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189 復帰
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フィオレが駆け出した事に気付いた竜種は再び押し戻すべく先程と同じ方向へと泳ぎ出し、水流を操って波を錬成する。
やはり水を操っての移動は視界の悪いフィオレの走力を上回り、元いた広場まで戻るよりも早く回り込まれてしまう事になるだろう。
壁伝いに跳躍を交えながら走り進んでいたフィオレにも水が一気に引けていくのが見えてはいるが、底を走っていては戻って来た波に飲み込まれてしまう事からやはり壁伝いに走るしかない。
おそらくは水が回って来たとしても行きよりも戻りの方が水嵩も浅くなる事から選択としては正しいはずだ。
これがもし追われる事になっていれば水流に巻き込まれていたかもしれないが、それと同時にパーティーの元へと復帰できたかもしれないと考えればどちらがいいとも言い切れないのだが。
しかし回り込もうとするなら同じように防ごうとするジェラルドが危険であり、ここから叫んだところで水流の音にかき消されて声が届く事はないだろう。
パーティーをまとめるマリオには、何故フィオレが波に巻き込まれる事になったかを考えて指示を出してもらうしかない。
完璧ではないにしろ、普段からマリオの指示は的確である事から信じて走り進むのみ。
◇◆◇
再び水流が来た事を示す轟音が洞窟内に鳴り響き、水辺に近い洞穴付近まで来ていたアリス。
他のパーティーメンバーは竜種の襲来に備えて後方で待機していた。
「また水流が来る!出口に走れ!」
アリスは黄竜装備の出力を上げて出口に向かって走り出す。
魔力値の高いアリスであれば他のメンバーよりも身体能力の上昇量が多い事から波が流れ着くまでには出口までは間に合う。
これがジェラルドやレナータであれば間に合わない可能性が高かったものの、前もって後方に下がっていた事でこの窮地を脱する事ができた。
しかし洞窟奥にいるフィオレが心配であり、今すぐにでも駆け出したい気持ちをぐっと堪えて竜種が通り過ぎるのを待つ。
波は出口にも流れ込んでくる為油断していたところで流されかけるも、ジェラルドのプロテクションによりある程度の水流は抑えられた為外に放り出される事はなかった。
そして目の前を通り過ぎて行くのは巨大な竜種であり、洞窟内にわずかに見えていた明かりすらも容易に隠してしまう程の巨体、そしてこれまで見た事もないほどの長さ。
ソーニャの言う上位竜よりも大きいというのも頷けるだけの体長を持っていた。
「波は引いたがどうする。このままじゃ奴を倒す事はできないぞ」
「まずはフィオレが戻るのが先だ。今のでまた奥に流されてなきゃいいけどな」
どんな状況にあろうとも臨機応変に対応できるのがフィオレだ。
あの波に巻き込まれて尚も生き残り、暗闇の中にあろうと竜種と戦えるだけの実力を備えたフィオレであれば今のこの波にもうまく対処できる事を信じて待つしかない。
そんな中で再びインパクトと思われる衝撃音が鳴り響き、水流による轟音に交じって竜種の叫び声が聞こえてくる。
竜種が襲い掛かったところをフィオレが迎撃したであろう事がうかがえる。
◇◆◇
竜種の水魔法により水面が一気に流れていく中で、壁面に掴まりながら出口に向かって跳躍を繰り返していたフィオレ。
アリスのものと思われた炎の灯りが消えると遠くから聞こえる波の音以外に情報を得られるものはないが、光源がなくとも水が流れてくる音からでも竜種が向かって来るタイミングは見計らえる。
しかし竜種に対応するにはある程度自分の体を固定しなければまた水中へと飛び込み、波にさらわれてしまう事になる為、迎え討つ準備をする必要がある。
音の反響から出口付近を通過した事を判断したフィオレは、こちらの位置が捕捉されているのならば関係ないだろうとサリューム仕込みの矢に衝撃を与えて明かりとし、天井付近の突起を探して持っていたロープを括り付けて水面に落ちない程度に短めに腹部に巻いておく。
これだけではぶら下がってしまうだけになる為、そこから少し出口側にあった岩の突起に足を掛け、逆さまになる形で竜種に備える。
流れてきた水流に続いてサリュームの光の灯る竜種が勢いよく泳いでこちらへと向かって来る。
間違いなくこちらを捕捉しているはずであり、距離を見計らって襲い掛かる瞬間を狙いその時を待つ。
しかし戦い慣れない竜種といえどもさすがに学習はする。
フィオレ目掛けて襲い掛かると同時に、口内から複数の水弾を吐き出した。
竜種の水弾ともなれば相当な威力がありそうなものだが、おそらくはこの洞窟をできるだけ破壊しないよう加減されたものだ。
致命傷となるような威力はないものの、この逆さにぶら下がった体勢では撃ち落とされることは必至。
サリュームの光を反射した水弾に気付いたフィオレは急遽竜種ではなく岩の天井部分へと矢を放ち、岩でできた天井をインパクトによって破壊、水弾もろとも竜種を岩で下敷きにしようと強行手段に出る。
これはさすがに自分自身にも崩れた岩が当たる可能性もあった為、できる事なら避けたい手ではあったがこの際仕方がない。
崩れた岩が降り注ぎ、流れに身を任せて泳ぐ竜種も叩き付けられる岩壁の重さに頭が沈み込む形で体ごと崩れた岩壁の中へと突き刺さっていく。
同時に竜種に降り注ぐ岩が土石流のように押し流され、矢を射るとすぐに飛び降りたフィオレは飛んでくる岩の破片で体に傷を負いつつも、後方に括り付けたロープによって振り子の原理でまた天井の岩へとしがみ付く。
天井から崩れ落ちる岩が収まり、下方には崩れた岩が沈み込んだ影響か、流れてくる水が波のように撥ね上げられているのがわかる。
おそらくは竜種もこの岩に埋められてすぐに抜け出す事はできないはず。
今が好機とばかりにロープを切ったフィオレは再びサリューム仕込みの矢に衝撃を与えて出口を目指す。
◇◆◇
波が引いて洞窟内の広場へと出て来たオリオンパーティー。
フィオレが戻るにはまだ時間は掛かるかもしれないが、ここでただじっと待っているわけにはいかない。
再びアリスがこちらの方向を示そうと左方向にある洞穴へと近付くと、奥の方でサリュームの放つ光が右へ左へと動いているのが見えた。
同時に激しく暴れ回るような水飛沫の音も聞こえてくるが、岩に埋まった竜種が抜け出そうともがいている事を知るのはフィオレのみ。
「フィオレ!こっちよ!」
洞穴の奥へと叫ぶアリスは手に火球を作り出して居場所を知らせると、サリュームの光が上下に振られている事からフィオレもこちらの灯りが見えているのだろう。
声を返さないのは音から自分の位置を把握させないようにするのが目的か。
岩を跳ね除けたであろう轟音と竜種の叫び声が洞窟内に鳴り響く。
アリスがフィオレの存在に気付いて声をあげた事で竜種に備えて待機していたマリオ達も駆け寄って来る。
「フィオレは……あれか。こっち側にも明かりがあった方が早く戻れるよな。ソーニャ、危険だが頼めるか?」
「わかった。じゃあアリスはあの辺に火球で明るさ確保してくれる?ジェラルドは私を向こう側に投げて」
「踏み台にならいつでもなるが」
「うん、それは後でね。今は緊急時だから」
「よし、任せろ」
この位置から洞穴の壁面までは水面が広がっている事から泳いで渡るには時間がかかり過ぎる。
距離にしておよそ百数十歩程はあるとすればソーニャの跳躍力をもってしても届かないかもしれない為、ここはジェラルドの力を借りて飛距離を稼ぐつもりのようだ。
エアレイドがあればソーニャの跳躍だけでも届くとは思うが、もしもの時の為にもスキルは温存しておきたい。
アリスは少し離れた洞穴の右壁へと火球を当てて光源を確保し、地形がある程度わかったところでソーニャは助走をつけて水辺に近い位置で待機するジェラルドに向かって跳躍。
掌を足場にしてジェラルドの遠投とソーニャの跳躍とでこの距離を一気に飛ぶと、勢いのまま岩壁へと着地しつつ、痺れる足に我慢しながら一つ目のサリュームを残して反対側の壁面へと跳躍。
フィオレよりも高い跳躍力によりこの洞穴の中でも軽々と移動できるソーニャは、サリュームを仕込みつつフィオレの元へと迫る。
フィオレの場合は狭い場所でない限りは少し高い位置に登ってからでなければ反対側の壁面までは跳躍できない為、戻るのにも少し時間が掛かっている。
洞穴に五つのサリュームを仕込んだ事である程度は光源が確保され、無事フィオレの元へと到達したソーニャ。
「フィオレ、体は大丈夫!?」
「怪我はいっぱいあるけどまだ平気。もう竜種も脱け出しそうだから早く戻ろ」
「じゃあフィオレが飛んだら私が支えるから迷わず飛んでね」
「ありがと。助かるよ」
ソーニャの跳躍力はフィオレもよく知るところであり、訓練ついでに時々走り込みもしている為、ソーニャが支えると言えばフィオレも迷わず飛ぶ事ができる。
フィオレが反対側の壁へと跳躍し、すぐ後ろから跳躍したソーニャが引くだけでこれまで落ちていた高さを維持したまま軽々と飛び進む事ができた。
あっという間に洞穴の出口まで辿り着き、ここからはソーニャのエアレイドでどれだけ飛距離を稼げるかが鍵となる。
「いっくよー!」と掛け声をあげてフィオレと一緒に跳躍したソーニャ。
エアレイドの加速力が加わったとはいえ、さすがに二人での跳躍では百歩以上もの距離を飛ぶ事はできない。
高度が落ち始めたところでフィオレの腹部に巻いていたロープの反対側、バッグに長めに入っている方を放り投げ、水辺まで届いたロープを掴んだジェラルドとマリオが引っ張って二人を回収。
ようやくフィオレは仲間の元へと戻って来る事ができた。
やはり水を操っての移動は視界の悪いフィオレの走力を上回り、元いた広場まで戻るよりも早く回り込まれてしまう事になるだろう。
壁伝いに跳躍を交えながら走り進んでいたフィオレにも水が一気に引けていくのが見えてはいるが、底を走っていては戻って来た波に飲み込まれてしまう事からやはり壁伝いに走るしかない。
おそらくは水が回って来たとしても行きよりも戻りの方が水嵩も浅くなる事から選択としては正しいはずだ。
これがもし追われる事になっていれば水流に巻き込まれていたかもしれないが、それと同時にパーティーの元へと復帰できたかもしれないと考えればどちらがいいとも言い切れないのだが。
しかし回り込もうとするなら同じように防ごうとするジェラルドが危険であり、ここから叫んだところで水流の音にかき消されて声が届く事はないだろう。
パーティーをまとめるマリオには、何故フィオレが波に巻き込まれる事になったかを考えて指示を出してもらうしかない。
完璧ではないにしろ、普段からマリオの指示は的確である事から信じて走り進むのみ。
◇◆◇
再び水流が来た事を示す轟音が洞窟内に鳴り響き、水辺に近い洞穴付近まで来ていたアリス。
他のパーティーメンバーは竜種の襲来に備えて後方で待機していた。
「また水流が来る!出口に走れ!」
アリスは黄竜装備の出力を上げて出口に向かって走り出す。
魔力値の高いアリスであれば他のメンバーよりも身体能力の上昇量が多い事から波が流れ着くまでには出口までは間に合う。
これがジェラルドやレナータであれば間に合わない可能性が高かったものの、前もって後方に下がっていた事でこの窮地を脱する事ができた。
しかし洞窟奥にいるフィオレが心配であり、今すぐにでも駆け出したい気持ちをぐっと堪えて竜種が通り過ぎるのを待つ。
波は出口にも流れ込んでくる為油断していたところで流されかけるも、ジェラルドのプロテクションによりある程度の水流は抑えられた為外に放り出される事はなかった。
そして目の前を通り過ぎて行くのは巨大な竜種であり、洞窟内にわずかに見えていた明かりすらも容易に隠してしまう程の巨体、そしてこれまで見た事もないほどの長さ。
ソーニャの言う上位竜よりも大きいというのも頷けるだけの体長を持っていた。
「波は引いたがどうする。このままじゃ奴を倒す事はできないぞ」
「まずはフィオレが戻るのが先だ。今のでまた奥に流されてなきゃいいけどな」
どんな状況にあろうとも臨機応変に対応できるのがフィオレだ。
あの波に巻き込まれて尚も生き残り、暗闇の中にあろうと竜種と戦えるだけの実力を備えたフィオレであれば今のこの波にもうまく対処できる事を信じて待つしかない。
そんな中で再びインパクトと思われる衝撃音が鳴り響き、水流による轟音に交じって竜種の叫び声が聞こえてくる。
竜種が襲い掛かったところをフィオレが迎撃したであろう事がうかがえる。
◇◆◇
竜種の水魔法により水面が一気に流れていく中で、壁面に掴まりながら出口に向かって跳躍を繰り返していたフィオレ。
アリスのものと思われた炎の灯りが消えると遠くから聞こえる波の音以外に情報を得られるものはないが、光源がなくとも水が流れてくる音からでも竜種が向かって来るタイミングは見計らえる。
しかし竜種に対応するにはある程度自分の体を固定しなければまた水中へと飛び込み、波にさらわれてしまう事になる為、迎え討つ準備をする必要がある。
音の反響から出口付近を通過した事を判断したフィオレは、こちらの位置が捕捉されているのならば関係ないだろうとサリューム仕込みの矢に衝撃を与えて明かりとし、天井付近の突起を探して持っていたロープを括り付けて水面に落ちない程度に短めに腹部に巻いておく。
これだけではぶら下がってしまうだけになる為、そこから少し出口側にあった岩の突起に足を掛け、逆さまになる形で竜種に備える。
流れてきた水流に続いてサリュームの光の灯る竜種が勢いよく泳いでこちらへと向かって来る。
間違いなくこちらを捕捉しているはずであり、距離を見計らって襲い掛かる瞬間を狙いその時を待つ。
しかし戦い慣れない竜種といえどもさすがに学習はする。
フィオレ目掛けて襲い掛かると同時に、口内から複数の水弾を吐き出した。
竜種の水弾ともなれば相当な威力がありそうなものだが、おそらくはこの洞窟をできるだけ破壊しないよう加減されたものだ。
致命傷となるような威力はないものの、この逆さにぶら下がった体勢では撃ち落とされることは必至。
サリュームの光を反射した水弾に気付いたフィオレは急遽竜種ではなく岩の天井部分へと矢を放ち、岩でできた天井をインパクトによって破壊、水弾もろとも竜種を岩で下敷きにしようと強行手段に出る。
これはさすがに自分自身にも崩れた岩が当たる可能性もあった為、できる事なら避けたい手ではあったがこの際仕方がない。
崩れた岩が降り注ぎ、流れに身を任せて泳ぐ竜種も叩き付けられる岩壁の重さに頭が沈み込む形で体ごと崩れた岩壁の中へと突き刺さっていく。
同時に竜種に降り注ぐ岩が土石流のように押し流され、矢を射るとすぐに飛び降りたフィオレは飛んでくる岩の破片で体に傷を負いつつも、後方に括り付けたロープによって振り子の原理でまた天井の岩へとしがみ付く。
天井から崩れ落ちる岩が収まり、下方には崩れた岩が沈み込んだ影響か、流れてくる水が波のように撥ね上げられているのがわかる。
おそらくは竜種もこの岩に埋められてすぐに抜け出す事はできないはず。
今が好機とばかりにロープを切ったフィオレは再びサリューム仕込みの矢に衝撃を与えて出口を目指す。
◇◆◇
波が引いて洞窟内の広場へと出て来たオリオンパーティー。
フィオレが戻るにはまだ時間は掛かるかもしれないが、ここでただじっと待っているわけにはいかない。
再びアリスがこちらの方向を示そうと左方向にある洞穴へと近付くと、奥の方でサリュームの放つ光が右へ左へと動いているのが見えた。
同時に激しく暴れ回るような水飛沫の音も聞こえてくるが、岩に埋まった竜種が抜け出そうともがいている事を知るのはフィオレのみ。
「フィオレ!こっちよ!」
洞穴の奥へと叫ぶアリスは手に火球を作り出して居場所を知らせると、サリュームの光が上下に振られている事からフィオレもこちらの灯りが見えているのだろう。
声を返さないのは音から自分の位置を把握させないようにするのが目的か。
岩を跳ね除けたであろう轟音と竜種の叫び声が洞窟内に鳴り響く。
アリスがフィオレの存在に気付いて声をあげた事で竜種に備えて待機していたマリオ達も駆け寄って来る。
「フィオレは……あれか。こっち側にも明かりがあった方が早く戻れるよな。ソーニャ、危険だが頼めるか?」
「わかった。じゃあアリスはあの辺に火球で明るさ確保してくれる?ジェラルドは私を向こう側に投げて」
「踏み台にならいつでもなるが」
「うん、それは後でね。今は緊急時だから」
「よし、任せろ」
この位置から洞穴の壁面までは水面が広がっている事から泳いで渡るには時間がかかり過ぎる。
距離にしておよそ百数十歩程はあるとすればソーニャの跳躍力をもってしても届かないかもしれない為、ここはジェラルドの力を借りて飛距離を稼ぐつもりのようだ。
エアレイドがあればソーニャの跳躍だけでも届くとは思うが、もしもの時の為にもスキルは温存しておきたい。
アリスは少し離れた洞穴の右壁へと火球を当てて光源を確保し、地形がある程度わかったところでソーニャは助走をつけて水辺に近い位置で待機するジェラルドに向かって跳躍。
掌を足場にしてジェラルドの遠投とソーニャの跳躍とでこの距離を一気に飛ぶと、勢いのまま岩壁へと着地しつつ、痺れる足に我慢しながら一つ目のサリュームを残して反対側の壁面へと跳躍。
フィオレよりも高い跳躍力によりこの洞穴の中でも軽々と移動できるソーニャは、サリュームを仕込みつつフィオレの元へと迫る。
フィオレの場合は狭い場所でない限りは少し高い位置に登ってからでなければ反対側の壁面までは跳躍できない為、戻るのにも少し時間が掛かっている。
洞穴に五つのサリュームを仕込んだ事である程度は光源が確保され、無事フィオレの元へと到達したソーニャ。
「フィオレ、体は大丈夫!?」
「怪我はいっぱいあるけどまだ平気。もう竜種も脱け出しそうだから早く戻ろ」
「じゃあフィオレが飛んだら私が支えるから迷わず飛んでね」
「ありがと。助かるよ」
ソーニャの跳躍力はフィオレもよく知るところであり、訓練ついでに時々走り込みもしている為、ソーニャが支えると言えばフィオレも迷わず飛ぶ事ができる。
フィオレが反対側の壁へと跳躍し、すぐ後ろから跳躍したソーニャが引くだけでこれまで落ちていた高さを維持したまま軽々と飛び進む事ができた。
あっという間に洞穴の出口まで辿り着き、ここからはソーニャのエアレイドでどれだけ飛距離を稼げるかが鍵となる。
「いっくよー!」と掛け声をあげてフィオレと一緒に跳躍したソーニャ。
エアレイドの加速力が加わったとはいえ、さすがに二人での跳躍では百歩以上もの距離を飛ぶ事はできない。
高度が落ち始めたところでフィオレの腹部に巻いていたロープの反対側、バッグに長めに入っている方を放り投げ、水辺まで届いたロープを掴んだジェラルドとマリオが引っ張って二人を回収。
ようやくフィオレは仲間の元へと戻って来る事ができた。
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