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強化編
036 ロナウドの実演させ販売
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ロナウド邸に着いたのが十五時を少し回ったところ。
使用人シスルに案内されて客室でロナウドを待つ。
まだ仕事があるのだろうと気長に待つつもりだったのだが二十分程でロナウドが帰って来た。
「リゼはどこじゃ!?」
「ロナウド様落ち着いてください! 客室に千尋様とお待ちですよ」
「千尋も来とるのか!」
遠くからロナウドと使用人の声が聞こえる。
相変わらず元気そうだ。
「ロナウドさん早くね?」
「そうね、まだ仕事の時間なのに」
バァン! と開かれた扉。
ロナルドはリゼを見るなり向かってくる。
「リゼ! 大丈夫か? 怪我はないのか!?」
「ロ、ロナウド様!? 怪我なんてしてませんがどうしたんですか!?」
「おお、そうか。それならいい。魔族に襲われたと聞いてな。心配しとったんじゃ」
「ロナウド様。エドワード様からリゼ様が怪我はないと聞いていたではないですか」
「それでも心配するじゃろう!」
「ロナウドさんは心配性だよね……」
呆れ顔で言う千尋。
「実は魔族がこの王国にも来たんじゃ」
「ええ!?」
「二体だけじゃったがなかなかに強くてな。聖騎士でも勝てんから仕方なく儂が倒したんじゃ」
「魔族をなかなか強いって……」
「レオナルドとレミリアは戦わなかったの?」
「あの二人は王の護衛じゃ。今も王宮にいる」
「街に被害はなかったんですか?」
「騎士の訓練所に現れたからな。街への被害は何もない」
「何が目的なんだろね?」
「わからぬ。魔族など儂も見たのは初めてじゃ」
「私達が知っている事とすれば魔獣の亜種を魔族が作っているという事くらいです」
「ふむ。亜種を魔族がのぉ。伝承によれば魔族の魔力では魔獣は魔石に還らんらしいが」
「亜種は戦争の駒に使うって言ってたよねー」
「戦争? 人間族と魔族の戦争か? 魔族相手では人間などひとたまりもないぞ」
「王国でも騎士の戦力強化を進めないといけませんね」
「せめて聖騎士は魔族を倒せないとねー」
「ふむ…… 儂が鍛えてやるとするか。ところで今日は二人だけか?」
「今日は武器屋にミスリル剣を置いてもらおうと思って来たんです」
「1億リラとか言われて驚いたよねー!」
「魔剣ではないんじゃな?」
「魔剣は誰にでも渡していいものじゃないからね。売り物としては作らないよ!」
「うむ。仮に魔族に渡ってしまっては大変じゃからな」
「…… 千尋の魔石で魔力を溜められるようにはしてありますけど」
「まぁ300くらいなら平気でしょ!」
「なんじゃそれは? 」
「デュランダルには激震を付属させましたよね。あれと同じように魔力を溜められるという能力を付属させたんです」
「簡易的に魔剣を作れるという事か?」
「性能は格段に劣るけどね。魔石の魔力分しか溜められないから300だけだし。オレのエンヴィやインヴィは2,000ガルドだよ。アルテリアの冒険者の装備には魔力量300をエンチャントしてるんだけど、今は500万リラで請け負ってるよ」
「なるほどのぉ。ちょっとエンヴィを貸してくれ」
魔力を流し込んで炎を放つ。
「ふむ。なかなか良いのぉ。デュランダルに比べれば劣るがそれでも相当なものじゃ。これで2,000ガルドと言うたか…… 」
「300も試してみる?」
「うむ。シスル、儂の部屋のを千尋に」
使用人シスルに命じるロナウド。
「はい、お待ちください」
ロナウドの部屋に取りに行くシスル。
「千尋様。これを」
装飾された直剣、これも一級品だろう。
直剣に魔力300の魔石でエンチャントを施し、ロナウドに渡して少し離れる千尋。
ロナウドは魔力を流し込み炎を放つ。
「むぅ…… 確かに溜め込む量は少ないが悪くはないのぉ。騎士達なら丁度良いかもしれん。武器屋にはどんな剣を預けたんじゃ?」
「両手直剣と片手直剣、片刃の片手直剣です」
「ふむ、なるほどの……」
顎に手を当てて考えるロナウド。
「お主ら今日はこの後どうするのじゃ?」
「宿探して一泊したら明日…… 竜車で帰る」
竜車のところから声が窄む千尋。
「では今日はうちに泊まってゆけ。それとちと儂に付き合え。そしたら帰りは送ってやる」
「じゃあリゼ、泊まってこっか?」
「そうね、レミリアにも会っていきたいしそうしましょ!」
宿探しがなくなったのでロナウドに着いて行く事にした。
ロナウドに連れられて行ったのは訓練所。
騎士達の姿はなく、聖騎士が十二人修練していた。
「千尋。此奴らと戦ってみてくれ」
「ええ!? さすがに多いよ!?」
「…… なにも全員同時に戦えとは言っとらん。全力でやってもらえると助かる」
少し呆れるロナウド。
「ロナウド様? 何をお考えですか?」
「全員魔族との戦いで自信を失っとるからのぉ。ちと千尋と戦えば何か見えるかもしれんじゃろ」
「余計に自信を失うのでは!?」
「そこはほれ。これがある」
魔力量300ガルドのエンチャントを施した直剣だ。
「…… なるほど」
苦笑いするリゼだった。
「ダルク! テイラー! バラン! こっちへ来い」
「「「はっ! 」」」
集まる三人。
「聖騎士同士の訓練ではどうしても型にはまったものじゃ。たまには違う相手と戦うのも悪くはあるまい? というわけで千尋と戦ってみよ」
「ロ、ロナウド様? 千尋はロナウド様と互角に戦われたではありませんか。我々では相手になるかどうか……」
「やる前から諦めるな。千尋はお主らには無いものを持っておる。それを見て学べばよい」
「わかりました」
「ではまずはダルクから行け」
他の聖騎士も訓練をやめて観戦することにする。
千尋の戦いから何かを得よとのロナウドからの命令だ。
ダルクは剣を右に構え、魔力を練り剣に炎を纏わせる。
さらに風を体に纏い、普段の蒼真のような魔法だ。
千尋はいつものように無手。
手のひらを軽く開き、左足を前に半身に構える。
ボッ!! という音とともに加速するダルク。
千尋の左脇腹目掛けて切り上げる剣。
千尋は右手で剣を受けると同時に爆破。
弾かれる剣を視線が追う。
瞬間、千尋の左掌底がダルクの腹部に当てられて爆発する。
千尋が魔力を抑えた為威力は低いがダルクの肺からは息が漏れる。
追い討ちを避ける為距離をとるダルク。
歩み寄る千尋は唯々強い。
袈裟斬りを放つも避けられ、横薙ぎに剣を振るうも爆破で剣を弾き飛ばされる。
そして左脇腹を蹴られて転がるダルク。
さらに歩み寄る千尋に恐怖さえ覚え始めたダルクに、ロナウドが剣を渡す。
装飾された直剣。
先程千尋がエンチャントした直剣だ。
「ダルク、諦めるな。まだお主は負けてはおらん」
再び風を纏い、剣から炎を放つと同時に気付く。
剣の性能の違いに。
一瞬で千尋に詰め寄り初撃同様切り上げ、千尋の掌底と打ち合うも弾かれる事はない。
ダルクはさらに剣を振るい、千尋は防御し続ける。
ダルクの猛攻に堪らず距離をとる千尋。
「そこまでじゃ!!」
ロナウドの制止に戦闘をやめる二人。
汗を流し、息を切らすダルク。
千尋も風魔法を使いながらパタパタと手で顔を仰いでいる。
「はぁ…… はぁ…… ロ、ロナウド様…… この剣はいったい!?」
「まぁ待てダルク。次はテイラーの番じゃ。お主は儂の横で観戦せい」
「…… はい」
「テイラー。全力で挑むのじゃ」
「はっ!」
魔力を練って重力操作を発動。
距離を詰めて千尋に剣を振り下ろす。
ズガッ! と右腕のミスリルアーマーで受ける千尋にダメージはない。
直後腹部に千尋の蹴りが入り、吹っ飛ばされるテイラー。
ダルクの時同様に千尋はツカツカと歩み寄る。
千尋の掌底を剣で受けるも爆破とともに弾かれ、弾かれるたびに体制を崩され隙ができる。
いくら抗おうとも全て弾き返され、恐怖に体が震えだす。
テイラーも千尋の掌底を数発食らったところで剣を取り零して地に伏せる。
なんとか起き上がるテイラーに、ロナウドは装飾剣を渡す。
「テイラー。お前もこれで戦え」
千尋に対する恐怖を抑え込み、装飾剣を握り締めて重力操作を発動する。
そして千尋に横薙ぎに切り付ける。
アーマーでガードした千尋だが後ろに数メートル弾かれ、左手を振るっている。
痛みがあるようだ。
千尋は掌を開き爆破でのガードに切り替える。
数発打ち合ったところでロナウドから止められて戦闘をやめる二人。
「ぜぇ…… ぜぇ…… ロナウド様……」
「テイラー。今は何も言うな」
「…… はい」
「次はバランじゃ」
聖騎士にしては華奢な体躯。
鎧やマントも他の聖騎士とは違い、黒の胸当てに真っ赤なコート。
コートには黒の刺繍が入り髪も赤い、真っ赤な聖騎士だ。
剣を抜いて構えるバラン。
魔力を練って体から風を、剣から炎を放つ。
その場で剣を振りかぶって加速。
一瞬で間合いを詰めたバランの袈裟斬りを千尋が左手で爆破。
剣を弾かれると同時に顔に直撃する右の蹴り。
追い討ちを仕掛ける千尋の左掌底を剣で防ぐが弾かれ、腹部に当てられた右掌。
魔力が膨れ上がり火魔法と風魔法の爆破。
腹を抑えて立ち上がるバランに、またもロナウドが剣を渡す。
「ぐぅ…… こ、この剣がなんなんすか!?」
「使え。まともに戦える」
剣を握り、炎を放つ。
(なんだ? 魔力が溜まる? )
右手に持った剣をその場で左に構え、千尋に向かって駆け出す。
再び間合いを詰めたバランは振り抜くと同時に炎を強く放つ。
千尋も掌底で爆破するが、勢いの乗った炎の剣は千尋の手を弾く。
体勢を崩した千尋に追い討ちをかけるバラン。
振りかぶって袈裟斬りを放つも躱され、続けて逆袈裟に切り上げるが左掌底で防がれる。
「充分じゃ、やめい! 」
バランが押し返し始めたところでロナウドが戦いを止める。
「ふぅ。聖騎士も強いね!」
「素手で戦うやつが何を言うか」
「ロナウド様! その剣は!?」
詰め寄るダルク。
テイラーとバランもロナウドの言葉を待つ。
「これは儂のベルージェ。武器屋に千尋とリゼが作った剣がある。これと同等のものじゃ、お主らに良いと思ってな」
「「「本当ですか!? 」」」
「ちょ、ちょっとロナウド様!?」
「待った! 騎士の剣にもその力を付与させれるよ!」
「ぬぅ…… なんじゃせっかく商売に協力してやろうというのに」
ロナルドの剣、ベルージェを見つめる聖騎士達。
「ロナウド様。我々聖騎士の剣はこの騎士の剣でなくても良いのですか!?」
「そんなルールは元からないぞ? 騎士の剣は訓練用じゃと思っておる」
「で、では我々も一級品を腰に挿しても良いのですね!?」
「全然構わんよ?」
「千尋! その力を付与できるというのは本当だな!?」
「うん。すぐできるよ」
「500万リラで請け負っとるらしい」
「安い! 我が家から一級品の武器を持ってくるからそれに頼む!」
ルーファスが勢いよく言って駆け出した。
他にも続いて走っていく聖騎士達。
「オレは武器屋行ってくる!」
「私も武器屋へ行く! 一級品より良いはず!」
「なに!? じゃあオレも武器屋行く!」
ダルク、テイラー、バランは店に走って行った。
「1億リラとか買えないでしょ」
「たぶん大丈夫じゃない?」
「彼奴らは貴族じゃから問題ない」
「まじか!?」
「聖騎士は全員貴族じゃぞ」
「ロナウド様も貴族なの知らなかった?」
「うん! 知らん!」
しばらくすると一人二人と聖騎士が戻ってきた。
誰しもが一級品を嬉しそうに抱えながら戻って来る。
リゼは袋を持って千尋の横に立つ。
千尋がエンチャントを施し、リゼの袋にはお金が入れられる。
全員のエンチャントが終わり、性能を試す聖騎士達。
その威力に驚いているようだ。
全員分が終わるとダルク達も戻ってきた。
「これはリゼが作ったのか!? 良い剣だ。うちにある一級品より全然良い!」
褒められて嬉しかったのかリゼも頬が赤い。
「おい千尋! どうだ? オレに似合うか?」
真っ赤なバランに黒い剣、胸当ても黒いし脛当ても黒。
似合わないわけがない。
「腰にじゃなく背中に背負ってもカッコいいんじゃない?」
「おお! それいいな! そうするわ!」
早速背中に背負って剣を抜こうとするバラン。
抜けずに苦戦していたが、しばらく奮闘してコツを掴んだようだ。
「これも千尋の剣だった。すごく綺麗で驚いたぞ」
スカイブレイドを持つテイラーも満足気だ。
聖騎士の強さなら魔族とも対等に戦えるだろうと判断したのだが、千尋は腑に落ちない表情でロナウドに質問してみる。
「どうして2,000の魔石で頼まなかったの?」
「まだまだ彼奴らは発展途上じゃ。訓練次第ではまだ強くなる。武器に能力がついた事で慢心してしまっても困るからのぉ。今は低めで良い。蒼真もそうしておったじゃろう?」
「あはは。やっぱすげーなロナウドさん。蒼真は制限外したけどねー」
「ふむ。それじゃとリゼも抜かれたんじゃないかのぉ」
「そうかもしれませんね」
「千尋もエンヴィがあるしのぉ。リゼより強ければ良いのぉ」
無言になるリゼだった。
その夜。
レミリア達が戻って来たのは十八時。
リゼと千尋が来ている事を知らなかったのか驚いていた。
国王の護衛をしている以上私事で連絡するわけにもいかないので仕方がない。
夕食後、レミリアの部屋にリゼが行ってしまったのでロナウドとレオナルド、千尋は酒盛りを始めた。
エリザも一緒になってお酒を飲んでいる。
良い酒を出して来るので、千尋もクイクイと飲んでいく。
普段嗜む程度にしか飲まないロナウドやレオナルドも、千尋に合わせてどんどん飲む。
およそ一時間ほどして戻って来たリゼとレミリア。
そこには完全に出来上がった三人がいた。
エリザは微笑みながらもその様子を見ている。
「あー、酔った…… 千尋君も呑めるねー」
「うん。お酒は美味しいねー」
「うぅぅ。リゼはどこ行ったんじゃー?」
三人ともグッタリしている。
「ちょっとシスル! どうしてこんな事になってるの!?」
レミリアが問い詰める。
「ロナウド様もレオナルド様も楽しそうでしたのでお止めしませんでした」
しれっと言うシスル。
「酒臭っ! どれだけ飲んだのよ千尋!?」
「んん? 美味しいよぉ? リゼも呑む?」
「呑まないわよ! ほらっ、もう部屋に行って寝るわよ! もうお酒はお終い!」
「レオナルドも部屋に行きましょう! もうお酒はダメです! シスルはロナウド様をお願い! ってエリザ様はまだお呑みになるんですか!?」
こうして酒盛りも終了した。
エリザはまだ少し呑み足りないようだが。
翌朝、目覚めた千尋。
昨夜あれだけ呑んだにも拘わらずスッキリとした目覚めだ。この世界で二日酔いになる者はいない。魔力による肉体の回復が早い為だ。
全員で七時には朝食をとり、レオナルドとレミリアは王宮へ、ロナウドは騎士団の訓練所へと向かった。
シスルはロナウドから千尋とリゼを送るよう命じられていた為、竜車をロナウド邸前に回す。
乗り込んで走り出した竜車。
「最初に武器屋に寄ってくれないかしら?」
「かしこまりました」
武器屋に寄ると昨日すぐに剣が売れたという事で店も大儲けできたと言う。
販売価格から二割を差し引いた2億2,400万リラを受け取ってまた竜車へ乗り込む。
行きの竜車とは違い、快適な帰り道。
振動や音はあるものの、気にならなくなっている。
竜車は十四時にはアルテリアに着き、シスルにお礼と挨拶を交わして別れた。
お昼過ぎという事で近くにあった店で食事を済ませ、工房で一休みする事にした。
「なんかすごいお金持ちになったね」
「そうね、役所の口座に預けて来ないと」
「役所に預けられるの?」
「冒険者カードあればそのまま預けられるから今から行く?」
「とりあえず半分ずつ預けて来よー」
「いいの? 半分ずつで」
「パーティーで使えればそれで良いよ」
「わかったわ。預けて来ましょう!」
戸締りして役所へ向かい、1億3,000万ずつ預けて来た。
蒼真とミリーにはその報告をすると金額に驚いていた。
夜、宿屋に戻るとリゼはレイラに揶揄われていたが、それはいつもの事なので気にしない千尋。
またいつもの日常に戻る千尋とリゼだった。
使用人シスルに案内されて客室でロナウドを待つ。
まだ仕事があるのだろうと気長に待つつもりだったのだが二十分程でロナウドが帰って来た。
「リゼはどこじゃ!?」
「ロナウド様落ち着いてください! 客室に千尋様とお待ちですよ」
「千尋も来とるのか!」
遠くからロナウドと使用人の声が聞こえる。
相変わらず元気そうだ。
「ロナウドさん早くね?」
「そうね、まだ仕事の時間なのに」
バァン! と開かれた扉。
ロナルドはリゼを見るなり向かってくる。
「リゼ! 大丈夫か? 怪我はないのか!?」
「ロ、ロナウド様!? 怪我なんてしてませんがどうしたんですか!?」
「おお、そうか。それならいい。魔族に襲われたと聞いてな。心配しとったんじゃ」
「ロナウド様。エドワード様からリゼ様が怪我はないと聞いていたではないですか」
「それでも心配するじゃろう!」
「ロナウドさんは心配性だよね……」
呆れ顔で言う千尋。
「実は魔族がこの王国にも来たんじゃ」
「ええ!?」
「二体だけじゃったがなかなかに強くてな。聖騎士でも勝てんから仕方なく儂が倒したんじゃ」
「魔族をなかなか強いって……」
「レオナルドとレミリアは戦わなかったの?」
「あの二人は王の護衛じゃ。今も王宮にいる」
「街に被害はなかったんですか?」
「騎士の訓練所に現れたからな。街への被害は何もない」
「何が目的なんだろね?」
「わからぬ。魔族など儂も見たのは初めてじゃ」
「私達が知っている事とすれば魔獣の亜種を魔族が作っているという事くらいです」
「ふむ。亜種を魔族がのぉ。伝承によれば魔族の魔力では魔獣は魔石に還らんらしいが」
「亜種は戦争の駒に使うって言ってたよねー」
「戦争? 人間族と魔族の戦争か? 魔族相手では人間などひとたまりもないぞ」
「王国でも騎士の戦力強化を進めないといけませんね」
「せめて聖騎士は魔族を倒せないとねー」
「ふむ…… 儂が鍛えてやるとするか。ところで今日は二人だけか?」
「今日は武器屋にミスリル剣を置いてもらおうと思って来たんです」
「1億リラとか言われて驚いたよねー!」
「魔剣ではないんじゃな?」
「魔剣は誰にでも渡していいものじゃないからね。売り物としては作らないよ!」
「うむ。仮に魔族に渡ってしまっては大変じゃからな」
「…… 千尋の魔石で魔力を溜められるようにはしてありますけど」
「まぁ300くらいなら平気でしょ!」
「なんじゃそれは? 」
「デュランダルには激震を付属させましたよね。あれと同じように魔力を溜められるという能力を付属させたんです」
「簡易的に魔剣を作れるという事か?」
「性能は格段に劣るけどね。魔石の魔力分しか溜められないから300だけだし。オレのエンヴィやインヴィは2,000ガルドだよ。アルテリアの冒険者の装備には魔力量300をエンチャントしてるんだけど、今は500万リラで請け負ってるよ」
「なるほどのぉ。ちょっとエンヴィを貸してくれ」
魔力を流し込んで炎を放つ。
「ふむ。なかなか良いのぉ。デュランダルに比べれば劣るがそれでも相当なものじゃ。これで2,000ガルドと言うたか…… 」
「300も試してみる?」
「うむ。シスル、儂の部屋のを千尋に」
使用人シスルに命じるロナウド。
「はい、お待ちください」
ロナウドの部屋に取りに行くシスル。
「千尋様。これを」
装飾された直剣、これも一級品だろう。
直剣に魔力300の魔石でエンチャントを施し、ロナウドに渡して少し離れる千尋。
ロナウドは魔力を流し込み炎を放つ。
「むぅ…… 確かに溜め込む量は少ないが悪くはないのぉ。騎士達なら丁度良いかもしれん。武器屋にはどんな剣を預けたんじゃ?」
「両手直剣と片手直剣、片刃の片手直剣です」
「ふむ、なるほどの……」
顎に手を当てて考えるロナウド。
「お主ら今日はこの後どうするのじゃ?」
「宿探して一泊したら明日…… 竜車で帰る」
竜車のところから声が窄む千尋。
「では今日はうちに泊まってゆけ。それとちと儂に付き合え。そしたら帰りは送ってやる」
「じゃあリゼ、泊まってこっか?」
「そうね、レミリアにも会っていきたいしそうしましょ!」
宿探しがなくなったのでロナウドに着いて行く事にした。
ロナウドに連れられて行ったのは訓練所。
騎士達の姿はなく、聖騎士が十二人修練していた。
「千尋。此奴らと戦ってみてくれ」
「ええ!? さすがに多いよ!?」
「…… なにも全員同時に戦えとは言っとらん。全力でやってもらえると助かる」
少し呆れるロナウド。
「ロナウド様? 何をお考えですか?」
「全員魔族との戦いで自信を失っとるからのぉ。ちと千尋と戦えば何か見えるかもしれんじゃろ」
「余計に自信を失うのでは!?」
「そこはほれ。これがある」
魔力量300ガルドのエンチャントを施した直剣だ。
「…… なるほど」
苦笑いするリゼだった。
「ダルク! テイラー! バラン! こっちへ来い」
「「「はっ! 」」」
集まる三人。
「聖騎士同士の訓練ではどうしても型にはまったものじゃ。たまには違う相手と戦うのも悪くはあるまい? というわけで千尋と戦ってみよ」
「ロ、ロナウド様? 千尋はロナウド様と互角に戦われたではありませんか。我々では相手になるかどうか……」
「やる前から諦めるな。千尋はお主らには無いものを持っておる。それを見て学べばよい」
「わかりました」
「ではまずはダルクから行け」
他の聖騎士も訓練をやめて観戦することにする。
千尋の戦いから何かを得よとのロナウドからの命令だ。
ダルクは剣を右に構え、魔力を練り剣に炎を纏わせる。
さらに風を体に纏い、普段の蒼真のような魔法だ。
千尋はいつものように無手。
手のひらを軽く開き、左足を前に半身に構える。
ボッ!! という音とともに加速するダルク。
千尋の左脇腹目掛けて切り上げる剣。
千尋は右手で剣を受けると同時に爆破。
弾かれる剣を視線が追う。
瞬間、千尋の左掌底がダルクの腹部に当てられて爆発する。
千尋が魔力を抑えた為威力は低いがダルクの肺からは息が漏れる。
追い討ちを避ける為距離をとるダルク。
歩み寄る千尋は唯々強い。
袈裟斬りを放つも避けられ、横薙ぎに剣を振るうも爆破で剣を弾き飛ばされる。
そして左脇腹を蹴られて転がるダルク。
さらに歩み寄る千尋に恐怖さえ覚え始めたダルクに、ロナウドが剣を渡す。
装飾された直剣。
先程千尋がエンチャントした直剣だ。
「ダルク、諦めるな。まだお主は負けてはおらん」
再び風を纏い、剣から炎を放つと同時に気付く。
剣の性能の違いに。
一瞬で千尋に詰め寄り初撃同様切り上げ、千尋の掌底と打ち合うも弾かれる事はない。
ダルクはさらに剣を振るい、千尋は防御し続ける。
ダルクの猛攻に堪らず距離をとる千尋。
「そこまでじゃ!!」
ロナウドの制止に戦闘をやめる二人。
汗を流し、息を切らすダルク。
千尋も風魔法を使いながらパタパタと手で顔を仰いでいる。
「はぁ…… はぁ…… ロ、ロナウド様…… この剣はいったい!?」
「まぁ待てダルク。次はテイラーの番じゃ。お主は儂の横で観戦せい」
「…… はい」
「テイラー。全力で挑むのじゃ」
「はっ!」
魔力を練って重力操作を発動。
距離を詰めて千尋に剣を振り下ろす。
ズガッ! と右腕のミスリルアーマーで受ける千尋にダメージはない。
直後腹部に千尋の蹴りが入り、吹っ飛ばされるテイラー。
ダルクの時同様に千尋はツカツカと歩み寄る。
千尋の掌底を剣で受けるも爆破とともに弾かれ、弾かれるたびに体制を崩され隙ができる。
いくら抗おうとも全て弾き返され、恐怖に体が震えだす。
テイラーも千尋の掌底を数発食らったところで剣を取り零して地に伏せる。
なんとか起き上がるテイラーに、ロナウドは装飾剣を渡す。
「テイラー。お前もこれで戦え」
千尋に対する恐怖を抑え込み、装飾剣を握り締めて重力操作を発動する。
そして千尋に横薙ぎに切り付ける。
アーマーでガードした千尋だが後ろに数メートル弾かれ、左手を振るっている。
痛みがあるようだ。
千尋は掌を開き爆破でのガードに切り替える。
数発打ち合ったところでロナウドから止められて戦闘をやめる二人。
「ぜぇ…… ぜぇ…… ロナウド様……」
「テイラー。今は何も言うな」
「…… はい」
「次はバランじゃ」
聖騎士にしては華奢な体躯。
鎧やマントも他の聖騎士とは違い、黒の胸当てに真っ赤なコート。
コートには黒の刺繍が入り髪も赤い、真っ赤な聖騎士だ。
剣を抜いて構えるバラン。
魔力を練って体から風を、剣から炎を放つ。
その場で剣を振りかぶって加速。
一瞬で間合いを詰めたバランの袈裟斬りを千尋が左手で爆破。
剣を弾かれると同時に顔に直撃する右の蹴り。
追い討ちを仕掛ける千尋の左掌底を剣で防ぐが弾かれ、腹部に当てられた右掌。
魔力が膨れ上がり火魔法と風魔法の爆破。
腹を抑えて立ち上がるバランに、またもロナウドが剣を渡す。
「ぐぅ…… こ、この剣がなんなんすか!?」
「使え。まともに戦える」
剣を握り、炎を放つ。
(なんだ? 魔力が溜まる? )
右手に持った剣をその場で左に構え、千尋に向かって駆け出す。
再び間合いを詰めたバランは振り抜くと同時に炎を強く放つ。
千尋も掌底で爆破するが、勢いの乗った炎の剣は千尋の手を弾く。
体勢を崩した千尋に追い討ちをかけるバラン。
振りかぶって袈裟斬りを放つも躱され、続けて逆袈裟に切り上げるが左掌底で防がれる。
「充分じゃ、やめい! 」
バランが押し返し始めたところでロナウドが戦いを止める。
「ふぅ。聖騎士も強いね!」
「素手で戦うやつが何を言うか」
「ロナウド様! その剣は!?」
詰め寄るダルク。
テイラーとバランもロナウドの言葉を待つ。
「これは儂のベルージェ。武器屋に千尋とリゼが作った剣がある。これと同等のものじゃ、お主らに良いと思ってな」
「「「本当ですか!? 」」」
「ちょ、ちょっとロナウド様!?」
「待った! 騎士の剣にもその力を付与させれるよ!」
「ぬぅ…… なんじゃせっかく商売に協力してやろうというのに」
ロナルドの剣、ベルージェを見つめる聖騎士達。
「ロナウド様。我々聖騎士の剣はこの騎士の剣でなくても良いのですか!?」
「そんなルールは元からないぞ? 騎士の剣は訓練用じゃと思っておる」
「で、では我々も一級品を腰に挿しても良いのですね!?」
「全然構わんよ?」
「千尋! その力を付与できるというのは本当だな!?」
「うん。すぐできるよ」
「500万リラで請け負っとるらしい」
「安い! 我が家から一級品の武器を持ってくるからそれに頼む!」
ルーファスが勢いよく言って駆け出した。
他にも続いて走っていく聖騎士達。
「オレは武器屋行ってくる!」
「私も武器屋へ行く! 一級品より良いはず!」
「なに!? じゃあオレも武器屋行く!」
ダルク、テイラー、バランは店に走って行った。
「1億リラとか買えないでしょ」
「たぶん大丈夫じゃない?」
「彼奴らは貴族じゃから問題ない」
「まじか!?」
「聖騎士は全員貴族じゃぞ」
「ロナウド様も貴族なの知らなかった?」
「うん! 知らん!」
しばらくすると一人二人と聖騎士が戻ってきた。
誰しもが一級品を嬉しそうに抱えながら戻って来る。
リゼは袋を持って千尋の横に立つ。
千尋がエンチャントを施し、リゼの袋にはお金が入れられる。
全員のエンチャントが終わり、性能を試す聖騎士達。
その威力に驚いているようだ。
全員分が終わるとダルク達も戻ってきた。
「これはリゼが作ったのか!? 良い剣だ。うちにある一級品より全然良い!」
褒められて嬉しかったのかリゼも頬が赤い。
「おい千尋! どうだ? オレに似合うか?」
真っ赤なバランに黒い剣、胸当ても黒いし脛当ても黒。
似合わないわけがない。
「腰にじゃなく背中に背負ってもカッコいいんじゃない?」
「おお! それいいな! そうするわ!」
早速背中に背負って剣を抜こうとするバラン。
抜けずに苦戦していたが、しばらく奮闘してコツを掴んだようだ。
「これも千尋の剣だった。すごく綺麗で驚いたぞ」
スカイブレイドを持つテイラーも満足気だ。
聖騎士の強さなら魔族とも対等に戦えるだろうと判断したのだが、千尋は腑に落ちない表情でロナウドに質問してみる。
「どうして2,000の魔石で頼まなかったの?」
「まだまだ彼奴らは発展途上じゃ。訓練次第ではまだ強くなる。武器に能力がついた事で慢心してしまっても困るからのぉ。今は低めで良い。蒼真もそうしておったじゃろう?」
「あはは。やっぱすげーなロナウドさん。蒼真は制限外したけどねー」
「ふむ。それじゃとリゼも抜かれたんじゃないかのぉ」
「そうかもしれませんね」
「千尋もエンヴィがあるしのぉ。リゼより強ければ良いのぉ」
無言になるリゼだった。
その夜。
レミリア達が戻って来たのは十八時。
リゼと千尋が来ている事を知らなかったのか驚いていた。
国王の護衛をしている以上私事で連絡するわけにもいかないので仕方がない。
夕食後、レミリアの部屋にリゼが行ってしまったのでロナウドとレオナルド、千尋は酒盛りを始めた。
エリザも一緒になってお酒を飲んでいる。
良い酒を出して来るので、千尋もクイクイと飲んでいく。
普段嗜む程度にしか飲まないロナウドやレオナルドも、千尋に合わせてどんどん飲む。
およそ一時間ほどして戻って来たリゼとレミリア。
そこには完全に出来上がった三人がいた。
エリザは微笑みながらもその様子を見ている。
「あー、酔った…… 千尋君も呑めるねー」
「うん。お酒は美味しいねー」
「うぅぅ。リゼはどこ行ったんじゃー?」
三人ともグッタリしている。
「ちょっとシスル! どうしてこんな事になってるの!?」
レミリアが問い詰める。
「ロナウド様もレオナルド様も楽しそうでしたのでお止めしませんでした」
しれっと言うシスル。
「酒臭っ! どれだけ飲んだのよ千尋!?」
「んん? 美味しいよぉ? リゼも呑む?」
「呑まないわよ! ほらっ、もう部屋に行って寝るわよ! もうお酒はお終い!」
「レオナルドも部屋に行きましょう! もうお酒はダメです! シスルはロナウド様をお願い! ってエリザ様はまだお呑みになるんですか!?」
こうして酒盛りも終了した。
エリザはまだ少し呑み足りないようだが。
翌朝、目覚めた千尋。
昨夜あれだけ呑んだにも拘わらずスッキリとした目覚めだ。この世界で二日酔いになる者はいない。魔力による肉体の回復が早い為だ。
全員で七時には朝食をとり、レオナルドとレミリアは王宮へ、ロナウドは騎士団の訓練所へと向かった。
シスルはロナウドから千尋とリゼを送るよう命じられていた為、竜車をロナウド邸前に回す。
乗り込んで走り出した竜車。
「最初に武器屋に寄ってくれないかしら?」
「かしこまりました」
武器屋に寄ると昨日すぐに剣が売れたという事で店も大儲けできたと言う。
販売価格から二割を差し引いた2億2,400万リラを受け取ってまた竜車へ乗り込む。
行きの竜車とは違い、快適な帰り道。
振動や音はあるものの、気にならなくなっている。
竜車は十四時にはアルテリアに着き、シスルにお礼と挨拶を交わして別れた。
お昼過ぎという事で近くにあった店で食事を済ませ、工房で一休みする事にした。
「なんかすごいお金持ちになったね」
「そうね、役所の口座に預けて来ないと」
「役所に預けられるの?」
「冒険者カードあればそのまま預けられるから今から行く?」
「とりあえず半分ずつ預けて来よー」
「いいの? 半分ずつで」
「パーティーで使えればそれで良いよ」
「わかったわ。預けて来ましょう!」
戸締りして役所へ向かい、1億3,000万ずつ預けて来た。
蒼真とミリーにはその報告をすると金額に驚いていた。
夜、宿屋に戻るとリゼはレイラに揶揄われていたが、それはいつもの事なので気にしない千尋。
またいつもの日常に戻る千尋とリゼだった。
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