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自己紹介が終わると早速僕達の魔法の練習が始まった。
「魔法は強い思いや想像を形にしたもの。自分がどうしたいか強く思いそうなった所を想像するんだ」
僕はケインの言葉にうなづくと考えることに集中する。
指先に光を灯す。イメージは懐中電灯。この世界にはないから前世のものを思い出す。
「ユーマ、君の指先が光ってるよ」
目を閉じていた僕はケインの言葉で魔法が成功したことを知った。
目を開けた僕が見たのは確かに光ってはいるけど弱々しい光だった。まるで懐中電灯の電池が切れかかっている時の光のようだった。
「指先が光るって便利そうだね。うーんとこうかな」
ケインは僕の指先をじっと見てそして自分の指先を見る。
すると竜巻の時と同じように僕のものとは全然違う安定した光が現れた。ケインは光の強さも変えていく。
それからも僕はそこに火を生み出したり雨を降らせたりしてみた。でも僕が不安定なすぐ消えるような魔法しか使えないのに対してケインは僕の真似をして魔法を使っても凄く安定している。
「ケインの魔法は凄く安定してるよね。センスの違いかな」
「魔力量の違いかもね。魔力量が沢山ある方が魔法の威力の調整も上手くいき持続時間も長くなるみたいだよ。体力と同じように鍛えることで魔力量も増えるみたい。体を動かすと疲れるのと同じように魔法を使っていくと疲れるみたいだから休憩も必要だよ。考え方は体力と似てるね」
ケインが近くに置いてあった古代語の本を見ながら魔力について教えてくれた。ケインと同じ回数しか魔法を使っていないはずなのに僕の方が疲れてる。これが魔力量の違いというやつなんだな。まだまだ余裕そうなケインの魔力量は凄いんだろうな。
「魔力量は僕の方があるみたいだけどユーマは想像力が凄いね。僕が中々形に出来ないものでもユーマはすぐに魔法として形にしてるじゃないか。羨ましい」
ケインはお手本がないと魔法という形にすることが中々出来ないようだった。練習中も僕がどんな魔法を使いたいか聞き、それを僕が形にする。僕が形にしたものを見てケインが魔法を使うというような流れができていた。
僕はかなり想像力というか妄想力なら鍛えてるからね。こんな形で役に立つとは思わなかったけど。
僕には魔力量が、ケインには想像力の足りないということが分かった。
「僕達2人で1人だったら何も問題無かったのにね」
「そうだ、ずっと一緒にいればいいんだよ。そしたら君が魔法を作り僕がそれを安定させ強くする。最高じゃないか」
僕達は本棚を背にして床に隣り合って座り笑い合った。
僕はケインとはまだ2回しか会ったことないのにケインとは親友になれると勝手に思っていた。
「そういえば図書館に来た時僕の事が分かるって言ってたけどあれはどんな魔法なの?」
「あれだけは僕の方が早く使えるようになった魔法だね。あれは今日ユーマが来るって言ってたから早く会いたくて君のことばかり考えていたらユーマがどんな状態でどこにいるかだけは分かるようになっていたんだ。今の僕にはこの図書館ぐらいの範囲内でしか分からないけどね。ユーマも誰かの気配を探してみなよ。ユーマなら絶対できるよ」
「やってみる」
僕は目を閉じてレンのことを考える。そろそろ戻ってきて近くにいると思うんだけど、遠くにいると僕では気配を感じる事ができない。
「居た。5つぐらい向こうの本棚辺りを歩いているからもうすぐここに来ると思う」
僕は無事レンの気配を感じる事ができた。レンからはウキウキしている気配が伝わってきた。
「ユーマ様こんな奥にいらしていたんですね。そろそろ帰る時間ですよ。あら、そちらの方はどなたですか」
すぐにレンは現れた。僕とケインはちゃんと気配が感じ取れたことを喜び合うように笑い合った。
「ここで知り合った友達のケインだよ」
「そうなんですね。これからもユーマ様と仲良くして下さいね」
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」
レンは礼儀正しいケインの様子に満足そうだ。
僕は帰る時に伝われという気持ちを込めて(また来週)とケインに念を送った。するとケインの声で(練習も忘れずにね)と返ってきた。
後ろを振り返るとケインが笑顔で僕を見ていたから笑い返した。
「魔法は強い思いや想像を形にしたもの。自分がどうしたいか強く思いそうなった所を想像するんだ」
僕はケインの言葉にうなづくと考えることに集中する。
指先に光を灯す。イメージは懐中電灯。この世界にはないから前世のものを思い出す。
「ユーマ、君の指先が光ってるよ」
目を閉じていた僕はケインの言葉で魔法が成功したことを知った。
目を開けた僕が見たのは確かに光ってはいるけど弱々しい光だった。まるで懐中電灯の電池が切れかかっている時の光のようだった。
「指先が光るって便利そうだね。うーんとこうかな」
ケインは僕の指先をじっと見てそして自分の指先を見る。
すると竜巻の時と同じように僕のものとは全然違う安定した光が現れた。ケインは光の強さも変えていく。
それからも僕はそこに火を生み出したり雨を降らせたりしてみた。でも僕が不安定なすぐ消えるような魔法しか使えないのに対してケインは僕の真似をして魔法を使っても凄く安定している。
「ケインの魔法は凄く安定してるよね。センスの違いかな」
「魔力量の違いかもね。魔力量が沢山ある方が魔法の威力の調整も上手くいき持続時間も長くなるみたいだよ。体力と同じように鍛えることで魔力量も増えるみたい。体を動かすと疲れるのと同じように魔法を使っていくと疲れるみたいだから休憩も必要だよ。考え方は体力と似てるね」
ケインが近くに置いてあった古代語の本を見ながら魔力について教えてくれた。ケインと同じ回数しか魔法を使っていないはずなのに僕の方が疲れてる。これが魔力量の違いというやつなんだな。まだまだ余裕そうなケインの魔力量は凄いんだろうな。
「魔力量は僕の方があるみたいだけどユーマは想像力が凄いね。僕が中々形に出来ないものでもユーマはすぐに魔法として形にしてるじゃないか。羨ましい」
ケインはお手本がないと魔法という形にすることが中々出来ないようだった。練習中も僕がどんな魔法を使いたいか聞き、それを僕が形にする。僕が形にしたものを見てケインが魔法を使うというような流れができていた。
僕はかなり想像力というか妄想力なら鍛えてるからね。こんな形で役に立つとは思わなかったけど。
僕には魔力量が、ケインには想像力の足りないということが分かった。
「僕達2人で1人だったら何も問題無かったのにね」
「そうだ、ずっと一緒にいればいいんだよ。そしたら君が魔法を作り僕がそれを安定させ強くする。最高じゃないか」
僕達は本棚を背にして床に隣り合って座り笑い合った。
僕はケインとはまだ2回しか会ったことないのにケインとは親友になれると勝手に思っていた。
「そういえば図書館に来た時僕の事が分かるって言ってたけどあれはどんな魔法なの?」
「あれだけは僕の方が早く使えるようになった魔法だね。あれは今日ユーマが来るって言ってたから早く会いたくて君のことばかり考えていたらユーマがどんな状態でどこにいるかだけは分かるようになっていたんだ。今の僕にはこの図書館ぐらいの範囲内でしか分からないけどね。ユーマも誰かの気配を探してみなよ。ユーマなら絶対できるよ」
「やってみる」
僕は目を閉じてレンのことを考える。そろそろ戻ってきて近くにいると思うんだけど、遠くにいると僕では気配を感じる事ができない。
「居た。5つぐらい向こうの本棚辺りを歩いているからもうすぐここに来ると思う」
僕は無事レンの気配を感じる事ができた。レンからはウキウキしている気配が伝わってきた。
「ユーマ様こんな奥にいらしていたんですね。そろそろ帰る時間ですよ。あら、そちらの方はどなたですか」
すぐにレンは現れた。僕とケインはちゃんと気配が感じ取れたことを喜び合うように笑い合った。
「ここで知り合った友達のケインだよ」
「そうなんですね。これからもユーマ様と仲良くして下さいね」
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」
レンは礼儀正しいケインの様子に満足そうだ。
僕は帰る時に伝われという気持ちを込めて(また来週)とケインに念を送った。するとケインの声で(練習も忘れずにね)と返ってきた。
後ろを振り返るとケインが笑顔で僕を見ていたから笑い返した。
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