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元気になったからまた図書館に定期的に通うようになったんだけど前よりケインが僕に魔法を使わせないようにしている。
「なんで魔法使っちゃ駄目なの?」
「もしかしたら魔法の使い過ぎで疲れて寝込んだんじゃないかと思ったんだ。魔法使わなくなって元気になったでしょ。使っちゃ駄目とは言わないけど使いすぎには注意だよ」
「そうなのかな?ケインが言うなら従うけど」
魔法についてはケインの方が詳しい。使っちゃ駄目とは言われてないから2人で練習もする。ただ練習時間が短くなっただけ。
魔法の練習時間以外はあのクッションの山の中で2人で読書をする。僕が恋愛小説を読んでいる横でケインは魔法について書いてある難しそうな本を読んでいる。
読書中僕は寝てしまうことも多い。そんな時はケインに髪を撫でられている感触がしていた。
「ケイン何調べてるの?」
難しそうな本を難しそうな顔をして読んでいるケインが気になり聞いてみた。
「魔法の副作用についてだよ。魔法には副作用があるみたいなんだ」
「えっ!副作用?どんな症状があるの?」
初めて聞く言葉に僕はびっくりした。それと同時にもしかしてと思うこともあった。
「この間ユーマが寝込んだのがもしかしたらそれなんじゃないかと思って調べてるんだけど分からないんだ。だから使いすぎに注意してほしいんだ。何かいつもと違うことがあったらすぐ教えてね」
ケインも僕と同じことを思っていたようだ。その真剣な目に僕は素直に頷いた。
「分かった。何かあったらすぐ言う」
覚えたばかりで魔法を使うのが楽しかったから使い過ぎたのかもしれない。
これからは気を付けないと。もうあんな思いは嫌だ。
魔法の使い過ぎには注意。心に刻む。
「ここの図書館ではこれ以上分からないのかな。ここより詳しいことが分かりそうなのは学園だよね」
「学園?ここにはすべての本があるんじゃないの?」
僕はこの図書館には全ての本があると思っていた。この図書館よりも学園の方が詳しいことが分かるとは思っていなかった。
「学園にだったら個人で調べた古い文献があるかもしれないんだ」
「学園か」
正直あまりいい印象はないけどこのまま屋敷で過ごすことにも不安は大きい。
両方を天秤にかけて考えてみる。
「学園に行こうかな」
学園に行くことと屋敷で過ごすこと両方を考えると学園に行くことの方がメリットは大きい気がする。
「僕学園に入学するよ。そこでできるだけ調べてみる。2年先にケインを学園で待ってるね」
僕が学園に入学できる歳まであと1年。ケインは僕の2つ年下だから僕が入学してケインが入学できるまで2年間は1人で頑張らないといけない。
「あっ、ケインは学園に入学する気はあるの?」
僕は1人で勝手にケインの都合など考えずに言っていた。
「もともと学園で勉強したいって考えてたから学園には行くつもりだよ。両親も家には居てほしくないみたいだしね」
ケインの言葉に僕は何とも言えない気持ちになった。
「前も言ったけど僕の家族のことで君がそんな悲しそうな顔をしないでよ。僕にとっては両親がいるあの家で過ごすより君がいる学園に行けることの方が大切だよ。会えなくなる2年がとっても長く悲しいけど。学園は成績には厳しいらしいからお互い勉強は頑張らないといけないね」
今までは迷っていた学園に通うということを決定した。
それから2人で話し合って学園に通い成績も上位をキープするために両親に家庭教師を雇ってもらうことを決めた。ケインもそれくらいなら両親もしてくれるだろうと言っていた。
ただそうすると今までのように図書館に通えずケインに会えなくなる。それだけは寂しい。月に一回でも会うこと、家庭教師が来るまでは2日おきに会うことを約束して別れた。
僕はその晩両親に学園に通いたいことそのために家庭教師を付けて欲しいことをお願いした。
両親はすぐ了承してくれた。
「なんで魔法使っちゃ駄目なの?」
「もしかしたら魔法の使い過ぎで疲れて寝込んだんじゃないかと思ったんだ。魔法使わなくなって元気になったでしょ。使っちゃ駄目とは言わないけど使いすぎには注意だよ」
「そうなのかな?ケインが言うなら従うけど」
魔法についてはケインの方が詳しい。使っちゃ駄目とは言われてないから2人で練習もする。ただ練習時間が短くなっただけ。
魔法の練習時間以外はあのクッションの山の中で2人で読書をする。僕が恋愛小説を読んでいる横でケインは魔法について書いてある難しそうな本を読んでいる。
読書中僕は寝てしまうことも多い。そんな時はケインに髪を撫でられている感触がしていた。
「ケイン何調べてるの?」
難しそうな本を難しそうな顔をして読んでいるケインが気になり聞いてみた。
「魔法の副作用についてだよ。魔法には副作用があるみたいなんだ」
「えっ!副作用?どんな症状があるの?」
初めて聞く言葉に僕はびっくりした。それと同時にもしかしてと思うこともあった。
「この間ユーマが寝込んだのがもしかしたらそれなんじゃないかと思って調べてるんだけど分からないんだ。だから使いすぎに注意してほしいんだ。何かいつもと違うことがあったらすぐ教えてね」
ケインも僕と同じことを思っていたようだ。その真剣な目に僕は素直に頷いた。
「分かった。何かあったらすぐ言う」
覚えたばかりで魔法を使うのが楽しかったから使い過ぎたのかもしれない。
これからは気を付けないと。もうあんな思いは嫌だ。
魔法の使い過ぎには注意。心に刻む。
「ここの図書館ではこれ以上分からないのかな。ここより詳しいことが分かりそうなのは学園だよね」
「学園?ここにはすべての本があるんじゃないの?」
僕はこの図書館には全ての本があると思っていた。この図書館よりも学園の方が詳しいことが分かるとは思っていなかった。
「学園にだったら個人で調べた古い文献があるかもしれないんだ」
「学園か」
正直あまりいい印象はないけどこのまま屋敷で過ごすことにも不安は大きい。
両方を天秤にかけて考えてみる。
「学園に行こうかな」
学園に行くことと屋敷で過ごすこと両方を考えると学園に行くことの方がメリットは大きい気がする。
「僕学園に入学するよ。そこでできるだけ調べてみる。2年先にケインを学園で待ってるね」
僕が学園に入学できる歳まであと1年。ケインは僕の2つ年下だから僕が入学してケインが入学できるまで2年間は1人で頑張らないといけない。
「あっ、ケインは学園に入学する気はあるの?」
僕は1人で勝手にケインの都合など考えずに言っていた。
「もともと学園で勉強したいって考えてたから学園には行くつもりだよ。両親も家には居てほしくないみたいだしね」
ケインの言葉に僕は何とも言えない気持ちになった。
「前も言ったけど僕の家族のことで君がそんな悲しそうな顔をしないでよ。僕にとっては両親がいるあの家で過ごすより君がいる学園に行けることの方が大切だよ。会えなくなる2年がとっても長く悲しいけど。学園は成績には厳しいらしいからお互い勉強は頑張らないといけないね」
今までは迷っていた学園に通うということを決定した。
それから2人で話し合って学園に通い成績も上位をキープするために両親に家庭教師を雇ってもらうことを決めた。ケインもそれくらいなら両親もしてくれるだろうと言っていた。
ただそうすると今までのように図書館に通えずケインに会えなくなる。それだけは寂しい。月に一回でも会うこと、家庭教師が来るまでは2日おきに会うことを約束して別れた。
僕はその晩両親に学園に通いたいことそのために家庭教師を付けて欲しいことをお願いした。
両親はすぐ了承してくれた。
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