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クイースト王国編
078 幹部お泊まり会
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貴族街の中華料理店で食事を終えたあとは観光だ。
ミリーやアイリはお土産のお菓子を買い漁るつもりでいるようだ。
クイースト王国で人気のお菓子マシュマルォ。
まぁマシュマロなのだが。
近隣にマシューロという街があり、そこの名産品としてマシュマルォが売られているとか。
カラフルで可愛らしいお菓子は女性客から人気となり、クイースト王国貴族街や市民街でもマシュマルォ店を出店。
その隣にもクイースト王国で大人気のお菓子マカルォン。
まぁマカロンなのだが。
近隣にマカオンという街があり、そこの名産品としてマカルォンが販売されているらしい。
マシュマルォ同様カラフルで可愛らしいお菓子は人気が高く、貴族や富豪達からも愛される商品。
お土産として持って行っても喜ばれるが、一日に作れる量に限りがある為貴族街のみ出店される。
どちらのお菓子も絶対に地球人が手掛けたと思われる。
そもそも名前はそのままマシュマロとマカロンでも良かったのではないだろうか。
まずはマシュマルォ店。
店内に入ると甘~い香りが漂い、色によって様々な味や香りが楽しめるようだ。
貴族街店では試食もでき、各々好きな色のマシュマルォを一口。
とろけるような舌触りと濃密な甘さ。色ごとに違うフレーバーが鼻孔をくすぐる。
カラフルなマシュマルォをやはり全部味わってみたい。
量り売りのマシュマルォを全種購入して次の店へと移動する。
お隣のマカルォン店。
こちらも店内は甘い香りで満たされ、小分けにされた試食品を食べてみる。
カラフルに焼き上げられた生地にクリームやジャムが挟まれており、甘さ引き立つマカルォンとフレッシュな酸味のマカルォンを味わえる。
色ごとにクリームやジャムの味も違い、マシュマルォ同様様々な味が楽しめそうだ。
当然のように全ての味を十個ずつ購入。
種類も二十種と豊富にあり、合計二百個も購入したのだがこんなに食べきれるのだろうか……
甘いものを大量に購入した後は喫茶店でデザートだ。
甘いものづくしで胸焼けがしそうだが、甘党パーティーは全然余裕な様子。
クイースト王国で最近発売されたゼリー系の商品。
スライムという商品名で発売されているらしいが、価格も安く貴族街だけでなく市民街でも購入が可能だ。
カラフルに色付けされたゼリーを凍らせ、かき氷として削ったスイーツが今人気らしい。
その名もアイスライム。
色ごとに味が違うらしいので、全員好きな色で注文していく。
出てきたアイスライムは、シロップのかかっていない色付きのかき氷。
口に含むとシャリシャリとした冷たい氷と、弾力のあるゼリーの食感が楽しめる。
こんにゃくゼリーに似た食感だ。
冷んやりとしたアイスライムを口いっぱいに含むミリーと朱雀は、あまりの冷たさに頭がキーンと痛む。
ミリーに促されたリゼとアイリも口いっぱいにアイスライム含んで頭を押さえていた。
その後はウィンドショッピングを楽しむ。
やはり貴族街では女性用服は煌びやかなドレス、男性用は装飾されたスーツやタキシード、コートなどだ。
リゼやミリーは少し貴族の着るドレスに憧れがあるようで、あれもこれもとじっくりと見入っている。
近々王宮に行く予定もあるので全員分購入する事にした。
各々好みのものを選ぶ事にし、採寸して仕立てを依頼する。
今回誰がどのような物を購入したのかわからない。
届いてからのお楽しみとした。
いつものようにリゼとミリーが千尋のドレスを選んでいたが、今回は千尋の好みの服を購入した。
後日邸に届けてもらう事にして店をあとにする。
時刻は十六時半を回ったところ。
そろそろクリムゾン幹部達が朱王邸に来るかもしれないので帰る事にした。
邸に帰ってマカルォンとマシュマルォをカミンに渡し、少し早いが風呂に入る事にした。
今日は男性陣が露天風呂、女性陣が大浴場となる。
朱王は嬉しそうに桶をお盆にして酒を準備。負けじと千尋や蒼真も酒を準備する。
この日も天気が良い。晴れ渡る空は青く、緑深い山々と広大な草原。眼下に広がる市街地はこの国の大きさを物語る。
体を洗って湯船に浸かる。そして口に含む冷たい一杯。最っ高だ。
ミリーとリゼは大浴場のサウナが気になる。
体を洗って湯船に浸かった後にサウナルームを覗き込む二人。
「サウナは入った事ありませんか? とっても暑い部屋で汗がたくさん出る部屋ですよ。 汗を流した後は水風呂に入って一気に冷やすんです。美容や健康にも良いそうですよ」
「美容に良いのね! 入りましょうミリー」
「美容の為なら入っちゃいますよ!」
二人に続いてアイリもサウナへ入り、暑い熱いと騒ぎながら好きな場所に座る。
汗をダラダラと流して耐える三人。
しばらくするとアイリが部屋から出て水風呂へ向かう。リゼとミリーもアイリに続く。
何度か繰り返して再び体を洗ってお風呂をあがる。
風呂上がりにはコーヒー牛乳が飲みたい! との朱王の要望で作られたコーヒー牛乳。
テイムの魔石で家畜となったカトブレパスから採ったミルクが牛乳として販売されている。
瓶に入ったコーヒー牛乳。
この辺も朱王のこだわりらしい。
アイリからの指導を受けながら三人でコーヒー牛乳を飲む。
蓋を開けて腰に手を当てて一気に飲む。
「「「プハ~!!」」」と最高の一杯を味わった。
風呂上がりのブロー魔法をした後は、コーヒーを飲みながらロビーでくつろぐ。
綺麗な皿に盛りつけられたマカルォンとマシュマルォを受け取ってテティ達幹部を待つ。
まずやって来たのはテティと二人の女性。
荷物をマーリンとメイサに渡して向き直る。
「お招き頂きありがとうございます。マネージャーのイーユと申します」
「はじめまして。施設長のポニパと申します」
テティとイーユ、ポニパは挨拶をし、空いている部屋へと案内されて魔力鍵登録を済ませてロビーに戻ってくる。
テティはショートな赤い髪に黄緑色の目をした活発そうな女の子だ。
店で見た制服姿ではなく、白いシャツに紺色のスカートを履く。
イーユは薄紫色のショートヘアに獣耳の、おっとりとした表情の女の子。
銀色の胸当てに白地に紫と金の装飾が入った装備を着ている。
ポニパは黒のショートボブヘアに碧眼の、小柄で元気そうな女の子。
レースのフリルが付いた黒いシャツとスカートにニーソックス。
メイド服ともまた少し違った服装だ。
三人分のコーヒーももらって、マカルォンとマシュマルォを食べながら千尋達も自己紹介。
話しをしながら他のメンバーを待つ。
しばらくすると武装した二人の男性がやってくる。
「朱王様、ご無沙汰しております。それと皆さんはじめまして。クリムゾンクイースト部隊隊長のテンクスです」
「聖騎士のニシブです。訓練が長引いて遅くなりました」
隊長のテンクスはブロンドのツンツン頭に碧眼の爽やかそうな青年だ。
黒い胸当てに赤いシャツ。黒いズボンに赤いブーツを履き、白地に金の装飾が入った腰布を巻く。
武器は二振りの直剣を腰に下げている。
聖騎士のニシブは銀髪のミディアムショートヘア。赤目で勝気な表情をしている。
紫色の胸当てに紺色のシャツやズボン。濃紺のマントを羽織っている。
武器には二振りのダガーを持つ。
二人も部屋で魔力鍵登録してロビーに戻ってくる。
食事までまだ時間はあるので、朱王と千尋、蒼真は全員の魔力練度を確認して武器の強化を決める。
隊長であるテンクスと聖騎士のニシブは魔力練度が高く、精霊契約も問題なさそうなので魔力量は2,000ガルド。
普段から訓練を積んでいる彼らはザウス王国の聖騎士達と比べてもそれ程劣らないようだ。
テティ、イーユ、ポニパは魔力練度が低め。
普段から店に並ぶ彼女達は、戦闘をする機会もそれ程ないため仕方がないだろう。
それでも遠距離魔法を放てる為、魔術師団のように戦闘をする事も可能だ。
三人の武器には魔力量300ガルドでエンチャントする事にした。
各々武器を持ってきてもらい、千尋とアイリとで魔力を溜めるでエンチャント。
テンクスには双剣と胸当てを魔力量2,000ガルドとし、左右ともサラマンダーで精霊契約。
魔方陣もファイアとインフェルノをエンチャント。
ニシブも魔力2,000ガルドでエンチャントし、左右のダガーにシルフと精霊契約。
魔方陣もウィンドとエアリアルを組み込んだ。
二人ともわけがわからないまま武器に魔法処理がなされていく。
そして魔方陣を描かされるは精霊魔導書を渡されて好きな精霊を呼び出せと言われるはで、気が付けば精霊魔導師になっていた。
本当にこんな事で精霊魔導師となったのか疑問は残るが、朱王の言葉は絶対と思っているテンクスとニシブ。実感は全くないが精霊魔導師になったんだと自分に言い聞かせた。
精霊を羨ましそうに見るテティ達だが、魔力練度が相当高くないと精霊契約は不可能なので諦めてもらった。
夕食前にテンクス達に風呂に入るよう促す。
彼らは今日も働いていたので風呂に入ってから食事をする方が疲れも取れるだろう。
テンクスとニシブは露天風呂へ。
テティとイーユ、ポニパは大浴場へと向かった。
この五人にも風呂上がりにはブロー魔法。
女性陣だけでなく男性陣にも大好評だった。
夕食の飲み物には今日頼んでいたお酒が出された。
名前はリシャスガフというお酒らしい。
リシャスガフをガブガブと飲みながら夕食を楽しみ、千尋達の自己紹介をする。
朱王と共に旅をする仲間達。クリムゾン幹部からすれば気になって仕方がないはずだ。
質問に対して千尋達も全て答え、アイリからはパーティーメンバーの強さを語られた。
そしてクリムゾン幹部からここ最近の報告を受ける朱王。
秘密事項もあるが朱王は全て話していいと言う。
余程の信頼があると感じたテンクスも秘密内容を事細かに話す。
やはりクイースト王国にも魔族が隠れ潜んでいるそうだ。
「殴り込むわよ!」と言うリゼを押さえる千尋。
朱王も魔族を抹殺するのではなく捕獲したいとの事だ。
まずは魔族の情報を引き出すべきだろう。
王宮への挨拶と聖騎士達の強化、クリムゾンメンバーの騎士団訓練への合流。
その後に魔族の捕獲作戦とする事にした。
今日も夕食後は映画鑑賞会とする。
使用人達も含めての鑑賞会。
普段から仕事は早いが、今日はさらにテキパキと片付けを進める使用人や料理人。
蒼真は千尋とポップコーン作り。
アイリもやりたそうなので一緒に作った。
ミリーとリゼはマシュマルォとマカルォンを小分けする。朱雀がつまみ食いしてなかなか終わらない。
朱王に促されて映画部屋へ向かうテンクス達。
今日は客人だが朱王の部下。自分達のテーブルと椅子を準備してもらう。
映画を映し出すと、昨日の使用人達同様に驚きの声を漏らすクリムゾン幹部達。
とても楽しんでくれたようだ。
ミリーやアイリはお土産のお菓子を買い漁るつもりでいるようだ。
クイースト王国で人気のお菓子マシュマルォ。
まぁマシュマロなのだが。
近隣にマシューロという街があり、そこの名産品としてマシュマルォが売られているとか。
カラフルで可愛らしいお菓子は女性客から人気となり、クイースト王国貴族街や市民街でもマシュマルォ店を出店。
その隣にもクイースト王国で大人気のお菓子マカルォン。
まぁマカロンなのだが。
近隣にマカオンという街があり、そこの名産品としてマカルォンが販売されているらしい。
マシュマルォ同様カラフルで可愛らしいお菓子は人気が高く、貴族や富豪達からも愛される商品。
お土産として持って行っても喜ばれるが、一日に作れる量に限りがある為貴族街のみ出店される。
どちらのお菓子も絶対に地球人が手掛けたと思われる。
そもそも名前はそのままマシュマロとマカロンでも良かったのではないだろうか。
まずはマシュマルォ店。
店内に入ると甘~い香りが漂い、色によって様々な味や香りが楽しめるようだ。
貴族街店では試食もでき、各々好きな色のマシュマルォを一口。
とろけるような舌触りと濃密な甘さ。色ごとに違うフレーバーが鼻孔をくすぐる。
カラフルなマシュマルォをやはり全部味わってみたい。
量り売りのマシュマルォを全種購入して次の店へと移動する。
お隣のマカルォン店。
こちらも店内は甘い香りで満たされ、小分けにされた試食品を食べてみる。
カラフルに焼き上げられた生地にクリームやジャムが挟まれており、甘さ引き立つマカルォンとフレッシュな酸味のマカルォンを味わえる。
色ごとにクリームやジャムの味も違い、マシュマルォ同様様々な味が楽しめそうだ。
当然のように全ての味を十個ずつ購入。
種類も二十種と豊富にあり、合計二百個も購入したのだがこんなに食べきれるのだろうか……
甘いものを大量に購入した後は喫茶店でデザートだ。
甘いものづくしで胸焼けがしそうだが、甘党パーティーは全然余裕な様子。
クイースト王国で最近発売されたゼリー系の商品。
スライムという商品名で発売されているらしいが、価格も安く貴族街だけでなく市民街でも購入が可能だ。
カラフルに色付けされたゼリーを凍らせ、かき氷として削ったスイーツが今人気らしい。
その名もアイスライム。
色ごとに味が違うらしいので、全員好きな色で注文していく。
出てきたアイスライムは、シロップのかかっていない色付きのかき氷。
口に含むとシャリシャリとした冷たい氷と、弾力のあるゼリーの食感が楽しめる。
こんにゃくゼリーに似た食感だ。
冷んやりとしたアイスライムを口いっぱいに含むミリーと朱雀は、あまりの冷たさに頭がキーンと痛む。
ミリーに促されたリゼとアイリも口いっぱいにアイスライム含んで頭を押さえていた。
その後はウィンドショッピングを楽しむ。
やはり貴族街では女性用服は煌びやかなドレス、男性用は装飾されたスーツやタキシード、コートなどだ。
リゼやミリーは少し貴族の着るドレスに憧れがあるようで、あれもこれもとじっくりと見入っている。
近々王宮に行く予定もあるので全員分購入する事にした。
各々好みのものを選ぶ事にし、採寸して仕立てを依頼する。
今回誰がどのような物を購入したのかわからない。
届いてからのお楽しみとした。
いつものようにリゼとミリーが千尋のドレスを選んでいたが、今回は千尋の好みの服を購入した。
後日邸に届けてもらう事にして店をあとにする。
時刻は十六時半を回ったところ。
そろそろクリムゾン幹部達が朱王邸に来るかもしれないので帰る事にした。
邸に帰ってマカルォンとマシュマルォをカミンに渡し、少し早いが風呂に入る事にした。
今日は男性陣が露天風呂、女性陣が大浴場となる。
朱王は嬉しそうに桶をお盆にして酒を準備。負けじと千尋や蒼真も酒を準備する。
この日も天気が良い。晴れ渡る空は青く、緑深い山々と広大な草原。眼下に広がる市街地はこの国の大きさを物語る。
体を洗って湯船に浸かる。そして口に含む冷たい一杯。最っ高だ。
ミリーとリゼは大浴場のサウナが気になる。
体を洗って湯船に浸かった後にサウナルームを覗き込む二人。
「サウナは入った事ありませんか? とっても暑い部屋で汗がたくさん出る部屋ですよ。 汗を流した後は水風呂に入って一気に冷やすんです。美容や健康にも良いそうですよ」
「美容に良いのね! 入りましょうミリー」
「美容の為なら入っちゃいますよ!」
二人に続いてアイリもサウナへ入り、暑い熱いと騒ぎながら好きな場所に座る。
汗をダラダラと流して耐える三人。
しばらくするとアイリが部屋から出て水風呂へ向かう。リゼとミリーもアイリに続く。
何度か繰り返して再び体を洗ってお風呂をあがる。
風呂上がりにはコーヒー牛乳が飲みたい! との朱王の要望で作られたコーヒー牛乳。
テイムの魔石で家畜となったカトブレパスから採ったミルクが牛乳として販売されている。
瓶に入ったコーヒー牛乳。
この辺も朱王のこだわりらしい。
アイリからの指導を受けながら三人でコーヒー牛乳を飲む。
蓋を開けて腰に手を当てて一気に飲む。
「「「プハ~!!」」」と最高の一杯を味わった。
風呂上がりのブロー魔法をした後は、コーヒーを飲みながらロビーでくつろぐ。
綺麗な皿に盛りつけられたマカルォンとマシュマルォを受け取ってテティ達幹部を待つ。
まずやって来たのはテティと二人の女性。
荷物をマーリンとメイサに渡して向き直る。
「お招き頂きありがとうございます。マネージャーのイーユと申します」
「はじめまして。施設長のポニパと申します」
テティとイーユ、ポニパは挨拶をし、空いている部屋へと案内されて魔力鍵登録を済ませてロビーに戻ってくる。
テティはショートな赤い髪に黄緑色の目をした活発そうな女の子だ。
店で見た制服姿ではなく、白いシャツに紺色のスカートを履く。
イーユは薄紫色のショートヘアに獣耳の、おっとりとした表情の女の子。
銀色の胸当てに白地に紫と金の装飾が入った装備を着ている。
ポニパは黒のショートボブヘアに碧眼の、小柄で元気そうな女の子。
レースのフリルが付いた黒いシャツとスカートにニーソックス。
メイド服ともまた少し違った服装だ。
三人分のコーヒーももらって、マカルォンとマシュマルォを食べながら千尋達も自己紹介。
話しをしながら他のメンバーを待つ。
しばらくすると武装した二人の男性がやってくる。
「朱王様、ご無沙汰しております。それと皆さんはじめまして。クリムゾンクイースト部隊隊長のテンクスです」
「聖騎士のニシブです。訓練が長引いて遅くなりました」
隊長のテンクスはブロンドのツンツン頭に碧眼の爽やかそうな青年だ。
黒い胸当てに赤いシャツ。黒いズボンに赤いブーツを履き、白地に金の装飾が入った腰布を巻く。
武器は二振りの直剣を腰に下げている。
聖騎士のニシブは銀髪のミディアムショートヘア。赤目で勝気な表情をしている。
紫色の胸当てに紺色のシャツやズボン。濃紺のマントを羽織っている。
武器には二振りのダガーを持つ。
二人も部屋で魔力鍵登録してロビーに戻ってくる。
食事までまだ時間はあるので、朱王と千尋、蒼真は全員の魔力練度を確認して武器の強化を決める。
隊長であるテンクスと聖騎士のニシブは魔力練度が高く、精霊契約も問題なさそうなので魔力量は2,000ガルド。
普段から訓練を積んでいる彼らはザウス王国の聖騎士達と比べてもそれ程劣らないようだ。
テティ、イーユ、ポニパは魔力練度が低め。
普段から店に並ぶ彼女達は、戦闘をする機会もそれ程ないため仕方がないだろう。
それでも遠距離魔法を放てる為、魔術師団のように戦闘をする事も可能だ。
三人の武器には魔力量300ガルドでエンチャントする事にした。
各々武器を持ってきてもらい、千尋とアイリとで魔力を溜めるでエンチャント。
テンクスには双剣と胸当てを魔力量2,000ガルドとし、左右ともサラマンダーで精霊契約。
魔方陣もファイアとインフェルノをエンチャント。
ニシブも魔力2,000ガルドでエンチャントし、左右のダガーにシルフと精霊契約。
魔方陣もウィンドとエアリアルを組み込んだ。
二人ともわけがわからないまま武器に魔法処理がなされていく。
そして魔方陣を描かされるは精霊魔導書を渡されて好きな精霊を呼び出せと言われるはで、気が付けば精霊魔導師になっていた。
本当にこんな事で精霊魔導師となったのか疑問は残るが、朱王の言葉は絶対と思っているテンクスとニシブ。実感は全くないが精霊魔導師になったんだと自分に言い聞かせた。
精霊を羨ましそうに見るテティ達だが、魔力練度が相当高くないと精霊契約は不可能なので諦めてもらった。
夕食前にテンクス達に風呂に入るよう促す。
彼らは今日も働いていたので風呂に入ってから食事をする方が疲れも取れるだろう。
テンクスとニシブは露天風呂へ。
テティとイーユ、ポニパは大浴場へと向かった。
この五人にも風呂上がりにはブロー魔法。
女性陣だけでなく男性陣にも大好評だった。
夕食の飲み物には今日頼んでいたお酒が出された。
名前はリシャスガフというお酒らしい。
リシャスガフをガブガブと飲みながら夕食を楽しみ、千尋達の自己紹介をする。
朱王と共に旅をする仲間達。クリムゾン幹部からすれば気になって仕方がないはずだ。
質問に対して千尋達も全て答え、アイリからはパーティーメンバーの強さを語られた。
そしてクリムゾン幹部からここ最近の報告を受ける朱王。
秘密事項もあるが朱王は全て話していいと言う。
余程の信頼があると感じたテンクスも秘密内容を事細かに話す。
やはりクイースト王国にも魔族が隠れ潜んでいるそうだ。
「殴り込むわよ!」と言うリゼを押さえる千尋。
朱王も魔族を抹殺するのではなく捕獲したいとの事だ。
まずは魔族の情報を引き出すべきだろう。
王宮への挨拶と聖騎士達の強化、クリムゾンメンバーの騎士団訓練への合流。
その後に魔族の捕獲作戦とする事にした。
今日も夕食後は映画鑑賞会とする。
使用人達も含めての鑑賞会。
普段から仕事は早いが、今日はさらにテキパキと片付けを進める使用人や料理人。
蒼真は千尋とポップコーン作り。
アイリもやりたそうなので一緒に作った。
ミリーとリゼはマシュマルォとマカルォンを小分けする。朱雀がつまみ食いしてなかなか終わらない。
朱王に促されて映画部屋へ向かうテンクス達。
今日は客人だが朱王の部下。自分達のテーブルと椅子を準備してもらう。
映画を映し出すと、昨日の使用人達同様に驚きの声を漏らすクリムゾン幹部達。
とても楽しんでくれたようだ。
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