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強化編
052 魔力の色
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今日から蒼真先生による特別講習が始まる。
アイリも期待に胸を膨らませる。
この世界の住人には理解のできない事が多いが、細かく丁寧に教える蒼真は小学校の先生気分だ。
場所は工房のテーブルで授業。
アイリは頭も良く、蒼真の教えをどんどん覚えていく。
眠くなる魔法にもかからないらしく、しっかりとメモを取りながら勉強していた。
ミリーの時は何度起こしたことかわからない蒼真。
テンポ良く進む授業は蒼真にとっても楽しいようだ。
そして蒼真の授業に興味を示すリゼ。
主に算数や理科の授業しかないのだが、蒼真の教え方も上手く、アイリが楽しそうに受けているのを羨ましそうに見ている。
千尋は勉強したくないしミリーも暇そうなので、ミリーと交代してリゼも授業を受ける事にした。
千尋とミリーの組み合わせ。
魔力の質の違いから、ミリーでは加工の手伝いは難しいかと思ったのだが……
とても上手い。
普段から粒子状の魔力を操るミリーは、ミスリル内の魔力の操作がリゼ以上に上手かった。
リゼの時同様問題なく加工が進むのだが、ミリーはよそ見をする。
真面目な千尋の顔を覗き込んだり外を見たりお菓子を食べたり。
それでも魔力の操作に問題はなく、加工するのにも問題はないのだが…… 気が散る。
「ミリーはさ、朱王さんの手伝いもできるんじゃないの?」
「ええ!? ほんとですか!?」
「うん、魔力操作が上手いからあとは集中して見ててくれたら朱王さんも大喜び!」
「わーい! 頑張っちゃいますよ!」
チョロいミリーだった。
アイリの当面の生活費も足りているので、しばらくは勉強会と訓練をする事にした。
アイリは新しい事を覚えるのが楽しいらしく、毎日復習も欠かさない。
魔力の練度が大事。
蒼真はもちろん全員が口を揃えて言う事なので、アイリもしっかりと訓練する。
千尋が常時魔力球の維持をしていると聞いて勉強中にもやってみる。
魔力に集中しながらの勉強は難しく、アイリはもちろんリゼもできなかった。
この間ミリーは千尋のお手伝い。
今後の朱王の手伝いの為にミリーもしっかりと頑張る。
アイリが来てから六日目の朝。
遠くから聞こえるエンジン音にバッ! と反応するミリー。
今日はまだ勉強会も武器の作製も手を付けていない。
ミリーとアイリは外に出て朱王を待つ。
工房の前に到着したバギーから降りる朱王。
「やぁ皆んな。おはよう」
パタパタと手を振る朱王は今日も笑顔だ。
挨拶を交わしてバギーから荷物を持ってテーブルの上に置く。
「美味しい荷物ですか!?」
「そうだね。美味しい荷物もあるよ」
まずは布に包んだお菓子を出す。
「今日はベイクドチーズケーキを作ってみたよ。ミリーさん切り分けてくれる?」
「はい! 蒼真さん、刀を貸してください!」
「嫌だ」
断って包丁を渡す蒼真。
リゼとアイリは全員分の紅茶を淹れる。
千尋と蒼真は朱王が別の荷物を取り出したのを見ている。
大きなビンと付属させる筒。
そしてミスリルと魔石の組み合わせた物。
ビンに水を入れ、砂糖を大量に溶かした後に冷蔵庫で冷やす。
冷蔵庫は魔石で冷やすので電気も何も必要ない。
「水が冷えるまで放置だね。まずはケーキを食べようよ」
「あれは何するの?」
「千尋君や蒼真君にとって懐かしい物だよ! 楽しみにしててね」
よくわからないままケーキを食べる。
朱王の作るベイクドチーズケーキはこれもまた美味しかった。
濃厚ながら甘すぎず、深い味わい。
紅茶との相性もバッチリだ。
「今日はねぇ、これ。人数分完成したから持って来たんだよ。商品名はラッシュにするつもりだ」
三つ目の荷物を開ける。
シルバーのブレスレットだ。
五つともデザインが少しずつ違い、男用のは少し大きいようだ。
「これ着けたら魔力に色が付くの?」
「まだ魔石に色を込めてないよ。まずは魔力を何色にしたいか決めてる? イメージすると魔石の色も変わるからね。その魔石の色が魔力の色になるよ。ただ透き通るから金とか銀みたいなのは無理だよ」
「なるほど。オレは青だ。濃いめの青!」
蒼真は宣言通りの青。
魔石に蒼真のイメージする色が付属される。
魔石自体も透き通る濃い青になった。
内側が濃く外側が淡い色の魔石で、宝石には例えられない色だ。
ブレスレットに組み込んで完成、と思ったのだが。
「ブレスレットは着色してないから好みの色にもできるからね」
「…… 千尋。あとでやってくれ」
「え? あ、うん」
他力本願の蒼真だった。
外に出て風魔法を発動する蒼真。
青い風が蒼真を中心に渦を巻き、刀で風刃を放つ。
3メートルほど伸びる風の刃は先端にいくにつれて淡い青になる。
グラデーションになってとても綺麗な魔法に満足そうな蒼真だった。
そして呼び出さずとも出ているラン。
ランの色も青く変化していた。
淡い空色の髪に目や服は濃いめの青。羽も透き通った空色になった。
色の変化に気付いたランは、気分を良くして飛び回る。
千尋は意外にも黄色。
ゴールデンサファイアのような色の魔石になった。
あるアニメを想像しての黄色を選んだようだが、体から魔力を放出するわけではないので思ったようにはならなかった。
試しに風を纏ってみたところ、それっぽい黄金色のオーラが出ているようになり、大喜びではしゃいでいた。
リゼが色を着けた魔石はピンク色。
綺麗なピンク色の魔石になった。
外に出て魔力を練りリッカとシズクを出して氷の柱を作り出すと、ピンクの氷柱が乱立する。
思った以上に可愛らしい魔法になった。
やはりリッカやシズクも色が変わった。
リッカは白髪とピンクの着物に変化し、目もピンクになった。
オシャレに興味のあるリッカはこの変化に大はしゃぎしていた。
シズクは髪と水着がピンクになった。
水属性のシズクは色が変化しても透き通っている。
リッカに振り回されて一緒に小躍りしていた。
ミリーは悩みに悩んで七色の魔石にした。
魔石はまるでトパーズの様な石になり、それだけでも嬉しそうなミリー。
全身から魔力を放出すると七色のカーテンが現れる。
キラキラと綺麗な魔力のカーテンとなった。
朱王のブレスレットを見るとシルバーの単色で、着色はしていないようだった。
鏡面まで磨かれてあるのでこのままでも確かに綺麗だ。
悩むミリーに朱王が金色を提案し、朱王が着色してくれるとの事でお任せした。
アイリは紫色。
見た目のイメージそのままだ。
魔石もアメジストのような紫。
魔力を練るとシルバーの剣に淡い紫の光が灯り、とても美しい。
最初は自分も貰って良いものかすごく戸惑っていたが、朱王が一つ手渡すと物凄く喜んでいた。
朱王と同様着色は無しにした。
ここで冷蔵庫から水の入った大きなビンを取り出す朱王。
キンキンに冷えているようだが何をするのかわからない。
ビンの中に付属の筒を差し込み、ミスリルのパーツを組み込んで魔力を流し込む。
ビンの中でブクブクと水が泡立ち始める。
しばらく待つと魔力の放出をやめ、軽くビンを振る朱王。
綺麗な色をしたグラスを取り出して注ぐ。
シュワシュワと泡立つ飲料。
恐る恐るグラスを手に取り、口に含む千尋。
「すごい!! サイダーだ!!」
「なんだと!?」
蒼真もグイッと煽る。
シュワシュワとした炭酸が喉に染みる。
美味い。
ミリーもグラスを手に取って一気に飲むが炭酸が喉に突き刺さる。
「くあっ!!」
一気に飲んで刺激に耐えられなかったようだ。
アイリも飲んでみる。
アイリは炭酸飲料など飲んだ事はなく、お酒も飲んだ事がない為初めての炭酸。
ビリビリと刺激を受けるが甘さもあって美味しい。
嬉しそうにちびちびと飲み続けていた。
リゼも炭酸などお酒以外では何年振りだろう。
口に含むと懐かしい刺激と甘さに、少し涙さえ出てきそうだった。
「美味しかった? 珍しい魔石が手に入ったから作ってみたんだよ」
「この魔石は一体なんなの?」
「二酸化炭素を発生させられる魔石だね。だけど魔力を持たない魔石だから魔力を供給してやる必要がある。その代わり魔石が消耗する事もないんだよねー」
「そんな魔石があるの!?」
「バイクとかの魔力エンジンもそれと似たような魔石を使ってるんだよ。魔力を供給すると爆発するのとか酸素を発生するのとかだね」
「クエストで集める魔石も性能知らないで報告してるの多いですよね」
「今後は調べてから報告しようか」
「朱王さん、オレこれ欲しい」
「ここにそれ置いていくから使ってね。ビンもあと一つ予備あるから」
朱王の家にもまだあるので問題ない。
「アイリは仲良くやっているかい?」
「はい。皆さん良くしてくれます」
ここに来てからの事を一通り話すアイリ。
ここ最近は勉強をしている為、いろいろと自分が得た知識を聞かせている。
「朱王さん! 私もミスリルの加工のお手伝いできますよ! 」
むふーと自慢気に言うミリーが詰め寄る。
「そうなの? じゃあ手伝って貰おうかな」
「頑張りますよっ!」
嬉しそうなミリーだった。
「何か作るの?」
「ふふ。アイリも君達と一緒にいるからね。魔剣を作ってあげたいと考えてるよ」
「魔剣!? 皆さんと同じその凶悪な武器ですか!? 私の一生かかってもお支払いできないですよ!?」
「凶悪な武器て…… まぁ武器は作った事がないからどうなるかはわからないけどね」
「えー。朱王さんが作るのならオレも欲しい!」
「うん、じゃあここの工房でしばらく作業させてもらっても良いかな? 千尋君の作業を見て参考にしたいし」
「やった! 素材はあるからそれでお願い! リゼも一本作ってよ!」
「わかったわ。以前作るって言ったし任せて!」
「リゼさんも作れるんだね」
朱王はしばらくの間街に滞在する事にした。
アイリも期待に胸を膨らませる。
この世界の住人には理解のできない事が多いが、細かく丁寧に教える蒼真は小学校の先生気分だ。
場所は工房のテーブルで授業。
アイリは頭も良く、蒼真の教えをどんどん覚えていく。
眠くなる魔法にもかからないらしく、しっかりとメモを取りながら勉強していた。
ミリーの時は何度起こしたことかわからない蒼真。
テンポ良く進む授業は蒼真にとっても楽しいようだ。
そして蒼真の授業に興味を示すリゼ。
主に算数や理科の授業しかないのだが、蒼真の教え方も上手く、アイリが楽しそうに受けているのを羨ましそうに見ている。
千尋は勉強したくないしミリーも暇そうなので、ミリーと交代してリゼも授業を受ける事にした。
千尋とミリーの組み合わせ。
魔力の質の違いから、ミリーでは加工の手伝いは難しいかと思ったのだが……
とても上手い。
普段から粒子状の魔力を操るミリーは、ミスリル内の魔力の操作がリゼ以上に上手かった。
リゼの時同様問題なく加工が進むのだが、ミリーはよそ見をする。
真面目な千尋の顔を覗き込んだり外を見たりお菓子を食べたり。
それでも魔力の操作に問題はなく、加工するのにも問題はないのだが…… 気が散る。
「ミリーはさ、朱王さんの手伝いもできるんじゃないの?」
「ええ!? ほんとですか!?」
「うん、魔力操作が上手いからあとは集中して見ててくれたら朱王さんも大喜び!」
「わーい! 頑張っちゃいますよ!」
チョロいミリーだった。
アイリの当面の生活費も足りているので、しばらくは勉強会と訓練をする事にした。
アイリは新しい事を覚えるのが楽しいらしく、毎日復習も欠かさない。
魔力の練度が大事。
蒼真はもちろん全員が口を揃えて言う事なので、アイリもしっかりと訓練する。
千尋が常時魔力球の維持をしていると聞いて勉強中にもやってみる。
魔力に集中しながらの勉強は難しく、アイリはもちろんリゼもできなかった。
この間ミリーは千尋のお手伝い。
今後の朱王の手伝いの為にミリーもしっかりと頑張る。
アイリが来てから六日目の朝。
遠くから聞こえるエンジン音にバッ! と反応するミリー。
今日はまだ勉強会も武器の作製も手を付けていない。
ミリーとアイリは外に出て朱王を待つ。
工房の前に到着したバギーから降りる朱王。
「やぁ皆んな。おはよう」
パタパタと手を振る朱王は今日も笑顔だ。
挨拶を交わしてバギーから荷物を持ってテーブルの上に置く。
「美味しい荷物ですか!?」
「そうだね。美味しい荷物もあるよ」
まずは布に包んだお菓子を出す。
「今日はベイクドチーズケーキを作ってみたよ。ミリーさん切り分けてくれる?」
「はい! 蒼真さん、刀を貸してください!」
「嫌だ」
断って包丁を渡す蒼真。
リゼとアイリは全員分の紅茶を淹れる。
千尋と蒼真は朱王が別の荷物を取り出したのを見ている。
大きなビンと付属させる筒。
そしてミスリルと魔石の組み合わせた物。
ビンに水を入れ、砂糖を大量に溶かした後に冷蔵庫で冷やす。
冷蔵庫は魔石で冷やすので電気も何も必要ない。
「水が冷えるまで放置だね。まずはケーキを食べようよ」
「あれは何するの?」
「千尋君や蒼真君にとって懐かしい物だよ! 楽しみにしててね」
よくわからないままケーキを食べる。
朱王の作るベイクドチーズケーキはこれもまた美味しかった。
濃厚ながら甘すぎず、深い味わい。
紅茶との相性もバッチリだ。
「今日はねぇ、これ。人数分完成したから持って来たんだよ。商品名はラッシュにするつもりだ」
三つ目の荷物を開ける。
シルバーのブレスレットだ。
五つともデザインが少しずつ違い、男用のは少し大きいようだ。
「これ着けたら魔力に色が付くの?」
「まだ魔石に色を込めてないよ。まずは魔力を何色にしたいか決めてる? イメージすると魔石の色も変わるからね。その魔石の色が魔力の色になるよ。ただ透き通るから金とか銀みたいなのは無理だよ」
「なるほど。オレは青だ。濃いめの青!」
蒼真は宣言通りの青。
魔石に蒼真のイメージする色が付属される。
魔石自体も透き通る濃い青になった。
内側が濃く外側が淡い色の魔石で、宝石には例えられない色だ。
ブレスレットに組み込んで完成、と思ったのだが。
「ブレスレットは着色してないから好みの色にもできるからね」
「…… 千尋。あとでやってくれ」
「え? あ、うん」
他力本願の蒼真だった。
外に出て風魔法を発動する蒼真。
青い風が蒼真を中心に渦を巻き、刀で風刃を放つ。
3メートルほど伸びる風の刃は先端にいくにつれて淡い青になる。
グラデーションになってとても綺麗な魔法に満足そうな蒼真だった。
そして呼び出さずとも出ているラン。
ランの色も青く変化していた。
淡い空色の髪に目や服は濃いめの青。羽も透き通った空色になった。
色の変化に気付いたランは、気分を良くして飛び回る。
千尋は意外にも黄色。
ゴールデンサファイアのような色の魔石になった。
あるアニメを想像しての黄色を選んだようだが、体から魔力を放出するわけではないので思ったようにはならなかった。
試しに風を纏ってみたところ、それっぽい黄金色のオーラが出ているようになり、大喜びではしゃいでいた。
リゼが色を着けた魔石はピンク色。
綺麗なピンク色の魔石になった。
外に出て魔力を練りリッカとシズクを出して氷の柱を作り出すと、ピンクの氷柱が乱立する。
思った以上に可愛らしい魔法になった。
やはりリッカやシズクも色が変わった。
リッカは白髪とピンクの着物に変化し、目もピンクになった。
オシャレに興味のあるリッカはこの変化に大はしゃぎしていた。
シズクは髪と水着がピンクになった。
水属性のシズクは色が変化しても透き通っている。
リッカに振り回されて一緒に小躍りしていた。
ミリーは悩みに悩んで七色の魔石にした。
魔石はまるでトパーズの様な石になり、それだけでも嬉しそうなミリー。
全身から魔力を放出すると七色のカーテンが現れる。
キラキラと綺麗な魔力のカーテンとなった。
朱王のブレスレットを見るとシルバーの単色で、着色はしていないようだった。
鏡面まで磨かれてあるのでこのままでも確かに綺麗だ。
悩むミリーに朱王が金色を提案し、朱王が着色してくれるとの事でお任せした。
アイリは紫色。
見た目のイメージそのままだ。
魔石もアメジストのような紫。
魔力を練るとシルバーの剣に淡い紫の光が灯り、とても美しい。
最初は自分も貰って良いものかすごく戸惑っていたが、朱王が一つ手渡すと物凄く喜んでいた。
朱王と同様着色は無しにした。
ここで冷蔵庫から水の入った大きなビンを取り出す朱王。
キンキンに冷えているようだが何をするのかわからない。
ビンの中に付属の筒を差し込み、ミスリルのパーツを組み込んで魔力を流し込む。
ビンの中でブクブクと水が泡立ち始める。
しばらく待つと魔力の放出をやめ、軽くビンを振る朱王。
綺麗な色をしたグラスを取り出して注ぐ。
シュワシュワと泡立つ飲料。
恐る恐るグラスを手に取り、口に含む千尋。
「すごい!! サイダーだ!!」
「なんだと!?」
蒼真もグイッと煽る。
シュワシュワとした炭酸が喉に染みる。
美味い。
ミリーもグラスを手に取って一気に飲むが炭酸が喉に突き刺さる。
「くあっ!!」
一気に飲んで刺激に耐えられなかったようだ。
アイリも飲んでみる。
アイリは炭酸飲料など飲んだ事はなく、お酒も飲んだ事がない為初めての炭酸。
ビリビリと刺激を受けるが甘さもあって美味しい。
嬉しそうにちびちびと飲み続けていた。
リゼも炭酸などお酒以外では何年振りだろう。
口に含むと懐かしい刺激と甘さに、少し涙さえ出てきそうだった。
「美味しかった? 珍しい魔石が手に入ったから作ってみたんだよ」
「この魔石は一体なんなの?」
「二酸化炭素を発生させられる魔石だね。だけど魔力を持たない魔石だから魔力を供給してやる必要がある。その代わり魔石が消耗する事もないんだよねー」
「そんな魔石があるの!?」
「バイクとかの魔力エンジンもそれと似たような魔石を使ってるんだよ。魔力を供給すると爆発するのとか酸素を発生するのとかだね」
「クエストで集める魔石も性能知らないで報告してるの多いですよね」
「今後は調べてから報告しようか」
「朱王さん、オレこれ欲しい」
「ここにそれ置いていくから使ってね。ビンもあと一つ予備あるから」
朱王の家にもまだあるので問題ない。
「アイリは仲良くやっているかい?」
「はい。皆さん良くしてくれます」
ここに来てからの事を一通り話すアイリ。
ここ最近は勉強をしている為、いろいろと自分が得た知識を聞かせている。
「朱王さん! 私もミスリルの加工のお手伝いできますよ! 」
むふーと自慢気に言うミリーが詰め寄る。
「そうなの? じゃあ手伝って貰おうかな」
「頑張りますよっ!」
嬉しそうなミリーだった。
「何か作るの?」
「ふふ。アイリも君達と一緒にいるからね。魔剣を作ってあげたいと考えてるよ」
「魔剣!? 皆さんと同じその凶悪な武器ですか!? 私の一生かかってもお支払いできないですよ!?」
「凶悪な武器て…… まぁ武器は作った事がないからどうなるかはわからないけどね」
「えー。朱王さんが作るのならオレも欲しい!」
「うん、じゃあここの工房でしばらく作業させてもらっても良いかな? 千尋君の作業を見て参考にしたいし」
「やった! 素材はあるからそれでお願い! リゼも一本作ってよ!」
「わかったわ。以前作るって言ったし任せて!」
「リゼさんも作れるんだね」
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