42 / 72
42
しおりを挟む
「ケイン僕学園に合格したよ。先に学園で待ってるからケインも絶対来てよ」
図書館の5階に着くと最近の定位置となってきているクッションの山の中にいるケインへと飛び込む。
「うわっと。危ないよユーマ。でも合格おめでとう」
僕を受け止めたケインはその体勢のまま僕の頭を撫でてくれた。
「えへへへ。うれしー。ケインに頭撫でてもらうの大好き」
ケインに頭を撫でてもらい嬉しくなった僕はケインに抱き着いた。
しばらくクッションの山の中で2人で抱き締めあっていた。
「ここで試験あったんでしょ。その日だけは受験生とか関係者しか図書館に入れなかったんだよね」
「そうだよ。ここから学園までは遠いからね。ここだけじゃなくて色んな所に試験会場はあったみたいだよ。僕はここが1番近かったからここを選んだけど。ケインもここで試験受けることになるんじゃないかな」
「多分ここで試験受けることになると思うよ。ちゃんと合格出来てユーマの後輩になりたいな。あの学園優秀な人ばかり集まるから合格できるか不安だな」
ケインが珍しく弱音を言う。普段は見たことない不安そうな顔をしていた。
「そんな不安そうな顔してどうしたの?ケインの実力なら絶対合格するよ。ここでだってあんなに一緒に勉強してたし大丈夫、自信持って」
普段ケインが僕にしてくれるように僕はケインの頭を撫でた。
あまり頭を撫でられたことのないケインは照れくさそうにしていた。でも僕の手を振り払うことも無く素直に撫でられていた。
「ありがと」
僕は頭を撫でながらケインが自信を持てるように、元気になるように少しだけ魔力を流した。それに気付いたケインはお礼を言ってくれた。
僕が合格したんだから同じ勉強をこの図書館で一緒にしていたケインだって絶対合格する。僕はそれを信じて疑っていない。
「じゃあそろそろ今日の分の勉強始めようか」
僕達はクッションの山から起き上がって机へと向かう。ケインの試験はまだまだ先だし、僕は合格しているけどお互い油断はできない。僕は入学してからの試験で合格点に満たなくて退学なんてことになりたくないから勉強はしっかり習慣付けておきたい。
「ユーマ様そろそろ帰る時間ですよ」
ケインと2人並んで勉強しているとレンが僕を呼びに来た。
「僕はそろそろ帰るね」
「ユーマ次はいつ来れる?」
「うーん、はっきり分かんないや。入学の準備とかあるから」
「そっか、ユーマが入学したら会えなくなるんだよね、寂しくなるな」
ケインが泣きそうな顔をしていた。僕は思わずそんなケインを抱きしめた。
「僕も寂しい。入学するまで毎日は無理だけどなるべく来るから。それに2年後ケインが入学すれば毎日会えるよ」
「そうだね、僕絶対入学するからね」
今日のケインはなんだか不安定だ。いつもは僕より年下なのに僕より大人っぽく落ち着いているのに今日は弱音が多く僕に甘えてくる。そんなケインが僕には可愛く見えた。
その日はなんとか宥めて僕はケインと別れた。
次の日から入学と入寮の準備を始めた。
準備といっても教科書は入学してから学園でもらうことになっているし、制服もレン達が用意してくれる。寮で必要なものもレン達が用意してくれるから僕が準備するようなものはない。僕がすることといえば、
「そうですよユーマ様。お掃除は上からやっていくんですよ。隅も拭き残し、掃き残しがないように気をつけて下さいね。お洋服もお洗濯係の方がいらっしゃるようですが一応たたみ方を練習しておきましょうね」
僕の準備は寮での1人の生活の仕方だった。
お屋敷では使用人がいてなんでもやってくれるが寮では洗濯と料理は専用の人がしてくれるが個室の掃除などは自分でしなければいけないし、使用人などは連れて行けないから1人でしないといけないことは多いはず。それの練習をしていた。
「ユーマ様凄いですね、されたことないはずなのに初めてとは思えないぐらいお上手ですよ」
「ありがと。いつもレン達がしてくれてるの見てるからね」
「これなら私達も安心して学園に送り出せます」
レンは褒めてくれるけど前世で一人暮らしだった僕には当たり前のことだったからその記憶がある僕には難しくなかった。前世の記憶が無く何もしたことがない甘えたな僕だったらきっと難しくて挫折していただろう。ゲームの中の僕は寮での生活をどうしていたんだろう。その辺りの描写は無かったからふと疑問に思った。
レンが思っていたより僕が1人でできる子だったから図書館にも沢山通うことができた。それにはケインも喜んでいてすごく機嫌がよかった。
図書館では勉強半分残りの半分で読書と魔法の練習をして過ごしていた。
図書館の5階に着くと最近の定位置となってきているクッションの山の中にいるケインへと飛び込む。
「うわっと。危ないよユーマ。でも合格おめでとう」
僕を受け止めたケインはその体勢のまま僕の頭を撫でてくれた。
「えへへへ。うれしー。ケインに頭撫でてもらうの大好き」
ケインに頭を撫でてもらい嬉しくなった僕はケインに抱き着いた。
しばらくクッションの山の中で2人で抱き締めあっていた。
「ここで試験あったんでしょ。その日だけは受験生とか関係者しか図書館に入れなかったんだよね」
「そうだよ。ここから学園までは遠いからね。ここだけじゃなくて色んな所に試験会場はあったみたいだよ。僕はここが1番近かったからここを選んだけど。ケインもここで試験受けることになるんじゃないかな」
「多分ここで試験受けることになると思うよ。ちゃんと合格出来てユーマの後輩になりたいな。あの学園優秀な人ばかり集まるから合格できるか不安だな」
ケインが珍しく弱音を言う。普段は見たことない不安そうな顔をしていた。
「そんな不安そうな顔してどうしたの?ケインの実力なら絶対合格するよ。ここでだってあんなに一緒に勉強してたし大丈夫、自信持って」
普段ケインが僕にしてくれるように僕はケインの頭を撫でた。
あまり頭を撫でられたことのないケインは照れくさそうにしていた。でも僕の手を振り払うことも無く素直に撫でられていた。
「ありがと」
僕は頭を撫でながらケインが自信を持てるように、元気になるように少しだけ魔力を流した。それに気付いたケインはお礼を言ってくれた。
僕が合格したんだから同じ勉強をこの図書館で一緒にしていたケインだって絶対合格する。僕はそれを信じて疑っていない。
「じゃあそろそろ今日の分の勉強始めようか」
僕達はクッションの山から起き上がって机へと向かう。ケインの試験はまだまだ先だし、僕は合格しているけどお互い油断はできない。僕は入学してからの試験で合格点に満たなくて退学なんてことになりたくないから勉強はしっかり習慣付けておきたい。
「ユーマ様そろそろ帰る時間ですよ」
ケインと2人並んで勉強しているとレンが僕を呼びに来た。
「僕はそろそろ帰るね」
「ユーマ次はいつ来れる?」
「うーん、はっきり分かんないや。入学の準備とかあるから」
「そっか、ユーマが入学したら会えなくなるんだよね、寂しくなるな」
ケインが泣きそうな顔をしていた。僕は思わずそんなケインを抱きしめた。
「僕も寂しい。入学するまで毎日は無理だけどなるべく来るから。それに2年後ケインが入学すれば毎日会えるよ」
「そうだね、僕絶対入学するからね」
今日のケインはなんだか不安定だ。いつもは僕より年下なのに僕より大人っぽく落ち着いているのに今日は弱音が多く僕に甘えてくる。そんなケインが僕には可愛く見えた。
その日はなんとか宥めて僕はケインと別れた。
次の日から入学と入寮の準備を始めた。
準備といっても教科書は入学してから学園でもらうことになっているし、制服もレン達が用意してくれる。寮で必要なものもレン達が用意してくれるから僕が準備するようなものはない。僕がすることといえば、
「そうですよユーマ様。お掃除は上からやっていくんですよ。隅も拭き残し、掃き残しがないように気をつけて下さいね。お洋服もお洗濯係の方がいらっしゃるようですが一応たたみ方を練習しておきましょうね」
僕の準備は寮での1人の生活の仕方だった。
お屋敷では使用人がいてなんでもやってくれるが寮では洗濯と料理は専用の人がしてくれるが個室の掃除などは自分でしなければいけないし、使用人などは連れて行けないから1人でしないといけないことは多いはず。それの練習をしていた。
「ユーマ様凄いですね、されたことないはずなのに初めてとは思えないぐらいお上手ですよ」
「ありがと。いつもレン達がしてくれてるの見てるからね」
「これなら私達も安心して学園に送り出せます」
レンは褒めてくれるけど前世で一人暮らしだった僕には当たり前のことだったからその記憶がある僕には難しくなかった。前世の記憶が無く何もしたことがない甘えたな僕だったらきっと難しくて挫折していただろう。ゲームの中の僕は寮での生活をどうしていたんだろう。その辺りの描写は無かったからふと疑問に思った。
レンが思っていたより僕が1人でできる子だったから図書館にも沢山通うことができた。それにはケインも喜んでいてすごく機嫌がよかった。
図書館では勉強半分残りの半分で読書と魔法の練習をして過ごしていた。
13
お気に入りに追加
309
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
異世界転生してハーレム作れる能力を手に入れたのに男しかいない世界だった
藤いろ
BL
好きなキャラが男の娘でショック死した主人公。転生の時に貰った能力は皆が自分を愛し何でも言う事を喜んで聞く「ハーレム」。しかし転生した異世界は男しかいない世界だった。
毎週水曜に更新予定です。
宜しければご感想など頂けたら参考にも励みにもなりますのでよろしくお願いいたします。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
強制悪役令息と4人の聖騎士ー乙女ハーレムエンドー
チョコミント
BL
落ちこぼれ魔法使いと4人の聖騎士とのハーレム物語が始まる。
生まれてから病院から出た事がない少年は生涯を終えた。
生まれ変わったら人並みの幸せを夢見て…
そして生前友人にもらってやっていた乙女ゲームの悪役双子の兄に転生していた。
死亡フラグはハーレムエンドだけだし悪い事をしなきゃ大丈夫だと思っていた。
まさか無意識に悪事を誘発してしまう強制悪役の呪いにかかっているなんて…
それになんでヒロインの個性である共魔術が使えるんですか?
魔力階級が全てを決める魔法の世界で4人の攻略キャラクターである最上級魔法使いの聖戦士達にポンコツ魔法使いが愛されています。
「俺なんてほっといてヒロインに構ってあげてください」
執着溺愛騎士達からは逃げられない。
性描写ページには※があります。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
ダメな方の異世界召喚された俺は、それでも風呂と伴侶を愛してる
おりく
BL
ちょっと早めのハロウィンとは名ばかりのコスプレ呑み会の会場に入ろうとしてドアを開けたら異世界転移してしまった紫苑
魔法があり魔獣もいる世界で生きるためにハンターになることにしたが、特大の問題があった
転移した国は慢性的な水不足で風呂文化が存在しなかったのだ
クリーンの魔法では汚れは落ちるが風情が無い!
風呂文化がない事が我慢できない紫苑はチートな魔力で風呂を普及するべく行動に出る
風呂が好きなのに、日本では銭湯・スーパー銭湯・レジャープールに入れなかった鬱憤は異世界で晴らす!
もう我慢はしないと決めた男がチート級の魔力にモノを言わせて花嫁たちを溺愛つつ異世界で好き勝手する話
6章から不定期更新になります
嫁を愛でたい男の日常の話です
糖度が高いです
お風呂まで長いです
R18までも長いです(3章に少し、4章から)
素人がスマホでポチポチ書いています
キリの良いところまで複数話更新することがあります
選択肢が増えると良いな、と思い総攻めを投稿してみました
何でも許せる方、お付き合いください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる