らめ、涙を目に浮かべながら。無理をしそうになる彼女をベッドに縫い付けておくのは大変だった。何かを生き急ぐような姿に焦りを感じた。
繋ぎ止める何かがいる、そう思った。そしてそれは、俺でありたい、と。
だからこそ、ディーと別れ2人になった時。彼女を繋ぎ止めるために言葉を紡いだ。
何も知らない彼女を騙すように。
彼女が俺から離れていかないように。
考える時間なんて与えない。
俺のものにするために。
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