追放シーフの成り上がり

白銀六花

文字の大きさ
上 下
189 / 257

189 復帰

しおりを挟む
 フィオレが駆け出した事に気付いた竜種は再び押し戻すべく先程と同じ方向へと泳ぎ出し、水流を操って波を錬成する。
 やはり水を操っての移動は視界の悪いフィオレの走力を上回り、元いた広場まで戻るよりも早く回り込まれてしまう事になるだろう。
 壁伝いに跳躍を交えながら走り進んでいたフィオレにも水が一気に引けていくのが見えてはいるが、底を走っていては戻って来た波に飲み込まれてしまう事からやはり壁伝いに走るしかない。
 おそらくは水が回って来たとしても行きよりも戻りの方が水嵩も浅くなる事から選択としては正しいはずだ。
 これがもし追われる事になっていれば水流に巻き込まれていたかもしれないが、それと同時にパーティーの元へと復帰できたかもしれないと考えればどちらがいいとも言い切れないのだが。
 しかし回り込もうとするなら同じように防ごうとするジェラルドが危険であり、ここから叫んだところで水流の音にかき消されて声が届く事はないだろう。
 パーティーをまとめるマリオには、何故フィオレが波に巻き込まれる事になったかを考えて指示を出してもらうしかない。
 完璧ではないにしろ、普段からマリオの指示は的確である事から信じて走り進むのみ。



 ◇◆◇



 再び水流が来た事を示す轟音が洞窟内に鳴り響き、水辺に近い洞穴付近まで来ていたアリス。
 他のパーティーメンバーは竜種の襲来に備えて後方で待機していた。

「また水流が来る!出口に走れ!」

 アリスは黄竜装備の出力を上げて出口に向かって走り出す。
 魔力値の高いアリスであれば他のメンバーよりも身体能力の上昇量が多い事から波が流れ着くまでには出口までは間に合う。
 これがジェラルドやレナータであれば間に合わない可能性が高かったものの、前もって後方に下がっていた事でこの窮地を脱する事ができた。

 しかし洞窟奥にいるフィオレが心配であり、今すぐにでも駆け出したい気持ちをぐっと堪えて竜種が通り過ぎるのを待つ。
 波は出口にも流れ込んでくる為油断していたところで流されかけるも、ジェラルドのプロテクションによりある程度の水流は抑えられた為外に放り出される事はなかった。
 そして目の前を通り過ぎて行くのは巨大な竜種であり、洞窟内にわずかに見えていた明かりすらも容易に隠してしまう程の巨体、そしてこれまで見た事もないほどの長さ。
 ソーニャの言う上位竜よりも大きいというのも頷けるだけの体長を持っていた。

「波は引いたがどうする。このままじゃ奴を倒す事はできないぞ」

「まずはフィオレが戻るのが先だ。今のでまた奥に流されてなきゃいいけどな」

 どんな状況にあろうとも臨機応変に対応できるのがフィオレだ。
 あの波に巻き込まれて尚も生き残り、暗闇の中にあろうと竜種と戦えるだけの実力を備えたフィオレであれば今のこの波にもうまく対処できる事を信じて待つしかない。

 そんな中で再びインパクトと思われる衝撃音が鳴り響き、水流による轟音に交じって竜種の叫び声が聞こえてくる。
 竜種が襲い掛かったところをフィオレが迎撃したであろう事がうかがえる。



 ◇◆◇



 竜種の水魔法により水面が一気に流れていく中で、壁面に掴まりながら出口に向かって跳躍を繰り返していたフィオレ。
 アリスのものと思われた炎の灯りが消えると遠くから聞こえる波の音以外に情報を得られるものはないが、光源がなくとも水が流れてくる音からでも竜種が向かって来るタイミングは見計らえる。
 しかし竜種に対応するにはある程度自分の体を固定しなければまた水中へと飛び込み、波にさらわれてしまう事になる為、迎え討つ準備をする必要がある。
 音の反響から出口付近を通過した事を判断したフィオレは、こちらの位置が捕捉されているのならば関係ないだろうとサリューム仕込みの矢に衝撃を与えて明かりとし、天井付近の突起を探して持っていたロープを括り付けて水面に落ちない程度に短めに腹部に巻いておく。
 これだけではぶら下がってしまうだけになる為、そこから少し出口側にあった岩の突起に足を掛け、逆さまになる形で竜種に備える。

 流れてきた水流に続いてサリュームの光の灯る竜種が勢いよく泳いでこちらへと向かって来る。
 間違いなくこちらを捕捉しているはずであり、距離を見計らって襲い掛かる瞬間を狙いその時を待つ。

 しかし戦い慣れない竜種といえどもさすがに学習はする。
 フィオレ目掛けて襲い掛かると同時に、口内から複数の水弾を吐き出した。
 竜種の水弾ともなれば相当な威力がありそうなものだが、おそらくはこの洞窟をできるだけ破壊しないよう加減されたものだ。
 致命傷となるような威力はないものの、この逆さにぶら下がった体勢では撃ち落とされることは必至。
 サリュームの光を反射した水弾に気付いたフィオレは急遽竜種ではなく岩の天井部分へと矢を放ち、岩でできた天井をインパクトによって破壊、水弾もろとも竜種を岩で下敷きにしようと強行手段に出る。
 これはさすがに自分自身にも崩れた岩が当たる可能性もあった為、できる事なら避けたい手ではあったがこの際仕方がない。
 崩れた岩が降り注ぎ、流れに身を任せて泳ぐ竜種も叩き付けられる岩壁の重さに頭が沈み込む形で体ごと崩れた岩壁の中へと突き刺さっていく。
 同時に竜種に降り注ぐ岩が土石流のように押し流され、矢を射るとすぐに飛び降りたフィオレは飛んでくる岩の破片で体に傷を負いつつも、後方に括り付けたロープによって振り子の原理でまた天井の岩へとしがみ付く。

 天井から崩れ落ちる岩が収まり、下方には崩れた岩が沈み込んだ影響か、流れてくる水が波のように撥ね上げられているのがわかる。
 おそらくは竜種もこの岩に埋められてすぐに抜け出す事はできないはず。
 今が好機とばかりにロープを切ったフィオレは再びサリューム仕込みの矢に衝撃を与えて出口を目指す。



 ◇◆◇



 波が引いて洞窟内の広場へと出て来たオリオンパーティー。
 フィオレが戻るにはまだ時間は掛かるかもしれないが、ここでただじっと待っているわけにはいかない。
 再びアリスがこちらの方向を示そうと左方向にある洞穴へと近付くと、奥の方でサリュームの放つ光が右へ左へと動いているのが見えた。
 同時に激しく暴れ回るような水飛沫の音も聞こえてくるが、岩に埋まった竜種が抜け出そうともがいている事を知るのはフィオレのみ。

「フィオレ!こっちよ!」

 洞穴の奥へと叫ぶアリスは手に火球を作り出して居場所を知らせると、サリュームの光が上下に振られている事からフィオレもこちらの灯りが見えているのだろう。
 声を返さないのは音から自分の位置を把握させないようにするのが目的か。
 岩を跳ね除けたであろう轟音と竜種の叫び声が洞窟内に鳴り響く。

 アリスがフィオレの存在に気付いて声をあげた事で竜種に備えて待機していたマリオ達も駆け寄って来る。

「フィオレは……あれか。こっち側にも明かりがあった方が早く戻れるよな。ソーニャ、危険だが頼めるか?」

「わかった。じゃあアリスはあの辺に火球で明るさ確保してくれる?ジェラルドは私を向こう側に投げて」

「踏み台にならいつでもなるが」

「うん、それは後でね。今は緊急時だから」

「よし、任せろ」

 この位置から洞穴の壁面までは水面が広がっている事から泳いで渡るには時間がかかり過ぎる。
 距離にしておよそ百数十歩程はあるとすればソーニャの跳躍力をもってしても届かないかもしれない為、ここはジェラルドの力を借りて飛距離を稼ぐつもりのようだ。
 エアレイドがあればソーニャの跳躍だけでも届くとは思うが、もしもの時の為にもスキルは温存しておきたい。

 アリスは少し離れた洞穴の右壁へと火球を当てて光源を確保し、地形がある程度わかったところでソーニャは助走をつけて水辺に近い位置で待機するジェラルドに向かって跳躍。
 掌を足場にしてジェラルドの遠投とソーニャの跳躍とでこの距離を一気に飛ぶと、勢いのまま岩壁へと着地しつつ、痺れる足に我慢しながら一つ目のサリュームを残して反対側の壁面へと跳躍。
 フィオレよりも高い跳躍力によりこの洞穴の中でも軽々と移動できるソーニャは、サリュームを仕込みつつフィオレの元へと迫る。
 フィオレの場合は狭い場所でない限りは少し高い位置に登ってからでなければ反対側の壁面までは跳躍できない為、戻るのにも少し時間が掛かっている。

 洞穴に五つのサリュームを仕込んだ事である程度は光源が確保され、無事フィオレの元へと到達したソーニャ。

「フィオレ、体は大丈夫!?」

「怪我はいっぱいあるけどまだ平気。もう竜種も脱け出しそうだから早く戻ろ」

「じゃあフィオレが飛んだら私が支えるから迷わず飛んでね」

「ありがと。助かるよ」

 ソーニャの跳躍力はフィオレもよく知るところであり、訓練ついでに時々走り込みもしている為、ソーニャが支えると言えばフィオレも迷わず飛ぶ事ができる。
 フィオレが反対側の壁へと跳躍し、すぐ後ろから跳躍したソーニャが引くだけでこれまで落ちていた高さを維持したまま軽々と飛び進む事ができた。

 あっという間に洞穴の出口まで辿り着き、ここからはソーニャのエアレイドでどれだけ飛距離を稼げるかが鍵となる。
「いっくよー!」と掛け声をあげてフィオレと一緒に跳躍したソーニャ。
 エアレイドの加速力が加わったとはいえ、さすがに二人での跳躍では百歩以上もの距離を飛ぶ事はできない。
 高度が落ち始めたところでフィオレの腹部に巻いていたロープの反対側、バッグに長めに入っている方を放り投げ、水辺まで届いたロープを掴んだジェラルドとマリオが引っ張って二人を回収。
 ようやくフィオレは仲間の元へと戻って来る事ができた。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった

さくらはい
ファンタジー
 主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ―― 【不定期更新】 1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。 性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。 良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...