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クイースト王国編
100 デモンロード
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ミリーが向かうは巨大なデーモン。
朱王の予想では四百年以上の時を経たデーモンだろう。
ポテポテと歩いてデーモンに向かう。
対するデーモンは空を飛んで超高速で向かってくる。
ミリーへ向けられたのは、高速飛行からのデーモンのラリアット。
それをミリーはミルニルを打ち付けてガードするが、その威力はこれまでの魔獣を遥かに超える。
朱王の一撃と同等かそれ以上。
ミルニルの爆炎がデーモンの強化のみの一撃を防ぎきるが、その質量がミリーの体を浮かす。
わずかに弾かれたミリーはそのまま着地。
「ホムラ! 行きますよ!」
ミリーの肩付近に飛翔する火竜。
下級魔法陣を発動してその体を一回り大きくする。
自分の攻撃を防がれた事に少し驚くデーモンは、これまで一撃の元に全ての敵を葬ってきたのだろう。
ミリーに警戒して魔力を練り、全身に風を纏う。
このデーモンはグレンデルが風の精霊を取り込んだ魔獣だ。
風の精霊を取り込んだグレンデルは、空を飛ぶ他の魔獣を見てその生態を変えて翼を生やしている。
デーモンは拳に風を集め、腕に旋風を巻き起こす。
初めて見る魔法を操る魔獣にミリーも驚く。
一瞬で間合いを詰めたデーモンは右の拳をミリーに打ち付ける。
相殺する為ミリーもミルニルを全力で打ち付ける。
旋風を相殺し、その威力をも抑え切ったが質量までは奪えない。
巨大な拳にミリーは弾き飛ばされた。
このままでは押し負ける。
ミリーは戦い方を変え、正面から受けるのではなく爆発を利用して受け流す事にする。
デーモンの追撃の左の拳を逆風に打ち上げ、爆炎をもって受け流す。
そしてホムラの炎のブレスで目眩しを放って距離を詰める。
しかしデーモンはその体の大きさから、少し仰け反るだけでミリーの間合いから逃れる事ができる。
飛び上がったミリーに右の拳を振るうデーモン。
振り上げたメイスを打ち付けてその拳を回避し、続く右脚からの蹴りに体を捻ってメイスを当てる。
そのまま爆破してその反動を利用して距離を取る。
「むぅ、やりづらいですねぇ」
体の大きさ、パワー、速さも相まってミリーには戦いづらい相手だ。
普段は真正面から受け止め、返していくミリーの戦闘スタイルが全く通用しないのは初めてだ。
試しに受け流しもしてみたがそれでも通用しない。
それならばと飛行装備を試してみる事にする。
まだ慣れない飛行装備だが、ミリーの意思そのままに飛行する事が可能だ。
そしてこのデーモンも元はグレンデル。
他に苦戦する事なくこれまで戦闘をしてきたとすれば、飛行しながらの戦闘は慣れていないのでは? と考える。
飛行装備を起動して空へと舞い上がるミリー。
ミリーに続いて飛び上がるデーモン。
速度は互角だが、その飛行性能はどうだろう。
上空で体を翻したミリーはデーモンに向かって降下する。
落下による速度を乗せたミルニルの一撃。
突き上げられたデーモンの右の拳を躱し、ミリーの渾身の一撃がデーモンの額へと打ち付けられる。
七色の爆炎がデーモンの額に炸裂し、地面目掛けて叩き落とす。
「めちゃくちゃ硬いですねぇ。あれで頭を砕けないとは思いませんでしたよ」
右手をプルプルと振りながらデーモンの強度に驚嘆するミリー。
地面に叩きつけられたデーモンは頭を振るって意識を確かめる。
額が割れ、赤黒い血が流れ出る。
唸り声をあげながらミリーを睨みつけ、再び風を纏って空へと舞い上がる。
額の傷を超速回復しながら、上空で待つミリーのいる高さまでゆっくりと飛翔してくるデーモン。
空中浮揚してミリーの出方を待つ。
ミリーは上級魔法陣エクスプロージョンを発動。
巨大化するホムラはミリーの飛行装備と重なり、爆炎の竜へとその姿を変貌させる。
まるでミリー自身が七色の火竜のような様相だ。
風を纏ったデーモンは咆哮をあげて威嚇し、風のブレスを複数放つ。
ホムラからの爆炎のブレスが風のブレスを相殺。
爆発が起こるとともに、翼を羽ばたかせてお互いの距離を一気に縮める。
デーモンの旋風の拳とミリーの爆炎のメイス。
ホムラの炎に全身を焼かれながらもミリーのメイスと打ち合うデーモンだが、ミリーの攻撃はそれまでの一撃とは次元が違う。
ミリーの爆炎を超える爆轟。
その一撃はデーモンの拳を粉砕し、胸まで一気に破壊する。
右薙ぎに振り抜かれたメイスを頭上に振り上げ、デーモンの頭を打ち抜いた。
地面へと叩き落とされるデーモンは、すでに頭部はなく、爆散した頭部はその炎によって燃やし尽くされた。
エクスプロージョンを解除したミリー。
炎を巻き上げてホムラは元の姿へと戻った。
蒼真は下級魔法陣ウィンドを発動した状態でデーモンと対峙する。
前回よりもさらに大きいデーモンはその動きも速い。
蒼真は風刃を高圧縮した【圧空刃】でデーモンに向かう。
リーチを短くした圧空刃だが、その斬れ味や威力は風刃の比ではない。
常に膨張しようとする圧空刃はデーモンの拳を斬りつけ、重い一撃をも弾く事が可能だ。
デーモンは旋風の拳を蒼真に向けて振るうが、それ以上の風の魔法に全て掻き消される。
地面を殴りつけて空へと飛び上がるデーモン。
ついに飛行戦闘だと嬉しそうな蒼真は、翼を羽ばたかせて空へと舞い上がる。
空中浮揚するデーモンと蒼真。
お互いに魔力を練って接近する。
振り抜かれる右の拳と左薙ぎの蒼真の刀。
蒼真はすれ違いざまに体を翻し、急制動するとともに背後から横腹を圧空刃で斬り付ける。
デーモンも急制動からの右腕を後方に振り抜いて抵抗しようとするが、蒼真の飛行速度についていけない。
腕を振り抜いた時には、すでに反対側からの斬撃が頭部目掛けて振り下ろされる。
咄嗟に左腕で防ぐデーモンだが、蒼真の一撃はその腕ごと斬り落とす。
すぐに超速再生を発動するデーモンだが、斬り落とされた腕は一瞬で生えるわけではない。
続く蒼真の攻撃に耐えきれずに落ちていくデーモン。
蒼真は空からデーモンの再生を待つ。
デーモンが万全な状態で飛行戦闘を楽しむつもりだろう。
怒りの唸り声をあげながら空へと舞い上がるデーモン。
魔力を練って全身から暴風を巻き上げる。
暴風を拳へと集約させ、突き上げるように蒼真へと向ける。
集約された竜巻が蒼真へと一直線に向かう。
蒼真も魔力を練り直してデーモンへと降下する。
振り下ろされた刀によってデーモンの竜巻は斬りさかれ、強化した拳も圧空刃によって斬り付けられる。
次々と襲いくる蒼真の攻撃に耐えきれないデーモン。
両腕を斬り落とされ、最後に頭を斬られて地面へと落ちていった。
千尋は最初から魔剣を手に持ち、リクとシンでの四刀流でデーモンに挑む。
下級魔法陣で強化されたリクとシン、そして激震も強化される。
最初から飛行装備で飛び上がった千尋は、リクとシンをけしかけて上空へとデーモンを誘き寄せる。
リクとシンが持つエンヴィとインヴィ。
千尋はイメージ力を高めて激震と同質の魔法を双剣に込めている。
威力は魔剣の激震には劣るが、その衝撃は耐えられるものではない。
あらゆる方向から襲いくる剣を捌ききれないデーモン。
爆発ともいえる衝撃が全身を襲い、まともに飛ぶ事もままならない。
千尋から距離をとったデーモンにリクとシンを向かわせる。
左右の拳で叩き落される双剣と精霊達。
強化された拳は激震にも耐え得る程の強度だ。
千尋と左右の旋風の拳で打ち合うデーモン。
叩き落とした双剣が戻る前に千尋を倒すつもりなのだろう、その一撃一撃が尋常ではない威力で放たれる。
千尋の強化では耐えきれない程の攻撃の連続に、千尋も回避を余儀なくされる。
回避と同時に体を翻して加速して飛ぶ千尋。
それを追うデーモンだが、千尋は急制動して魔剣を振るう。
突然の停止に反応しきれないデーモンに、唐竹に激震を見舞う。
頭に魔剣を受けたデーモンだが、刃が通らない程に強度が高い。
地面に向かって落下するデーモン。
このまま戦っても倒す事はできないだろう。
試しにベルゼブブを抜いて魔剣を物理操作で操る。
リクとシン、エクスカリバーとカラドボルグから、落下によって距離が離れていくデーモンに狙いを定め、発砲。
ライフル弾の如き速度で打ち出されたミスリル弾はデーモンの背中を撃ち抜いた。
同時に背中に突き刺さる四本の剣。
ミスリル弾で撃ち込めばダメージは与えられるようだが、倒すまでには至らない。
そのまま地面へと落ちていくデーモンと、追従して急降下する千尋。
千尋は魔力球を複数魔法に変換。
十発の炸裂弾を剣の刺さった背中へと叩き込む。
そのままデーモンの背中へと着地し、魔力球を魔剣へと叩き込んで全力の激震を見舞う。
爆発の如き衝撃がデーモンの内蔵を破壊する。
痙攣していたデーモンだが、激震が収まる頃には力なく横たわっていた。
朱王はデモンロードへとゆっくりと歩み寄る。
同じようにデモンロードも朱王に向かって歩き進む。
デーモンよりも一回り大きい。
身長も5メートル程はありそうだ。
最初から倒すわけにはいかない為、しばらくは様子を見ながら戦闘をしよう。
強化した朱王の装備は緑色に光り輝く。
デモンロードも強化を施して朱王に襲い掛かる。
朱王の斬撃とデモンロードの左右の拳。
風の魔法がデモンロードの攻撃をさらに強化し、旋風の拳に続いて風の爪刃が襲う。
同じように朱王も風の刃を発生させて相殺する。
デモンロードに見様見真似で対抗する朱王はまだまだ余裕がある。
しばらく刀と拳を交えていると、アイリとリゼがデーモンを倒す。
デモンロードが光を放ち、眷属であったデーモンの魂が吸収される。
同時に死体となったデーモンもその姿を消す。
力を増したデモンロードだが、まだ朱王には余裕がある。
周りの様子を見ながらデモンロードの攻撃を捌ききる。
続いて蒼真、千尋と続けて古い眷属も倒されると、デモンロードの力が大幅に増す。
朱王も強化のみでは耐えきれない。
朱雀丸の火焔でその攻撃に耐える。
耐え切れるような攻撃ではないのだが、全て受け流す事で耐え凌ぐ。
予測と操作と確定でデモンロードの攻撃を全て思いのままに操る朱王。
相手の攻撃パターンを観察し、そこから数百通りの予測をし、回避と防御でデモンロードの攻撃パターンを操作、隙を生み出す為の動作の確定が朱王の戦闘スタイルだ。
もはや人間業ではないのだが。
ミリーがデーモンを倒す事でその攻撃力も跳ね上がり、朱雀も遊びを辞めてとどめを刺す事で、デモンロードはデヴィル化を開始する。
戦闘しながらでもデヴィル化は止められない。
そして魔力の増加により、どんな攻撃も全て無力化されてしまう為朱王も防御に徹する。
そして攻撃を止めるとともに咆哮をあげるデモンロード。
魔力が凝縮され、巨大だった体が小さく収縮していく。
デーモンよりも小さく、グレンデルと同じ程度の大きさとなった。
超級魔獣デヴィル。
放たれる魔力はこれまで感じた最高のもの。
朱王の知る魔王【ゼルバード】の数倍となる魔力量だ。
朱王の予想では四百年以上の時を経たデーモンだろう。
ポテポテと歩いてデーモンに向かう。
対するデーモンは空を飛んで超高速で向かってくる。
ミリーへ向けられたのは、高速飛行からのデーモンのラリアット。
それをミリーはミルニルを打ち付けてガードするが、その威力はこれまでの魔獣を遥かに超える。
朱王の一撃と同等かそれ以上。
ミルニルの爆炎がデーモンの強化のみの一撃を防ぎきるが、その質量がミリーの体を浮かす。
わずかに弾かれたミリーはそのまま着地。
「ホムラ! 行きますよ!」
ミリーの肩付近に飛翔する火竜。
下級魔法陣を発動してその体を一回り大きくする。
自分の攻撃を防がれた事に少し驚くデーモンは、これまで一撃の元に全ての敵を葬ってきたのだろう。
ミリーに警戒して魔力を練り、全身に風を纏う。
このデーモンはグレンデルが風の精霊を取り込んだ魔獣だ。
風の精霊を取り込んだグレンデルは、空を飛ぶ他の魔獣を見てその生態を変えて翼を生やしている。
デーモンは拳に風を集め、腕に旋風を巻き起こす。
初めて見る魔法を操る魔獣にミリーも驚く。
一瞬で間合いを詰めたデーモンは右の拳をミリーに打ち付ける。
相殺する為ミリーもミルニルを全力で打ち付ける。
旋風を相殺し、その威力をも抑え切ったが質量までは奪えない。
巨大な拳にミリーは弾き飛ばされた。
このままでは押し負ける。
ミリーは戦い方を変え、正面から受けるのではなく爆発を利用して受け流す事にする。
デーモンの追撃の左の拳を逆風に打ち上げ、爆炎をもって受け流す。
そしてホムラの炎のブレスで目眩しを放って距離を詰める。
しかしデーモンはその体の大きさから、少し仰け反るだけでミリーの間合いから逃れる事ができる。
飛び上がったミリーに右の拳を振るうデーモン。
振り上げたメイスを打ち付けてその拳を回避し、続く右脚からの蹴りに体を捻ってメイスを当てる。
そのまま爆破してその反動を利用して距離を取る。
「むぅ、やりづらいですねぇ」
体の大きさ、パワー、速さも相まってミリーには戦いづらい相手だ。
普段は真正面から受け止め、返していくミリーの戦闘スタイルが全く通用しないのは初めてだ。
試しに受け流しもしてみたがそれでも通用しない。
それならばと飛行装備を試してみる事にする。
まだ慣れない飛行装備だが、ミリーの意思そのままに飛行する事が可能だ。
そしてこのデーモンも元はグレンデル。
他に苦戦する事なくこれまで戦闘をしてきたとすれば、飛行しながらの戦闘は慣れていないのでは? と考える。
飛行装備を起動して空へと舞い上がるミリー。
ミリーに続いて飛び上がるデーモン。
速度は互角だが、その飛行性能はどうだろう。
上空で体を翻したミリーはデーモンに向かって降下する。
落下による速度を乗せたミルニルの一撃。
突き上げられたデーモンの右の拳を躱し、ミリーの渾身の一撃がデーモンの額へと打ち付けられる。
七色の爆炎がデーモンの額に炸裂し、地面目掛けて叩き落とす。
「めちゃくちゃ硬いですねぇ。あれで頭を砕けないとは思いませんでしたよ」
右手をプルプルと振りながらデーモンの強度に驚嘆するミリー。
地面に叩きつけられたデーモンは頭を振るって意識を確かめる。
額が割れ、赤黒い血が流れ出る。
唸り声をあげながらミリーを睨みつけ、再び風を纏って空へと舞い上がる。
額の傷を超速回復しながら、上空で待つミリーのいる高さまでゆっくりと飛翔してくるデーモン。
空中浮揚してミリーの出方を待つ。
ミリーは上級魔法陣エクスプロージョンを発動。
巨大化するホムラはミリーの飛行装備と重なり、爆炎の竜へとその姿を変貌させる。
まるでミリー自身が七色の火竜のような様相だ。
風を纏ったデーモンは咆哮をあげて威嚇し、風のブレスを複数放つ。
ホムラからの爆炎のブレスが風のブレスを相殺。
爆発が起こるとともに、翼を羽ばたかせてお互いの距離を一気に縮める。
デーモンの旋風の拳とミリーの爆炎のメイス。
ホムラの炎に全身を焼かれながらもミリーのメイスと打ち合うデーモンだが、ミリーの攻撃はそれまでの一撃とは次元が違う。
ミリーの爆炎を超える爆轟。
その一撃はデーモンの拳を粉砕し、胸まで一気に破壊する。
右薙ぎに振り抜かれたメイスを頭上に振り上げ、デーモンの頭を打ち抜いた。
地面へと叩き落とされるデーモンは、すでに頭部はなく、爆散した頭部はその炎によって燃やし尽くされた。
エクスプロージョンを解除したミリー。
炎を巻き上げてホムラは元の姿へと戻った。
蒼真は下級魔法陣ウィンドを発動した状態でデーモンと対峙する。
前回よりもさらに大きいデーモンはその動きも速い。
蒼真は風刃を高圧縮した【圧空刃】でデーモンに向かう。
リーチを短くした圧空刃だが、その斬れ味や威力は風刃の比ではない。
常に膨張しようとする圧空刃はデーモンの拳を斬りつけ、重い一撃をも弾く事が可能だ。
デーモンは旋風の拳を蒼真に向けて振るうが、それ以上の風の魔法に全て掻き消される。
地面を殴りつけて空へと飛び上がるデーモン。
ついに飛行戦闘だと嬉しそうな蒼真は、翼を羽ばたかせて空へと舞い上がる。
空中浮揚するデーモンと蒼真。
お互いに魔力を練って接近する。
振り抜かれる右の拳と左薙ぎの蒼真の刀。
蒼真はすれ違いざまに体を翻し、急制動するとともに背後から横腹を圧空刃で斬り付ける。
デーモンも急制動からの右腕を後方に振り抜いて抵抗しようとするが、蒼真の飛行速度についていけない。
腕を振り抜いた時には、すでに反対側からの斬撃が頭部目掛けて振り下ろされる。
咄嗟に左腕で防ぐデーモンだが、蒼真の一撃はその腕ごと斬り落とす。
すぐに超速再生を発動するデーモンだが、斬り落とされた腕は一瞬で生えるわけではない。
続く蒼真の攻撃に耐えきれずに落ちていくデーモン。
蒼真は空からデーモンの再生を待つ。
デーモンが万全な状態で飛行戦闘を楽しむつもりだろう。
怒りの唸り声をあげながら空へと舞い上がるデーモン。
魔力を練って全身から暴風を巻き上げる。
暴風を拳へと集約させ、突き上げるように蒼真へと向ける。
集約された竜巻が蒼真へと一直線に向かう。
蒼真も魔力を練り直してデーモンへと降下する。
振り下ろされた刀によってデーモンの竜巻は斬りさかれ、強化した拳も圧空刃によって斬り付けられる。
次々と襲いくる蒼真の攻撃に耐えきれないデーモン。
両腕を斬り落とされ、最後に頭を斬られて地面へと落ちていった。
千尋は最初から魔剣を手に持ち、リクとシンでの四刀流でデーモンに挑む。
下級魔法陣で強化されたリクとシン、そして激震も強化される。
最初から飛行装備で飛び上がった千尋は、リクとシンをけしかけて上空へとデーモンを誘き寄せる。
リクとシンが持つエンヴィとインヴィ。
千尋はイメージ力を高めて激震と同質の魔法を双剣に込めている。
威力は魔剣の激震には劣るが、その衝撃は耐えられるものではない。
あらゆる方向から襲いくる剣を捌ききれないデーモン。
爆発ともいえる衝撃が全身を襲い、まともに飛ぶ事もままならない。
千尋から距離をとったデーモンにリクとシンを向かわせる。
左右の拳で叩き落される双剣と精霊達。
強化された拳は激震にも耐え得る程の強度だ。
千尋と左右の旋風の拳で打ち合うデーモン。
叩き落とした双剣が戻る前に千尋を倒すつもりなのだろう、その一撃一撃が尋常ではない威力で放たれる。
千尋の強化では耐えきれない程の攻撃の連続に、千尋も回避を余儀なくされる。
回避と同時に体を翻して加速して飛ぶ千尋。
それを追うデーモンだが、千尋は急制動して魔剣を振るう。
突然の停止に反応しきれないデーモンに、唐竹に激震を見舞う。
頭に魔剣を受けたデーモンだが、刃が通らない程に強度が高い。
地面に向かって落下するデーモン。
このまま戦っても倒す事はできないだろう。
試しにベルゼブブを抜いて魔剣を物理操作で操る。
リクとシン、エクスカリバーとカラドボルグから、落下によって距離が離れていくデーモンに狙いを定め、発砲。
ライフル弾の如き速度で打ち出されたミスリル弾はデーモンの背中を撃ち抜いた。
同時に背中に突き刺さる四本の剣。
ミスリル弾で撃ち込めばダメージは与えられるようだが、倒すまでには至らない。
そのまま地面へと落ちていくデーモンと、追従して急降下する千尋。
千尋は魔力球を複数魔法に変換。
十発の炸裂弾を剣の刺さった背中へと叩き込む。
そのままデーモンの背中へと着地し、魔力球を魔剣へと叩き込んで全力の激震を見舞う。
爆発の如き衝撃がデーモンの内蔵を破壊する。
痙攣していたデーモンだが、激震が収まる頃には力なく横たわっていた。
朱王はデモンロードへとゆっくりと歩み寄る。
同じようにデモンロードも朱王に向かって歩き進む。
デーモンよりも一回り大きい。
身長も5メートル程はありそうだ。
最初から倒すわけにはいかない為、しばらくは様子を見ながら戦闘をしよう。
強化した朱王の装備は緑色に光り輝く。
デモンロードも強化を施して朱王に襲い掛かる。
朱王の斬撃とデモンロードの左右の拳。
風の魔法がデモンロードの攻撃をさらに強化し、旋風の拳に続いて風の爪刃が襲う。
同じように朱王も風の刃を発生させて相殺する。
デモンロードに見様見真似で対抗する朱王はまだまだ余裕がある。
しばらく刀と拳を交えていると、アイリとリゼがデーモンを倒す。
デモンロードが光を放ち、眷属であったデーモンの魂が吸収される。
同時に死体となったデーモンもその姿を消す。
力を増したデモンロードだが、まだ朱王には余裕がある。
周りの様子を見ながらデモンロードの攻撃を捌ききる。
続いて蒼真、千尋と続けて古い眷属も倒されると、デモンロードの力が大幅に増す。
朱王も強化のみでは耐えきれない。
朱雀丸の火焔でその攻撃に耐える。
耐え切れるような攻撃ではないのだが、全て受け流す事で耐え凌ぐ。
予測と操作と確定でデモンロードの攻撃を全て思いのままに操る朱王。
相手の攻撃パターンを観察し、そこから数百通りの予測をし、回避と防御でデモンロードの攻撃パターンを操作、隙を生み出す為の動作の確定が朱王の戦闘スタイルだ。
もはや人間業ではないのだが。
ミリーがデーモンを倒す事でその攻撃力も跳ね上がり、朱雀も遊びを辞めてとどめを刺す事で、デモンロードはデヴィル化を開始する。
戦闘しながらでもデヴィル化は止められない。
そして魔力の増加により、どんな攻撃も全て無力化されてしまう為朱王も防御に徹する。
そして攻撃を止めるとともに咆哮をあげるデモンロード。
魔力が凝縮され、巨大だった体が小さく収縮していく。
デーモンよりも小さく、グレンデルと同じ程度の大きさとなった。
超級魔獣デヴィル。
放たれる魔力はこれまで感じた最高のもの。
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本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
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