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僕にはもう限界が近付いていた。
いくらこの学園の授業料が安いといっても平民の僕の家は無理をしてやっと授業料が出せるくらいだった。だから学園内でかかるお金は僕がどうにかするしかない。
食事代や雑費など必要なお金はいがいと多い。貴族のお手伝いをしてなんとか一か月過ごしたがお手伝いばかりしていて勉強ができていない。次のテストでは退学になりそうだ。退学にならないために勉強時間を作るためには一回のお手伝いでもっとお金をもらわないといけない。
もっとお金をもらうためには性的なお世話をしないといけなくなる。僕は好きでもない人とそんなことしたくない。
でも僕が退学になると今まで頑張ってお金を稼いでくれていた両親の頑張りを無駄にすることになる。
今のままの生活で次のテストで退学になるか、誰かの性的なお世話をして沢山のお金をもらい勉強時間を増やすかの二択。
僕は頑張ってくれていた両親の姿を思い出し悩んでいた。
両親の頑張りを無駄にしないためにももう誰かの性的なお世話をしようかと考えていた。
「これでなんとかなってるので遠慮します」
休日の今日も沢山の洗濯物を持って洗濯屋へ行く。朝早くから行動しないと沢山あるから終わらなくなる。
性的なお手伝いをしようと決めたけどいざ声をかけられるとやっぱり嫌だと思ってしまった。
「はぁぁぁ、可愛くもないし平民のくせに俺らに逆らってるんじゃねーよ。気持ち良いことしてお金も貰えるんだから来いよ」
「やめてください」
しつこく声をかけられどうしたらいいか分からず困っている所を助けてくれた人がいた。
「その子嫌がってますよ」
ユーマ様だった。
ユーマ様は洗濯カゴを持っていた。ユーマ様ほどの高位貴族が自分で持ってくるなんてと思ってびっくりした。
「君も新入生?可愛い顔してるね。お小遣いあげるから一緒に気持ち良いことしよっか」
ユーマ様は侯爵家だからお金に困っているわけがないのにユーマ様のことを知らないのか2人いた先輩のうち1人がユーマ様に声をかけ触れようとする。
「痛っ、何するんだ、離せ。先輩に逆らうのか」
ユーマ様は触られそうになったその手を逆に掴んでひねる。僕と同じくらい小柄なのに自分より大きな人にも怯まず向かっていき負けていない。
「先輩だからって嫌がっている子に何してもいいんですか」
負けていないどころか勝っていた。
もう1人はユーマ様のことを知っていて1人を連れて去って行く。
「大丈夫?」
ユーマ様は僕が持っていたカゴを持ちながら優しく聞いてくれるが僕は相手が大物すぎてどう答えたらいいか分からずカゴを取り返しながらそっけなく返事してしまった。そんな僕にもユーマ様は優しかった。
僕を心配したのかユーマ様は僕にお世話を頼んできた。最初は断ったけど最後にはユーマ様のお世話をすることになった。
それからユーマ様の買い物に付き合い荷物を持ったけどユーマ様は僕の服まで買ってくれたし美味しいケーキまで食べさせてくれた。
僕なんか役にたっていると思わないのにユーマ様にあんなによくしてもらっていいか不安になってくる。
次の日ユーマ様とユーマ様のお友達のミコトとお弁当を食べた。ミコトは僕に自分のおかずを分けてくれて優しくしてくれた。放課後はユーマ様と図書館に行く。ユーマ様以外の人のお手伝いをしなくなったから勉強する時間が増えた。今まで遅れていた分を取り戻すように空いている時間に必死に勉強した。あの2人ともっと一緒にいたい。
図書館からユーマ様を寮に送り届けて自分の寮へと帰る。
鞄を大切に抱きしめて歩いていた。鞄の中にはさっきユーマ様に頂いたクッキーが入っている。大切に残しておきたいけど食べないとユーマ様に申し訳ないし。
「調子に乗ってるんじゃないぞ」
歩いていたら誰かに突き飛ばされた。
「お前みたいな奴がアバーテ様に取り入ってるんじゃないぞ」
顔を上げると3人に囲まれていた。見たことのある顔だったから同じ新入生だろう。
「あっ」
突き飛ばされたときに鞄の中からユーマ様に頂いたクッキーが出てきた。僕はそのクッキーに手を伸ばす。
「っ!」
伸ばした手を踏まれた。
「このクッキーもしかしてアバーテ様にもらったのか、お前みたいな奴アバーテ様には似合わないんだよ。今すぐこの学園から出て行け」
僕の手を踏んだ相手はクッキーを見つけるとそれも踏みつける、クッキーは袋の中で粉々になっていた。
「お前たち何してるんだ」
そこに第三者がやって来た。僕を突き飛ばした奴らは慌てて逃げて行った。
「眼鏡が飛んでるぞ。ちゃんとかけておけ。君はあいつのお気に入りなんだ、その可愛い素顔を誰にも見られないようにしろ」
僕を助けてくれた相手は僕に眼鏡を渡すと立ち去って行った。僕は慌てて眼鏡をかけるけど僕が眼鏡をかけた時にはその人の後ろ姿しか見ることができなかった。
助けてくれた人の顔は眼鏡が外れていて見ていない。だから僕がその人について知っているのは後ろ姿と声だけだ。
「ごめんなさいユーマ様、ユーマ様に頂いた大切なクッキーこんなことになっちゃいました」
僕は粉々になったクッキーの袋を握りしめて泣いた。粉々になったクッキーを僕は地面に座り込んだまま泣きながら食べた。
「美味しいです、とても美味しいです」
明日は笑顔でユーマ様にお礼を言わないと。
いくらこの学園の授業料が安いといっても平民の僕の家は無理をしてやっと授業料が出せるくらいだった。だから学園内でかかるお金は僕がどうにかするしかない。
食事代や雑費など必要なお金はいがいと多い。貴族のお手伝いをしてなんとか一か月過ごしたがお手伝いばかりしていて勉強ができていない。次のテストでは退学になりそうだ。退学にならないために勉強時間を作るためには一回のお手伝いでもっとお金をもらわないといけない。
もっとお金をもらうためには性的なお世話をしないといけなくなる。僕は好きでもない人とそんなことしたくない。
でも僕が退学になると今まで頑張ってお金を稼いでくれていた両親の頑張りを無駄にすることになる。
今のままの生活で次のテストで退学になるか、誰かの性的なお世話をして沢山のお金をもらい勉強時間を増やすかの二択。
僕は頑張ってくれていた両親の姿を思い出し悩んでいた。
両親の頑張りを無駄にしないためにももう誰かの性的なお世話をしようかと考えていた。
「これでなんとかなってるので遠慮します」
休日の今日も沢山の洗濯物を持って洗濯屋へ行く。朝早くから行動しないと沢山あるから終わらなくなる。
性的なお手伝いをしようと決めたけどいざ声をかけられるとやっぱり嫌だと思ってしまった。
「はぁぁぁ、可愛くもないし平民のくせに俺らに逆らってるんじゃねーよ。気持ち良いことしてお金も貰えるんだから来いよ」
「やめてください」
しつこく声をかけられどうしたらいいか分からず困っている所を助けてくれた人がいた。
「その子嫌がってますよ」
ユーマ様だった。
ユーマ様は洗濯カゴを持っていた。ユーマ様ほどの高位貴族が自分で持ってくるなんてと思ってびっくりした。
「君も新入生?可愛い顔してるね。お小遣いあげるから一緒に気持ち良いことしよっか」
ユーマ様は侯爵家だからお金に困っているわけがないのにユーマ様のことを知らないのか2人いた先輩のうち1人がユーマ様に声をかけ触れようとする。
「痛っ、何するんだ、離せ。先輩に逆らうのか」
ユーマ様は触られそうになったその手を逆に掴んでひねる。僕と同じくらい小柄なのに自分より大きな人にも怯まず向かっていき負けていない。
「先輩だからって嫌がっている子に何してもいいんですか」
負けていないどころか勝っていた。
もう1人はユーマ様のことを知っていて1人を連れて去って行く。
「大丈夫?」
ユーマ様は僕が持っていたカゴを持ちながら優しく聞いてくれるが僕は相手が大物すぎてどう答えたらいいか分からずカゴを取り返しながらそっけなく返事してしまった。そんな僕にもユーマ様は優しかった。
僕を心配したのかユーマ様は僕にお世話を頼んできた。最初は断ったけど最後にはユーマ様のお世話をすることになった。
それからユーマ様の買い物に付き合い荷物を持ったけどユーマ様は僕の服まで買ってくれたし美味しいケーキまで食べさせてくれた。
僕なんか役にたっていると思わないのにユーマ様にあんなによくしてもらっていいか不安になってくる。
次の日ユーマ様とユーマ様のお友達のミコトとお弁当を食べた。ミコトは僕に自分のおかずを分けてくれて優しくしてくれた。放課後はユーマ様と図書館に行く。ユーマ様以外の人のお手伝いをしなくなったから勉強する時間が増えた。今まで遅れていた分を取り戻すように空いている時間に必死に勉強した。あの2人ともっと一緒にいたい。
図書館からユーマ様を寮に送り届けて自分の寮へと帰る。
鞄を大切に抱きしめて歩いていた。鞄の中にはさっきユーマ様に頂いたクッキーが入っている。大切に残しておきたいけど食べないとユーマ様に申し訳ないし。
「調子に乗ってるんじゃないぞ」
歩いていたら誰かに突き飛ばされた。
「お前みたいな奴がアバーテ様に取り入ってるんじゃないぞ」
顔を上げると3人に囲まれていた。見たことのある顔だったから同じ新入生だろう。
「あっ」
突き飛ばされたときに鞄の中からユーマ様に頂いたクッキーが出てきた。僕はそのクッキーに手を伸ばす。
「っ!」
伸ばした手を踏まれた。
「このクッキーもしかしてアバーテ様にもらったのか、お前みたいな奴アバーテ様には似合わないんだよ。今すぐこの学園から出て行け」
僕の手を踏んだ相手はクッキーを見つけるとそれも踏みつける、クッキーは袋の中で粉々になっていた。
「お前たち何してるんだ」
そこに第三者がやって来た。僕を突き飛ばした奴らは慌てて逃げて行った。
「眼鏡が飛んでるぞ。ちゃんとかけておけ。君はあいつのお気に入りなんだ、その可愛い素顔を誰にも見られないようにしろ」
僕を助けてくれた相手は僕に眼鏡を渡すと立ち去って行った。僕は慌てて眼鏡をかけるけど僕が眼鏡をかけた時にはその人の後ろ姿しか見ることができなかった。
助けてくれた人の顔は眼鏡が外れていて見ていない。だから僕がその人について知っているのは後ろ姿と声だけだ。
「ごめんなさいユーマ様、ユーマ様に頂いた大切なクッキーこんなことになっちゃいました」
僕は粉々になったクッキーの袋を握りしめて泣いた。粉々になったクッキーを僕は地面に座り込んだまま泣きながら食べた。
「美味しいです、とても美味しいです」
明日は笑顔でユーマ様にお礼を言わないと。
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