236 / 257
236 パーティー戦
しおりを挟む
聖銀のエンベルトとランド、黒夜叉のアリスとフィオレのパーティー戦。
エンベルトの体から放電現象が起こり、弓を背負い刺突系の槍を構えたランドは穂先を下げてアリスを見据える。
アリスもランドへと向き直ると、フィオレは弓をつがえてエンベルトへと矢を向ける。
駆け出したアリスとその背後を追従するフィオレ。
迎え討つランドの刺突をアリスの二股に分かれた魔鉄槍で受けつつ、穂先を後方へと向けながらランドへと肉薄する。
挑戦者が何を仕掛けてくるのかと様子見のつもりで軽く迎え討つつもりが、予想に反してアリスは魔鉄槍バーンから爆槍を射出。
ランドの槍を弾き飛ばしつつ右脇下を潜り抜けて、その横でフィオレに視線を向けていたエンベルトへと石突きを打ち込んだ。
想定外のアリスの行動にエンベルトも後方へと体を逸らして回避、態勢を崩されたところへ、アリスの陰から飛び上がったフィオレからのインパクトを乗せた矢が射られた。
黒夜叉の二人を相手に身体能力向上だけで対処できると思っていたエンベルトは磁場を利用した加速の準備を整えておらず、咄嗟に腕を振り上げることで掌と地面の間に雷の盾を作り出した。
一瞬しか発生しない雷盾ではあるが、竜種をも殺せる雷撃をはるかに超える出力となるため、フィオレの矢も一瞬で消し炭になった。
アリスは爆槍の加速力により、エンベルトの前方からすでに通り過ぎているため雷盾を浴びることはない。
しかしエンベルトは雷盾の出力から体内にある全ての魔力を放出しているため、身体能力向上も切れている。
今が好機とばかりにフィオレはステルスを発動すると姿を消したままエンベルトへと接近。
低い姿勢からエンベルトの腹部へと鞘に収めたままのダガーを突き込んだ。
「っ……ぃててて。ああ、ごめんランド。俺の負けだね。この子達すごいよ」
腹部を摩りながら何を突き込まれたのか理解したエンベルトは、自身の敗北を認めて両手をあげた。
攻めに回れば一瞬で決めに来るエンベルトではあるが、同時に受けに回った場合は高出力の魔法を発動してしまうと戦闘能力が一気に低下してしまう。
エンベルトとしては身体能力向上を維持したまま低出力の雷撃で挑むつもりではあったのだが、奇襲前提にパーティー戦に臨んだ黒夜叉がエンベルトの想像を大きく上回ったのだ。
まさかあのタイミングでアリスが向かってくるとは思わなかった。
自分の対応に悔やむ部分はあるとしても、この戦いに臨んだことに後悔はない。
むしろ自身の初の敗北に嬉しささえ覚えているのだ。
笑顔のまま闘技場から降りていく。
最強の一角を落として見せた黒夜叉に、会場内は割れんばかりの歓声があがる。
ただあと一人、聖銀の中では地味な印象を受けるランドだけ。
「まずは一人」
ポツリと呟いたフィオレは最初から勝つつもりでこの戦いに臨んでいる。
二体二の戦いで邪魔になるのは雷魔法を発動するエンベルトであり、早々に排除したいと考えたフィオレは二人で一人を潰すつもりで作戦を立てていたのだ。
これが前衛と後衛に分かれていればまた別の作戦で臨むつもりでいたのだが。
「お前達いいな。楽しくなってきた」
「楽しめるといいわね」
槍を拾い直したランドは再び穂先を下げて構えると、アリスとフィオレの二人を相手に戦いに臨む。
二体一になろうとアリスにもフィオレにも強者を相手にどう戦うべきかと慢心も油断もない。
ランドが動かないのならとアリスが駆け出し、最初と同じようにフィオレが背後に隠れながらランドへと接近。
今度はアリスが右薙ぎから仕掛けると、槍を滑らせるようにして上方へと払い退けつつフィオレの思考を予測する。
左右、または上方から向けられる矢となれば前衛のアリスの動き次第で打つ手も変わる。
右薙ぎを上方に払い退ければ右上か真横のいずれか。
しかし再びステルスで姿を消したフィオレはランドの目には映らない。
森や自然を愛するアーチャーとしての直感から一歩前へ踏み込んでの石突きの振り上げ。
アーチャーであるため自身の感覚のみでの振り上げではあったが、思考が似ている者同士タイミングもほぼ同じ。
インパクトを込められた矢を打ち払い、その威力に後方に弾き飛ばされるも足を滑らせつつ踏み止まる。
そこへバーンを振り上げたアリスの爆槍による加速からの左袈裟が振り下ろされ、体を回転させるようにして回避、体を低くまで下ろしたアリスの腹部へと後ろ回し蹴りが入った。
だがこれで終わる黒夜叉の強襲ではない。
姿の見えないフィオレを足音と風の動きのみで判断し、ランドとの距離から矢をつがえていると想定しての行動をとる。
向けられているのが自身となれば位置さえある程度把握できればタイミングも予測が可能。
弓矢であれば走りながら射るのでは狙いが定まらず、跳躍から射るのがセオリーだ。
歓声で聞き取りづらくともそれすら聞き分けるだけの聴覚を持つランドは、フィオレの歩幅から跳躍する瞬間を狙って槍を回転。
矢を打ち払う音が響くと同時にフィオレに向かって駆け出した。
跳躍のため着地までに接近を許してしまうことになるとしても姿が見えなければ全てを把握することは困難と、ダガーを右手に地を這うようにして右方向へと走り出す。
しかしそれすら聞き分けるランドは足音の重さからフィオレの態勢を把握し、油断を誘うためあえて回り込ませてからの突き込みを槍で払い除ける。
体が浮かされたところへ構え直したランドから穂先を向けられた。
しかしここで蹴りから復帰したアリスが背後から迫り、ランドの突きの直前に炎槍を射出。
このままでは直撃を受けてしまうと、フィオレとは反対方向、槍を引いた後方へとピアーススキル発動することで炎槍を回避。
目の前に躍り出たアリスと向き合うランド。
ピアース後ではあるがスキルの途中キャンセルをする技術があれば硬直することはない。
炎槍後の左薙ぎをバックステップで回避し、突きを繰り出そうと槍を握り直す。
しかし姿を消したままのフィオレの動きに気付いたランドはその場で伏せることで矢を回避。
フィオレでさえ自分のステルスが機能しているのかを疑うほどに、ランドの察知能力は高い。
続くアリスの突きにランドは槍の巻き上げで払い除け、腕が上がったアリスへと一歩踏み込んで槍の柄を叩きつける。
右肩を打ち付けられて地面を転がるアリスだったが、同時にランドも左足への異変を感じて顔を歪める。
フィオレから射られた矢が足の甲へと刺さっていたのだ。
位置やタイミングを察知できたとしても、さすがに攻撃に合わせて矢を射られては避けるのも難しい。
ただ先ほどまでとは違うのは、跳躍の踏み込みを強くしての滞空時間を予測させ、地面での停止状態から矢を射ることでランドに矢を射るタイミングを誤認させたのだ。
ランドからしても相当に厄介なアーチャーである。
足から矢を引き抜いて投げ捨てたランドと、右肩をだらりと下げたアリス。
ステルスの発動限界で姿を現したフィオレ。
ランドは痛みを感じつつも足を地面に踏みつけながら動きを確認。
やや動きづらくはあるが戦えないほどではないと槍を構え直す。
アリスは腹部へのダメージと右肩関節が外れたことで左手一本で挑まなくてはならない。
フィオレはまだまだ戦える状態ではあるが、再使用時間までステルス無しに戦わなくてはならない。
ダメージ量他総合的に考えるとすでに黒夜叉に分が悪いと見ていいだろう。
バーンの中央を握ることで片手で構えたアリスと、弓矢をつがえるフィオレ。
正面から向かえば今のアリスでは簡単に抑えられることになり、フィオレが陰に潜んだところでまとめて薙ぎ払われる可能性もある。
ならば陰に潜まずに攻勢に回る他ない。
足にダメージを負ったランドが向かってくることはないだろうと、アリスとフィオレが身体能力を向上させて駆け出した。
素早さで勝るフィオレが左前方へと跳躍するとランド目掛けて矢を射る。
アリスの攻撃とタイミングが重なるようにと射った矢だが、無策と思える矢にはインパクトが込められていないだろうとアリスの突きを穂先で巻き上げ、同時に矢をも石突き側で弾いた。
しかしその瞬間、ランドの体がインパクトスキルの衝撃を受けて闘技場の端まで体を回転しながら弾き飛ばされた。
予想の裏を掻いたフィオレはそのままランドに向かって加速する。
アリスもフィオレの背後を追い、震えながら立ち上がるランドへと迫る。
態勢を立て直す前に追撃を加えたかったフィオレは再び跳躍しながら矢を射るも、普段の穏やかな表情から一変したランドは裂帛の気合いと共に矢を薙ぎ払って駆け出した。
フィオレが着地すると同時に接近したランドの左逆袈裟からの切り払いをダガーで受け、軽い衝撃の直後に石突き側で左腕でのガードごと側頭部を殴打。
腰の回転を加えられた一撃はフィオレの体を容易に弾き飛ばした。
フィオレがいたすぐ後ろまで迫るアリスへと向き直ったランド。
左後方へと穂先を向けた状態からの左の薙ぎ払いに対し、アリスは防壁を蹴って跳躍するとランドの背後へと着地。
振り向きざまに低い姿勢からの左薙ぎと、ランドの振り返りざまの逆風の切り上げがぶつかり合い、腕力で勝るランドの槍によりアリスの体ごと宙に打ち上げられた。
だがこれで諦めるアリスではなく、爆槍を射出してランドへバーンを振り下ろし、その加速力に受け止めた槍ごと体を弾木飛ばす。
互いに間合いの外へと距離が開いたものの、ランドは最後に見せてやるかとばかりに体を右後方へと引き絞ってピアーススキルを発動。
その突き刺すことに特化したはずのスキルが大気を突き破って衝撃波を生み出し、アリスの体を場外へと弾き飛ばした。
エンベルトの体から放電現象が起こり、弓を背負い刺突系の槍を構えたランドは穂先を下げてアリスを見据える。
アリスもランドへと向き直ると、フィオレは弓をつがえてエンベルトへと矢を向ける。
駆け出したアリスとその背後を追従するフィオレ。
迎え討つランドの刺突をアリスの二股に分かれた魔鉄槍で受けつつ、穂先を後方へと向けながらランドへと肉薄する。
挑戦者が何を仕掛けてくるのかと様子見のつもりで軽く迎え討つつもりが、予想に反してアリスは魔鉄槍バーンから爆槍を射出。
ランドの槍を弾き飛ばしつつ右脇下を潜り抜けて、その横でフィオレに視線を向けていたエンベルトへと石突きを打ち込んだ。
想定外のアリスの行動にエンベルトも後方へと体を逸らして回避、態勢を崩されたところへ、アリスの陰から飛び上がったフィオレからのインパクトを乗せた矢が射られた。
黒夜叉の二人を相手に身体能力向上だけで対処できると思っていたエンベルトは磁場を利用した加速の準備を整えておらず、咄嗟に腕を振り上げることで掌と地面の間に雷の盾を作り出した。
一瞬しか発生しない雷盾ではあるが、竜種をも殺せる雷撃をはるかに超える出力となるため、フィオレの矢も一瞬で消し炭になった。
アリスは爆槍の加速力により、エンベルトの前方からすでに通り過ぎているため雷盾を浴びることはない。
しかしエンベルトは雷盾の出力から体内にある全ての魔力を放出しているため、身体能力向上も切れている。
今が好機とばかりにフィオレはステルスを発動すると姿を消したままエンベルトへと接近。
低い姿勢からエンベルトの腹部へと鞘に収めたままのダガーを突き込んだ。
「っ……ぃててて。ああ、ごめんランド。俺の負けだね。この子達すごいよ」
腹部を摩りながら何を突き込まれたのか理解したエンベルトは、自身の敗北を認めて両手をあげた。
攻めに回れば一瞬で決めに来るエンベルトではあるが、同時に受けに回った場合は高出力の魔法を発動してしまうと戦闘能力が一気に低下してしまう。
エンベルトとしては身体能力向上を維持したまま低出力の雷撃で挑むつもりではあったのだが、奇襲前提にパーティー戦に臨んだ黒夜叉がエンベルトの想像を大きく上回ったのだ。
まさかあのタイミングでアリスが向かってくるとは思わなかった。
自分の対応に悔やむ部分はあるとしても、この戦いに臨んだことに後悔はない。
むしろ自身の初の敗北に嬉しささえ覚えているのだ。
笑顔のまま闘技場から降りていく。
最強の一角を落として見せた黒夜叉に、会場内は割れんばかりの歓声があがる。
ただあと一人、聖銀の中では地味な印象を受けるランドだけ。
「まずは一人」
ポツリと呟いたフィオレは最初から勝つつもりでこの戦いに臨んでいる。
二体二の戦いで邪魔になるのは雷魔法を発動するエンベルトであり、早々に排除したいと考えたフィオレは二人で一人を潰すつもりで作戦を立てていたのだ。
これが前衛と後衛に分かれていればまた別の作戦で臨むつもりでいたのだが。
「お前達いいな。楽しくなってきた」
「楽しめるといいわね」
槍を拾い直したランドは再び穂先を下げて構えると、アリスとフィオレの二人を相手に戦いに臨む。
二体一になろうとアリスにもフィオレにも強者を相手にどう戦うべきかと慢心も油断もない。
ランドが動かないのならとアリスが駆け出し、最初と同じようにフィオレが背後に隠れながらランドへと接近。
今度はアリスが右薙ぎから仕掛けると、槍を滑らせるようにして上方へと払い退けつつフィオレの思考を予測する。
左右、または上方から向けられる矢となれば前衛のアリスの動き次第で打つ手も変わる。
右薙ぎを上方に払い退ければ右上か真横のいずれか。
しかし再びステルスで姿を消したフィオレはランドの目には映らない。
森や自然を愛するアーチャーとしての直感から一歩前へ踏み込んでの石突きの振り上げ。
アーチャーであるため自身の感覚のみでの振り上げではあったが、思考が似ている者同士タイミングもほぼ同じ。
インパクトを込められた矢を打ち払い、その威力に後方に弾き飛ばされるも足を滑らせつつ踏み止まる。
そこへバーンを振り上げたアリスの爆槍による加速からの左袈裟が振り下ろされ、体を回転させるようにして回避、体を低くまで下ろしたアリスの腹部へと後ろ回し蹴りが入った。
だがこれで終わる黒夜叉の強襲ではない。
姿の見えないフィオレを足音と風の動きのみで判断し、ランドとの距離から矢をつがえていると想定しての行動をとる。
向けられているのが自身となれば位置さえある程度把握できればタイミングも予測が可能。
弓矢であれば走りながら射るのでは狙いが定まらず、跳躍から射るのがセオリーだ。
歓声で聞き取りづらくともそれすら聞き分けるだけの聴覚を持つランドは、フィオレの歩幅から跳躍する瞬間を狙って槍を回転。
矢を打ち払う音が響くと同時にフィオレに向かって駆け出した。
跳躍のため着地までに接近を許してしまうことになるとしても姿が見えなければ全てを把握することは困難と、ダガーを右手に地を這うようにして右方向へと走り出す。
しかしそれすら聞き分けるランドは足音の重さからフィオレの態勢を把握し、油断を誘うためあえて回り込ませてからの突き込みを槍で払い除ける。
体が浮かされたところへ構え直したランドから穂先を向けられた。
しかしここで蹴りから復帰したアリスが背後から迫り、ランドの突きの直前に炎槍を射出。
このままでは直撃を受けてしまうと、フィオレとは反対方向、槍を引いた後方へとピアーススキル発動することで炎槍を回避。
目の前に躍り出たアリスと向き合うランド。
ピアース後ではあるがスキルの途中キャンセルをする技術があれば硬直することはない。
炎槍後の左薙ぎをバックステップで回避し、突きを繰り出そうと槍を握り直す。
しかし姿を消したままのフィオレの動きに気付いたランドはその場で伏せることで矢を回避。
フィオレでさえ自分のステルスが機能しているのかを疑うほどに、ランドの察知能力は高い。
続くアリスの突きにランドは槍の巻き上げで払い除け、腕が上がったアリスへと一歩踏み込んで槍の柄を叩きつける。
右肩を打ち付けられて地面を転がるアリスだったが、同時にランドも左足への異変を感じて顔を歪める。
フィオレから射られた矢が足の甲へと刺さっていたのだ。
位置やタイミングを察知できたとしても、さすがに攻撃に合わせて矢を射られては避けるのも難しい。
ただ先ほどまでとは違うのは、跳躍の踏み込みを強くしての滞空時間を予測させ、地面での停止状態から矢を射ることでランドに矢を射るタイミングを誤認させたのだ。
ランドからしても相当に厄介なアーチャーである。
足から矢を引き抜いて投げ捨てたランドと、右肩をだらりと下げたアリス。
ステルスの発動限界で姿を現したフィオレ。
ランドは痛みを感じつつも足を地面に踏みつけながら動きを確認。
やや動きづらくはあるが戦えないほどではないと槍を構え直す。
アリスは腹部へのダメージと右肩関節が外れたことで左手一本で挑まなくてはならない。
フィオレはまだまだ戦える状態ではあるが、再使用時間までステルス無しに戦わなくてはならない。
ダメージ量他総合的に考えるとすでに黒夜叉に分が悪いと見ていいだろう。
バーンの中央を握ることで片手で構えたアリスと、弓矢をつがえるフィオレ。
正面から向かえば今のアリスでは簡単に抑えられることになり、フィオレが陰に潜んだところでまとめて薙ぎ払われる可能性もある。
ならば陰に潜まずに攻勢に回る他ない。
足にダメージを負ったランドが向かってくることはないだろうと、アリスとフィオレが身体能力を向上させて駆け出した。
素早さで勝るフィオレが左前方へと跳躍するとランド目掛けて矢を射る。
アリスの攻撃とタイミングが重なるようにと射った矢だが、無策と思える矢にはインパクトが込められていないだろうとアリスの突きを穂先で巻き上げ、同時に矢をも石突き側で弾いた。
しかしその瞬間、ランドの体がインパクトスキルの衝撃を受けて闘技場の端まで体を回転しながら弾き飛ばされた。
予想の裏を掻いたフィオレはそのままランドに向かって加速する。
アリスもフィオレの背後を追い、震えながら立ち上がるランドへと迫る。
態勢を立て直す前に追撃を加えたかったフィオレは再び跳躍しながら矢を射るも、普段の穏やかな表情から一変したランドは裂帛の気合いと共に矢を薙ぎ払って駆け出した。
フィオレが着地すると同時に接近したランドの左逆袈裟からの切り払いをダガーで受け、軽い衝撃の直後に石突き側で左腕でのガードごと側頭部を殴打。
腰の回転を加えられた一撃はフィオレの体を容易に弾き飛ばした。
フィオレがいたすぐ後ろまで迫るアリスへと向き直ったランド。
左後方へと穂先を向けた状態からの左の薙ぎ払いに対し、アリスは防壁を蹴って跳躍するとランドの背後へと着地。
振り向きざまに低い姿勢からの左薙ぎと、ランドの振り返りざまの逆風の切り上げがぶつかり合い、腕力で勝るランドの槍によりアリスの体ごと宙に打ち上げられた。
だがこれで諦めるアリスではなく、爆槍を射出してランドへバーンを振り下ろし、その加速力に受け止めた槍ごと体を弾木飛ばす。
互いに間合いの外へと距離が開いたものの、ランドは最後に見せてやるかとばかりに体を右後方へと引き絞ってピアーススキルを発動。
その突き刺すことに特化したはずのスキルが大気を突き破って衝撃波を生み出し、アリスの体を場外へと弾き飛ばした。
0
お気に入りに追加
1,778
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
種から始める生産チート~なんでも実る世界樹を手に入れたけど、ホントに何でも実ったんですが!?(旧題:世界樹の王)
十一屋 翠
ファンタジー
とある冒険で大怪我を負った冒険者セイルは、パーティ引退を強制されてしまう。
そんな彼に残されたのは、ダンジョンで見つけたたった一つの木の実だけ。
だがこれこそが、ありとあらゆるものを生み出す世界樹の種だったのだ。
世界樹から現れた幼き聖霊はセイルを自らの主と認めると、この世のあらゆるものを実らせ、彼に様々な恩恵を与えるのだった。
お腹が空けばお肉を実らせ、生活の為にと家具を生み、更に敵が襲ってきたら大量の仲間まで!?
これは世界樹に愛された男が、文字通り全てを手に入れる幸せな物語。
この作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる